着替えろヴィラン!!魔法少女なんてどうだ?   作:運命決定

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ジーニスト強すぎるので弱体化させてます

ヒーロー活動中なのでコードネームでちゃんと書いていたのですが、心の声の地の文とはいえベストジーニストベストジーニスト言いまくるの違和感あったら言ってください


さすがの俺もアレは着たくない

 

あっという間に死穢八斎會突入当日。

 

 

警察官が門の前へ立つ。

 

「これより突入します!」

 

先頭の警察官がインターホンへ指をを掛けた瞬間だった。門が内側から勢いよく吹き飛び、巨大な扉がこちらへ飛来する。

 

土煙の中から大柄な男が姿を現す。資料で見た活瓶力也だ。

 

「なんなんですかァ?」

 

そう言うと地面を蹴り、警察隊へ一直線に突っ込んできた。振り下ろされた拳を真正面から受け止めたのはリューキュウ。竜へと変身した巨大な身体で活瓶を押し返し、そのまま組み合う。

 

「ここは私たちリューキュウ事務所が対処します!」

 

「ドラゴンだろうが関係ねぇ!」

 

「ドレスコード!」

 

ベストジーニストに呼ばれ、俺はすぐ活瓶へ警察の拘束具を着せ全身を完全に固定させた。許可は降りている。

 

「なっ!?」

 

活瓶は慌てて引きちぎろうとするがリューキュウが押さえ込んだ。

 

「今よ!」

 

サーナイトアイは短く「頼んだ!」とだけ答える。ウラビティやフロッピーたちを残し、俺たちはそのまま死穢八斎會本部へ駆け込んだ。何十数人もの構成員が飛び出してくる。彼らは怒号と共に個性を発動させながら一斉に突撃してきた。

 

「おらぁ!」

「なんの用やぁ!」

「侵入者や!」

「止めろぉ!」

 

しかも奥からまだ増えてくる。サーナイトアイは即座に判断した。

 

「突破する!」

 

「いけるか、ドレスコード」

 

「できます」

 

ベストジーニストの呼び掛けに俺は一歩前へ出て指をならす。

 

パチン

 

スーツが一斉に光に包まれた次の瞬間、視界に広がる構成員全員の服装が一斉に変わった。

 

色とりどりの魔法少女衣装に。

 

「「「・・・・え?」」」

 

一人が袖を見て、もう一人がスカートを押さえる。

 

「な、なんだこれ!」

「俺の服が!」

「ふざけんな!」

 

「今だ!」

 

ルミリオンが敵集団へ飛び込む。拳を一人二人三人と叩き込んでいき構成員たちが次々倒れる。

 

デクも「フルカウル!」と続き、蹴りで一人を壁へ叩き付け、その反動でさらに次の相手へ。

 

俺も足元をヒールへ履き替える。床を鳴らながら正面から殴り掛かってきた構成員の拳をかわし、腹へ前蹴り。そのまま回し蹴りを顎へ叩き込み、気絶させる。

 

ベストジーニストの繊維が庭を走る。服が乱れ、混乱している構成員ほど拘束は容易だった。

 

「整っていない衣服ほど隙が生まれる。」

 

繊維が十人近くをまとめて縛り上げる。警察官たちも一斉に飛び込み、拘束していく。

 

わずか数十秒でさっきまで庭を埋め尽くしていた構成員は全員床へ転がっていた。ルミリオンが笑う。

 

「ドレスコードと一緒だと楽だね!」

 

俺はヒールを元の靴へ戻す。

 

「まだ終わってないですよ」

 

ヒーローたちが叩きふせ、突っ込み、攻撃を受け止め、そのまま奥へ突き進んでいく。

 

「庭を突破された!」

「立ち止まるな!」

「前進しろ!」

「時間を与えるな!」

 

ヒーローと警察は構成員を押し返しながら、そのまま屋敷の中へ突入した。

 

怒号が屋敷中へ響く。拳銃を構えた男が廊下の角から飛び出すとベストジーニストの指先がわずかに動いた。男のジャケットから無数の繊維が引き出されその腕へ巻き付き、引き金を引こうとした腕が天井へ跳ね上がった。弾丸は誰にも当たらず柱へめり込み繊維が身体ごと締め上げる。

 

「確保」

 

警察官が駆け寄り、そのまま手錠を掛けた。別の部屋から大柄な男が飛び出し鉄パイプを振り上げ一直線に突っ込んでくるも、ファットガムが真正面から受け止め豪快な一撃で男を吹き飛ばす。

 

「そんなもん効かへんわ!」

 

「前進!」

 

サーナイトアイの号令と共に少しずつ奥へ進む。正直、本気の大人数同士の乱闘なんて初めてだったから少し落ち着く時間が欲しい。横を見ると烈怒頼雄斗もデクもいっぱいいっぱいな表情だ……

 

 

 

廊下はやがて掛軸のかかった隠し扉へ。

 

仕掛けを解くとそこには地下へ続く大きな階段がある。構成員が飛び出してくるもバブルガールとセンチピートが即対応。これがプロの速度か。

 

俺たちは階段を降り始める。意外と明るい地下通路が奥まで続いていた。サンイーターとルミリオンは会話をしている。サンイーターを鼓舞していたらしい。

 

「警戒しろ」

 

サーナイトアイが短く告げるも足元がわずかに揺れる。通路の壁がゆっくりと動き始める。床がせり上がり壁がうねる。一本道だった通路が、生き物のように形を変え始めた。

 

「入中の個性だ!」

 

みんな体勢を維持できない。今まであった道が塞がっていく。俺は反射的にジーニストの後ろへ回る。サーナイトアイが指示を飛ばした。

 

「ルミリオン! 先行しろ!」

 

「はい!」

 

壁へ沈むように通形先輩の姿が消える。透過なら、この迷路も最短で突破できる。それが唯一の希望だった。

 

「くっ・・・!」

「完全に分断する気か・・・!」

「落ち着け!」

 

警察たちが散り散りになり始めた頃、前方の人らが床の下へ消える。

 

「離れるな、ドレスコード!」

 

「はい!」

 

俺も咄嗟に壁へ手をつき、転倒を免れる。

 

揺れが収まると、前方にいたサーナイトアイたちの姿は消えていた。残っているのはベストジーニストと十数名の警察官だけ。

 

「完全に分断されたか」

 

ベストジーニストは冷静に周囲を見回す。すると通路の奥から軽い拍手が聞こえた。暗闇から2人のヴィランが姿を現す。

 

「便利だなぁこの地下。クソだな!」

 

「あっ。衣替くん!久しぶり!」

 

俺は目を見開いた。トガヒミコとトゥワイスか。ヴィラン連合の関与は報告されていたが本当に居るとは……。二人は俺を見るなり、ぱっと笑顔になる。トゥワイスがこちらへ手を振った。

 

「よう坊主!林間合宿以来だな!いや会ってねぇ!」

 

「林間合宿以来だな、2人とも」

 

「おう。誘拐された時は悪かった!俺は悪くねぇ!」

 

一人で勝手に会話を終わらせる。相変わらずだ。

 

「今日はヤクザさんのお手伝い。ここを通すわけにはいかないんです」

 

「足止めだぜ!アニキお願いしまっす!」

 

そう叫ぶと、トゥワイスの手から泥が溢れ、乱波肩動のコピーが姿を現す。

 

「乱波は私が引き受けよう」

 

ベストジーニストが前へ出る。警察隊もジーニストの援護へ回った。その間にトガヒミコが俺へ飛び込んでくる。

 

「衣替くん!強くなったって聞いたよ!」

 

ナイフが何度も閃く。俺は指を鳴らし、足元を軍靴へ着替えさせ踏み込みが深くなる。トガの斬撃をかわしながら前蹴りを放つが、紙一重で避けられる。

 

「蹴りも覚えたんだよね!」

 

なぜ知ってるんだ……。トガは楽しそうに笑い、さらに距離を詰めてきた。速いな、これは自己流か?まともに追えば振り回される。

 

俺は一歩引き、相手が飛び込んでくる瞬間だけを狙った。ナイフが胸元を狙って伸びるもその腕を払い、体勢が流れたところへ回し蹴りを叩き込んだ。軍靴の踵が脇腹を捉える。

 

「きゃっ!」

 

トガの身体は壁へ叩き付けられ━━━そのまま泥となって崩れ落ちた。

 

「・・・泥?」

 

思わず目を見開く。コピーか!そう理解した瞬間、背中に冷たい気配が走る。

 

「すごいねぇ」

 

耳元で声がした。振り向く暇はない俺は反射的に指を鳴らす。

 

パチン

 

俺の和装コートの上に薄い鎧が一瞬で重なった。金属音が響き、背中を狙ったナイフは鎧に弾かれる。

 

「えっ、防いだ!?」

 

今度こそ本物のトガヒミコが驚いた顔で俺から飛び退く。俺も距離を取りながら振り返る。

 

「最初からコピーを前に出していたのか」

 

「うん!ちゃんと引っかかってくれるかなって思って!」

 

トガはナイフをくるりと回しながら笑った。

 

その横では乱波のコピーが警察官たちへ拳を浴びせ続けていた。

 

「殴り合おう!」

 

連打は本物そのものだ。警察官が一人吹き飛ばされる。だがベストジーニストは慌てなかった。

 

「焦る必要はない」

 

繊維が乱波の腕へ巻き付く。乱波は力任せに引き千切るが、その一瞬だけ動きが止まった。

 

「今です!」

 

警察官二人が脚へ体当たりする。体勢が崩れたところへ繊維が一気に全身へ絡み付いた。

 

「コピーは耐久力が低い」

 

乱波は拘束を振りほどこうと全身へ力を込める。だが警察官の警棒が腹へ命中し、乱波の身体が揺らぎ、泥となって崩れ落ちる。

 

「やっぱ脆ぇなコピーは!ヤクザよわ!!」

 

トゥワイスがショックを受けている。ベストジーニストはすぐ俺の隣へ並ぶ。

 

「ドレスコード、援護する」

 

「お願いします」

 

トガは二人になった俺たちを見て少しだけ肩をすくめた。

 

「一対二かぁ。それはずるいです」

 

「ヴィランが言うことではない」

 

ベストジーニストが静かに返す。俺はトガの足元をチラリと見る。ローファーか、もっと動きにくい靴なら。

 

パチン

 

光が走る。

 

黒のタイトなロングドレス

深いスリットが入り肩を大胆に出したイブニングドレス

腕には黒いロンググローブ

耳元にはシルバーのイヤリング

そして足元には艶のある黒い12センチヒールのピンヒール

 

まるで高級ホテルのパーティーへ向かうモデルのような装い。トガは目をぱちぱちさせた。

 

「・・・え、なにこれ」

 

一歩踏み出した瞬間「きゃっ」と慣れない高いヒールで身体がぐらつき慌てて壁へ手をつく。

 

「歩けない!!これ可愛いけど戦えないです!」

 

「その靴で飛び回るのは無理だよトガ」

 

「見事なコーディネートだ、ドレスコード。高いヒールは脚を美しく見せる反面、戦闘には向かない」

 

ベストジーニストに褒められて嬉しい。俺はヒールでも戦えるがトガの戦い方では無理だろう。必死にバランスを取りながらナイフを構えている。

 

「衣替くんそういうセンスあるんだね!嬉しいけど今じゃない!」

 

一歩踏み込もうとして再びふらつく。トゥワイスは状況を見て顔をしかめた。

 

「やべぇ!トガちゃんのピンチ!」

 

泥が再び溢れる。現れた人影を見た瞬間、警察官たちの表情が変わった。荼毘か!この閉所じゃマズい……ベストジーニストがわずかに眉を寄せる。

 

「炎系か」

 

荼毘のコピーは何も言わず右手を前へ向けると青い炎が一気に膨れ上がった。

 

「伏せろ!」

 

警察官たちが身を伏せる。通路いっぱいに青い炎が広がり、視界が完全に白く染まる。熱風が吹き抜ける中俺は咄嗟に指を鳴らし、自分と近くの警察官へ耐火性の高い防火服を着せる。

 

炎が収まる頃には、通路にトゥワイスとトガの姿はもうなかった。

 

「逃げ足だけは速いな」

 

ベストジーニストはなおも通路の先を見つめる。泥になった乱波コピーと、ゆっくり崩れ始める荼毘コピーだけがその場に残っていた。

 

「追いたいところだが・・・壊理君の救出が優先だ」

 

俺は静かに頷く。ベストジーニストと警察隊は再び隊列を整え、治崎の待つさらに地下深くへ向かって走り出した。

 

 

 

 

地下のさらに奥から鈍い衝撃音が何度も響いてくる。壁がわずかに震える。

 

「・・・戦ってますね」

 

「ルミリオンだろう」

 

警察官の一人が前へ出て「すぐ応援へ向かいます!」と駆け出そうとするもベストジーニストは片手を上げて制した。

 

「いや。この人数で狭い地下通路を進めば隊列は伸びる。戦闘中のルミリオンにとっても足かせになるだけだ」

 

「ですが・・・」

 

「皆さんには別の役目があります。逃走経路の確保、負傷者の保護、そして後続部隊の誘導をお願いしたい」

 

警察官たちは互いに顔を見合わせ、やがて大きく頷いた。

 

「ここは我々が確保します」

 

「頼む。」

 

「もし構成員が来たら無理に追わないように。時間を稼いでもらえれば十分だ」

 

「任せろ」

 

年長の警察官が答えた。その言葉を聞いたジーニストが俺を見る。

 

「ドレスコード。ここから先は我々だけで向かう」

 

「はい」

 

俺は指を軽く鳴らし、走りやすい軽量のランニングシューズへ履き替える。ベストジーニストもデニムを翻し、地下の奥へ視線を向けた。

 

「ルミリオンなら必ず持ちこたえている。だが、一秒でも早く合流しなければならない」

 

「行きましょう」

 

俺たちは警察隊をその場へ残し、衝撃音が響く通路へ向かって全力で駆け出した。

 

 

 

 

走り続けると倒れてる男。戦闘はついさっきまでここで行われていたらしい。

 

「急ぐぞ」

 

ベストジーニストが駆け出し俺も後に続く。さらに奥では子供の泣き声がはっきり聞こえた。

 

「いや・・・!」

 

壊理ちゃんだ。ベストジーニストが一気に速度を上げると広い空間へ飛び込んだ。そこには、壊理ちゃんを背に庇うルミリオンと正面には治崎。さらに少し離れた位置に、倒れた玄野。

 

「若!」

 

壁にいた音本が叫ぶ。ルミリオンは壊理ちゃんを守るため、一歩も引かない。

 

音本は銃の照準を合わせる。ベストジーニストの瞳が鋭く細まる。あと十数メートル。あの銃弾はまさか、個性破壊弾!ルミリオンには透過があるが壊理ちゃんを庇っている!!治崎が視線だけを向ける。

 

「音本撃て!」

 

「ドレスコード!」

 

「分かってます!」

 

パチン

 

ルミリオンのコスチュームに防弾チョッキが胸部へ重なるように着せ替わる。

 

パシッと乾いた音。個性破壊弾は防弾プレートへ当たり、そのまま床へ弾かれた。

 

「・・・!」

 

音本の目が見開かれる。ルミリオンも一瞬だけ胸元を見るが、すぐに理解した。

 

「助かった!」

 

笑みを浮かべたまま治崎へ踏み込む。拳が治崎の頬を捉え、治崎が大きくよろめいた。

 

「音本ォ!」

 

「申し訳ありません!」

 

音本は慌てて次弾を装填しようとする。だが、その腕へ無数の繊維が絡み付いた。

 

「その銃はもう使わせない」

 

ベストジーニストが動きを止める。腕を振りほどこうとするも繊維は締め付けを強める一方だ。

 

「ぐっ・・・!」

 

拳銃が床へ落ちる。俺は迷わず個性を発動し音本に拘束具を着せた。

 

「何だこれは!」

 

「終わりだ」

 

音本はその場へ倒れ込んだ。一方、ルミリオンは壊理ちゃんを守りながら治崎との距離を詰め続ける。治崎は初めて俺へ視線を向けた。

 

「・・・お前・・・・余計なことをしたなぁ!!」

 

治崎が距離を取る。息は乱れていた。服には土埃が付着し、ルミリオンに殴られた頬は赤く腫れ始めていた。その様子を見ていたベストジーニストが小さく呟く。

 

「・・・なるほど」

 

俺も同じことに気付いていた。あいつは傷よりも、汚れを気にしている。服に付いた埃を無意識に払っている。やっぱり潔癖症なのは間違いないだろう。だったら━━━━━思い浮かぶのは切島。

 

 

『部屋の隅に汗だくのトレーニングウェアまだ置きっぱなしだろ。洗え。』

 

『あとで洗うって!』

 

 

結局その日は洗わせたが、切島のことだ。絶対また忘れてると思い、朝寮を出る前に迎えに行くのを装い部屋の隅を確認しておいた。

 

 

その時突如、壁を突き破ってデクとサーナイトアイが飛び出してきた。二人はルミリオンの姿を見るなり目を見開いた。

 

「ミリオ!個性は・・・!」

 

「大丈夫!弾は防いでもらいました!」

 

ルミリオンは親指を立てる。サーナイトアイは床へ転がる個性破壊弾、防弾チョッキ、そして俺を順に見て一瞬で状況を理解した。

 

「・・・そうか。未来が・・・・・・」

 

短く頷く。説明はいらなかった。治崎はその様子を見て舌打ちする。

 

「計画が・・・!壊理を返せ!」

 

初めて治崎の表情へ焦りが浮かぶ。その声には余裕がなかった。

 

「俺の方が強いです!壊理ちゃんを頼みます!」

 

「せんぱ・・・ルミリオン!僕も加勢します!」

 

ルミリオンは透過、デクはフルカウルで跳び、ベストジーニストは繊維で身体を引く。俺とサーナイトアイは壊理ちゃんを抱えて壁際へ。治崎は岩の槍を乱射するように地面を変形させながら俺だけを狙っていた。

 

「返せぇぇ!!」

 

「お前の相手は俺だ!」

 

拳が顔に叩き込まれる。治崎は迎撃しても当たらない。その隙へ緑谷が横から蹴り込む。

 

俺は治崎を見据えた。やるか。相手の嫌がる服を着せることが…俺の役目だ。

 

「弱点がわかっているなら迷わず突く」

 

「何を・・・!」

 

パチン

 

治崎の服が変わった。汗をたっぷり吸い込み、何日も放置された切島のトレーニングウェアに。あとマスクも取り上げた。

 

治崎の鼻がぴくりと動いた。

 

「な、なんだこれは」

 

「クラスメイトの洗ってないトレーニングウェア」

 

こういうのはきっちり説明してあげたほうがダメージはデカい。

 

「汗と雑菌まみれ。」

 

治崎の瞳孔が開き……絶叫した。

 

「グゥォォォォォォォォォ!!脱ぐ!!!!脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ脱ぐ!!!!!!!!!!!!」

 

両手で服を引き剥がそうとするが、させない。

 

ガシャン

 

警察の拘束具※1が両腕を固定した。更にベストジーニストが手をどこにも触れられないよう繊維で拘束。

 

「脱げない!!脱げないィィィィィ!!!!!!ヴォアアァァ!!!」

 

治崎が絶叫しながら暴れてる。跳ねるわ身を捩るわで吐瀉物も撒き散らした。最初のイメージとギャップがありすぎている。

 

「外せ!!!早く外せ!!!!臭い!!!!!酸っぱさもある!!!!!!触れてる!!!!!!!肌にィ!!!!!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「さすがに俺でも嫌だけど、ここまで?」

 

「衣替くん容赦なさすぎる・・・!」

 

ルミリオン、デク、見てる場合じゃないだろう。そう思っていたら横でサーナイトアイが小さく咳払いした。

 

「・・・ミリオ、今だ。」

 

「はい!」

 

ルミリオンの拳が容赦なく治崎へ突き刺さった。治崎は拘束されながら暴れ続ける。

 

「外せ!!!!!外せ外せ外せ!!!こんなものを着せるな!!!!!!」

 

汗だくのトレーニングウェアを指先だけで摘まもうとする。しかし思うように腕が動かない。

 

「なんだこの地獄は!!!!!!!」

 

「洗濯は大事だということだな」

 

「黙れェェェェェェ!!!!!!」

 

容赦なくルミリオン拳が頬へ突き刺さる。正面から横から背後から、鈍い音を立てながら治崎を殴り、止まらない。

 

「こっちもだ!」

 

背中へ拳。常人を超えたパワーの緑谷も加わった。油断なく意識を狩り取りに行く。

 

「ぐっ!」

 

「もう一発!」

 

「がはっ・・・やめろ・・・擦れる・・・最悪だ・・・」

 

二人は迷わない。

 

「誰か・・・洗濯機・・・いや新品・・・新品を持ってこい・・・まず脱がせろォォォ!!!!!

 

「ご、ごめん!」

 

「でも今は!」

 

「本当にごめん!」

 

謝りながら拳は止めない。

 

最後の一撃が、治崎の顎を捉えた。大きく吹き飛ばされた治崎は床を転がり、意識を失った。サーナイトアイが静かに息を吐く。

 

「確保。」

 

その一言で、死穢八斎會突入は終結した。

 

 

 

 

 

※1
原作で護送されてる時手につけられてたもの





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