着替えろヴィラン!!魔法少女なんてどうだ?   作:運命決定

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手の拘束具確認したら指は出てませんでしたね
すみません
壊理ちゃんとの繋がりを作るための話なので短めです



そのまま連れていかれてしまった

 

治崎は警察官四人に両腕を押さえつけられながら、護送車の方へ引きずられていた。

 

「やめろ!近寄るなァァァ!!」

 

全身に赤い蕁麻疹が浮かび、汗だくのトレーニングウェアは泥でさらに悲惨な状態になっている。

 

「汚い!!!臭い!!!!脱がせろ!!!!こんな服を着せるなァ!!!!」

 

暴れようにも、両手首には俺が着せた警察用拘束具がしっかりとはめられている。警察官たちは半ば呆れたように引きずっていった。

 

「暴れるな」

「大人しくしろ」

「臭うな・・・」

 

「触るなァァァ!!」

 

その絶叫を背に、護送車の扉が閉まる。ガシャンと重い音が響き、車はゆっくりと発進した。死穢八斎會の若頭、治崎廻はそのまま警察へと連行されていった。

 

その様子を少し離れた場所から見つめていた壊理ちゃんは小さく肩を震わせる。ナイトアイは壊理ちゃんの目線までしゃがみ込み、穏やかな声で話しかけた。

 

「もう大丈夫だ。彼はもう君に触れられない」

 

壊理ちゃんは恐る恐る護送車を見送り、小さく頷いた。

 

「・・・うん」

 

その返事を聞いたナイトアイもようやく表情を緩めた。周囲では救急隊員が慌ただしく動き回っている。担架が次々と運ばれ、負傷したヒーローたちが救急車へ搬送されていく。

 

切島も乱波との激戦で全身傷だらけだった。胴や顔には包帯が巻かれていて、担架へ横になり救急車へ乗せられていく。その横ではファットガムが大きく息を吐いていた。乱波や天蓋との激戦で蓄えていた脂肪はほとんど使い切り、細身で筋肉質な体格になっている。

 

「はぁ~・・・。久しぶりにここまで痩せたわ」

 

コスチュームはボロボロで、頬はすっきりしていた。救急隊員が駆け寄る。

 

「ファットガムさんも診察を」

 

「せやなぁ。あとめっちゃ飯食わなあかん」

 

そう笑って救急車へ向かう。リューキュウ事務所の面々は活力を吸い取られたらしいが、外傷はあまりない。みんな無事だ。現場は慌ただしくも収束へ向かっていた。

 

そんな中、ナイトアイは俺に声を掛けてきた。

 

「ドレスコード、君の働きは見事だった。君がいなければ救えなかった命がいくつもあっただろう」

 

「俺一人の力じゃありませんよ。みんながいたからです」

 

「・・・・・この状況は、全員で掴み取った未来だと?」

 

「そうですね」

 

「・・・あぁ、そうだな。その通りだ」

 

そう言ってナイトアイは去ってしまった。まだ何かを自分の中で整理している様子で。ジーニストさんは横で満足そうに頷く。

 

「その考えを忘れないことだ」

 

「はい」

 

 

その少し先では、緑谷が壊理ちゃんへゆっくり歩み寄っていた。緑谷が壊理ちゃんの前でしゃがみ込む。

 

「これからは安心して。もう誰も君を傷つけない」

 

壊理ちゃんは小さく頷いた。その隣でルミリオンも優しく笑う。壊理ちゃんは二人の顔を交互に見つめるが、まだ表情は硬い。それでも、もう怯えた目ではなかった。

 

「お邪魔してもいいですか?」

 

「衣替くん?」

 

「ドレスコード!」

 

俺は壊理ちゃんの目線までしゃがみ込むと、にこりと笑った。

 

「改めて自己紹介。ヒーローの卵、ドレスコードだよ。衣替でもいいよ」

 

壊理ちゃんは少しだけ首を傾げた。

 

「どれすこーど?」

 

「うん、服を着替えさせるヒーロー。さっきも悪いヤツにちょっと嫌がる服を着てもらった」

 

その言い方がおかしかったのか、通形先輩が思わず吹き出す。緑谷も苦笑してる。

 

「間違ってはないけど・・・」

 

壊理ちゃんもほんの少しだけ口元を緩めた。その様子を見て俺も安心したように微笑む。そこへ相澤先生が近づいてくる。

 

「壊理ちゃん、これから君は病院へ行く。怪我だけじゃなく、今まで無理をさせられてきた身体や心も診てもらう。しばらく入院して様子を見ることになる」

 

壊理は不安そうに緑谷と通形先輩を見る。

 

「・・・一人?」

 

「一人じゃないよ!みんないる」

 

「俺もお見舞いに行くよ!」

 

「うん・・・」

 

俺は壊理の今の患者服を見る。長く着続けたせいで少しくたびれ、ところどころ擦り切れている。

 

「病院へ行く前に」

 

俺は指を鳴らした。患者服は優しいアイボリーのニットカーディガンへ変わり、その下には淡い水色の膝丈ワンピース。白いタイツに、水色のストラップシューズ。長い水色の髪には、小さな星形のヘアピンがそっと添えられていた。派手さはないが、温かく清潔感があり、「優しい家族が選んでくれた普段着」のような雰囲気を選んだ。

 

「あったかい・・・」

 

「退院したら、その時はもっとおしゃれな服を用意するよ」

 

通形先輩は親指を立てて笑った。

 

「さすがドレスコード!すっごく似合ってるよ壊理ちゃん!」

 

「・・・・・ありがとう」

 

緑谷と通形先輩は自然と笑みを浮かべる。救急隊員がストレッチャーを押しながら声を掛けた。

 

「壊理ちゃん、病院へ向かおうか」

 

壊理ちゃんは一度だけこちらを振り返り、小さく手を振る。

 

「またね」

 

「うん!」

 

「またね!」

 

見送られながら、壊理ちゃんは穏やかな表情で病院へ向かう救急車へ乗り込んだ。

 

「相澤先生・・・壊理ちゃんの角、写真で見た時より大きくなってますね」

 

「何?こんな短期間で・・・調べてもらう必要があるな」

 

相澤先生が改めてこちらに向き直る。

 

「緑谷、衣替。大事な時に居てやれなくてすまなかったな。だがお前らは壊理ちゃんを助けるという目的を達成した。よくやったな」

 

「ありがとうございます!」

 

緑谷と衣替は同時に頭を下げる。横で通形先輩が大きく伸びをした。

 

「終わったぁ。いやー、疲れた!」

 

「終わりましたね・・・あ。」

 

忘れていた。切島にあのことを伝えなくては。切島が乗せられた救急車へ俺は小走りで近寄った。

 

「切島」

 

「お?」

 

「報告がある。お前の汗だくトレーニングウェアが治崎を倒した」

 

「・・・・・は?」

 

「治崎が潔癖症だから着せたら大混乱になった。その隙に通形先輩と緑谷で倒した」

 

「え。は?」

 

切島は口を開けたまま固まる。俺は申し訳なさそうに頭をかいた。

 

「あと、治崎に着せたまま護送されたから返却できるか分からない」

 

切島はさらに十秒ほど黙り込んだ。救急隊員が「行きますよ」とドアを閉める。

 

 

 

ごめん、切島。

 

 

 

 

 

 

 




原作通り襲撃された護送車

死柄木「俺はお前が嫌いだ(なんだこいつ臭……)」
コンプレス「俺も。(こいつ臭うな……)」
治崎「殺してくれ……」
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