平和のために魔王となる   作:Re.Ac:月

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第2話 魔王への1歩

自分がどうするか覚悟を決めたところで、いま魔王として世に出てきたとしても魔法少女に簡単に倒されるのがオチだろう。

つまりこれから俺のすることは魔族の力をより多く得て、更に強くなることだ。

 

魔族や魔物は魔法少女と戦って負けた後は基本的に必殺技でトドメを刺され爆散する。

力を奪うためには弱ってはいるが、生きている魔族に触れなければならない。

つまり自分の力で魔族に勝つ必要がある。

 

おそらく今の自分が魔族と戦っても勝てるかどうかはわからない。

これからは奪った能力を理解して研鑽を積むしかなさそうだ。

 

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とりあえずここ1ヶ月で性質付与について実験を繰り返した。

性質付与にできることと、できないことがわかった。

性質付与にできることは、特性的な付与である。

例えば、切断や高温、低温、硬質といった魔力そのものにこういった特性を付与できる。

逆にできないことは、状態的な付与である。

例えば、魔力が炎になるだったり氷になったりはしないということだ。

魔力はあくまで魔力であるということだ。

 

とりあえず、自分の能力について理解できたところで今俺は1人の魔族の前にいる。

俺はあいつと戦って、あいつの能力を奪う。

参考までに俺の格好を教えてあげよう。顔全体を隠せる仮面にフード付きのローブと最低限の身バレを防ぐためだけのものだ。

 

「ふふふ、愚かな人間がいたものですね。魔法少女でもないのに私と戦おうなどと、その仮面剥ぎ取ってあげましょう」

 

「別に負ける気はないよ、勝ってあなたの能力を私のものにしてあげる」

 

「そうですか、ならば名乗っておきましょう私の名はアークあなたを殺す者です」

 

言葉とともにアークが突っ込んでくる、多分ヤツの固有能力はそれ1つで戦況を作るようなものではなさそうだ。

俺は全身に硬質の魔力を纏って攻撃を受け止める。

 

「な、なぜ魔法少女でもない人間が魔力を持っている!?しかもその魔力は我ら魔族と同質なものではないか!」

 

ここで新情報、魔法少女と魔族じゃ魔力の質が違うみたい。

まぁ確かに俺の奪った魔力は魔族のものだから同じでも違和感ないんでけどね。

 

「それは別の魔族から奪ったんだよ、魔法少女から大きなダメージを負ってたみたいだからすんなり奪えたね」

 

「そうか、だが私の勝利に変わりはない。その防御も魔力によって行われるのならいつかは尽きるだろうその時が貴様の最後だ!」

 

「口調崩れてるし、そうなる前に私があなたを倒す」

 

俺は魔力に衝撃の性質を付与し、攻撃の隙をついてアークの腹を思いっきり殴った。

 

「ぐはっっっ」

 

「お前意外と耐久力ないんだな」

 

「クソっお前は本当に人間なのか?」

 

「人間だよ、ただし最低最悪の魔王になる人間だけどね」

 

「魔王か、おもしろい。私の負けだな、この力存分に使うがいい」

 

「ありがと、じゃあもらっていくね」

 

俺がアークに触れた瞬間アークの体が塵になって消えた、そのとき私の中に新たな力が入ってきた。

 

「あなたの力は”加速”か良いものをもってたね」

 

そう言ってその場から去ろうとしたその時、

 

「そこの魔族待ちなさい!」

 

「あんた誰だ?」

 

「私は魔法少女フレイム!あなたを倒すよ!」

 

「ちょうどいい新しく手に入れた力あなたで試してあげる」

 

私が言い終わるとフレイムはすぐさま攻撃を仕掛けてきた。

 

「てりゃっ!」

 

「力任せの攻撃で倒せると思ってるの?」

 

正直ちょっとキツイ、こっちは戦闘終了直後だから体力が削れてて持久戦では勝てなさそう。

でもあっちの得意な戦法が速攻型なのはちょっとした救いかな。

 

「防いでばかりじゃ、私は倒せないよ!」

 

アークの能力、加速は何かを加速させる。

スピードもそうだけどこの能力の真価はそこじゃない。思考加速を行うことができるところだ。

これによって今まで反応できなかった攻撃に対して反応できるようになる。

 

「危なかったね、さっきまでの私じゃあなたの攻撃に反応できなかったと思うよ。」

 

「だからどうしたの?反応できたところで反撃できなきゃ勝てないでしょ!」

 

「問題ない私の勝ちだから」

 

「へ……?」

 

俺は自分の思考に加えて、スピードも加速させる。相手からしたら俺が急に元気になったように見えるだろう。

 

衝撃を付与した魔力を纏った拳や蹴りがフレイムに襲いかかる。

 

「ぐっ…」

 

フレイムは俺の攻撃に反応できていない。このまま攻めきれば勝てる!

ある程度攻撃を加えた後俺は少しフレイムから離れて、思いっきり加速をつけて殴り飛ばした。

 

フレイムは声すら出せず地面に倒れ伏したようだ。

俺は念のためフレイムに触れてみた。力は奪えなかった。

 

「まぁ奪えるとは思えなかったけどね」

 

俺はそう言い残してその場から去った。

 

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家に帰って情報を整理する。

魔族は私を見た瞬間人間だということに気づいていたが、魔法少女は気づかず魔族だと思っていた。

魔族と魔法少女では魔力の質が違う。質が良いか悪いかではなく、性質が違うと考えるのが良さそうだ。

フレイムがどれくらい強かったかはわからないが現状の俺でも魔法少女に勝てるということだ。

 

これでようやく魔王への1歩が踏み出せた気がした。




耐久力について、今回戦ったアークは魔族の中でもトップクラスで耐久力がありません。
だとしても、加速したアークを見切れる魔法少女の数は少ないため、所見で見切ってる香音がおかしいところはあります。
フレイムの強さはまさしく中堅ってかんじです。加速を奪う前の香音だったら万全の状態であったとしても負けています。
ちなみに司ことウィングさんは魔法少女の中でも最強格です。アークの加速もしっかりと見切ります。
ただ、アークとフレイムが戦ったらアークが勝ちます。香音が勝てた理由の大半が硬質の性質付与による防御力の上昇なので、加速を見きれない上に攻撃で普通にダメージを負ってしまうフレイムに勝ち目はありません。
それくらい加速は強いわけですね。
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