機動戦士ガンダムZZ『【放送事故】ハマーン様、軍事回線ジャックでハプニング10連発を世界配信されてしまう 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
ハイメガキャノンによる物理消滅を経て、跡形もなくなったはずのアーガマ臨時通信室。しかし、宇宙世紀0088年のサイコミュ過共鳴はとどまることを知らない。
焼き切れた回路が次にアナハイム社のサーバーから引きずり出したのは、日常系アニメの後半戦を彩る「お約束・あるあるイベント」のデータだった。
空間全体が、夕暮れの駄菓子屋の匂いと、どこか懐かしい木琴のBGMの精神波に包まれていく。
総帥ハマーン・カーンが赤面しながら世界の財布を狙い、シャングリラの子らが全力で青春を浪費する、歴史の闇が今、幕を開ける!
ジュドー(14歳)
「(頭の上でチーンと鳴る、駄菓子屋のレジの幻影を叩きながら絶叫)……おい!まだ通信が繋がってやがる!!今度はシステムが完全に狂って、日常系アニメの中盤から終盤にかかる『お約束イベントの10大過電流』が実体化してやがるんだよ!ログの流れる速度がコア・ベースの最高出力を超えてる!!ジュドーです!マジでネオ・ジオンのモビルスーツ部隊に包囲された時より背中の汗が止まんねえ!!」
ルー(15歳)
「(なぜか駄菓子の『あんずボー』をかじりながら、不敵に美しく微笑む)ふふ……こうなったら最後の1秒まで、このお約束の戦闘配置に付き合うわよ。ねえジュドー、全宇宙の兵士たちが、この『実家のような安心感』のあるイベントデータのせいで、戦意を完全に喪失してモニターの前でうつらうつらし始めてるってマジ? 10代のあるあるが宇宙世紀の戦争を完全停止させるなんて、これこそサイコミュの真の神秘よ。ルー・ルカ、お約束スタートです!」
ハマーン(20歳)
「(顔を真っ赤に染め、プライドの限界と戦いながらそろばんを弾いて)おのれ、地球圏の俗物どもが遺した『全人類が一度は見たことのある展開』のデータめ……!だが、全宇宙の愚民どもよ、ネオ・ジオンの経済支配は終わらん!この10大あるあるイベントの『共感ライセンス』を我が軍が永久に独占し、画面の前で『あるある』と頷くごとに10億ゴールドバウの『首肯(しゅこん)税』を強制徴収する!これで我が軍の戦費は宇宙が滅びても黒字だ!」
ジュドー
「他人が頷くだけで10億もむしり取るなよ!!どこまで強欲な総帥なんだよ!!……って、うわああ!部屋の中に突然、バースデーケーキと大量のプレゼント箱が実体化したぞ!おい、誰かの誕生会か!?」
エル(14歳)
「(誇らしげに超実用的な『ZZの駆動系潤滑オイル缶』を差し出して)そうよジュドー!主要メンバーの誰かの誕生会が開かれるものの、持ち寄るプレゼントのチョイスがなぜか少しズレているか実用的すぎるのがルールよ!はいジュドー、これ私からのプレゼント!これでもう関節の軋みには悩まないわよ!」
ルー
「(横から『超高級サスペンションのバネ(12本セット)』をドサッと置いて)私からはこれ。レディの気遣いとして、乗り心地は大事でしょう? 意識しなさいよ、ジュドー」
ジュドー
「チョイスがメカニックすぎて全然嬉しくねえよ!!……って、うおっ!?今度は空間が真夏の青い海に切り替わったぞ!『海に行くぞ!』と意気込んで、みんな一瞬だけ水着姿になったのに……って、うわっ!もう背景がいつものリビングに戻った!水着回、3秒で終わったぞ!?」
プル(10歳)
「(もう普段着に戻って、浮き輪を抱えたまま)あはは!ジュドー、日常系ではね、『海に行くぞ!』と意気込むものの水着回は一瞬で終わり、すぐにいつもの日常の風景に戻るのがお約束なんだよ!予算と尺の都合ってやつだね!えへへ!」
ジュドー
「もっと水着回を堪能させろよ!!……って、うわ!ドアの向こうから、見慣れない派手な格好をした女の子が飛び出してきたぞ!誰だお前!」
キャラ・スーン(ネオ・ジオン将校・新入生ホログラム)
「(制服の胸元をはだけさせながら激しく身をよじる)ああっ!私は今日からこのクラスに加入した個性的な転校生(後輩)のキャラ・スーンよ!ジュドー、よろしくね!……って、あら?なんだかもう何年も前からここにいたような気がするわ。お茶のおかわりちょうだい!」
ルー
「(普通に湯呑みを差し出して)はい、キャラさんどうぞ。新キャラクターとして個性的な転校生や後輩が加入しても、あっという間にいつものメンバーの輪に溶け込むのがこの世界の慣性よ。馴染むのが早くて助かるわね」
ジュドー
「初登場の自己紹介の3秒後には完全に馴染んでんじゃねえよ!!……って、ひえええ!今度は部屋の中が極寒の真冬になって、リビングの真ん中に巨大な『こたつ』が出現したぞ!うわ、吸い込まれるように全員がこたつに下半身を突っ込んだ!」
エル
「(こたつの中に完全に溶け込みながら、首だけ出して)……だめ。冬の寒いエピソードではね、こたつから誰一人として出られなくなる様子が細かく描かれるのが鉄則よ……。ジュドー、そこにあるミカン取って。取ってくれないなら、私はもう二度とZZのコア・ファイターに乗らないわ……」
ジュドー
「ミカンごときでエゥーゴの戦力を人質にするな!!……よし、俺がそこの冷蔵庫から冷たいジュースを取ってきてやるよ……って、待て。なんでジュースを取りに行くだけなのに、全員が凄まじいプレッシャーを放ちながらじゃんけんの構えをしてんだ!?」
ハマーン
「(こたつから腕だけを出し、指先からドス黒いニュータイププレッシャーを放ちながら)……フフ、甘いなジュドー。ちょっとした買い出しやジュースをかけたじゃんけんで、本編の戦争とは全く関係のない大げさな心理戦が繰り広げられるのだ。アンタがここで『パー』を出す確率、そして私がそれを裏かいて『チョキ』を出す瞬間の精神の火花……これぞサイコミュの真の戦場よ!!」
ジュドー
「じゃんけんに命をかけるな総帥!!……って、うわああ!今度はみんなの服が、どっかのファミレスの可愛いエプロン制服に切り替わったぞ!おい、なんで俺までフリルのついた制服を着てんだよ!」
ルー
「(見慣れない可愛い制服姿で、トレイを華麗に回しながら美しく微笑む)ふふ……みんなで同じアルバイトを経験することになり、見慣れない制服姿が新鮮に映るイベントよ。ジュドー、そのミニスカート、意外と似合ってるわよ。はい、スマイルの注文入りました♪」
ジュドー
「主人公に恥ずかしいコスプレをさせるな!!……って、うわっ!今度は夜の暗闇だ!布団が敷き詰められて、お泊まり会のシチュエーションに切り替わったぞ!『夜はこれからよ!恋バナしましょう!』ってルーが息巻いてたのに……って、おい!もう全員完全に爆睡してんじゃねえか!」
プル
「(ジュドーの右腕を抱きしめて、スースーと寝息を立てながら)うにゃ……ジュドー……。お泊まり会や修学旅行の夜、最初は盛り上がるが最終的に全員川の字になって寝息を立てているのが、健全な10代の夜のドクトリンなんだよ……スースー……」
ジュドー
「寝るのが早すぎるわ!!……って、うわあ!今度は俺の足元で、ピンク色の丸っこい見たことない奇妙な生き物が『キュ〜♪』って鳴きながら、俺のズボンの裾を噛んでるぞ!なんだこの野良猫(?)は!」
マシュマー(ネオ・ジオン騎士・無線通信)
「(エンドラの通信席からマスコットの姿を見て号泣)おおお!道端で拾った迷子の動物や野良猫が、最終的にみんなのマスコット的な存在として定着する、あの奇跡の展開!ハマーン様!そのピンクのUMAの名前を、ぜひ『ネオ・ジオンの栄光(マシュマーカスタム)』と命名してくださいッ!!」
ジュドー
「名前が重すぎるんだよ!!……って、うわあ!今度は夕暮れのレトロな商店街だ!目の前に『シャングリラ駄菓子店』のおばちゃんが実体化して、俺たちに『ほら、おまけだよ』って10円の金券をくれたぞ!」
エル
「(おばちゃんと親しげに話し込んで)学校帰りに駄菓子屋や馴染みの商店へ寄り道し、店主のおじさんやおばちゃんと他愛もない会話をする。これが下町のニュータイプの情緒ってやつよ。ジュドー、あんたも『ブタメン』買いなさいよ」
ジュドー
「戦争中なのに買い食いの誘惑が強すぎるわ!!……って、よし、もう部屋に戻って大掃除だ!こんなめちゃくちゃな空間、俺が全部片付けてやる!!(片隅にあった古いダンボールをガチャッと開ける)」
ハマーン
「(段ボールの中から出てきた、10年前の幼少期の自分の写真が入ったアルバムを一緒に覗き込みながら、顔を沸騰したヤカンのように真っ赤にしてフリーズ)……あ、これ、私がアクシズにいた頃の、髪の毛がまだツインテールだった頃の恥ずかしい写真……。……(そのまま手が止まり、ページをめくる手が止められなくなる)」
リィナ(10歳)
「(幽閉先からのホログラムで、大量のゴミ袋を持って突然出現し激怒)お兄ちゃん!!何やってるのよ!部屋の模様替えや大掃除を始めると、昔のアルバムやおもちゃが出てきて手が止まり、結局部屋が片付かないっていう最大のあるあるトラップに引っかかってるじゃないの!ハマーン様も一緒にアルバムを見て『くっ、この頃の私は純粋だったな……』って黄昏れてんじゃないわよ!!」
ジュドー
「(アルバムの幼少期ハマーンの破壊力に硬直しながら)リィナ、これは不可抗力の思い出フラッシュバックなんだよ!!……って、うわああ!部屋の片隅で、さっきのピンクのマスコットがそろばんの上に乗って、ハマーンの代わりに売上を計算し始めたぞ!」
ハマーン
「(アルバムをバサッと閉じ、顔を真っ赤にしたままマイクを掴んで)フン、この10大イベントのコンプリートにより、地球圏の全ユーザーの『懐かしさと安心感の精神波(サイコ・フィールド)』が限界突破したな!この『日常あるある経済圏』の売上により、我がネオ・ジオンの金庫は連邦政府を完全に破産させた!これからは武器ではなく、『これあるわ〜』という共感の波動で世界を一つにする!」
ジュドー
「あんた、最後の1秒まであるあるをお金に換えて世界を経済支配するなよ!!」
プル
「えへへ、みなさーん!これで本当に、10代の楽しい思い出も全部コンプリートだよ!あ、宇宙(そら)に、ピンク色の大きなおこたの形をしたニュータイプの光が広がっていくよ!みんなで、みかんを食べながら、次の正史へ出撃しよーね!」
ジュドー
「(ヤケクソで通信パネルの日常データを全消去する)もうこれで本当の本当に終わりだ!!今夜の笑いと、10個のあるある過電流で、アーガマの青春の歴史を完全に書き換えてやるぜ!!」
(ガンダム・チームの爆笑と、ハマーンのそろばんの珠が弾け飛ぶ音が、宇宙全土の予備回線をジャックして完全にフェードアウトしていく)
ジュドー
「お相手は、ジュドーと!」
ルー
「日常の王道あるあるまで完璧にハッキングした、ルーと!」
ハマーン
「ハマーン・カーンと」
プル
「プルでした!えへへ、お隣のルーちゃんも、また公式記録のこたつの中でねー!」
全員
「シャングリラ・アタック!!!!!(エコー)」
この直後、羞恥と商業的計算が完全にオーバーフローし、精神が真っ白に燃え尽きたハマーンの最後の合図により、親衛隊が通信室の床ごと、小惑星アクシズの質量で物理的に完全消滅破壊。
跡形もなくなった臨時通信室には、キュベレイの後光のような恐るべき殺気と、半分に割れたミカン、そして「これでネオ・ジオンの日常は永久に黒字だな」と静かに微笑む総帥の沈黙だけが取り残されたという。