機動戦士ガンダムZZ『【放送事故】ハマーン様、軍事回線ジャックでハプニング10連発を世界配信されてしまう 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
深夜帯の限界を攻めた言い訳シチュエーションを経て、もはやあらゆるフラグの臨界点に達しているアーガマ臨時通信室跡地。しかし、完全に制御を失ったサイコミュの残留思念は、さらに深いデータ層へと潜行。
次にアナハイム社の禁忌の最深部サーバーから引きずり出されたのは、ギャグ調の日常を瞬時にシリアスな地獄へと変貌させる、全オタクの心をズタズタにしてきた「シナリオライター渾身の、絶対に誰も幸せにならない究極の二者択一・10大シチュエーション」のデータだった。
空間全体が、突如として激しい雨の音と、ピアノの悲壮なマイナーコードによる重厚な精神波に包まれていく。
総帥ハマーン・カーンが、14歳のジャンク屋少年に突きつけるにはあまりにも重すぎる「鬱展開のシナリオ」に脳を焼かれながら世界の財布を狙い、シャングリラの子らが極限の「選べない地獄」に翻弄される、歴史の闇に葬られた「選択肢ハッキング回」が今、奇跡の爆誕!
ジュドー(14歳)
「(目の前に突如出現した『A:ルーを救う』『B:エルを救う』という巨大なホログラム選択肢のボタンをヤケクソで蹴り飛ばしながら絶叫)……おい!今度はピンク色を通り越して、画面が完全にシリアスな鬱アニメのトーンになっちまったぞ!!歴史上のあらゆる『胃が痛くなる二者択一のシナリオデータ』が過電流になって、俺たちの状況設定に直結してやがるんだ!!ログの流れる速度がZZのハイメガキャノンのリミッター解除速度を超えてる!!ジュドーです!マジでネオ・ジオンの本国にリィナを人質に取られた時より胃がキリキリして止まんねえ!!」
ルー(15歳)
「(なぜか時計の秒針がチクタクと響く中、アーガマの右舷でタイマー付きの爆弾の幻影に縛り付けられながら)ふふ……こうなったら最後の1秒まで、この残酷なシナリオ戦闘配置に付き合うわよ。ねえジュドー、全宇宙の兵士たちが、この『どっちを選んでも地獄』なシチュエーションのせいで、モニターの前で息を呑んでハンカチを握りしめてるってマジ? 人命の天秤が宇宙世紀の軍事緊張を完全麻痺させるなんて、これこそサイコミュの真の到達点ね。……さあジュドー、私とエルが別の場所に囚われたわ。片方を助けに行けば、もう片方を助ける時間は物理的に残されていない。貴様の能力の限界と、どちらを優先するかが残酷に試されているのよ!!」
ジュドー
「人質二者択一のシチュエーションをこんな何でもない通信室のバグで発動させるなルー!!どっちも物理的に数センチ隣にいるだろ!!」
ハマーン(20歳)
「(顔を沸騰したヤカンのように真っ赤に染め、シリアスな雰囲気に呑まれかけながらも強引にそろばんを弾いて)おのれ、地球圏の俗物どもが遺した『プレイヤーの精神を最もえぐるための完璧なシナリオ分岐』のデータめ……!だが、全宇宙の愚民どもよ、ネオ・ジオンの経済支配は終わらん!この10大究極選択の『鬱展開ライセンス』を我が軍が永久に独占し、画面の前で『うわぁ……胸が苦しい……』と頭を抱えるごとに10億ゴールドバウの『精神治療税』を強制徴収する!我が軍の戦費は宇宙が滅びても黒字だ!」
ハマーン
「……くっ、データエラーにより、ルーが『エゥーゴの世界の意思』、この私が『ネオ・ジオンの世界の意思(コア)』の器になってしまったのだ!片方を救えば、もう片方の世界や種族が滅びる!単なる好みの問題ではなく、世界の命運を背負わされる選択なのだ!さあジュドー、人間の代表たるルーを救って、我がネオ・ジオンの世界を滅ぼすか、それとも……!?」
ジュドー
「世界 vs 個人の拡大版の選択肢を背負わせるには俺はまだ14歳なんだよ総帥!!世界を滅ぼす規模のシステムエラーを個人で処理させるな!!10億もむしり取るな!!」
エル(14歳)
「(青い光の粒子に包まれながら、悲しげな笑顔でジュドーを見つめて)そうよジュドー!世界の法則のバグにより、あなたが『本当に愛する一人』を選んだ瞬間、選ばれなかった方のヒロインは世界中の人々の記憶から完全に消滅してしまうのよ!選ぶということは、もう一人とのこれまでの思い出、絆、その存在そのものを自分の手で『なかったこと』にするの!精神的に最もえぐられる選択よ、さあ私を選んで、ルーの存在を宇宙から消し去りなさい!!」
ジュドー
「記憶の忘却の呪いを個人的な勝利のために利用しようとするなエル!!怖いわ!!思い出の消滅をそんな軽いノリで提案するな!!……って、ひえええ!今度は俺の背後に、シャングリラ時代の幼馴染のエフェクトと、宇宙で出会った運命の少女のエフェクトが同時に立ち昇ったぞ!」
ルー
「(ジュドーの右腕を掴み、熾烈な戦場を見つめる目で)積み重ねてきた『安心できる日常と過去(エル)』か、共に死線を潜り抜けた『熾烈な戦場と未来(私)』かという、人生の方向性を問われる選択よ。幼馴染 vs 運命の少女、さあジュドー、現在の誓いを私と立てなさい!」
ジュドー
「過去の絆も現在の未来もどっちも大事に決まってんだろ!!……って、うわっ!今度はエルの体がドス黒いオーラに包まれて、ルーの体が光り輝き始めた!」
エル
「(苦しげに顔を歪めて)呪いにより、あなたが片方のヒロインの絶望(闇)を肩代わりして救うと、その反動でもう片方のヒロインに呪いが転移してしまうのよ!目の前の彼女を救う=もう一人の彼女を絶望の淵に突き落とす!さあジュドー、救う喜びと罪悪感に同時に苛まれなさい!!」
ジュドー
「光と闇の因果関係が明確すぎて、どっちに転んでも俺が悪者になるじゃねえか!!……って、ひえええ!今度はネオ・ジオンの通信画面から、豪華なウェディングドレスを着たキャラさんが飛び出してきたぞ!」
キャラ・スーン(ネオ・ジオン将校・通信ホログラム)
「(胸元を大きくはだけさせたドレス姿で、激しく身をよじる)ああっ!2つの強大な勢力の命運を握る『政略結婚』のシチュエーションよ!あなたがどちらと結婚するかによって、今後の宇宙の勢力図が完全に変わり、選ばれなかったネオ・ジオンとは即座に戦争になるリスクがありますの!大人の事情と政治的プレッシャーをその若い背中に受け止めなさい、ジュドー!!」
ジュドー
「婚姻の儀のプレッシャーが14歳には重すぎるし、選ばなかったら戦争再開ってどんな脅迫だよキャラさん!!……って、うわあ!今度はプルとリィナが、二人で巨大な生贄の祭壇の前に立って微笑んでるぞ!」
プル(10歳)
「あはははは!世界を救うために『一人の少女の命(生贄)』が必要になっちゃった!だから、私とリィナの二人で『私が贄になる』って志願することにしたよ!選んだ方のヒロインが死ぬ、地獄の自己犠牲の奪い合いだよ!ジュドー、どっちを死なせるか選んでぇ!!」
ジュドー
「そんな地獄の二者択一に二人して笑顔でエントリーするなプル!!リィナも何やってんだ!!速やかに祭壇から降りろ!!……って、うわ、今度はエルの格好が普通の制服に、ルーの格好がパイロットスーツに完全に固定されたぞ!」
ルー
「(銃を構えながら、裏社会の相棒の顔で)主人公が普通の高校生に戻った時に迎えてくれる『一般人の本命ヒロイン(エル)』と、戦場で背中を預け合ってきた『命がけの相棒ヒロイン(私)』の間で引き裂かれるシチュエーションよ。戦いが終わったら、俺はどちらの人生を生きるのか。さあ、表のヒロインか裏の相棒か、答えなさい、ジュドー」
ジュドー
「どっちの人生もジャンク屋として回収してやるからそんな怖い目で睨むなルー!!……って、うわああ!今度は俺の目の前に、平安時代っぽい格好をした古風な女性の幻影と、今世のエエお嬢様が鉢合わせした!」
ハマーン
「(顔を真っ赤にし、前世の恋人のオーラを無理やりまといながらマイクを握りしめ)……フフ、前世で悲劇の別れを遂げ、魂の約束を果たしに現れた『前世のヒロイン(私)』と、今世の普通の生活の中で新しく恋に落ちた『今世のヒロイン(ルー)』が鉢合わせるシチュエーションだ!運命という強力な引力を持つ過去の縛りか、自分の意志でゼロから築き上げた現在の愛か……時間の概念を超えた選択を迫られるが良い、俗物!!」
ジュドー
「総帥が『前世の恋人』っていう設定を捏造して、運命の引力で俺を絡め取ろうとしてるゥゥゥ!!!前世の記憶のコンフリクトをネオ・ジオンの公式設定に組み込むな!!……って、うわあ!今度はプルが二人に出現して、お互いの手を握り合って消えかかってるぞ!」
プル(10歳)
「あはは!元々は一つの存在だった双子・半身の決別ルートだよ!ジュドーの『伴侶』として選ばれた方だけが完全な個体(人間)として定着して、選ばれなかった方は消えてただの影に戻っちゃうの!自分の選択によってこの美しい姉妹関係を永遠に破壊する残酷さを噛み締めてね、ジュドー!!」
ジュドー
「双子のシステムが過酷すぎて、選べるわけねえだろプル!!……おい、もうアンプが精神的な鬱展開の重さに耐えかねて、ドス黒い煙を吹き始めたぞ!これで本当に終わりだ!!」
ハマーン
「(顔を真っ赤にしたまま、そろばんの玉を限界まで弾き、総帥の威厳を取り戻して)フフフ……これで全10種類の究極選択ライセンスのコンプリートだな!全宇宙の愚民どもが、我が軍の放った誰も救われない選択肢の波動(サイコ・フィールド)によって『精神的悶絶』の極地に達している!さあ、画面の前の俗物どもよ、自分の推しが選ばれて救われるルートのDLC(ダウンロードコンテンツ)を購入するために、我がネオ・ジオンの金庫に全てのゴールドバウを振り込むのだ!」
ジュドー
「あんたは最後の1秒までユーザーの胃の痛みを突いて世界を経済支配しようとする最強の総帥だったよ!!」
プル
「えへへ、みなさーん!これで本当に、全宇宙の重すぎる選択肢も全部コンプリートだよ!あ、宇宙(そら)に、大きな『A』と『B』の形をしたニュータイプの光が広がっていくよ!みんなで、どちらの選択肢も選べずにタイムアップを迎えながら、次の正史へ出撃しよーね!」
ジュドー
「(ヤケクソで額のハイ・メガ・キャノンを誤射しそうになりながら通信パネルの選択肢データを全粉砕する)もう誰も選ばねえ!!俺は第三の選択肢として、今夜の笑いと10個の鬱展開過電流で、アーガマの歴史を全員生存のハッピーエンドに書き換えてやるぜ!!」
(ガンダム・チームの爆笑と、ハマーンのそろばんの珠が弾け飛ぶ音が、宇宙全土のミリタリー回線をジャックして完全にフェードアウトしていく)
ジュドー
「お相手は、ジュドーと!」
ルー
「すべての重いフラグまで完璧にハッキングした、ルーと!」
ハマーン
「ハマーン・カーンと……(小声で)ジュドー、前世の約束、忘れたとは言わせんぞ……」
プル
「プルでした!えへへ、お隣のルーちゃんも、また公式記録の『どっちを助けるの?』の後でねー!」
全員
「シャングリラ・アタック!!!!!(最大級の重厚なエコー)」
この直後、羞恥と商業的計算(およびあまりにも重すぎるシナリオの反動)が完全にオーバーフローし、精神が真っ白に燃え尽きたハマーンの最後の合図により、親衛隊が通信室の床ごと、ハイパー・メガ粒子砲の最大出力で物理的に完全消滅破壊。
跡形もなくなった臨時通信室には、キュベレイの後光のような恐るべき殺気と、真っ二つに割れた「選択肢A」、そして「これでネオ・ジオンの完全版ハッピーエンド仕様は永久に黒字だな」と静かに微笑む総帥の沈黙だけが取り残されたという。