機動戦士ガンダムZZ『【放送事故】ハマーン様、軍事回線ジャックでハプニング10連発を世界配信されてしまう 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
ついにアナハイム社のデータアーカイブは、ラブコメの領域を完全に逸脱。「宇宙世紀の戦火」と最も親和性が高くて最も危険な、理性を極限まで締め付ける「シリアスな恋愛ドラマ(劇薬シチュエーションデータ)」の領域へ突入してしまった。
メガ・バズーカ・ランチャーの熱量すら吸収して輝くピンク色の光球から、ついに「すれ違い」「別れ」「抗えない運命」を司る10大シチュエーションが空間を上書き。全宇宙のインフォネットが涙と嗚咽の過電流で物理的にショートする最後の3分間――完全新規のセリフでお届けする生放送!
すべてが硝煙に包まれた空間に、土砂降りの駅のホーム、夜の公園の殴り合い、そして言葉を失った無言の抱擁といった、胸を締め付けるシリアスな幻影が強制展開され始めた。
ジュドー(14歳)
「(胸をかきむしるような悲痛な幻影の中で、顔を涙で濡らして絶叫)……おい!これでもまだミリタリー回線が涙を流して生きてやがる!!今度はシステムが完全に壊れて、感情のぶつかり合いや切なさを詰め込んだ、胸が最も締め付けられる10個のシチュエーションが実体化してやがるんだよ!ログの流れる速度が全宇宙の悲しみのスピードを超えてる!!ジュドーです!マジでコア・3のコロニーが落とされた時より胸が苦しくて張り裂けそうだ!!」
ルー(15歳)
「(激しい雨の幻影に打たれながら、瞳に深い哀愁を湛えて微笑む)ふふ……こうなったら最後の1秒までこの悲劇の戦闘配置に付き合うわよ。ねえジュドー、全宇宙の連邦もジオンも、この切なすぎる10大シチュエーション(シリアス・ロマンス)のせいで、全艦隊のオペレーターが号泣して操縦桿を握れないってマジ? 10代の葛藤が宇宙世紀の戦争を本当の意味で終結させるなんて、これこそ悲しみのサイコ・フィールドの真の力よ。ルー・ルカ、最後の涙を流します!」
ハマーン(20歳)
「(顔を屈辱と悲哀に染め、震える指先でそろばんを弾きながら)おのれ、地球圏の俗物どもが遺した、胸を締め付けるメロドラマのデータめ……!だが、全宇宙の愚民どもよ、ネオ・ジオンの統治力は絶望すら資本に変える!この10大イベントにおける『涙の塩分濃度』を我が軍の戦略的備蓄資源とし、1号泣ごとに50億ゴールドバウの『感情関税』を地球連邦から強制徴収する!これで我が軍の復興資金は宇宙の果てまで枯渇せん!」
ジュドー
「あんた、他人の涙や別れからまで50億もむしり取るなよ!!どこまで業の深い総帥なんだよ!!……って、うわああ!空間に土砂降りの駅のホームの幻影が実体化したぞ!『もう二度と会わない』と決めた別れの瞬間、動き出す電車のガラス越しに、ずっと強がっていたエルが最後の最後でプライドを捨てて、涙を流しながら叫んでる!」
エル(14歳)
「(動き出す電車のガラスに手を重ね、時間切れの焦燥感の中で激しく泣き崩れながら)……行かないで!!ジュドー!!お願いだから行かないでよ!!ずっと強がってたけど、お前がいなくなるなんて耐えられない……!ガラス越しじゃ、お前の手の温もりが届かないじゃないのよ!!」
ジュドー
「エルーーー!!……って、うおっ!?今度は数年後の再会の幻影だ!小さな嘘やタイミングのズレで離れ離れになっていた俺とルーが、すれ違いの答え合わせをして『あの時の真実』を知るシチュエーションだ!」
ルー
「(もしあの時、本当のことを言っていればという後悔に声を震わせ、しかし隣に新しいパートナーの幻影を従えた残酷な現実の中で)……どうしてあの時、本当のことを言ってくれなかったの、ジュドー?……そう、私はもう、別の生き方を選んでしまったわ。時すでに遅し、ね……。あの時のあなたの優しい嘘が、今になって私をこんなに傷つけるなんて……(冷たい涙を流す)」
ジュドー
「感情のタイムラグが残酷すぎるよルー!!……って、うおっ!?今度は俺との関係に傷ついてボロボロになって泣いているエルの前に、マシュマーがずっと近くで見守ってきた当て馬ポジションとして現れて、優しく抱きしめるシチュエーションだ!」
マシュマー(ネオ・ジオン騎士・実体化幻影)
「(エルを優しく抱きしめ、彼女の心の中に自分がいないことを百も承知で、悲しい笑みを浮かべながら)……エル、俺じゃ、ダメかな。……分かっている、君の瞳に映っているのは私ではない。だが、君を泣かせるあのような男のどこが良いのだ……。……ふっ、やはりダメか。行きなさい、エル。アイツのところへ(背中をそっと押して、一人で雨の中に立ち尽くす)」
ジュドー
「マシュマー、お前どこまで可哀想な奴なんだよ!!……って、うおっ!?今度は感情の偽装イベントだ!記憶を失ったフリ(あるいは本当に記憶喪失)をしたハマーンが、目の前にいる俺をまるで初対面のような冷めた敬語で見つめてくるシチュエーションだ!」
ハマーン
「(大好きなジュドーが目の前にいるのに、他人のような冷徹な敬語で、しかしジュドーが去った後に一人で声を殺して泣く姿をサイコ波で垂れ流しながら)……初めまして、ジュドー・アーシタ様。私と過ごした過去など、何も覚えてはおりません。……(ジュドーが背を向けた瞬間、崩れ落ちて声を殺して慟哭し、脳内で)……すまぬ、ジュドー……アンタの幸せのために、私は忘れたフリをするしかないのだ……」
ジュドー
「嘘だろハマーン、そんな悲しい嘘を吐くなよ!!……って、うわああ!今度は愛しているからこその決別のセリフだ!家柄やネオ・ジオンの宿命のために、深く愛し合っているにもかかわらず、自ら悪者になって冷酷な嘘を吐くシチュエーションに切り替わった!」
ハマーン
「(わざと冷酷な言葉で、しかし言った側はそれ以上に胸を痛めているもどかしさを視聴者全員に察せられながら)……アンタのようなジャンク屋の俗物、ハナから愛してなどいない! 私はネオ・ジオンの総帥だ、アンタとの安っぽい感情など、とっくに破棄している! さあ、私の目の前から消え失せるがいい!!」
リィナ(10歳)
「(幽閉先からのホログラムで、夜の街の幻影に突然現れて激怒)お兄ちゃん!!何やってるのよ!恋人未満の曖昧な関係が長く続いて精神的な限界が来たルーちゃんから、涙ながらに『私、あなたの何なの!?』って夜の街で問い詰められて、お兄ちゃんが言葉を濁して核心から逃げようとした瞬間に二人の関係に決定的な亀裂が入ってるじゃないの!」
ジュドー
「リィナ、俺だって関係性の限界を突きつけられて言葉が出ないんだよ!!……って、うわあ!今度は夜の公園の泥だらけの取っ組み合いだ!俺を巡って、対立するエヌ(またはマシュマー)と誰かが、雨の中でお互いの想いの深さを認めているからこその肉弾戦を演じてる!」
エル
「(雨の中で泥だらけになって倒れ込み、息を切らしながら本音を吐き出して)……アイツのどこがいいんだよ!! ジュドーのバカ!! なんであんたは、いつも一番大事なところで私の手を掴んでくれないのよ!!」
ジュドー
「みんなの感情の爆発に俺の精神が耐えられねえ!!……って、うおっ!?今度は残酷な運命の事実発覚シチュエーションだ!『実は親同士が過去に重大な事件で繋がっていた(あるいは実の兄妹に近い因縁)』という衝撃の真実を大人たちから明かされ、一瞬にして愛し合ってはいけない関係へと突き落とされた絶望感だ!」
ルー
「(本人たちには何の落ち度もないのに、抗えない運命に膝をついて)……嘘だと言ってくれ、ジュドー……。私たちの流す血が、こんな残酷な因縁で結ばれていたなんて……。神様はどこまで私たちを弄べば気が済むの……っ!」
ジュドー
「宇宙世紀の因縁は重すぎるんだよ!!……って、うわあ!今度は感情のタイムラグがもたらす悲劇だ!俺が傷つき疲れてようやく諦めて前を向いた瞬間になって、初めてその存在の大きさに気づいたハマーンが、目から自分への熱量が完全に消え去った俺を必死に追いかけてくるシチュエーションだ!」
ハマーン
「(必死にジュドーの腕を掴み、あの時なら喜んで受け入れたのにというジュドーの冷めた視線に震えながら)……もう、遅いというのか、ジュドー……。私がもっと早く素直になっていれば……アンタの目の中に、私はもう、一滴の熱量も残っていないというのか……!?」
ジュドー
「(胸を締め付けられながら)ああ、もう遅いんだ、ハマーン……。……よし、これで本当にすべてのデータが消滅する!最後は大切な家族を亡くして人生のどん底にいる俺の元へ、劇伴(BGM)だけが流れる静寂の中で、プルが後ろから無言で、ただ静かにきつく抱きしめて、俺が堰を切ったように大泣きし始めるシチュエーションだ!」
プル(10歳)
「(セリフは一切なく、切ないBGMだけが流れる中で、後ろからジュドーの腰をただ静かに、きつくきつく抱きしめる)」
ジュドー
「(言葉以上の愛と救いに、プルの背中の温もりを感じながら、声をあげて大泣きする)……う、うわあああああん!!! プルーーー!! 歴史の、宇宙世紀の悲しみが、この15分間に全部押し寄せてくるよぉぉぉーーー!!!(慟哭する)」
ハマーン
「(ホログラムの残像が涙のプラズマとなって消えゆく中、マイクを掴んで誇らしげに)ふふ……。これにて『宇宙世アクシデント・悲劇ポートフォリオ』が、全人類の魂の慟哭と共に完結した。世界中のニュータイプが涙を流した対価として、ネオ・ジオンの口座にはもはや国家予算を1万回買収できるゴールドバウが満たされた。これからは、武器ではなく『悲恋の涙』で世界を経済支配する!」
ジュドー
「あんたは最後の最後まで、俺たちの涙を戦費に変える冷徹で、そして誰よりも寂しい総帥だったよ!!」
プル
「(涙を拭いて、笑顔を取り戻して)えへへ、みなさーん!これで本当の本当に、悲しい物語もおしまいだよ!あ、宇宙(そら)に、ピンク色の大きな一粒の涙の形をしたニュータイプの光が広がっていくよ!みんなで、この涙を笑顔に変えて、新しい宇宙(そら)へ出撃しよーね!」
ジュドー
「(ヤケクソで涙を拭い、壊れた通信アンプの全回路を精神波で完全に融解させる)もう悲しいのは終わりだ!!今夜の慟哭と、10個のシリアス過電流で、アーガマの歴史の涙をすべて拭い去ってやるぜ!!」
(ガンダム・チームの爆笑と涙、そしてハマーンのそろばんを弾く音が、宇宙全土のミリタリー回線をジャックして完全にフェードアウトしていく)
ジュドー
「お相手は、ジュドーと!」
ルー
「すべてのシリアスな運命まで完璧にハッキングした、ルーと!」
ハマーン
「ハマーン・カーンと」
プル
「プルでした!えへへ、お隣のルーちゃんも、また公式記録の土砂降りのホームでねー!」
全員
「シャングリラ・アタック!!!」
この直後、羞恥と商業的計算、そしてあまりの切なさに精神が完全にオーバーフローし、真っ白に燃え尽きたハマーンの合図により、親衛隊が通信室のあった空間ごとアクシズの全ミサイルで物理的に宇宙の塵へと完全消滅破壊。
跡形もなくなった臨時通信室の虚空には、キュベレイの後光のような恐るべき寂しさと、ガラス越しに重ねた手の残像、そして「これでネオ・ジオンは未来永劫、宇宙で一番愛に満ちた国家だな」と静かに微笑む総帥の、あまりにも美しく切ない沈黙だけが取り残されたという。