機動戦士ガンダムZZ【放送事故】ハマーン様、軍事回線ジャックでハプニング10連発を世界配信されてしまう 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
ジュドー(14歳)
「(メインコンソールに次々と表示される緊急赤色アラートを前に、キーボードを叩き込みながら大声を張り上げる)……おい! 暗号解除と同時に拾ったこの3つのSOS信号、どれも周波数が滅茶苦茶に散らばってやがるぞ! 旧アクシズ宙域の岩礁地帯に引っかかった壊れかけの密閉型プラントと、放置された民間輸送船、それに脱出カプセルの群れだ! 酸素循環の予備バッテリーが完全に底を突きかけてる! ジュドーです! 目の前に救助を求める命があるってのに、ミノフスキー粒子と暗黒宙域のノイズが邪魔をして、アーガマの捜索レーダーが位置を捉えきれねえんだよ!」
ルー(15歳)
「(Zガンダムのコックピットから通信回線を開き、冷汗を拭いながら)焦っちゃダメよ、ジュドー! 通常の超長距離レーダーやミリ波通信じゃ、この強い干渉波を突き抜けられないわ。でも……アタシたちの通信回路には、さっきまで全宇宙を過共鳴で巻き込んでいた、サイコミュの増幅ラインが残っている!」
エル(14歳)
「(通信室のメインマイクを引き寄せ、鋭い眼差しで周囲を見回す)そうよ! 兵器としてのサイコミュは人を殺すための道具だったかもしれないけれど、アタシたちがこの数日間、あのバカ騒ぎの中で全宇宙へ音声を届け続けた回路は、人間の感情や声を何千光年先まで増幅して届ける力を持っているわ! 9人全員の声を広域同調信号としてサイコミュに乗せて放射すれば、暗黒宙域の底に沈んでいる避難民の受信機と位相同期させられるはずよ!」
ビーチャ(15歳)
「(モニターの電力数値を注視しながら叫ぶ)待て待て! 9人の声をそれほどの広域に届かせるには、アーガマのジェネレーター出力じゃ足りねえぞ! 中継アンテナが焼き切れるのが先だ!」
ジュドー
「だったら、ZZガンダムのハイ・メガ・キャノンのジェネレーターを使うまでのことだ!!」
モンド(15歳)
「正気かよジュドー!? ハイ・メガ・キャノンの出力を通信回路に直結したら、ビームを撃つ前に通信室もZZも爆破しちまうぞ!」
イーノ(15歳)
「ううん、できるよ! 破壊のためのエネルギーとして一気に放出するんじゃなくて、位相調整器を噛ませて『通信用の広域送電・同期パルス』として徐々にバイパスさせればいいんだ! ビーム兵器を、全宇宙を照らす長距離電波灯台に読み替えるんだよ!」
ジュドー
「よーし! 決まりだ! 破壊のためだけに作られたハイ・メガ・キャノンを、最後くらい人の命を救う電波灯台にしてやるぜ! ZZの胸部回路、バイパス接続完了! いつでもいけるぞ!」
リィナ・アーシタ(12歳)
「(エルの隣に立ち、マイクを両手で握りしめる)みんな、準備はいい? アイドルとして着飾るためでも、誰かと競い合うためでもないわ。闇の中に取り残された人たちに、私たちの声を……届けるの!」
プルツー(10歳)
「(耳元で不意に鳴り響いたノイズ混じりの幼い声に、目を見開いて体を硬直させる)……くっ! これは……!?」
エルピー・プル(過去ログ音声)
『ジュドー! ジュドー! プルプル〜! みんなで手を繋いで、光の向こう側へ行こうねー!』
ビーチャ
「おい! サイコミュのバックグラウンドから、亡くなったプルの過去の歌声ログが混線して飛び出してきたぞ! どうする、回路を遮断するか!?」
プルツー
「(自分自身の胸を強く殴りつけ、溢れ出そうになる涙を怒気で押し殺しながら、マイクへ向かって叫ぶ)……遮断するな! 放っておけ!! ……プル、お前の明るい声は確かにみんなを救ってきた。だけど……アタシはお前の真似はしない! お前のお調子者な声の背しろに隠れて、誰かの代わりに歌うなんて真似は絶対にしない!! アタシは……プルツーだ! アタシ自身の声で、暗闇にいる奴らを叩き起こしてやる!!」
クム(10歳)
「(プルツーの手をそっと握りしめる)うん! プルツーちゃんはプルツーちゃんだよ! 一緒に歌おう!」
ミリィ(10歳)
「(もう一方の手を握る)私たちの声は、ひとつひとつ違うからこそ、届くんだから!」
アヌ(16歳)
「(静かに目を閉じ、胸の前で祈りを捧げる)分断された宙域の底で震える方々へ……どうか私たちの声を聞き取ってください……!」
サラサ(16歳)
「(清らかな声で歌い出しの音程を整える)暗闇を切り裂くのは、争いの光ではなく、私たちがここにいるという証ですわ!」
(9人の女性陣――ルー、エル、リィナ、プルツー、クム、ミリィ、アヌ、サラサ、そして通信越しに重なる彼女たちの歌声が、ZZガンダムのハイ・メガ・キャノンから放射された純白の送電・位相波形と完全に同期し、暗黒の宙域へと広がっていく)
ジュドー
「(ZZガンダムのコックピットで、全身の毛髪が逆立つほどのサイコミュの温かな波動を感じながら、操縦桿を固く握りしめる)……聞こえる! 届いてるぞ! 暗黒宙域のあちこちから、小さな反響音が跳ね返ってきた! 1つ目の密閉プラント、位置特定! 2つ目の輸送船、生存者の生体反応を確認! 3つ目の脱出カプセル群も、このパルスに反応して誘導信号を出してきたぞ!!」
ルー
「(Zガンダムの推力を全開にし、暗黒宙域へ向かって突進しながら)アーガマ救助隊、各機出撃! アタシたちが灯した光の目印を辿って、一斉にカプセルを回収しなさい!」
エル
「(ネェル・アーガマの通信コンソールで、生存者の返答波形を追う)酸素循環システム、バイパス送電に成功! 避難民の人たちの呼吸音が落ち着いていくわ! ジュドー、ルー、全員救出できるわよ!!」
(数時間に及ぶ必死の救援作業の末、暗黒宙域に放置されていた数百名の避難民は無事に全機回収され、アーガマとネェル・アーガマの医務室へと収容されていく)
ビーチャ
「(汗だくになってコンソールに突っ伏しながら、感極まった声を上げる)やった……やったぞ!! 避難民全員、無傷で救出完了だ!! 誰一人、死なずに済んだんだ!!」
モンド
「うおおおっ! サイコミュとハイ・メガ・キャノンを使って、本当に人を助けちまった! 俺たち、ついにやり遂げただろ!!」
(格納庫と通信室に、救出された人々からの歓声と、乗組員たちの安堵の拍手が響き渡る。しかし、その歓声の渦の中で、リィナは静かにマイクのスイッチを入れ、全員の顔を見つめる)
リィナ
「……みなさん。無事で本当によかった。……でも、だからこそ、言わなければいけないことがあります」
ジュドー
「(コックピットから降り、汗を拭いながらリィナを見つめる)……リィナ?」
リィナ
「私たちが結成した、この9人の女性メンバーによる『ラブライブ!』のステージも、全宇宙への通信活動も……今この瞬間をもって、完全に解散とさせていただきます」
エル
「(一瞬だけ目を見開き、そして誇らしげに微笑む)……ええ。分かっているわ、リィナ。アタシたちがこの9人で歌を歌ったのは、全国大会で有名になるためでも、誰かと戦って勝利するためでもなかった。……こうやって、届くはずのなかったSOSを拾い上げて、誰かの命を救うためだったんだものね」
ルー
「目的は果たされたわ。アタシたちが同じ舞台の上に並び立つのは、これが最後よ」
プルツー
「(胸の黄色いリボンを解き、静かにポケットへしまいながら)……フン。最初から慣れ合うつもりなんてなかったさ。だけど……最後のステージが、誰かを殺すためじゃなく、生かすためのものだったことだけは……悪くなかったよ」
ジュドー
「(仲間たちの清々しい表情を見つめ、静かに頷く)……ああ。9人での最高のステージは、これで終わりだ。……次は、俺たち一人ひとりが、自分自身の進むべき道を決める番だな」