魔法の才能ゼロの令嬢に最強ジジイが科学を教えたら?→A.めっちゃ無双する:【才無し侯爵令嬢と魔法ジジイの科学革命】 作:Koh_novel
三人でコーヒーを飲みながら。
グリモワルドがコップを片手に、アリサを見た。
「さて。弟子入りということじゃ。まずは一つ、魔法のことでも聞いてみようかな」
「は、はいっ!」
アリサが背筋を伸ばした。
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「アリサ、お主は炎の魔法を使う時はどうしてる?」
「炎の形、大きさ、熱さ、色、そういったものをイメージしながら魔力を込めて詠唱をします。イメージの精度を高めるために、実際の炎を見たり、熱さを感じたりもします。そのイメージの精度が魔法の威力や効率に直結するので。——お祖父様からは、私はその想像力が良いと言われています」
「え、実際の炎を見たり感じたりすると精度が上がるの……? 教科書にも書いてなかった」
「お祖父様がご自身の経験から研究されていることでして……。まだ教科書には載っていない話だと思います」
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「ふむ。ではその想像力が豊かなアリサに質問なんじゃが——」
グリモワルドが人差し指を立てた。その指先に、ぽっと小さな炎が灯った。
「この魔法の炎は、"なにが燃えている"んじゃ?」
「……え?」
「薪を燃やす時は、薪が燃えるじゃろ。魔法の炎は、なにを燃料にしてるんじゃ?」
「え……あ。え、な、なんでしょう……魔力、ですか?」
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「ある意味正解に近いが、正確には——"わからない"じゃ」
グリモワルドが言った。
「何が燃えてるか詳細はわからん。じゃが、燃えている結果をイメージして魔力を込めて詠唱することで、世界がそれを顕現させる。これが"魔法"じゃ」
「…………」
アリサは口を開けたまま、固まっていた。——今まで一度も考えたことがなかった。炎の魔法は炎を出すもの。それ以上の疑問を持ったことがなかった。
「たとえばお主が使ったフェニックスじゃな。あの詠唱をして魔力を込めると、なぜフェニックスになるか。——到底わしにもわからんわい」
「お師匠様にも、わからない……?」
「わからん。じゃが、こうすれば出る」
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グリモワルドが、軽く口を開いた。
「——炎の化身、その大いなる炎の翼をここに顕さん」
——短い。超級魔法のあの数分にもわたる長大な詠唱を、一文に凝縮している……!?
さらに、グリモワルドは続けた。
「——あと部屋ででかいと困るので小さめになってくれると助かる。——あと周りを燃やさない感じの炎の化身で頼む」
——は?
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グリモワルドの伸ばした右腕の上に、光が集まった。
赤い羽根が生え、嘴ができ、長い尾が伸びる。
——小鳥ほどの大きさの、フェニックスが現れた。
アリサが大会で出したフェニックスは、揺らぐ炎の塊だった。巨大で、荒々しくて、魔法の炎そのもので。
——だが、これは違った。
まるで最初から本当にそういう赤く小さな鳥がそこにいるかのような、実在感。
炎の揺らぎはないどころか、炎は全く表に見えなかった。羽の一枚一枚が緻密で、小さな黒い目がきょろりと動いた。
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——超級魔法の短縮詠唱。
——まるで現実の鳥がいるかのような魔法の精度。
——しかもアドリブで条件を追加して、魔法そのものを改変している。
——そんなことが、できるものなのか。
アリサは声が出なかった。
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「わ、可愛い」
ピリカが手を伸ばして、ミニフェニックスに触った。
「……あ、ちょっと熱い。やっぱりフェニックスって言うくらいですし、体温高めなんですね」
「そういうイメージで出したからのう」
ピリカが——超級魔法の産物に、普通に触っている。
グリモワルドが腕を軽く振り上げた。ミニフェニックスが腕を離れ、部屋の中をぱたぱたと飛び回り始めた。
棚の上を旋回し、暖炉の前を横切り、天井近くをくるりと一周する。当たり前のように部屋のものはなにも燃えていない。ピリカはそれを目で追って、楽しそうに笑っている。
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「…………」
アリサは、その光景を見ていた。
超級魔法で生み出された存在が、目の前を飛んでいる。それを当たり前のように眺める弟子と、椅子に座ったまま欠伸をしている師匠。
——なんなの、この師弟。
——これが、普通なの?
本話のAIイメージ画像作りました!アリサも映ってるよ!ぜひ見てみてください!
【挿絵表示】
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かきしちさん、真白ざくろさんに高評価いただきました!
ありがてぇ、、、!
引き続き更新頑張ります!(*>∇<)ノ