魔法少女はギャルじゃない! 【魔法少女ユメミ97】 作:葛川忍
東中高校。
この国最大の歓楽街のすぐそばに建つ私立高校である。校舎の5階。
全校生徒職員の全てが消えた学校の廊下で狩りは行われていた。
人間のではない。
「ごふッ!! ぐおおおおお!!」
「がッ!! ぐッ………………あああああ!!」
タール色の触手が作業員に扮したUCOの戦闘班を襲う。
ある者は単に叩きつけられ、ある者は壁から生えた触手に締め付けられ苦しみに喘ぐ。
「トゥルルルルルルルル」
テンタル星人は笑っているように見えた。
地球人には異星人の表情は読めない。
だが本来であれば一瞬でUCOを殲滅可能な能力を持ちながら、敢えて時間をかけて戦列を崩してゆく様には遊びを感じる。
「もう一度だ! もう一度火力を叩き込む!」
地球人を舐めるなよ____UCO戦闘隊A班隊長・岩明の心中には怒りと驚愕が同時に存在している。
彼はユメミをシンイチのもとに連れて行った男のひとりであるが、同時に地球人の中ではじめて異星人に対し戦闘の指揮を執る男になったと言えよう。
「用意!」
8人用意いた戦闘班は既に岩明を入れて3人に減らされている。
そして無事な戦力は背後に制服姿の女子高生を守っている。
その姿はいわゆる
彼らは実験兵器である3式パルスライフルで武装している。
電磁誘導コイル、放熱器、そして電気コードを特徴とした外観のそれは銃というよりも長方形の箱に近い。
家庭用エアコンの室外機程度の大きさがある外付け電源により電力を圧縮した光に変えプラズマ弾を撃ちだす超科学兵器。
あまりにも実戦での使い勝手が悪く、実用化されるはずのない武器であるが、敵が異星人ならどうか。
「______撃てッ!!」
照準用レーザーがテンタル星人の身体に着弾ポイントを示した。
全てのポイントが重なった瞬間、岩明の号令で引き金が引かれる。
雷鳴が落ちたような音と光と共にプラズマ弾が放たれる。
プラズマは空気を破壊しながら廊下の窓ガラスや薄い壁を吹き飛ばしてテンタル星人に着弾した。
UCOが光学兵器使用の為に装着したゴーグルが無意味に思えるほどの閃光に岩明は苦痛を感じる。
だがそれだけのプラズマを食らわせたのだ。
まともに耐えられる生物などこの宇宙に存在しない。
しかし。
「やはり______だめなのか」
視界が回復し放出された電磁波の中で眩暈を堪えながらUCOの隊員らが見たものはまったく無傷のまま眼球をぎょろぎょろと動かすテンタル星人の健在であった。
「逃げろ! 屋上_________ぐはあ!!」
背後に守った制服の少女を逃がす為に叫んだ岩明の身体がタール色の触手によって吹き飛ばされた。
他に残った隊員も触手に絡めとられ、その身体を弄ばれようとしている。
「我々では______ダメなのか」
岩明自身も身体を触手に絡めとられ、凌辱の意志を持った触手が尻の穴に迫ろうとしていた。
もはやUCO隊員は異物の挿入を防ぐため、拳銃やナイフを手に惨めな抵抗を試みるしかできなかったのである。
◆
「目標、健在」
一方、この戦闘を統括している守衛室ではシンイチとルミコが戦闘班の様子をドローンから中継される映像によって監視していた。
守衛室は仮設のモニタールーム兼作戦本部というわけだろう。
「パルスライフルがまるで効いてないね。クラウスの言葉を借りるなら、次元が違うってわけだ。これなら普通の銃でもよかったかな」
シンイチはテンタル星人に無力化されてゆく戦闘班を見て場違いな笑みを浮かべている。
この男は笑顔を作る必要のない場面で笑顔を作る。
「人でなし」
ルミコはドローンを操るコントローラーを操作しノートパソコンのディスプレイから目を離さずに小声で呟いた。
思わず口から洩れてしまった、というような声だった。
「なんか言った?」
シンイチはモニターから顔を逸らしルミコを見る。
この男は笑いすぎる。
時と場合を考えない笑顔には邪悪が潜む。
ルミコは無視を決めた。
そういう時ではない。
しかしこの手の男は相手のルールを考えない。
「結果が見えてるのにUCOの戦闘部隊と実験兵器をぶつける必要なんてなくな~い? もっと他に方法が考えられたはずなのにそうしなかったシンイチさんって最低~~~。そう考えてるんでしょ?」
ルミコは無視を決めた。
しかし、頬が僅かに緊張したのをシンイチは見逃さない。
「結果が見えていても、過程は見えない。だからやるんだよ」
そう言いながらシンイチは席を立ってルミコに近づいた。
無視を決め込んだルミコの頬が引きつる。
「世界で初めて宇宙人を相手に組織戦闘を挑んだっていう経験、いったいどれほどの価値になるんだろうね?」
「______!」
言うなりシンイチは背後からルミコを抱きしめる。
ごつごつとした手がルミコの作業着のボタンを外し、その下に守られていた薄い乳房に指を食い込ませた。
「ちょっと! 何考えてるんですか!? ______ひぅ!!」
突然ルミコの耳にシンイチの舌が挿しこまれた。
「ふざけッ!! はひっ! あっ! はあうッ___!」
シンイチの舌に耳たぶを舐められ、付け根をねぶられてルミコは悲鳴を抑えきれない。
「へえ、耳、敏感なんだね。あ、ダメだよドローンの
操作もちゃんとやんないと。貴重なデータなんだからさ」
振り払おうとするルミコだがシンイチには体術の心得があるのか、最小限の力だけでルミコの抵抗を抑えている。
「このッ______ひとでなッ______あひん!」
「真面目だねえ。それに優秀だ。こんな状態でもドローンはしっかり飛ばしてるんだからさ。ほらほら、抵抗してもいいけど状況報告はちゃんとしないと」
「______くっ。 目標、デコイをッ___んっ! ___追跡。 屋上_____出まッ___んはッ! で、出ます!」
ルミコはシンイチにうなじを舐めあげられ、乳房の突起を指で転がしながらも健気に状況を報告する。
その様子を本部護衛の為に付けられてUCO戦闘班のふたりが冷たい表情で見ないようにしている。
「ルミコちゃん。そもそも今回の作戦に不満マンマンだったもんね。わかるよ。あんな
シンイチがルミコの薄い乳房で恥ずかしそうに固くなってる突起を強く摘まんだ。
「__________はひッッッ♡」
「化け物には化け物ぶつけんだよ。昔からそう決まってんの」
シンイチはルミコの身体を弄びながらドローンに映された映像を見てやはり笑みを浮かべた。
片方のモニターにはテンタル星人に追われて屋上への階段をかけあがる制服姿の女子高生。
彼女はUCOが用意した囮である。
そしてもう片方のモニター。
そこには夜空に浮かび、月明かりに照らされた人影が映し出されていた。