戦姫絶唱シンフォギア 雪音クリスは幸せになりたい   作:牛☆大権現

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「忍ぶ者」

午前二時。

 

長野県山中。

 

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雨。

 

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静かな夜だった。

 

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山奥。

 

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人の気配はない。

 

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少なくとも普通なら。

 

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「・・・」

 

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緒川慎次は木の枝の上にいた。

 

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完全装備。

 

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黒装束。

 

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久しぶりの本職だった。

 

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通信機から翼の声。

 

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『慎次』

 

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「はい」

 

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『無理はするな』

 

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緒川は少し考えた。

 

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「難しい命令です」

 

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翼がため息を吐く。

 

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『生還を優先しろ』

 

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「承知しました」

 

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通信終了。

 

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緒川の目が変わる。

 

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執事の顔ではない。

 

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忍者の顔だった。

 

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神獣鏡が捉えた反応。

 

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地下。

 

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かなり深い。

 

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普通の施設ではない。

 

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「結界・・・」

 

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緒川が呟く。

 

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山全体が巨大な術式になっている。

 

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正面突破は不可能。

 

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なら。

 

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裏から入る。

 

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緒川は岩壁を駆け上がった。

 

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文字通り。

 

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垂直の崖。

 

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数十メートル。

 

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普通の人間なら死ぬ。

 

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緒川は普通ではなかった。

 

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五分後。

 

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洞窟発見。

 

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結界の死角。

 

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緒川は笑った。

 

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「杜撰ですね」

 

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誰も聞いていない。

 

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地下。

 

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巨大空間。

 

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緒川は息を呑んだ。

 

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広い。

 

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あまりにも広い。

 

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まるで地下都市。

 

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白装束達。

 

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仙道達。

 

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無数。

 

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その中央。

 

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巨大な陣。

 

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緒川の顔色が変わる。

 

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「これは・・・」

 

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見たことがない。

 

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だが分かる。

 

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危険だ。

 

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術式の中心。

 

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六つの棺。

 

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蒼。

 

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レイ。

 

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薫。

 

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ノア。

 

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ミナ。

 

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リリィ。

 

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全員眠っている。

 

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緒川は通信機へ手を伸ばす。

 

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だが。

 

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止まる。

 

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違和感。

 

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六つ。

 

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数える。

 

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もう一度。

 

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六つ。

 

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「・・・?」

 

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七人いたはずだった。

 

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ひまりは除く。

 

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なら六人で合っている。

 

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だが。

 

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何かがおかしい。

 

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視線を上げる。

 

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そこで。

 

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緒川は見つけた。

 

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七つ目の棺。

 

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まだ空。

 

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誰も入っていない。

 

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その瞬間。

 

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背筋が冷える。

 

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「神獣鏡・・・」

 

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徐福は最初から。

 

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ひまりも狙っている。

 

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通信機へ手を伸ばく。

 

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その時。

 

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拍手。

 

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静かな拍手。

 

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緒川が振り返る。

 

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李天華だった。

 

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「見事だ」

 

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緒川は動じない。

 

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「ありがとうございます」

 

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「褒めている」

 

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「恐縮です」

 

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李天華が少し笑う。

 

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「面白い男だ」

 

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緒川は答えない。

 

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そして。

 

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ゆっくり構える。

 

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武器はない。

 

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忍者だから。

 

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「帰ってもらう」

 

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李天華。

 

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「断ります」

 

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緒川。

 

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即答だった。

 

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次の瞬間。

 

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二人同時に動く。

 

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轟音。

 

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岩壁が砕ける。

 

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李天華の拳。

 

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緒川回避。

 

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紙一重。

 

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人間同士の戦いとは思えない。

 

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緒川が苦無を投げる。

 

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護符が迎撃。

 

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火花。

 

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「強いですね」

 

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「お前もな」

 

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李天華は少し驚いていた。

 

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普通の人間ではない。

 

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「なぜ戦う」

 

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李天華が聞く。

 

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「救うためです」

 

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即答。

 

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「失うだけだぞ」

 

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「かもしれません」

 

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「ならなぜ」

 

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緒川は少し考えた。

 

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そして。

 

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答える。

 

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「大切だからです」

 

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李天華が固まる。

 

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「失うかもしれない」

 

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「だから守る」

 

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「失うから諦める」

 

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「それは私には出来ません」

 

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その言葉。

 

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徐福と真逆だった。

 

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その時。

 

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警報。

 

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地下全体に響く。

 

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李天華の表情が変わる。

 

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「見つかったか」

 

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緒川も理解した。

 

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時間切れ。

 

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だが。

 

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目的は達成した。

 

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六人は生きている。

 

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そして。

 

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ひまりも狙われている。

 

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十分だ。

 

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緒川は印を結ぶ。

 

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煙玉。

 

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爆発。

 

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視界が白く染まる。

 

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消失。

 

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李天華が舌打ちする。

 

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「忍者か」

 

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そして。

 

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その様子を。

 

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遥か上。

 

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徐福は静かに見ていた。

 

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怒っていない。

 

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むしろ。

 

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少しだけ笑っている。

 

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「良い」

 

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「やはり希望は必要だ」

 

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視線の先。

 

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映し出されるのは。

 

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九条ひまり。

 

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最後の一人。

 

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そして基地。

 

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帰還した緒川の報告を聞いた全員が立ち上がる。

 

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六人は生存。

 

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だが。

 

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ひまりも狙われている。

 

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静寂。

 

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最初に動いたのはクリスだった。

 

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「助けに行く」

 

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誰も反対しない。

 

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もう。

 

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待つ段階は終わった。

 

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その時。

 

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エルフナインが言う。

 

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「準備が整いました」

 

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全員が振り返る。

 

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エルフナインの目。

 

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覚悟の目だった。

 

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「救出作戦を開始できます」

 

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