リゼロガチ勢がリゼロ世界に転生してしまう話   作:愉悦希望者/らるす

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第ゼロ章1 「その者の思い」

 

「今期のリゼロまじやべぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!確かに四期は原作だと六章に当たるから生半可なアニメになるとは思ってなかったけど……」

 

 薄暗い室内にパソコンの光が一つ。

 その光に照らされて震えて何事かを叫ぼうとする少年がいた。

 見た目はいかにも純粋な日本人でありおそらく年のころは高校生ほどであろうか。

 

 頭を感慨深げに揺らしつつ、手元のマウスで今しがた終わったらしい映像を止め若干のため息を漏らしながら少年は言った。

 

「……想像以上だ!!」

 

 一呼吸置いたのちに万感の思いを込めながら喉を揺らしてそう叫ぶ姿は、誰がどう見てもオタクである。当の本人にも自覚がありそれを誇らしく思っている。

 少年――朝霧(あさぎり) 夕弦(ゆづる)はリゼロを楽しんでいるのであった。

 

『Re:ゼロから始める異世界生活』

 

 それは小説投稿サイト小説家になろう――通称なろうにて連載されている超大人気異世界ファンタジー小説である。

 WEB小説から始まり、書籍化、漫画化、そしてアニメ化にも至ったその作品が夕弦は大好きであった。

 

 理由はいくつもある、なんといってもキャラがいいし伏線の張り巡らせたストーリーも素晴らしいと思わざるを得ない。

 

「それに――」

 

 菜月・昴。

 

 リゼロの栄えある我らが主人公であり、夕弦にとってはすごく強い感情を持つキャラである。

 それはひとえにおんなじ高校生であり、力がないなりにもその過酷な運命に抗い続ける事のできるいわゆる普通とは程遠いような彼の心根にひかれたのも要因の一つであるし、何より――

 

「昴、僕と同じ星が由来の名前!そういうのなんか親近感すっごい沸くんだよな~!」

 

 『夕弦』とは金星が由来だと父親から教えてもらったのだ。

 それがきっかけで星に興味を持ち始めたことを覚えている、このスバルという主人公も同じような境遇を持っているので親近感がわくわけである。

 

「それにしても、本当にリゼロ四期えっぐいな~。小説でみた六章の絶望感をこうもアニメで表現できるものなのか……本気出したね、アニメスタッフ!」

 

 絶賛アニメ四期を放送中であり、今日更新された話数を見終わった夕弦は感想をひとしきり吐き、感嘆の息を漏らす。最近の生活はリゼロを中心に回っているといっても過言ではなくアニメはもちろん、原作を読み返したり二次創作にも手を出していた。

 

 愛してやまないリゼロ、その先の展望を思いながらまた来週だなと思いつつ夕弦は椅子から立ち上がりベッドへと移動する。

 

「スバルは相変わらずかわいそうだしエミリアたんはかわいいし、パトラッシュはかっこいいし……最高か!!原作読んでて先の展開知ってるというのにこの高揚感、さすがだな~!」

 

 ベッドに入ってからも興奮を抑えきれずにいるのかじたばたしつつ感想を漏らしていく。

 

「ほんとう……らいしゅうがたの……しみ……だな――」

 

 それを最後のつぶやきとして夕弦の意識は闇の奥深くへと沈んでいった。

 

 

 

※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

 

 

 「オンギャァァァァッ!!」

 

 

 

 赤子の泣き声が響く。それは強い生命の息吹を感じさせる、そんな希望のある声だ。

 

「おお、ついに生まれたぞ!はは、元気な男の子だ!ほら、俺と君の愛しい息子だ。」

 

 黒髪の美丈夫が赤子を抱える女性の手を支えながらそう言葉にした。

 そこには幸せという幸せが詰まり、今にも泣きてしまいそうなほどやさしい声であった。

 

 それを聞いた女性は涙を流し、何度もうなずきながらその手に抱える我が子にささやくのだった。

 

「生まれてきてくれてありがとう……アトラス。私たちの愛しい子――」

 

 その手に眠る赤子は人知れず思う。

 

 どうやら転生してしまったらしいと。

 

(……一体全体、なにがどうしてこうなったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?)

 

 

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