アカ斬る劇場 二次会   作:原作改編

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アカ斬る劇場の二次会的なものです。


クロメ「わたしとお姉ちゃんって結局どっちが強いの?」

 クロメとアカメが荒廃した教会にいる。

 ふたりは横に並んで長椅子に座っていた。

 対面する形でランがふたりの様子をうかがっていた。

 

クロメ「わたしとお姉ちゃんってどっちが強いと思う?」

アカメ「……クロメ、いきなりどうした?」

クロメ「お姉ちゃん&村雨とわたし&八房が本気で戦ったら、どっちが強いのかなって」

アカメ「……結果(アニメ)がすべてだ」

クロメ「ずるいよ! 運ばっかだったじゃん」

アカメとクロメがにらみ合う。

ラン「ケンカはよしてください。ふたりのためにパネルを用意いたしましたので、これに答えを書いてください」

クロメ「さすがはラン」

アカメ「……すまないな」

ラン「それでは、ふたりとも『クロメさんとアカメさん、どっちの方が強いか』のお答えをどうぞ」

アカメ『八房全開ならクロメの方が強い』

クロメ『すべてにおいてわたしのが強い』

ラン「おっと、意見が若干揃いましたね。アカメさんが一歩引いた感じでしょうか?」

アカメ「……さすがに九対一で勝てるとは思ってない」

クロメ「負けず嫌いのお姉ちゃんにしては素直だね」

アカメ「……引くことも大事だ」

クロメ「『八房全開なら』ってところにお姉ちゃんのなけなしのプライドを感じるね。あはは、おもしろ」

アカメ「……(無言で村雨の柄に手をあてる)」

ラン「で、ではクロメさんが全快でなければ勝機はあると?」

アカメ「……正直、ナタラとドーヤぐらいなら勝てる」

クロメ「えー」

アカメ「なんだクロメ、言いたいことがあるならハッキリ言え」

クロメ「だってさ、アニメじゃあ危険種に助けられなきゃお姉ちゃんぜっっったいやられてたじゃん」

アカメ「……運も実力のうちだ」

クロメ「一番はわたしの人形にお姉ちゃんの村雨が通用しないとこだよね。心臓潰しても生きてるから、呪毒が効かないよ。これはもう致命的だよね」

アカメ「……しかし、クロメには村雨が効く」

クロメ「もし仮にお姉ちゃんがわたしに村雨したとしよう」

アカメ「……村雨を刺したら?」

クロメ「たぶんわたし毒殺されないんだよね」

アカメ「……なぜそう思う?」

クロメ「アニメのラスト、わたしが心臓を一突きされた時にさ。私の身体に呪毒の模様が出てなかったよね。あれは心臓を一突きしたから死んだわけであって、毒が回ってないって証拠なんじゃないかな」

アカメ「……なるほど」

クロメ「それにほら、わたしって薬漬けでしょ? すると毒にも耐性があると思うんだよね。だから村雨されても大丈夫。毒じゃあ死なないって可能性があるわけ」

アカメ「……」

クロメ「あはは、お姉ちゃんの呪毒は人形にもわたしにも通じなくて、わたしの八房はお姉ちゃんに効くなんて、有利すぎて笑えるね」

ラン「たしかに性能ではクロメさんが圧倒的ですね。しかし勝負は水物といいますし、一対一の戦闘ではアニメのようにアカメさんに軍配が上がるといったところでしょうか」

クロメ「んー、結果としてわたしが負けちゃったけどさ、あれは薬が切れちゃったからね。お菓子も置いてっちゃったのが不味かったかな。でも八房の奥の手も使ってないし、全開時のわたしならこんなにあっさりとやられなかったと思うよ」

アカメ「……それはどうだろうな」

クロメ「ん?」

アカメ「……タイマンなら。私は負けない」

ラン「アカメさん、どういったことでしょうか」

アカメ「……クロメの新薬、たしか『首を切り離したり、心臓を潰さないと死ななくなる』と説明してたな。私にとってどちらも造作もないことだ。村雨の奥の手を使えば、なおさらだ」

クロメ「む、たしかに」

アカメ「さらに、クロメは薬の末期症状で苦しんでた。身体がボロボロのクロメと健康な私では大きな差が出る。それがそのまま勝負を分けた。奥の手を使えば、私の勝利はまず間違いないだろう」

クロメ「その前に、八房してあげたかったなぁ」

アカメ「……私が八房で刺されたとしよう」

クロメ「うん、お姉ちゃんを八房したら?」

アカメ「……私が止まると思うか?」

クロメ「え?」

アカメ「……骸人形は死後強い念によって動くことがある。つまり私が八房されてもクロメを殺しに行くと思う」

クロメ「あー、なるほどね」

アカメ「……つまり、クロメの骸人形にされても、いう事を聞かない可能性が極めて高い」

ラン「たしかに、『最愛だからこそ~』のくだりがありますからね」

アカメ「ヤメロ」

クロメ「あはは、最愛って、笑っちゃうよね」

アカメ「言うな」

クロメ「台詞だけ聞いたらお姉ちゃんの方がよっぽどヤンデレだよね」

アカメ「……くっ(ランを睨みつける)」

クロメ「あー、お姉ちゃん耳まで真赤だよ」

アカメ「これは、その、生まれつきだ」

クロメ「うふふ、照れてるお姉ちゃんかわいい」

アカメ「……っ(頬を赤く染めてうつむく)」

クロメがひとしきり笑う。

笑いつかれた後、深呼吸した。

クロメ「まぁでも、お姉ちゃんに殺してもらえてうれしかったよ」

アカメ「……クロメ」

クロメ「主人公補正に負けたと思えば、ほらぜんぜん悔しくない」

アカメ「主人公補正などない」

クロメ「じゃあ……タイトルヒロイン補正?」

アカメ「タイトルヒロイン言うな」

ラン「クロメさん、それくらいにして」

クロメ「あはは、テンパるお姉ちゃんかわいすぎ、人形にしたい」

 

ラン「えーそれでは、結果をまとめさせていただきます。『相性的にも帝具の性能的にも圧倒的にクロメさんが強いですが、人形なしの一対一ならアカメさんの方が圧倒的に強い』と言う事でよろしいですか」

クロメ「まぁ、そんなとこだろうね」

アカメ「……いいと思う」

ラン「つまり、アニメではクロメさんが一騎打ちになったことこそ最大の敗因だった、ということですね」

アカメ「クロメが私に負けるのはしょうがないことだったんだ」

クロメ「そうだね、お姉ちゃん雑魚相手に強いもんね」

アカメ「……サラッと自虐してどうする」

クロメ「お姉ちゃんと一緒なら自虐も楽しいよ」

アカメ「……クロメ、本当によく笑うようになったな」

クロメ「お姉ちゃん相手だもん。たぶんアニメ本編より笑ってるよ。もう一生分笑った気がするよ」

アカメ「……私も同じだ」

クロメの足元で何かが壊れる音。

 

アカメ「クロメ、そろそろ成仏できそうか?」

イスに隠れていたクロメの足がない。足元には砕けた八房。

ここにいるクロメは自縛霊だった。

地面からふわふわと浮いていた。気を抜けば一気に昇天してしまいそうだ。

クロメ「うん、もう逝けそうだよ。ありがとう」

アカメ「……そうか、気を付けろよ」

クロメ「今度はわたしがお姉ちゃんを置いてく番だからね」

アカメ「……悪かったと思ってる」

クロメ「うんいいよ、許してあげる。その代わりちゃんとわたしのお墓にお菓子をお供えするのを忘れないでね。じゃないと化けて出るから」

アカメ「……ああ(目を閉じて少し笑う)」

しばらくの沈黙。ふたりは見つめ合う。

クロメ「最後にね、お姉ちゃんと話せてよかった」

アカメ「ああ、私もだ」

クロメ「ラン、ウェイブによろしく言っておいて」

ラ ン「ええ、わかりました」

クロメ「それじゃあ、ありがとうラン、大好きだよお姉ちゃん、バイバーイ!」

クロメは笑顔で手を振る。

柔らかい光に包まれた天へとのぼっていった。

ラン「逝ってしまいましたね」

アカメ「……ああ」

ラン「八房のせいで地縛霊になったクロメさんを助けることができたのは、アカメさんだけです。ありがとうございました」

アカメ「……これでもう、クロメは苦しまなくてすんだ」

ラ ン 「クロメさん、どうか安らかに」

アカメ「さよならクロメ、私のたったひとりの妹」

 

 

後日、ある朝。アカメが目覚める。

幽霊になったクロメが布団の中にいた。

アカメ「……おい、クロメ」

クロメ「んあ? おはようお姉ちゃん」

アカメ「……クロメ、成仏したんじゃなかったのか」

クロメ「うん、わたし浮遊霊になったからずっと一緒だよ」

アカメ「……つかれた」

 

 

おわり




勢いで書きました。後悔はしてません。
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