絶対無敵の融合戦士は名探偵の保護者になるってよ   作:ターレスさん

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久しぶりに絶望への反抗を観ましたが本当に名作ですね。



其の三

 

エイジ777年(ゴジータが住む世界)

ゴジータとベジット、どちらが強いのかを決める闘いの余波で時空内に放り込まれ、そこでポチタンと出会う。

西暦2027年(あんなが住む世界)

ポチタンの力によりゴジータにとっては異世界に到着した事となり、そこであんなと出会う。

西暦1999年(みくるが住む世界)

再度ポチタンの力により今度はあんなと一緒に現代から過去の時代へ遡り、そこでみくると出会う。

怪盗団ファントムの一員と怪物ハンニンダーの出現により、色々とあった末にあんなとみくるの想いがポチタンに共鳴して、名探偵プリキュアのキュアアンサーとキュアミスティックに変身した二人はこれを撃退。

みくるよってこの世界は西暦1999年4月と判明する。

 

 

「何でそんな落ち着いているの!?」

 

「色々とあったんだよ。」

 

アンサーの問いにゴジータは淡々と答えた。

実際に彼は()()()()()()()()()に行き、修行をした事があるし、この目で()()()()()()()()()()()()()()を目撃した、と言った本当に様々な事を経験したから冷静なのだ。

だがそんな彼でも流石に異世界に到着したとなると少し動揺をしていた。

 

 

 

 

【とある目的地】

 

変身を解いた二人。

あんなは寄ってみたい場所があると言い、ゴジータとみくる、ポチタン達を引き連れて目的地まで案内した。

到着するとあんなは設置されていた看板を見て、説明した。

 

「えっとね…ここが私の家!」

 

「へえー!」

 

あんなは看板に写っているマンションを指差して自分の家だと言ったが、実際にそこを見てみると建物すら無い更地だったのだ。

 

「街ごと無いんだけどーーーっ!!??」

 

「未来から来たって本当だったんですかーーーっ!!??」

 

みくるは彼女が未来から来た事を確信し、あんなは最悪な形で現代から過去に来たと確信になった。

 

「探偵事務所の名探偵ではなかったんですかっ!?」

 

「だから私、ウソつかないって!誕生日パーティーがあるから帰らないと!名探偵でしょ?助けてーーーっ!!??」

 

あんなに詰め寄られるみくるはタジタジになっていた。そもそも名探偵プリキュアに変身したアンサーことあんなも名探偵だろうとツッコミを入れるみくる。

そしてこの二人のやり取りを黙って見ていたゴジータは言った。

 

「タイムマシンさえあれば何とかなるんだけどな。それによ…。」

 

「タイムマシン…アニメや映画に出るアレ!!」

 

「いやいや、簡単に出来れば苦労はしませんって…。」

 

何かを言い掛けたゴジータの話を遮った二人、あんなは夢の様な発言に目を輝かせ、逆にみくるはやれやれと言った表情で今の技術では到底不可能でそんな上手く事が運べないと否定する。

 

「最後まで聞け。オレとアケチはコバヤシの世界に来れた…さーて、それはどうやって来れたか考えてみな?」

 

「「あっ…ポチタン!!」」

 

「ポチポチ!!」

 

そうだと頷いたゴジータだが、もう少し冷静になって頭を使えと言い掛かったが、流石にまだ様々な経験をしていない子に言うのはそれはそれとして酷な話だと思い心の内に留めた。

 

「(まあ…そいつがいつになるのかは解らんけどな。)」

 

「でもポチタンって言われても…。」

 

「そうだ!あそこに行けば…!!」

 

何かを思い付いたみくるは二人と一匹をとある場所にへと案内した。

 

 

 

 

 

【キュアット探偵事務所】

 

「ここに名探偵プリキュアが居ます!」

 

「えー!?他にも名探偵プリ…」

 

「お静かに!!」

 

大声で言うあんなの口を塞ぐみくる。

どうやらプリキュアが居る事は世間に秘密らしい。

 

「じゃあ、何故お前は知っている?」

 

「まあまあ、気にせずに。きっと協力してくれます!!」

 

ゴジータのもっともな質問をはぐらかし、建物の中に入ろうと勧めるみくるに、おおよそ過去にそのプリキュアに助けられたのだろうと結論付けた。

 

「ごめんくださーい!」

 

「邪魔するぜ。」

 

「お邪魔しまーす!」

 

事務所に入った三人と一匹。

日中とはいえ、建物内の電気は点いてなく誰も居ない状況にもしかしたら外出中なのかと二人は思った。

 

「何か…イメージと違う…。」

 

「居るんだろ?だったら返事くらいはしな。」

 

「えっ…どこに!?」

 

『依頼は断っている。』

 

突然どこかからこの事務所に関係者らしき者のそれも子供の様な声が聞こえた。

 

「色々あってコイツは過去から、オレは違う世界から来た。そんで元の世界に帰る方法を聞きに来たんだ。」

 

『冗談に付き合ってる暇は無い、帰ってくれ。』

 

こちらの話を信用せずにビリビリと何かを捲りながら三人にこの事務所から出て行く様に促す。

 

「ガキの遊びに付き合ってる暇は無い。」

 

「えっ…いつのま…おまっ!?」

 

そこに居たはずなのに突然背後から声を掛けたゴジータに振り向き、目を見開いて驚愕する人物。

 

「あんまり暴れるとマズいぜ?坊主。」

 

ゴジータに片手で持ち上げられジタバタと暴れる人物の姿は金髪でゴーグルを掛けており、白衣を着た少年だった。

 

「本当に子供だ…。」

 

「そのまま落ち着いて聞いてください。私達は名探偵プリキュアなんです!!」

 

「誰がそんな話を信じる…ん?そいつは…!?」

 

みくるの話自体は信じてはいなかったが、あんなとみくるが身に付けている変身のペンダントに二度目の驚愕をする少年。

 

「おい!離してくれ!やっぱり今は離すなよ…絶対に…絶対になあっ!!」

 

「…………。」

 

「ギャフン!?」

 

設置されているソファに無言で放り投げられた少年は変な声を出したが、その着弾点には何故か煙が発生していた。

そして煙が晴れるとそこに居たのは…

 

「よ、妖精!?」

 

「フン…!」

 

先程の少年とは打って変わり、ポチタン程度の大きさで黄色を主とした妖精の姿になっていたのだ。この姿を見られたのがイヤだったのか鼻を鳴らし、目を逸らしていた。

 

 

 

 

それから先の妖精は少年の姿に戻り、あんなとみくるのペンダントを調べていた。

 

「これでプリキュアに変身しただと?」

 

「妖精が人間になるなんて。」

 

「あなた…プリキュアの()()()()()?」

 

「いいや。ボクは天才発明家ジェット!探偵道具を発明するのが仕事だ!」

 

「へえーそいつは凄いな、若いのによ〜。」

 

「ゴジータさんのそれ…本当に褒めてます?」

 

幼いながらに様々な道具を発明するジェットを褒めるあんな、ゴジータは軽い物言いに聞こえたのかみくるがツッコミを入れる。そして当の本人は何故かムッとした表情になっていた。

 

「お前達は何歳だ?」

 

「私は14歳だよ。」

 

「えっ?私ももうすぐ14歳!」

 

「そうなの!?はなまるびっくりーっ!!」

 

あんなとみくるの歳は近いと言う訳で親近感が沸き、ジェットの会話をそっちのけでトークが盛り上がっていた。

 

「同い年なら敬語は無し!あんなって呼んでー!」

 

「じゃあ私もみくるでー!」

 

「これだから子供は…でゴジータだっけな…アンタはいくつだ?」

 

「オレか?えーっと…」

 

問いに何故か考え込むゴジータにジェットは変わった服装なのは置いといて、見た目からしてそこまで歳を重ねていないからすぐに答えを言えるだろうと訝しいんでいた。

 

「そうだな、40それとも45になる…のか?」

 

「いや、知らないよ。てか何で5歳も振り幅があるんだよ…。」

 

「えっと…アジ?それともサンマ読み…だよね?」

 

「それを言うのなら『サバ読み』だよ、あんな。」

 

ゴジータの曖昧な答えにジェットは呆れた表情になり、トークを終えたあんなとみくるもこちらの話に参加しながらも二人でちょっとした漫才を繰り広げていた。

 

「まあ、オレの年齢なんかどうでも良いさ。」

 

「アンタ、適当だな…まあ、言える事はボクの方が確実に歳上だな!なんせ2()2()2()()だからな!」

 

「へえーおめえ、結構なじっちゃんだったんだな。」

 

「誰がおじいさんだよ!?ボクは妖精の中では若い方なんだよ!!」

 

「おめえ…面倒くせえヤツだな?」

 

「うっさい!!」

 

ムキになっていたジェットは咳払いして、あんなとみくるが持つペンダントをどこで手に入れたかを聞いた。

 

「ずっーと前におばあちゃんに貰ったの。でも詳しい事は解らなくて。」

 

「私はね、自分の机にペンダントが置いてあって、そしたらポチタンとゴジータさんが現れたの。」

 

「ポチタン…?」

 

そう言えば事務所に入ってからポチタンの姿を見かけない事に気付いた二人。

 

「さっきからこの中をうろうろしていたな。」

 

「見ていたのなら止め…」

 

『シンニュウシャ!シンニュウシャ!ハッケン!』

 

突然アラーム音、機械音の警告がこの部屋内に鳴り響いた。ジェットはその位置を理解しているのかそそくさと走って行った。三人も彼を追い掛ける様に向かった。

 

ガチャ…

 

「うわっ!?」

 

扉を開けるとそこには包装された様々な物が大量に床に散らばっていた。

 

「ボクのおやつ…!!」

 

「「凄い量!?」」

 

「発明でエネルギーを使うから必要なんだよーーっ!?」

 

床に散らばった大量のおやつの中からガサガサと動くナニカ。

 

「ポーチ!」

 

「ポチタン!」

 

()()()()()!?」

 

ジェットはポチタンは時間と空間をワープする、とても珍しい妖精だと説明した。

 

「そうか…タイムスリップの原因はお前か。」

 

「ポチタンにまた頼めば私達は元の世界に帰れるって事だね!」

 

「その通りだ。でもよく解ったな?」

 

「うん。でもねゴジータさんから『オレとアケチはコバヤシの世界に来れた…さーて、それはどうやって来れたか考えてみな?』ってアドバイスをもらって、みくるにこの事務所に連れて来てもらったの。」

 

二人に感心の目を向けるジェット。

ゴジータはあくまで二人が考えた結果であって自分は何もしていないと謙遜をしており、一方みくるは上手くことがらを運んだのか胸を張ってドヤ顔をしていた。

 

「待て、そもそも赤ちゃんでは無かっただろ?」

 

「うん。ポチタンはタイムスリップの力を使ったから赤ちゃんになったんだと思うよ。」

 

「だからこの子が元に戻ればもう一回タイムスリップを使えるって事だね。」

 

「コイツが成長するまで辛抱する、って言ってもいつになる事やら。」

 

悩む三人にジェットは少し考え込んで答えた。

 

「真実が詰められた宝石…マコトジュエル、それがあれば…!ただ…見つけるのは難しい。」

 

マコトジュエル…少し前に怪盗団ファントムのニジーが集めている、想いが込められた物に宿るアレの事だ。

 

「これの事?」

 

「持ってるのーーーっ!?これで元に戻る!!」

 

名探偵に変身したアンサーとミスティックがハンニンダーを浄化した時に入手していたのだ。

そしてあんなが持っていたマコトジュエルはポチタンに共鳴したのか光を出し、ポチタンが身に付けているネクタイの様な物に吸い込まれていったのだ。

 

「ポポポポ…」

 

「元に戻るの!?」

 

力を込め始めたポチタンにみくるは元の姿に戻ると期待した。

 

「ポーチーーッ!!」

 

「「「えっ…?」」」

 

「あちゃー…。」

 

ポンっとポチタンの頭上から出現したのは哺乳瓶の様な物だった。そしてそれを飲み干すポチタン。

元の姿に戻るにはどうやらまだまだマコトジュエルが必要である。だから探そうと意気込むあんなとみくる。

 

「プリキュアの先輩の力を借りればね!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「この世界だと?」

 

ジェット曰く、数ヶ月前にはこの事務所に居た情報はあったが理由は解らず突然消息不明になったとの事だ。

 

「この事務所を閉めるためにボクはロンドンのキュアット探偵事務所から来たんだ。」

 

「成程、他にもあるのか。お前がここやポチタン、そのジュエルに詳しいのはそう言う事か。」

 

「ここでプリキュアの先輩と調査するのが夢だったのに…。」

 

夢が叶わず落ち込むみくるにあんなは立ち上がり言った。

 

「居るよ。私達が居る!やろうよ、ここで名探偵!ねっ?みくる!!」

 

「ええ…そうだね!!」

 

あんなの宣言に鼓舞されたみくるは頷く。

その二人の様子を見ていたゴジータ。

その視線はあんなを捉えていた。

 

「でも…あんなは自分の時代に…」

 

「勝手に決めるなよ。ボクはお前達二人がプリキュアだって認めてない。ボクはこの目で見た物しか信じないからな!」

 

頑なにあんなとみくるの事を信じないジェットに助け舟を出すゴジータ。

 

「オレがこの目でそいつを見た、って言ってもか?」

 

「そうだ。それにアンタ事もだ。」

 

「やっぱおめえ…面倒なヤツだ。」

 

「何とでも言え。」

 

助け舟も突っぱねるジェットに呆れた表情になるゴジータ。

このままでは話は平行線だから論より証拠、みくるは立ち上がり変身をしようとした。

 

ゴーン…ゴーン…ゴーン…

 

だったが、時報をお知らせする年代物の時計が鳴り響いたため、帰宅宣言をしたみくる。気付いたら外は既に日が落ちており、どうやら彼女は学校の寮で暮らしており門限があるためだ。

そしてそのプリキュアの証拠は明日に見せると言い、出て行った。

 

「あっ…二人を泊めてあげて。」

 

「…はあ?」

 

 

 

それから日は完全に落ち、真夜中。

あんなとポチタンは既に眠っており、ジェットはあんなのペンダントを凝視して何か考え込んでいた。

そしてゴジータは一人、事務所の窓から外の空をじっと眺めていた。

 

「(とうとう夜になったか。)」

 

この世界到着して早々にあんなやみくるにポチタンとジェット達との出会い。そして怪盗団ファントムと名乗る変な集団との闘い。今日一日だけでの様々な体験を振り返るゴジータ。

 

「…みくるやったね…お母さん…。」

 

「ったく…まだガキのくせに。」

 

やはりか突然自分の母と会えなくなり寂しさが寝言にでも現れるあんなに軽口を言うゴジータ。

そんな彼の脳内にはとある人物が今の彼女の状況を見たら何と言うとやらと思い浮かんでいた。

 

 

『やれやれ…甘っちょろいガキンチョだな。』

 

 

「お前も人の事が言えるか。」

 

「ふわあ…何だ、また起きていたのか。」

 

背後からゴジータに声を掛けたのは眠たそうな表情をしているジェットだ。そんな彼はあんなを見て一言。

 

「帰りたいくせに…多分。」

 

「…………。」

 

 

 

 

 

そして翌日。

元気な挨拶と共に事務所の扉を勢いよく開けるみくる。またもポチタンにどこかに連れ回されるあんな。騒ぎに駆け付けたジェット。

 

「昨日と同じだ!」

 

「昨日…?ま、待ってよーーっ!」

 

そのままあんなとポチタンを追い掛けに行ったみくるの言った事に疑問になったジェットも彼女に着いて行く。

 

「騒がしいヤツらだ。さて…行くか。」

 

慌ただしく出て行った皆を呆れつつも口角を少し上げて言う、一人取り残されたゴジータもこの事務所から出て行った。

 

 

そしてあんなとポチタンは目的地の場所へと到着しており、後から来たみくるとジェットも合流した。

 

 

 

 

【パティスリーチュチュ】

 

どうやらここはケーキ屋らしく、その店のラウンジで何かを探している店員らしき者と少女が居た。

 

「たちゅけて…。」

 

「「うん!!」」

 

結婚式場に来た時と同じで何か困っている者を察知していたポチタンはあんなとみくるに懇願していた。もちろん二人は縦に頷く。

 

「よっ!」

 

「わーーっ!!??」

 

聞いた事のある声だが急に背後から声を掛けられた事に驚いて振り向くジェット、あんなとみくるとポチタンは何事も無くそちらに振り向く。

 

「「ゴジータさん。」」

 

「ポチー!」

 

「アンタ…一体いつから…?」

 

とジェットは言うがゴジータは気にするなと流し、あんなとみくるに顎で『行け』とサインをし、それに気づいた二人は聴き込みを行う。

 

「どうしたんですか?」

 

()()()()()()!?店長さんにも探してもらっているけど…」

 

エリザちゃん作家なんだ。この前、推理小説の賞を取ってね。」

 

「…………。」

 

「はわわ…!」

 

黙って聴き込みを聞いていたゴジータに気づいたエリザと呼ばれる少女は突然あたふたと慌て始めた。

 

「まいねーむいずエリザ。ないすとぅみーとぅー?」

 

「何言ってんだが…それでお前のペンとやらはいつ消えた?」

 

「わーーっ!日本語がお上手ですね!!」

 

「「前にも見たような…」」

 

「……ん?」

 

話を戻してエリザ曰く、コンクールの際に貰ったとても大切なペンで、先程にある老婆が彼女に話し掛けられたが、気づくとその老婆の姿は消えており大切なペンも消えていたとの事だ。

 

ポチタンが来たって事はまた事件かも。

 

おばあさんが犯人の可能性も。

 

「えっ!?おばあさんが!!」

 

老婆が犯人だと聞こえたエリザはささっと旧式の携帯電話を取り出した事にあんなとみくるは焦って止めており、そんな二人に呆れるジェット。

だが、幸いか警察に連絡が繋がらずに事を終えた。

 

()()()()みたいです。」

 

またもこのケーキ屋の店員らしき少女が現れて携帯が繋がらない事を説明した。

 

帆和さん。どう言う事?」

 

「電波が繋がらなくて携帯電話が使えないって今ニュースで。」

 

店長が店の固定電話で連絡すると言ったが、その老婆はまだ遠くには行っていないと予測したあんなは探しに走り出そうとするが、ジェットに待ったを掛けられる。

 

「ボクが発明したプリキット、探偵道具だ。このプリキットボイスメモを使えば連絡が出来る。」

 

彼の妖精の姿を模した機械をあんなに渡し、受け取った彼女は礼をして走り出して行った。

 

「さてとオレもアケチに着いて行くとするか。」

 

みくるとジェットはその場に残り、あんなだけが一人だからお互いに誰かと付いている状況が良いと判断したゴジータは彼女を追い掛けた。

 

「…って今度は徒歩でかよ!?」

 

ギャーギャーと喚くジェットは無視だ。

 

 

 

みくる&ジェットside

 

「ここで原稿を書いていたらおばあさんが来たの。『アナタのファンです。握手して下さい。』って。」

 

「それで握手をしたと。」

 

「うん!そんな事初めて言われたからとっても嬉しくって…でもサインをしようとしたらペンが無くて、おばあさんも居なくて…。」

 

その老婆の特徴は緑色の着物を着ており、団子の髪型だ。

そしてみくるは店の周辺を探るがかなり見通しが良く、仮に盗むのなら誰かしらに目撃をされているはずだ。

 

 

 

 

 

あんなside

 

犯人の特徴を聞いたあんなは周辺を見渡すとその人物を発見した。彼女は声を掛けようとするが通信越しのみくるが止めようとした。

 

『あんな!その人は…!!』

 

「え…?」

 

だが時既に遅く、あんなの声にその老婆は反応してこちらを見る。

 

「バイバイ、ベイビー!」

 

キザったらしい言動を発して逃走を図ろうとした老婆の行手を阻む人物が居た。

 

「このまま逃すと思うか?」

 

「なっ!?」

 

「ゴジータ…さん?」

 

ようやくあんなと合流出来したゴジータだ。

そして肩を掴まれた老婆は驚愕し、まだ状況を理解していないあんなはキョトンとしていた。

 

「そのバアちゃんが怪盗団ファントムだろ?」

『そのおばあさんは怪盗団ファントムだよ!!』

 

「いいーっ!?」

 

その老婆がファントムだと聞かされたあんなは驚き、通信越しで聞いていたジェットは既に知っているかのような反応をしていた。

それよりも彼は通信を聞いていないはずのゴジータがいつどのように犯人を特定したかの疑問が浮かんだが今は頭の片隅に置いた。

 

「確か…ニジーだったか、さっさと盗った物をかえ…」

 

彼の会話を突然遮ったのは人物が現れた。

 

「イテテ…余所見してすまんな。」

 

その人物はこれもまた老婆で、どうやら不注意で彼にぶつかったらしい。

 

「ご…ゴジータさん…この人…!!」

 

ぶつかった老婆を見てあんなは驚いていた。

何故なら今捕まえているニジーが変装している()()()()()()()だからだ。

そしてこの者は解りやすいように老婆Bとする。

 

「大丈夫だ。」

 

「すまんすまん、あれ…?どこじゃ、どこじゃ。」

 

確実に自分の手で捕まえているから大丈夫だと伝えるゴジータに何かを探しつつもわざとなのか老婆Bは彼にくっついたりしていた。

見ていたあんなも引き剥がそうとするも中々離れようとしない。

 

「どこじゃの〜…うわっ!?」

 

「へっ!?」

 

「ちっ…!」

 

今度は老婆Bはニジーにぶつかり、その反動で老婆(ニジー)を解放してしまったゴジータは舌打ちをする。

 

「イテテ…すまないすまない、悪かったな!だから許してくれ。」

 

「わかったからさっさと離れろ!鬱陶しい…アケチはソイツを見張ってくれ。」

 

「わかった!」

 

必死にしがみつき謝罪をする一般人の老婆Bを無理矢理引き剥がす訳には行かず、苦戦するゴジータはあんなに指示を出すものの一足遅かった。

 

その隙を見逃さない老婆(ニジー)は今度こそ逃亡を図った。

 

「何が何だか解らないが…感謝するよ!バイバーイ!」

 

「って早いよっ!?」

 

「アケチ、お前はソイツを逃さず追うんだ!…だからバアちゃん、お前はさっさと離れろ!」

 

「うん!!」

 

「本当にすまんのお!」

 

今だにゴジータにくっつくこの老婆Bが状況をハチャメチャ掻き乱した事に彼はウンザリとした表情でただただ深いため息を吐いた。

 

 




何だ、このバアさんどっから現れた!
閲覧ありがとうございました!
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