絶対無敵の融合戦士は名探偵の保護者になるってよ 作:ターレスさん
「「「「「「…………。」」」」」」
「みず…い…ろ…がくっ…。」
「えっ?…きゃあ!」
「おっ…お前達…あわわわ…!」
「全く…どうしてこうなったんだ?」
オレはゴジータだ。
簡単に今の状況を説明するととある理由で三人の小悪党を懲らしめている最中だ。まあ、ソイツらの内二人は既に気絶していて、残りは戦意を失ったヤツのみだ。
さてと…どうしてこんな事になったのかは時を戻そう。
【キュアット探偵事務所】
オレは事務所の部屋に入ると既に皆んなが集まっていた。
アンナはポチタンにミルクをあげていて、ミクルは落ち着かない様子で部屋の中を彷徨いた。ジェットは机に向かって何かを造っている。
「おっす!」
「おはよう、ゴジータさん!」
「ポチ!」
「うっす。」
自分の挨拶に各々が返事をした。
ん?アンナのヤツ、昨日はちょっと拗ねてたが今日は機嫌を良くしているな。まあ、それは置いて…今日はやけに落ち着かないコイツだ。
「おはようございますっ!!!」
「うるさい。」
ミクルだ。
大方、初めての依頼でワクワクしているってところだろ。元気な事は別に良い。でもあまりデカい声で騒ぐなよ…耳がキーンってするぜ。
「さっきからあんな感じだ。少しは落ち着けよ、みくる。」
「だってせっかく探偵事務所を開いたのに依頼人が来ないのよ!」
まあまあ、そいつは何も無く平和って事だから別に良いじゃねえか。アンナとジェットもそうだって頷いているぜ?
「むむむう…そうですけど…。」
「まあ、依頼が来るまで気長に落ち着いて待つんだな。ところでアンタはそろそろ服を買った方が良い。」
突然ジェットは服を買えと言ってきた。
何故だ?と言うと凄えジト目をされた…わかんねえよ。
「簡単な話、アンタの服は目立つからだ。探偵としてはどうかと思うが?だから適当な服を何着か買ってくれ。」
自分のお金でな…とジェットは今度は遠い目をしていた。別に目立とうが目立つまいがどうでも良いだろ。
「ずっと洗濯してないと汚い…かな?」
「いずれ臭い…ますね?」
「ぐっ!?……今のは流石のオレも効いたぜ…。」
もちろんジョーダンだ。
年頃の娘が居るってのは中々にややこしいな。でも仕方ない…ここはジェットの言う事を聞くとするか。
「じゃあ、行ってくる。」
「「「いってらっしゃい!」」」
「ポーチ!」
こうしてオレは自分の服を買いに街に出かけたんだ。あ、お金サンキューなジェット!
【街】
早速服屋を見つけて店に入ったオレ。
面倒な事にそこであまり会いたくねえヤツとバッタリ会った。
「あーっ!ゴジータさん、お元気ですか?」
「誰だソイツは、人違いだ。」
コイツは確か…小説家のエリザだ。
元気は元気だがどうせ『取材をさせてくれ!』って言うから知らんぷりを決め込む。
「もーう冗談言って〜!ところでゴジータさんがここに来るなんて珍しいですね?あっ…ズバリ、探偵さん達と一緒に来ましたね!」
残念ながらそいつはハズレだ。
まあ、いちいち説明するのも面倒だから一人で来たと答えた。それはそうと取材をさせろって言わないな。
「今日はオフのつもりでしたが、良いんですか!」
断る。誰も受けるとは言っていない。
さーて、適当に買ってさっさと帰るか。
「ゴジータさん…もっとオシャレをしましょう!」
「何だっていいだろ。」
オレが選んだ服を気に入らないのか、エリザは突然そんな事を言いだしたから適当に流そうとしたが。
「さあ、早速こちらへ!!」
「お、おい!?」
オレの手を引っ張り、連れ回すエリザ。
何だ、コイツのこのパワーは…このオレでも引き剥がせないだと…?
もしやコイツは…ギャグ漫画のキャラなのか?
それからオレはエリザの手によって着せ替え人形だっけ?…要するに様々な服を着せられた。
「うーん…軍人さんかな?」*1
「次はこれ!」*2
「これは…最っ勇気!!…何で西遊記?」*3
「ふむふむ、シンプルで良いですね!」*4
「このジャケットと合わせて。」*5
てな感じでどこかで見た事があるやつもあって、他にも色々と着させられたがそれは割愛しておく。
「何か妙に疲れたが…サンキューなエリザ。」
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。私だけが楽しみ過ぎましたね。」
何だかんだ楽しんだのならそれで良いだろ。
オレも何着か買えたし、まあ一つだけ惜しいのは身体を動きやすそうなジャージってやつをエリザにダメと言われた事が少しだけ悔やまれる。
「アイツらにも元気にしてるって伝えておくぜ。じゃあな。」
「はい!その時はぜひ取材の方を!」
そいつは遠慮しておく。
買い物も済んだしのんびり帰るとするか。
「いたっ!?…あっ…す、すみません!?僕の不注意でっ!!」
何て思っていたら突然男がぶつかって来た。
見た感じ、何かに焦っていてオレに気づいていなかったのだろう。まあ、ケガは無さそうだしあまり余所見をするなよな?
「は、はい!すみませんでした!」
あちゃー…アイツまたぶつかりそうになっている…本当に大丈夫か?
「おい、そこの姉ちゃん。」
「ん?どこかで見たような…まあ良いや、ちょっと俺達に付き合って貰おうか。」
「忙しいので結構です。」
今日はやけにイベントに遭遇するな…
それで今度はガラの悪い男達、一人は小太りなヤツともう一人はガリガリのヤツが帽子を被った女を確か…ナンパってやつをしていた。
「つれねえな?別に悪い事はしねえって。」
「にっひっひ…そうだぜ。」
「もう一度言います、忙しいので結構です。」
ウソつけ、絶対に悪い事をする顔をしているぞ?二回も断られているのにちょっとしつけえヤツ達だ。
「ちっ…こっちが下手に出てりゃあ調子に乗りやがって…!」
「ほら!親分も待っているからさっさと来い!」
「は、離して下さい!」
「何見てんだよ!見せもんじゃねえぞ!!」
痺れを切らしたガリガリが女の腕を無理矢理掴んでいて、小太りは騒ぎを嫌でも目に入った者に向けて声を荒げていた。
かく言うオレもその一部だ、見た以上はこのまま見過ごすのも目覚めが悪いし行くか。
「お前達ちょっとしつけぞ?ソイツが嫌がっているからその辺にしな。」
「え…?」
「俺達、泣く子も黙る
何だその妙ちくりんな名前は…もしかしてファントムの手下か?
「ふぁんとむ?何だそれは…?さてはこいつ、田舎者だな。」
「だったら、俺達がどんなに怖いかを…邪魔をしなければ良かったと後悔させてやる!」
何か威勢のいい事を言って襲い掛かって来た。
「ほれ。」
「なっ!?ぐあっ!!」
何も考えず真正面から向かって来たヤツは足元がお留守になっているから足を引っ掛かって転かした。
「うわー痛そう。」
「こっこの野郎ーーっ!」
今度は仲間のヤツが襲い掛かって来た。
力を抑えて…っと。
「ほい。」
「ひえーーーーっ!?」
ガン!…ガン!…ガンッ!
かなり力を抑えたデコピンでぶっ飛ばした。
電柱にぶつかっては次の電柱にぶつかる、さながらピンボールってヤツだな。
「…………。」
「あいてて…顔を擦りむいた…!」
「これに懲りたら悪さをするんじゃねえぞ。それでお前もここから離れな。」
「は、はい…ありがとうございます。」
帽子で顔が隠れていたがよく見りゃまだまだガキじゃねえか。まあいいや、いい加減アイツらも待っているし今度こそ帰らせて貰うからな。
「おやおや…うちの子分達が随分と世話になりましたね。」
「親分…!」
今度はコイツらの親分と新たに複数の部下が現れた。その部下達に囲まれたせいでガキは逃げれない状況だ。こいつが厄日ってヤツか?本当に面倒事が多いな。
「貴方は私達、盗っ兎団を知っていての狼藉ですか。」
「親分…こいつ俺達の事を知らない田舎者です。」
「………そうですか。」
何だこの微妙な空気は。
因みにガキにコイツらを知っているか聞いたが凄え言葉に悩んだ挙句、結局は知らなかったらしい。
「私が知らないだけかもしれませんし、本当は有名の方では?」
「こんな変なヤツらが?悪い意味で有名かもしれんがそれは無いな。」
「
何だいきなり、おめえコイツらにナンパをされて怯えていたのに急に強気になったな。
「おーーい!俺達の事をスルーしてんじゃねえよ!!」
「良いんですよ。今から私達がどれほど恐ろしいかをその身に…何ですか?降参ですか?」
そんな訳ねえだろ。
オレは両手を前に出してコイツらに宣言する。
かつてアイツがしたようにな。
「10秒だ。10秒を数え終わるまでは待ってやるから精々逃げるんだな。」
「何ですと…!?ふざけやがってーーーっ!!お前達やっておしまいっ!!!」
「「「「「うおおおーーーーっ!!!!」」」」」
複数の子分共が一斉に襲い掛かって来た。
「しっかり掴まってな。」
「えっ…?」
1…
「なっ…!?」
2…
「この…!?」
3…
「ちくしょう…!?」
4…
「何でだよ…!?」
5…
「当たれよ…!?」
6…
「避けるなよ…!?」
7…
「卑怯だぞ…!?」
8…
「ふざけるな…!?」
9…
「囲んで一斉にやれーーーっ!!!」
「「「「うおおーーーーっ!!!」」」」
10…
「数え終わったぜ?」
「だから何ですか…何ぃ!!??」
ドサッ……
たかがお前なんかにこのオレのスピードを観える訳もねえ。
「「「「「「…………。」」」」」」
「み…ず…い…ろ…がくっ…。」
「えっ?…きゃあ!」
「おっ…お前達…あわわわ…!」
「全く…どうしてこうなったんだ?」
そんで今に至る訳だ。
オレは服を買いに来ただけなのにどうして面倒事がこんなに多いのやら…
「さてと、これで解っただろ?だからお前も…」
「はいーーっ!?すみませんでしたーーーっ!?」
おいおい…コイツらを置いて先に逃げるなよ…
「まあいいや。おめえも大丈夫か?」
「はい…助けて頂いてありがとうございます!」
全然構わんがおめえもおめえであんなヤツらに目をつけられて災難だったな。
「これ以上面倒事はゴメンだからオレはさっさと帰るがおめえもここから離れた方が良いぜ?じゃあな。」
「まっ…待って!」
悪いが待たない。
さーて…アンナとミクルとポチタン…それにもう一人…成程。
「ようやく依頼が来たって事か。」
【怪盗団ファントムのアジト】
「成程…新たなマコトジュエルの在処が解った。」
「今度こそはボクが華麗に盗って参ります。」
「イーヤ、今回もアゲが行くっしょ!アンタは引っ込めって感じ。」
「それはコッチのセリフだよ、ベイビー!!」
どちかがマコトジュエルを盗りに行くかの言い合いをしていたニジーとアゲセーヌの2人に少女に着いている妖精は呆れていた。
「待て待て待てーっ!熱くなるのは結構だがな、その喧嘩…このゴウエモンが預かった!!」
歌舞伎男もといゴウエモンの宣言に呆れる者、睨み付ける者、露骨に嫌な表情をする者といった様々な反応が見られる。
「ウソノワール様、お任せください。」
「結局キミが行きたいだけだろ。」
「マジチョベリバ〜。」
「違う。
ゴウエモンが自前の扇子で指し示したのは少女とその少女に着いている妖精。
「何か算段があるって訳か。そうだろ先輩?」
少女と妖精の後ろに居るもう一人の人物も指していた。
「その通り。怪盗としてはまだまだ…だが相手の撹乱に関しては新人、アンタはずば抜けている。だからここは協力しようや。」
「ほーう…そいつは面白え、良いぜ。」
「では行け。ゴウエモン、キュアアルカナ・シャドウ、そして_____。ライライサー!」
「「「ライライサー!」」」
「…らいらいさー。」
【商店街】
既に事件の捜査をしていたあんなとみくる。
依頼者の名は小松崎純一。
彼は漫画家を目指していて、まことみらい出版社に原稿を届けに行く最中、原稿を出そうと自分が持ち歩いていたバッグの中身を見るとそこには一切入れた覚えの無い物が入っていた。
「改めて…駅前の公園で似たバッグを持ち歩いていた人とぶつかってバッグ事入れ替わる。」
「そのぶつかった人は純一さんを探しているのは若い女の人。そして私のこの似顔絵!」
「うんうん!でも…その人は見つからず、これと言った情報は無いね。」
「はあ…もう無理なのかな…。」
諦める純一にあんなとみくるは絶対に見つけ出すと励ましていた。
「見つけたぜ?紫の包み。」
「「「っ!?」」」
三人の前に颯爽と現れたのはゴウエモン。
「そのバッグを…いやマコトジュエルを置いていって貰おうか!」
「マコトジュエルって!?」
「怪盗団ファントム!?」
「か、か、怪盗団…?」
「漫画の原稿が入ったバッグを見つけるの!」
「だから絶対に渡さない!」
純一を守るように前に出る2人。
「熱いねえ、熱くて茹で上がっちまいそうだ⋯あー少し待ってくれ。」
そう言ったゴウエモンは突然喉元辺りを触りだした。その行動に訝しむあんなとみくる。
「…さあ、お手並拝見と行くか。」
「えっ…!?」
「どうして…!?」
ゴウエモンの少し渋めで江戸っ子の様な口調とは打って変わり、あんなとみくるには
「そらよっと!」
「「「うわっ!?」」」
不敵な笑みを浮かべたゴウエモン?が片手を軽く振るうと突風が発生した事により三人は腕で顔を伏せる。
その隙を見逃さなかったゴウエモン?は純一をバッグに狙いを定めた。
「少し借りるぜ。」
「逃すかよ!」
「………。」
ゴウエモン?がそのまま逃げようとしたところで立ち塞がるのはゴジータ。彼の登場により挟み撃ちになり立ち止まる。
「「ゴジータさん!その人がファントムだよ!!」」
「ああ。」
「………。」
沈黙を続けるゴウエモン?はゴジータに対してまるでそちらから掛かって来いと言わんばかりに手を振って挑発していた。
「………。」
先に動いたのはゴジータ。
ファントムであるニジーとアゲセーヌだった場合は彼に動かれるとかなり不都合だ。だがこのゴウエモン?はどうだ、どこか余裕の表情でゴジータと対面していた。
「……!」
「何っ!?」
ファントムぐらいなら余裕で対処出来ると、ある種の油断をしていたゴジータは真正面からゴウエモン?を捕まえようとしたが、そのゴウエモン?は他のファントムの連中なら視認出来ないはずの彼の高速行動に反応を出来てしまった。
「アンナ!ミクル!ソイツから離れろ!」
「「えっ…?」」
「…………。」
珍しく声を荒げるゴジータだったが、一歩どころか何歩も遅く反応に遅れたあんなとみくる。
そしてゴウエモンはあんなとみくるの間をすり抜けた瞬間、その姿は消えていた。
「おめえ達、大丈夫だったか!?」
「う…うん。特に何も……でも。」
「他のファントムと違って……少し変でした。」
焦った表情で安否の確認をされたあんなとみくるは本当に何もされてはいなかったが、どこか歯切れの悪い返事をしていた。
「あのファントムが…。」
「ゴジータさんの声…真似で。」
「「『
最後まで観て頂いてありがとうございます!