やぁ。初めまして……かな?
ごめんよ。私は色々な所を旅する行商人でね。
歳のせいもあってか、たまに記憶が曖昧になってしまうんだ。
フムフム…。見た感じ、君も旅人のようだね。
差し当たり……今は旅路の途中の休憩中ってとこかな?
フゥ……!どうやら私もだいぶ遠い所にまで来てしまったようだ。
昔からの悪癖でね。つい物事に没頭してしまうと周りの声が聞こえないくらい程、集中しちゃうんだよ。
隣いいかい?集中力が切れたせいか、なんだか無性に休みたくなってしまったよ。
よっこいせっと!!
え?私の名前かい?う〜ん…そうだなぁ…。
私の呼び名は色々あるけど…今は“絵本屋”…。そう呼んで欲しいかな?
まぁ、絵本屋と言っても別に絵本だけを売っているわけじゃないんだけどね…。
後ろの屋台には、小説だってライトノベルだって漫画だってある。気になる
…え?真っ白なローブを被って、声もデフォルトで加工されているような商人から商品を購入したくないだって?
…まぁ、言ってる事も尤もだね。警戒心が強いのはいい事だ、少なくとも私はそれを肯定する。
けど、ここで会ったのも何かの縁なんだ。お代はいらないから何か一冊、適当な絵本でも読み聞かせようか?
…え?もういい歳して絵本の読み聞かせはダサいだって?
フ〜ン…私は別にダサいとは思わないよ。
確かに人は成長していく生き物だ。時には自分の弱さを認め誰かを手を取り合う…。
そうすることで発展していく様を、私はずっと見守ってきた…。
…でも、同時にこうも思うんだ。人は成長するにつれて多くの“大切なモノ”を捨てて行く…。
ある者は“子供心”を捨て大人になり。
またある者は“夢”を捨てて愛する我が子を育てる親となる。
…少し説教くさい話になっちゃったね。どうする?君が嫌なら無理強いはしないよ?
…そっか、ありがとう。私の話を聞いてくれる気になってくれて。
それじゃあ、少し待っててくれるかい?君の興味に合いそうな絵本を選ぶからさ。
え〜と…どれにしようかな…?本屋業界は流行の移り変わりが激しいからな〜…。年配者には追いつくだけで精一杯だよ……。あっ!そうだ!アレならきっとお客さんも喜んでくれるはず!え〜と…どこにしまったっけ…。
ーー!!! あった!
お待たせ〜!君にピッタリの絵本を持ってきたよ〜!
コレは君が知っている世界とは、ほんの少〜しだけ異なる歴史を歩んだ世界に存在する英雄のお話だ。
この絵本のタイトルはズバリ……!
『ピカチュウ仮面』さ。