ベル・クラネルが仮面ライダーになろうとしているのは間違っているだろうか 作:サンバガラス
イチロウがベルから去って9年が経過した。アレからベルは日々己を鍛え続けている。
ドーン!!ドーン!!ドーン!!
「・・・慣れないもんじゃのうこの音・・・って言うか14歳の子供が殴って出せる音かのう・・・どうしてこうなった?」
ベルの祖父は約2年間聴き続けた音にドン引きしている。明らかにベルが変わったのは変わり者のエルフが去った頃である。その頃からベルは大きな大木に向かって殴ったり、筋トレしたりしていた。なぜそんな事をやり始めたのかと聞くと
『仮面ライダーになる為だよ!!』
と目を輝きさせながら応える姿に祖父は少し引きながら
『お、おう、そうか』
と答えると同時に(・・・仮面ライダーって何?)と聞き返そうと一生懸命なベルにそう言う事が出来ず遠くから見守る事にした。まあすぐに飽きるだろうと思ったが気付けば9年が経過していた。そんなある日の事、ベルと食事をしていていると
「お爺ちゃん」
「なんじゃベル」
「僕そろそろオラリオへ行くよ」
「・・・突然じゃな」
祖父はいつか行くだろうと思っており、特に驚く事はない。それから2日後、ベルは村の住人達から見送られオラリオ行きの馬車に乗って行った。馬車に乗って4日後、ベルは世界の中心、冒険者の街、迷宮都市オラリオに着いた。大きな街に感動しながら所属するファミリアを探しに向かうのだが
「失せろ!!ここはガキの来る所じゃねぇ!!」
「掃除係ぐらいなら雇ってやっても良いぜ」
「持参金ぐらい持って来たら話は聞いてやるよ」
などの暴言を吐かれ、全て門前払いとなり、ベルは途方にくれる。
「どうしようかなぁー」
ため息をつき、悩んでいるベルに声をかける者がいた。
「やあ、少年」
「?」
振り向くとそこには少女がいたが、ベルは直感でこの少女は神だと気づいた。
「・・・もしかして神様ですか?」
「そうだよ。よく気が付いたね」
そう言ってにこやかに笑う女神。
「僕は眷属になってくれる子を探しているんだ。もしよかったら僕の眷属になってくれるかな?」
女神はベルに手を差し出す。そしてベルは差し出した手を握る。
「喜んで入らせてもらいます」
「それは良かった。それじゃあ改めて自己紹介だ!!僕はヘスティア。君の神様だ!!」
「僕はベル・・・・ベル・クラネルです。よろしくお願いします」
ベルはヘスティアの眷属になった。その後ベルはヘスティアに案内されてヘスティアの本拠地に着くのだが、そこはボロボロとなった教会であった。
「さあ今日からここがベル君のお家さ!!」
「・・・すみません。神様。ボロ家の間違えじゃないんですか?」
「失礼だなベル君!?」
そう言いながらヘスティアとベルは教会の中に入って行き、奥の壁に近づく。
「確かに見た目はボロボロだけど、中々面白い仕掛けになっているんだよ」
そう言って小さな隙間に手を置くと隠し扉が開く。
「凄い!!隠し扉だ!!」
「すごく喜んでるねベル君」
地下に移動した2人は早速恩恵を刻む事になった。
「さあ、今からベル君に恩恵を刻むから服を脱ぐんだ」
「・・・何で脱ぐんですか?」
「恩恵は背中に刻まないといけないからね。上半身だけでいいよ」
とヘスティアから説明を受けてベルは服を脱ぎ、ベッドにうつ伏せになる。
「おお!!意外とガッシリと鍛え上げられた身体なんだ」
「まあ、5歳の頃から体だけは鍛えてましたから」
「へぇ、成る程」
そしてヘスティアは指を少し切り、ベルの背中を触った。するベルの背中から数字と文字が浮かび上がった。
「へ?」
そしてヘスティアはステイタスを見る。
ベル・クラネル
Level:1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
俊敏:I0
魔力:I 0
《魔法》
《スキル》
【ライダー
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈により効果上昇。
【ライダー
・懸想が続く限りステイタス超上昇。
・仮面ライダーに近い姿になるたび効果上昇。
【不屈の魂】
・聴覚、視力、脚力、腕力に補正。
・自己治癒能力上昇。
なんといきなり3つのスキルが発生していたのだ。ヘスティアは一瞬見間違えたかと思い、もう一度見るが変わっていなかった。
(いきなりスキルが発生している!?しかも他でも聞いたことの無いスキルばかり・・・間違えなくレアスキルだ・・・2つのスキルにライダーって文字が付いている?)
ヘスティアは紙にベルのステイタスを写し、見せる。ベルは目を輝かせながら自身のステイタスを見て喜んでいた。次の日ベルは冒険者として登録する為ギルドに向かう事になる。
「では、行ってきます。神様!!」
「気を付けるんだよ」
走っていくベルの姿を微笑ましく思うヘスティアだった。