限界社畜おじさんが、猫耳Vtuberになって世界をかわいく征服する 作:双葉鳴
『くそ、また防がれたか!』
『何度やっても同じことやわ。力の根源をまるで理解してないおバカさん。それが通じるんは、ウチら部族長以外と思った方がよろしいですえ?』
<コメント>
:当たればすごいけど、当たらなければそよ風も一緒ってこと?
:涼しい顔で煽りよる
:これ、本当に勝てるのか?
:コアちゃん、勝てる見込みなくない?
「それは早計だな。コアはああ見えて結構賢いんだ。最初こそいつも通りの手段でいくが。通じないとわかれば違う手段を講じる。俺がそう教えたからな」
「大塚くん、君。立派に奥さんしてたんだねぇ」
「どこかの誰かが産むだけ産んで育児を全くしないズボラだからな。料理とか悩み相談は全部俺の仕事だった」
それって僕のこと言ってる?
いや、きっと母さんだな。
だって僕は産んだ先から数個ちょろまかして実験材料送りにしてるもん。
生みっぱなしじゃなくて生かすかどうか厳選してるんだよね。
全ては勝手に産ませたコアパパが悪いんだけど。
<コメント>
:嫌々捕まってたわけじゃないんか
:そういえばミッションは辿り着くだけじゃなくて、あわよくばコアちゃんに気に入られてコントロールしろだったもんな
:無理ゲーすぎて吐きそう
:それをやり遂げたからイケドラなんよ
:そりゃ先輩からの信頼も厚いわけやな
「そうだね、大塚くんならできるって信じてたけど、まさかそこまでやってたなんて知らなかったな」
「ですねー、立ち回りのうまさだけで出世した大塚さんですから、そう言う機転は利くと思って送り込みましたけど」
「お前ら何気に俺への扱い酷いよな?」
「自分の胸に聞いてみたらどうですか?」
「言われてるぜ、大塚くん」
「はいはい、身に覚えありまくりだよっと、コアのやつ、早速違う行動をしたな」
自分がボロクソに言われながらも、しっかり解説の役目を果たそうと試合会場に目を向ける大塚くん。
君、与えられた仕事をきちんとやる人だったっけ?
『いつかオレの技が利かない相手が現れる、か。アキラの読みは当たったか。ならば最新の技で行かせてもらう』
<コメント>
:イケドラ、教育ママさんやったか
:パパの経験ある人は貫禄が違うわ
大塚秋生:育児放棄の化身だったけどね
:うわぁ! お前帰ってきたんか
:あっちいけ
小早川晶:秋生、すごく嫌われてるわね
大塚秋生:ちくわ……ちくわ……
:脅すのやめろ
:先輩と思考が似てきたな
:すっかり物にしやがって
:またコメント流すんなら指名手配しなくちゃいけないな
:なんの罪だよ?
:非アーカイブ配信コメント流出事件の犯人として
:ひでえ言いがかりで草
:いや、実際に切り抜き師からも相当嫌われてる
:切り抜き師が好かれる世界線があったんか
:ないよ
:今回は国から雇われてるだけ
:嫌な世界になっちまった
:それもこれも情報の塊な先輩のチャンネルが悪い
「王の前ですよ、言葉は控えてください」
「あー、急に配信辞めたくなってきちゃった…どうしよっか」
「ですねぇ。別に配信しなくったってこの大会は定期的にやれますし。少しでも地上の皆さんの助力になればと思って配信してましたが、そんなこと言われてまで配信するのも違いますしね」
<コメント>
:ごめんて
:いつもより我儘になってきたな
:にゃん族に毒されてきた?
:いつもだぞ
:世界の命運がかかってる大事な時に我儘抜かすな
:いや、この大会にエントリーしてる子、王国民だから
:戦争仕掛ける方が分が悪いんだぞ
:わがままはにゃん族の特権!
:猫ちゃんの飼い主的にはどうですか?
:そう言う時もある
:諦めの気持ちかー
僕をにゃんこと一緒に扱うとは、不届千万。
とはいえ、にゃん族と受け入れてからの僕の思考はだいぶにゃんこ側に支配されつつある。
興味があるもの、つまり錬金術は今まで以上に。
それ以外は適当でいいやって言う感情がより強固になった気がするんだよね。
元々錬金術以外はどうでもよかった体質の現れか?
「まぁ別に試合の配信はこのまましてもいいんじゃないか?」
「そうですね。カットした場面もフルで流すバージョンをにゃんで売りつける企画も通してしまったわけですし」
<コメント>
:普通に見せてよ
:カットすんな
:まさかこれ、とっくに撮影済みのを今俺たちは見せられてんのか?
:まさか
「現在進行形で試合してますよー。もちろん試合開始から1時間の遅延はありますが」
<コメント>
:遅延1時間!?
:ほら、りゅう族が大人しくフィールド入らなかったから
:ああ、あれそんなに時間かかったのか
:生粋の暴れん坊だな
「入らなかったのはコアパパだね。後輩がマグマフィールドで手を打たなかったらまた新たな控室が破壊されてるところだった」
「その次に、オービルさんがマグマフィールドに対して嫌悪感を出して試合放棄。ここまでで1時間ですね」
<コメント>
:フルバージョンはそこも込みで?
「はい!」
<コメント>
:めっちゃいい笑顔で言うじゃん
:大事な試合シーンより、そんな場所も混みなのか
「あー、そう言うこと言うんなら販売はしませんよ? こっちだって弱点に繋がる情報を切り売りするつもりはないんですし」
「そーだそーだ」
「その代わりに先輩の盗撮写真集を置いときますね」
「は?」
<コメント>
:それを同じ金額で売ると?
:なんてもんを、なんてもんを代わりに置いてくれるんや
:金額を教えてちょうだい、いくらでも出すわ
「100万にゃんからとなっております! こちら、先輩の弱点をつぶさにチェックしていましてわが国の秘宝となっております」
「おい待て、それは話が違うぞ。あと盗撮したものをばら撒くな」
<コメント>
:オークション形式かよ
:これ、普通に試合の動画置いてもらった方が嬉しいな
:何言ってんだ、先輩の写真集だぞ!?
:これ以外を欲しいってやつは今すぐこの配信から出ていけぇ!
:何を熱くなってるんだ?
:そんなものよりりゅう族の力の根源を知る方が大事だろ
:いや、逆に先輩の弱みを握る方が大事だろ
:それ
「その商品を買い付けた国とは、個人的に口を利かないようにします!」
「賢い選択ですね!」
「焚き付けた君が言うのか」
「なんと今ならー? りゅう族長たちの熱い戦いの記録もセットでおまけしますよー。スタートは150万にゃんから!」
<コメント>
:値段上がってる
:実際の価値は先輩の方が上なのどう言う基準なんだ?
:後輩ちゃん基準だろ
:草
:先輩のスペアボディ100億理論と一緒だぞ
:あれ必要素材聞く限り、100億で収まりそうにないんだけど
:だから素材価値は先輩基準なんだって
:失敗しない前提でその金額だからな
:ふぁーーーwww
おかしいな。ちょっとやる気を失っただけでこの仕打ち。
どうして僕だけ恥ずかしい目に遭うんだろう。
深く考えても無駄だな。
後輩の自由意志を尊重した結果がこれだ。
過去の僕が未来に託したパスを、今受け取った感じ。
導き出される計算は……
「なんてね、冗談だよ。それじゃあ試合に戻ろうか」
「ちぇー」
<コメント>
:よかった、先輩の写真集の話は無かったことにされた
:当人が嫌がってるもんな
:たとえ先輩のやる気を出すためといえども、さすがにな
:で、試合は?
「コアの勝ちだ。オービルもいいところまではいったんだがな、パワーアップしたコアの力の前に手も足も出せずにその軽い口を閉口するほかなかった。俺とコアの結束の力ってわけだな」
<コメント>
:もう試合終わってた件
:そりゃ遅延1時間ならな
:なんなら終わった試合を今まで喋くってたまであるぞ?
:それ
「いやー、手に汗握る試合運びでしたね」
「それ見えてるのこっちだけなんですよね」
「詳しくは100万で?」
「えっ150万ですよ」
<コメント>
:値段上がりっぱなし……まさか!
:これ、先輩の写真集と抱き合わせで売るつもりか!?
:残念! 話を逸らせませんでしたね!
「後輩。写真集は没収します」
「えっ! すでにネットに保存して手元にあるネガを消去したところで何も消せませんよ?」
「君の周到さは存じているよ。と、言うことでにゃん族のスペアボディを没収します」
「それは絶対に嫌です!」
「じゃあ写真集没収してくれるよね?」
「しょうがないですねー」
「ヨシ、無事解決したな!」
「先輩のかわいさを見せつけるチャンスだったのにー」
「僕のかわいさは後輩だけが知ってればいいさ」
「それもそうですね」
<コメント>
:なんだこの惚気
:子供の前ですよ!
:夫婦なんだよなぁ
アメリア:結婚したのか、あたし以外の女と
「にゃん族ボディの販売はいつでもしておりますよー」
「一体1億にゃんですねー」
<コメント>
アメリア:絶対買うから取り置きしといて!
「まぁ早い者勝ちというやつで」
「1万にゃんすら届いてない方が多いですからね。それまでに7人目の産卵計画を立てますか」
<コメント>
アメリア:後輩ちゃんばかりずるいぞ!
「私は先輩のお嫁さんですから。当然の権利です」
「アメリアさんにもチャンスあるから、それまでのんびり待ってるよ」
「それよりも新しい国民ですけど」
「ああ、コアパパ達?」
「決着つけて、それでおしまいって感じじゃないでしょ? どうやって仲直りさせよう?」
「贈り物とかどうです?」
「僕が卵産んでおしまい、って感じじゃないんだよなぁ」
「なんか因縁ありそうですもんね」
ね。
さて、どうやって解決させようか。
身柄は拘束した! あとは僕の命令聞いてよね!
なんて言っても聞く耳持たないだろうしな。
どうするべきか。