本当に彼がいなければ俺多分今頃ネオ社会人として耐えきれずにぐちゃぐちゃになってたでしょうから……。
本当に、生まれてきてくれてありがとう
「お前らァ!将さんが来るまであと8時間だ!!絶対に成功させるぞォォォ!!!」
「「「オォォォォォォォォォッッッ!!!!!」」」
その日、ハゼル公国の首都、元国会議事堂所在地であった広場にて、エニシの指揮のもと、[紺菜 将]が生まれた日を祝うべく、盛大なパーティの準備が進められていた。天之国から集った者は腕を振るって大量の料理を作り続け、ハゼル公国から集められた手が器用な者達が、会場の準備を進めていく。他にも多くの国の人間や死神、天使がこの地に集い、彼らをこの世に産み落としてくれた一人の男を祝うべく、全力を尽くしてくれている。
そんな中、申請書類の山に悩殺されているアルちゃんに代わり、クリムとエニシらを中心に急遽運営を設置、大急ぎで体制を整えていた。
「クリム、アルちゃんさんはいつ合流できるって言ってた?」
「これ以上何か増えたりしなければ、恐らく開始には間に合うと思う………多分」
『クリムー、残りの連中集めてきたぞ!』
仮設テントの外から声が聞こえてきた声の正体は、ガンゲット・センチネル[ジェネシック・プラス]に乗るマリス。後ろには、各国から集められたガンゲットが十数機並んでいる。
折角なら彼が生み出したガンゲットを全機並べたほうが喜びそうというアイネルの提案で、世界を見守るために散り散りとなっていたガンゲット達が、彼の為に再び108機全てが招集された───アルちゃんが片付けている書類の山は、主にこれによるものである───。
『しっかし、あの時アタシらを助けてくれたあのゲーミングホワイト髪のアイツが、アタシらを最初に観測して、物語として描き上げた奴か………未だに実感湧かねェな』
『ま、しょうがないさ。例えこれを読んでいる彼等からは物語としても、結局僕等はちゃんと生きてるんだから』
「そうですよォ。それに、あっち側だと私も人気らしいですしねェ」
『うわっ出たな貧乳』
「久々の再会で開口一番それですかァ?」
「リア姉いけない!!!」
「あっちは賑やかじゃの………」
「まぁ楽しけりゃそれでいいだろ」
騒がしい集団から一歩離れて、エニシとネーティルは大急ぎでイベント資料やらスライドを制作していた。尚、エニシはともかくネーティルに電子機器を触らせると数分後には必ずブルースクリーンになってしまう為、彼女は印刷した髪をホチキスでとめる作業が主体である。
金色とオレンジ色で構成された、何処かで見たことあるようなハンマーを振り被るリアバと、それを必死に抑える嫁の蒔城。コレだけ見れば祝う気あるのかと疑いたくなるような光景だが、彼ら全員が将を祝う為だけに集まっている。これは、かつてあのバケツがいた頃ではまるで考えられなかったことである。本当に、あのバケツを俺自身の手でぶちのめせなかったのは非常に残念だが、まぁ流石に仕方ないだろうな。あんの野郎マジで………
「おい私怨で地の文に干渉するな毒撒」
"あ、バレた"
「こいつ1回誰かに説教してもらったほうが良いじゃろ………」
せっせと作業する者達を、フラスコ台で体を支えながら、俺こと毒撒は眺めている。こんな体だから労働はおろか移動すらできないので、俺は現場監督責任者みたいな事をしてますピースピース。
"しっかしだいぶ大掛かりなことするね君達も"
「まぁ、一応世界の父的な存在だしな」
「職権乱用の気がしないでもないがの………」
"まぁその辺は気にしたら負けやろ"
最早作者とうちの子達とは思えないような距離感で話しているが、これでもかつては互いに迷惑かけまくったせいで土下座し合っていたのだ。いやはや、時の流れとは凄まじく、あの時のわだかまりなどあっという間に洗い流してしまった。
「よぉーし、資料作成終わったぞ。毒撒、印刷しといてくれ。俺は少し仮眠を取る」
"あいよー"
「………そ、それなら、膝枕でもしてやろうかの?/// 」
「んじゃお言葉に甘えて」
「えっ、ちょっ、待っ……ひゃっ///」
若干照れながらネーティルが提案したが、既に2徹済みのエニシには最早イチャイチャする余裕もなく、流れるようにネーティルの膝に頭を乗せ、すぐに目を瞑ってしまう。
"ネーティル、今のは悪手だぞ"
「ううう煩いわ!?お主こそ、告白した数=振られた数の奴が一丁前に恋愛のアドバイスなんてするでない!!///」
"それを言い始めたら戦争だが???"
「お誕生日、おめでとう。今の私達じゃ直接言えないもんだから、宜しく言っておいネ」
ずっと一緒だよ、って伝えてね!
「どなた!?」
「うわっ!?」
エニシが慌てて飛び起きると、辺りは既に暗くなってきており、まもなく将が来る時間にまで迫っていた。
「やっべ寝すぎた………準備は………!?」
「安心せい。お主がすやりすやりとしとる間は、毒撒が色々指揮しててくれたぞ」
机の上を見ると、誰かによって運ばれているのか、フラスコ台だけが残されていた。
「………後で礼を言わなきゃな」
「さぁーて、いよいよ到着時刻だな」
「うむ、儂らの感謝、しっかり伝えようぞ!」
「アイネル、ほらネクタイずれてる」
「おっと………ありがとう、マリス」
「仮設喫煙所どこだっけか」
「………貴方、その靴どうしたんです?」
「せっかく将くんが来るので、HA◯AMAのお手々ヒールを………似合いません「いえめーちゃくちゃ似合ってますよォ」訂正が早いですわリア姉」
「さぁイヴ、我等がカプ厨同盟名誉会員のご登場だよ」
「今夜は語り散らかしましょ!」
「美味しい美味しいバースデーコーヒー!!!誕生日の記念すべき1杯、いかがですカー!!?」
「全部くださいな♡」
「来たぞ!」
何とか合流できたアルちゃんが夜空を指差すと、そこに本のような形をしたワームホールが広がり、ポートフォートレスの上に乗った創造主─────紺菜 将がガンゲット世界にやってくる。
「それじゃあ皆、いくよ。
せぇーの─────
誕生日、おめでとう!!!!!!
改めて、お誕生日おめでとうございます。
どうかこれからもよろしくお願いします。
P.S ごめんなさい本編ももう少しで投稿するのでもう少し待っててください………