勇者カリナ/未来戦線クロスロード ―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う―   作:美風慶伍

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ブティックにて ―着飾るカリナと、エスコートするルーカス―

 出立してイスタンボールのシチズンエリアに向かう。そして、ルーカスは意外な場所にカリナを連れて行く、

 

「ここは?」

「ブティックだよ。俺の馴染みの店でね、君の着替えをここでする」

 

 驚きつつもルーカスに導かれながら店内に入る。イスタンボールでも最新のファッションが並んでいた。

 

「いらっしゃいませ」

 

 ルーカスはなじみの店員に告げた。

 

「例の子を連れてきたよ。着替えを頼む」

「お任せください、準備はできております」

「頼むよ。それじゃあカリナ」

「え? 着替えですか?」

 

 カリナは着飾ることになった。アラブ系の美しい女性店員がカリナを呼ぶ。

 

「さ、こちらにいらしてください。パーティー用の装いに仕上げてあげますから」

「よ、よろしくお願いします」

 

 事前情報が乏しい中で連れてこられたので戸惑うことしきりだった。

 

「それでは全部脱いでください。下着から替えますから」

「は、はい」

 

 そこから先はされるがままだ。

 下着はショーツのみでブラは無し。ミニ丈でベアショルダーのマイクロドレスが用意されていた。色は目に鮮やかなベルベット調の紫の生地で、腰から下には白いパンティストッキングを履く。足元には低めのハイヒール。カリナの一番の特徴の美しく長い金髪はヘアアーティストの手で丁寧かつ丹念にフィッシュボーンスタイルに編み込まれていく。首筋にはゴールドのネックレスを1本かけ、耳には大粒のクリスタルのイヤリングを下げた。

 

「こちらも仕上げてしまいましょう」

 

 両手の爪にはドレスに合わせた紫色の付け爪があしらわれた。

 顔のお化粧も丹念に施せば出来上がりだ。

 

「いかがですか?」

 

 出来上がった装いを姿見の鏡で目の当たりにしたが、さすがに戸惑っていた。

 

「すごい綺麗です。でも、ここまで肌を出したの初めてで――」

 

 そう呟くとみるみる間に顔が赤くなっていく。両肩が露出しているだけでなくデコルテラインがギリギリまで下げられている。裾の丈も短く、太ももがあらわになっている。ただ、ストッキングで足を晒すことだけは回避した。

 

「ふふ、大丈夫ですよ。素敵なエスコートの殿方も居られるのですから安心して着飾ってくださいな」

「そうだよ。気兼ねしなくて良いんだ。それにこっちの世界の服装にも慣れていかないとね」

 

 そこにはルーカスの姿もある。ジャケット姿なのは変わらないが、パーティー向けに砕けた雰囲気の明るい色のスーツだ。

 

「君が主賓の祝いの席なんだ。遠慮なく大胆に着飾っていいんだよ」

「そうですよ。どんな世界にも女性を輝かせる装いというのはありますから」

 

 仕上げにカリナの両肩に大判のショールを重ねる。最後にドレスの柄に合わせた特別製の剣の鞘を細いチェーンで肩掛けのバッグのように下げ、そこに愛用の剣を収める。肩にかければちょうど腰の辺りに愛剣が収まる形だ。

 

「この子も今回の戦いの立役者だからね。これくらいはしてあげないとね」

 

 これもまたルーカスの気遣いだった。

 

『ありがとうございます』

 

 さりげなくエリュシオの声が聞こえる。エリュシオもそれなりに嬉しいのがそこはかとなく伝わってくる。

 

「では行こか」

「はい!」

 

 ルーカスの右肘がさり気なく差し出される。紳士的なエスコートも完璧だった。そして、再びルーカスの車に乗って約束の場所へ向かうのだった。

 

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