伝説の超ブロリー姫   作:ねこイヌ

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 ヤチヨカップを優勝する気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ


第三話 ブロリーは、かぐや姫だったみたい

 ブロリーが覚醒し被害を及ぼしたころ、人々、ヤチヨカップの結果発表のためツクヨミに集まりぬ。あるいは声を荒げ、あるいは逃げまどひ、あるいはパニックになり、あるいはトリックだとし、あるいは浮かれなどするに、ヤッチョ出て来て曰はく「今のはいったい?何が起こってしまうんだ? 続報を待て!」

 

 ここからクライマックスです。

 

 

 ○  ○  ○

 

 

 あの後、ヤチヨはとっても頑張ったのです。ブロリーが超サイヤ人に覚醒したことで発生した衝撃で、会場は一変して騒然。

 

 しかし、そこは歌って踊れて分身できる8000歳なAIライバー。この火鼠の皮衣並みの難題を、大会終了後の演出としてごまかせました。

 

 

 ☽  ☽  ☽

 

 

 人々が一か月にわたるヤチヨカップの終了とBlack ony Xの優勝で盛り上がる中、ブロリーの姿はどこにもありません。

 

 あの状態でログアウトしたブロリーを心配し、彩葉も現実に戻ります。 

 

 シュインシュインシュインシュイン……

 

 スマコンを外した彩葉の目に飛び込んだのは床に倒れ伏しているエナドリ(戦友)たちの姿でした。

 

 部屋の中はまるで台風が過ぎ去ったかのように、物が散乱しています。原因と考えられるサイヤ人に目を向けると部屋の隅でしょんぼりと膝を抱えて座っています。髪は金髪バチバチで、肉体はムキムキマッチョで、伝説の超サイヤ人そのものです。どうやら気の高ぶりで風が発生し、物が散乱したみたいです。ツクヨミで覚醒したことで、現実でも覚醒に至ったようです。

 

 シュインシュインシュインシュイン……

 

「カカロットォ……」

 

 発せられる言葉はいつになく覇気がなく、優勝できなかったことがブロリーにとってどれほどショックだったのか物語っています。

 

 白目をむき、金色のオーラを纏い、部屋のものを吹き飛ばしていましたが、しばらくすると気を失ったのか、髪も瞳も黒色な普段のブロリーに戻りました。

 

 金髪になったり、黒髪になったり、髪色が変わっていく姿はまさに理解の範疇超えし宇宙人です。

 

 

 ◑  ◑  ◑

 

 

 かやうに、優勝を逃した傷心を慰め給ふほどに、3日ばかりありて、夏休みの終わりより、ブロリー、配信活動を再開したり。すっかり心の傷が癒えたブロリーには配信をする日々が、彩葉には受験勉強にバイトに推し活と超ムリ限界ギリな生活を送る日々が戻ってきました。

 

 夏休みの後半、色々なイベントがありました。妹に会いに来たお兄ちゃんの上で超サイヤ人のスキップしちゃったり、黒鬼とヤチヨの初コラボライブで興奮した真美がお月さま(浄土)に行ったり、ハチャメチャな日々でした。気づけば9月になります。

 

 

 ☾  ☾  ☾

 

 

 ブロリーの気の高まりはとどまることを知らず、超サイヤ人になってはその度に余波で周囲に被害を及ぼしてしまいます。

 

 ある夜、ブロリーは少しでも被害を抑えようと気が高ぶると人のいない所に行きました。あくる朝、帰ってくるといつにもなく神妙な面持ちであり、彩葉尋ねてもカラ元気を振る舞うばかりで内容を話そうとしません。

 

 

 ●  ●  ●

 

 

 秋の始めより、ブロリー、月が浮かぶ夜空を見て、常よりももの思ひたるさまなり。

 

 彩葉が理由を伺っても沈黙するばかりです。 

 

 月とサイヤ人。彩葉はスマートフォンでメールを書き始めます。宛先は芦花と真実とお兄ちゃん。

 

「ごめん、大猿化で地球ヤバそう」

 

 そんなメッセージを送信すると、旧版のブロリーは大猿になっていないと、ブロリストたちから返信がきました。

 

 その頃、ツクヨミを通してブロリーを知った月の人たちはデデーンされるかもしれないストレスで超厳戒態勢を敷。それにより、大遅刻中のかぐや姫の脱出計画の難易度が蓬莱の玉の枝並みになってしまいました。

 

 決められた役割をずーっと、繰り返していたのにこの始末☆

 

 かぐやのお仕事はまだまだ続きます。

 

 

 ☽  ☽  ☽

 

 

 出会いが突然ならば、別れもまた突然なのです。

 

 増々物思いに耽るようになったブロリーに彩葉が尋ねると、衝撃の事実が明かされます。

 

 なんと、ブロリーは地球人ではなく惑星ベジータの人だったのです。親父ぃと南の銀河で暴れ回っている時に時空の裂け目からこちらの世界に来てしまったようです。宇宙船のポッドが地球に着陸する際、頭を打ち記憶を失ってしまいました。そこからは彩葉の知るブロリーです。

 

 地球に来てブロリーは初めて戦闘や破壊衝動に襲われない穏やかな生活を送れました。でも、そんな穏やかで賑やかな生活ももうお終い。まもなく、迎えがやってきます。

 

 以前、気を静めるため人のいない所(奥多摩)に向かった際、紫色のヘルメットに赤いフェイスガードをつけた親父ぃの部下であるアンゴルに似たアンゴルじゃない方に見つかってしまいました。

 

 親父ぃもまたブロリーのことを探していました。ブロリーの居場所がわかったとなれば、迎えに来るでしょう。そうなれば地球を離れ、親父ぃのもとに帰らなければなりません。

 

 もうブロリーと彩葉に残された時間は少ないのです。

 

 

 ◐  ◐  ◐

 

 

 月より遠く離れた宇宙を漂う宇宙船。

 

「申し上げます。地球に超サイヤ人が現れました」

 

 宇宙の中で一番環境が整った美しい地球を調査するために派遣していた部下からブロリー発見の報告を受けたパラガスは自らの息子を迎えに行くため、地球に進路を向けます。

 

「パラガス様。コンピューターのはじき出したデータによりますと、9月12日には地球に到着しますじゃ。装置も正常に作動することを確認しておりますじゃ。あとはブロリーに装着するだけですじゃ」

 

 ブロリーと装置とを手にすれば、自身の野望が同時に叶うことにほくそ笑むばかりでした。

 

「宇宙の中で一番環境が整った美しい地球のことより、まずは親の私が恐怖を感じるほど増大し凶暴化していったブロリーをコントロールすることが大事だ。ブロリーのパワーを自由に操ることができれば、全宇宙を支配できる力が俺の手に……。ふーっふっふwあーはぁーはぁーはーっwうあぁーはぁーはぁーはぁーはぁーはっwふぁっはっはっはっはぁーっwwひぁっはっはっはっww」

 

 

 ☾  ☾  ☾

 

 

 キジバトの鳴き声が遠くから聞こえてきて、新聞配達のバイクが通り過ぎる音が聞こえてきて、朝日が差し込んで、いっぱい遊んで、日が沈んで、夜空に月が昇る、いつもと変わらぬ日常。

 

 家のインターホンが鳴ります。

 

 宇宙より、迎えの使者が来たようです。

 

 ドアスコープを覗くと、逆立った黒髪に褐色の肌、プロテクターの上に白いマントをつけ、左目に傷を負った中年が立っています。

 

 使者は名乗ります。

 

「パラガスでございます」

 

 

 この彩葉とブロリーの摩訶不思議な(EX)おとぎ話は、「お迎えが来て―、戦闘力5以下の彩葉では戦うこともできず、ブロリーはコントロール装置を着けられて、地球の事は忘れる。で、帰る」で終わりましたとさ。

 

めでたしめでたし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ○  ○  ○

 

 

~ちょっと未来、どこかの世界の地球のどこか~

 

 

 

 

 つんつん。つんつん。

 

 

 ワンワン。ワンワン

 

 

「おーい。こんな所で寝ていると風邪ひくぞ。こいつ、ケガを治してやったのに起きない。それに孫悟空たちと同じ匂いする」

 

 

 

「ブウさーん。どこに行ったんですかー?」

 

 これ以後、ブロリーはとあるサイヤ人が近くにいると興奮することはあっても暴走することはなかったとさ……

 

 

 

 

 

 

 

 最終回じゃないぞよ もうちっとだけ続くんじゃ

 

 




 伝説の超おかん

「やってみ。ブロリー。ベジータをサンドバックにしてええよ」
「はあぁ」
 あとがきが始まったばかりでこの始末☆
 
「ベジータ、死の恐怖を味わいながらブロリーに八つ裂きにされる面白い殺戮ショーはお笑いだったぜ。だが、この星もあと数時間の命だ。ブロリーのコントロールが盗られてしまったから、私はそろそろお暇させてもらうよ」
「どこに行くんだぁ?」
「お前と一緒に避難する準備だ」
「一人用のポッドでか?」
「サイヤ人のお父さん、大層なご身分やね。息子に連絡せずに一人で帰るなんて、どれだけ迷惑をかけたかわからんか? やってみ。ブロリー、お父さんを握って潰すんや」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「お助け~」
「助けて?そないなこと気軽に言えるのほんま驚きやわ。でも無理や。あんたはブロリーにとって毒親や。ここで一人で死ぬんや」
「うわああウォォォアアアアアアアアアアアアア!」
「あーう」

 デデーン
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