初めてなのでお手柔らかに、どうか想像と妄想の産物と思いながらお楽しみください。
【一話】紅魔に微睡む目覚め
重い
見渡したところで闇は変わらずその身を取り囲んでいた。
はてさて、少女は思考を巡らせる。
微睡む頭は
ここは
昼と言っても、少女にとっての昼は人の真夜中のそれ。
少女は世も恐れる
少女の名はフランドール・スカーレット。
黄色の髪を持ち、十にも満たない幼い見た目をしている少女だ。
けれど、その異質さを表現するような枯れ木らしき背中の翼は彼女の歪さの表れだ。
八つの色に輝く結晶が吊り下がる一対の枝、正しくこの表現があてられる程に奇麗で妖しい翼。これが少女を象徴する代物であることは間違いない。
蓋を開け、今度こそ辺りを見渡す。
もう何百年も
そんな事を前に行った気がする。
かつての
すると、重い扉の先から声が聞こえてきた。
「なにか、御用でしょうか。」
「ええ、御用よ。」
だから入っておいで
───束の間の静寂。息を飲む音を、優秀な少女の耳は拾った。
畏れているのだ。扉の向こうの使用人は。
どうせ
暫くして扉が開く音がする。やはりそこには妖精メイドが居た。
「
「ああ、ありがとうございます。お褒めに預かり光栄です。」
「本当に手間を掛けられているのね。扉を開けるのと同じくらい。だからそんな重い髪、切ってあげる。」
切ると言うには
重いと言うには軽やかに
少女は暗くて
「本数を数えるってことね。」
喉を鳴らしながらくくくと笑う。
手元の
この館の主の妹の
「フランドール、良いかしら。」
「お姉様が珍しい。また何か事件の容疑者として立たされるのかしら。今度こそ美鈴の首が飛ぶかもしれないよ。」
「それは勘弁願いたいものね。入るわよ。」
「残念、今度はもっと暴れたかったのに。」
お姉様と呼ばれた少女、レミリア・スカーレットは部屋にある椅子に座る。
「紅茶とケーキは
「それは外行でしかしないわ。貴方はいつから外に居るの?」
「そう、なら外から来たメイドにも言ってよね。
フランドールもまた対面の椅子に座る。白い丸テーブルを挟んでお互いが久々に顔を合わせるかのように談話を続けた。
レミリアはアレと言われたかつての従者を見やる。妖精メイドは何も言わない。
「今度は
「生憎、理髪店を営む気はないよ。」
他愛ない会話。
傍から見れば繋がってないようにも見えるこれらのやり取りは、少女達の中では繋がっている。だから成立する。
フランドールは紅い瞳を細めながら見定めるようにレミリアを見た。三日月のように鋭く上がる口角をなんとか抑えながら、はやくはやくと態度で急かす。
なにか、面白そうなことが起こりそうだから。
「幻想郷以外の世界に興味はない?」
興奮する脳を抑えながら、くすくすと嗤う。
「お姉様、月はもう遠いのよ。」
「なら新しい月を見付けるまでね。私は運命を見ているの。面白い運命をね。運命が私を呼んでいると言っても過言では無いよ。」
「ならどうしてそんな事を聞くの?」
「月は幾つあっても良いものだからさ。ちょっと手を出しても許されるでしょ?」
「うーん、不敬。月の兎の方から拒否られてしまえばいいのに。」
「その兎が居ない月があるとしたら?いや、何者も居ない本当の静かな海を、私達のものに出来るとしたら、貴女はどう思う?」
フランドールは
本当にそんな所があるのかと。少なくとも、今少女が観測しているこの地では、そんな場所は存在しない。
笑うのをやめて、眉を
フランドールは始めて真面目に話を聞く姿勢を取る。それを認めたレミリアは話を続ける。
「私の友人、貴女の隣人のパチェは遂に多次元の干渉に成功したの。つまるところ、世界と世界の境界線を発見したってこと。叡智の魔法使いは凄いわねえ、友として誇りに思うよ。
もしその世界の先に行けたとしたら?今度こそ私は再び私への恐れを…吸血鬼異変を完遂させるの!」
フランドールは呆れた。
これはまたいつもの突貫行動だと。我が姉ながら、実に悪癖だと言わざるを得ない。
きっと、この思いつきに様々な感情を乗せているのだろう。容易に想像ができてしまった。
「境界線を超えるとうるさいのが来るよ。」
「知らないわ、そんな事。私を止める理由にならないもの。」
こうなった以上、月まで行った覚えも古くはない。もう止まらないだろう。
仕方なくフランドールは席を立ち、背伸びをする。
「私は何をすれば良いの?」
「話が早い。それじゃ、早速─── 。」
レミリアとフランドールはケラケラ笑い、まるで盤面の駒を動かすように話し合った。
魔法少女達の夜はまだ永い。
1話の切り方が分からない。
そのうち分かるようになったらいいな、と思ってます。
ここからクロスオーバー感を出していきたいな〜って。
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