今はとりあえずフランに近い視点で進めます。やりやすいのが悪い。
フランドールはレミリアに連れられ、件の
書斎と言うには大きいが、図書館と言うには散らばっている。
本棚が無数に立ち並び、それでも足りないのか床に積み上げられていたり、空を浮かぶ檻のようなオブジェクトにも詰め込まれていた。更には最早それですら収まらないので本が浮かんでいたりもした。
「アレ、私がプレゼントしたインテリア。センスいいでしょう?」
檻のようなオブジェクトはレミリアのセンスだと言う。フランドールはだから悪趣味なのかと納得した。
名義上大図書館と呼ぶこの書斎は円形に広がるようなレイアウトになっている。
だから
レミリアは楽しそうに話し掛けに行き、フランドールは一人本棚に寄りかかった。
「やあ、パチェ。どうかな、研究は進んでる?」
「こんにちわ、レミィ。割と頓挫しそうってトコロ。あら、妹様も来てくれたの?」
チラリと目線を向けられ、フランドールは手だけを振り返す。
今のフランドールには、空を飛ぶ本の規則性を考えることで頭がいっぱいなのだ。
けれど、やはり耳は声を拾う。左から拾っては右に流すだけの簡単なお仕事を全うしてくれていた。
「境界線を超えて私達が行ける方法が見つからないの。等価交換の法則を当てはめても、それに見合う対価が無いし、かと言って量子化によるワープが次元を渡るなんてこと起こりえないし。」
「本から得た知識で頑張っている、素晴らしい友だよ。ただ、こういう時こそパッションで行くべきだと思わない?」
「そうして貴女を見たものは誰も居なくなるのがオチね。新聞屋に売り込んでみる?」
レミリアはパチュリーの座る椅子に寄りかかって話す。
パチュリーの目の前には、500年も行きた吸血鬼が見ても難解と言わせる程の図式が広がっていた。
どれもこれも、全ては
特に今回は
月ロケットのようにパチュリーが魔術を組み込み、月の賢者を唸らせる事も容易ではない。これは0から生み出すものなのだから。
「やっぱりダメね。無事にあちら側の世界へ行く方法がないわ。どうしても結界と境界線にぶつかる。あの賢者、こういう時だけ無駄に高性能な構築を……。」
ブツブツと文句を言いながら不貞腐れる。
仮に強引に壁を破壊したとて、修復されてしまえばこの幻想郷に戻れなくなる。次元の狭間にでも取り残されて全員生きているのか死んでいるのかも分からない、完結しない情報の螺旋に取り残されるがオチだ。
「パチェ、安全紐を付けて行くのはどう?」
ふと、レミリアが図式を見ながら提案した。
「いやなに、考えてみたんだよ。何も生身で行くことは無い。私の威厳が表されている紅魔館と、力を示せる何かがあれば良いのさ。」
「話が見えてこないわね。つまり何が言いたいの?」
「あちら側の世界で人間の体を奪い、
「……乗っ取りってことね。考えてもなかったわ。」
そう言いながらパチュリーは真剣にレミリアの提案を考える。
別次元に対しては干渉自体は出来ており、あくまで安全に生身ごと渡ることができていないだけ。
ならば、意識や魂だけを体から取り出して別次元へ送り、そこで身体を強奪すれば良い。紐付けされた本体は命綱となり、何かあってもこの繋がりを辿れば戻ってこれるという訳だ。
実に理想的。しかし、
これには明確な欠点がある。魂の通り道が存在しないのだ。
この幻想郷を囲う博麗大結界は外側から内側への侵入は
ここは楽園であり、檻である。
パチュリーは不確定要素はなるべく消してから実行に移したいタイプだ。これはかの
「
レミリアは
面倒くさそうに眉を
「破壊しなさい、結界!」
「ねえ、私はまだ長生きしてたいのだけど。」
言うと思った、なんて呆れながら真っ向から否定した。
あまりにも突拍子が無い。ここに椅子があれば、今頃フランドールは椅子から転げ落ちていたところだ。
できなくは無い。だが、やった場合の後が怖い。未知数が故に踏み切れない。
と言うより、踏み切った後に待っているのは滅びの道。分かりきった崩壊ほど面白みの
「……何とかしてみるわ。こういうのに詳しいお友達、いや知り合い、うーん……赤の他人が居るからね。」
フランドールは
どうせこの様子では当分うるさいだろうから仕方ない。
「それじゃ、妹様に任せるとするわ。あの子が出来なくても文句は言わないでよね。」
「いいや、出来るね。私は運命を読む…これ即ち未来を見ていると言っても過言じゃないよ。」
「
フランドールはその場から離れ、1度自室へ向かう。
どうせ
「出てきなさいよ。分かってんのよ、こっちは。」
虚空へ向けて、少女は声をかけた。
2000文字くらいが1番読みやすいと思っている者です。
切り方が迷子です。
一体誰が見てるんでしょうね、不思議なこともあるもんだ。
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