紫のスキマは便利ですが、あの賢者がそうする未来は見えません。そもそも、帰れなくなりそうだし。
その日の夜。
いや、少女達からすれば朝なのか。昼夜逆転の生活で、朝更かししてたレミリアは目を擦っていた。
「ああ、眠い。眠たい。」
お昼寝はしたが、夢は見なかった。深く深く寝てるから。ノンレム睡眠レム睡眠と言うし、どっちがどっちだか忘れたけど、夢を見ない方の睡眠でスヤスヤしてた。
「来た?貴方が最後よ、大トリ確定おめでとう。」
「主役は遅れてやってくるものでしょう?」
「目の前の主役を倒す魔法は……。」
「冗談よ、冗談。だからその物騒な趣味の悪い本を閉じてちょうだいな。」
十字架の描かれた、たぶん聖なる魔法的なものを取り出してたパチュリーを制して、本棚に囲まれて眠るみんなを見た。
目を閉じて眠るフラン。それについて行くように安らかな寝息を立てる
呆れながら、レミリアは
「はあ、
「覚えてないからダメ。」
「ああ……。」
頭を抱えた。
「さて、眠る準備はいい?」
「ええ、勿論。寝起きはスッキリした紅茶が飲みたいわ。」
「朝のコーヒーが乙なものよ。」
「私に働けって?」
クスクス笑いながら、レミリアは用意されたベッドに横たわる。皆先に行っている。自らが
パチュリーは制御役だ。何かあれば夢から強制的に目を覚まさせる。言わば司令塔。
「それじゃあ、おやすみ。いい夢を。」
そうして、夢に、落ちていく。
───気付けば、レミリアの足は地に着いてた。
地に足をつけていると聞かれれば、たぶん、ついていると答える。しかし問われなければ、さも当然の様につけてないと考える。そんな不思議な感覚に襲われていた。
高さと、面と、空間を認識できているのに、永遠にそれらの輪郭を掴めない。四次元すら認識できそうなのに、認知できない。
「ああ、これがリバディ。まるで理想郷のパロディね。」
夢の世界は自由と聞いたが、あまりにも
辺りを見渡しても、見慣れた顔は居ない。とにかく、夢の管理人を見つけないと話にならない。
足を前に出して、歩こうとして、既に動き出していることに気付いた。動きたいと思ったから、既に行動は終えているのか足音の鳴らない空間を歩き出す。
不思議だ。摩訶不思議。
からんと音が鳴った。後ろで。
振り向けばナイフが落ちていた。銀のナイフ。はて、どこから誰が落としたのか。
夢は既に見始めている。パレードは既に始まっている。
いつ終わるかって、羊は数えちゃくれやしない。レミリアは形容しがたい空間を、とにかく進み続けた。
夢を見続けることに嫌気が指してきたから。
「参ったわ……。」
歩けど進めど、道が分からない。いや、道なんてあるのか。
行き先が分からない。道に迷うのは妖精の仕業と言うわりに、その影すら見えてない。
独りだ。声を出したのは、この静かな空間に対して少しでも音が欲しいから。声を出せば、誰かが来てくれると思ったから。
誰かって、誰かだ。こんな空間なのだ。誰か居てもおかしくない。
そこでレミリアが足を止めた。
待て、待て待て。今己はなんと考えたのだと頭を抱えた。
「厄介な事になったわ。やってくれるじゃないか……!」
銀のナイフの刃を握って、
誰を探しているのか?夢の管理人だ。
このナイフは誰のもの?自分の従者である
他は。他は?
何か忘れてないか。頭の中の霧が覆い隠す前に、自分の手で掴んでいなきゃいけない。
夢が、夢は、忘れていくものだ。
夢の世界に来た理由すら忘れそうになる。これがレミリアが厄介と言った
羊は数えちゃくれやしない。忘れた星の数なんて。
「必ず見つけ出してあげる」
ニヤリと笑って、どしんと
そう、地面だ。ここはレミリア・スカーレットが立つ地面。そうやって思い込めば、そこは地面と化している。
「勝負よ、陰気臭い管理人。私はこの夢を打ち破ってみせるから」
スリープシープ・パレードの開幕だ。観客は紅き吸血鬼ただ一人。
拍手を送る相手は見えやしなかった。
夢の世界って実際曖昧なんです。私は日記をつけている訳じゃないから、特に鮮明に覚えてられません。
でも、なんか大体美味しい飯が目の前にあると思います。
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誤字と脱字はストーリーの進行の妨げになるものを、こっそりと直します。皆さんが覚えてない間に、