赤より紅いヒーローアカデミア   作:幽界愉快

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他の世界に乱入する方法って、実際なんでしょうかね。
紫のスキマは便利ですが、あの賢者がそうする未来は見えません。そもそも、帰れなくなりそうだし。


【七話】リトルデビル・ドリームパレード

その日の夜。

いや、少女達からすれば朝なのか。昼夜逆転の生活で、朝更かししてたレミリアは目を擦っていた。

 

「ああ、眠い。眠たい。」

 

お昼寝はしたが、夢は見なかった。深く深く寝てるから。ノンレム睡眠レム睡眠と言うし、どっちがどっちだか忘れたけど、夢を見ない方の睡眠でスヤスヤしてた。

 

「来た?貴方が最後よ、大トリ確定おめでとう。」

 

「主役は遅れてやってくるものでしょう?」

 

「目の前の主役を倒す魔法は……。」

 

「冗談よ、冗談。だからその物騒な趣味の悪い本を閉じてちょうだいな。」

 

十字架の描かれた、たぶん聖なる魔法的なものを取り出してたパチュリーを制して、本棚に囲まれて眠るみんなを見た。

目を閉じて眠るフラン。それについて行くように安らかな寝息を立てる咲夜(サクヤ)と、世界を救ってそうな夢を見て楽しんでる美鈴(メイリン)。

呆れながら、レミリアは美鈴(メイリン)の頬を突ついた。

 

「はあ、此奴(こいつ)だけ普通に夢見れてるし……。全部丸投げで良かったんじゃない?」

 

「覚えてないからダメ。」

 

「ああ……。」

 

頭を抱えた。

 

「さて、眠る準備はいい?」

 

「ええ、勿論。寝起きはスッキリした紅茶が飲みたいわ。」

 

「朝のコーヒーが乙なものよ。」

 

「私に働けって?」

 

クスクス笑いながら、レミリアは用意されたベッドに横たわる。皆先に行っている。自らが赴(おもむ)かなければ、主として顔がない。

パチュリーは制御役だ。何かあれば夢から強制的に目を覚まさせる。言わば司令塔。

 

「それじゃあ、おやすみ。いい夢を。」

 

そうして、夢に、落ちていく。

 

 

 

───気付けば、レミリアの足は地に着いてた。

地に足をつけていると聞かれれば、たぶん、ついていると答える。しかし問われなければ、さも当然の様につけてないと考える。そんな不思議な感覚に襲われていた。

高さと、面と、空間を認識できているのに、永遠にそれらの輪郭を掴めない。四次元すら認識できそうなのに、認知できない。

 

「ああ、これがリバディ。まるで理想郷のパロディね。」

 

夢の世界は自由と聞いたが、あまりにも秩序的無秩序(アバウト)な感覚に襲われて、レミリアは眉間に皺を寄せた。

辺りを見渡しても、見慣れた顔は居ない。とにかく、夢の管理人を見つけないと話にならない。

足を前に出して、歩こうとして、既に動き出していることに気付いた。動きたいと思ったから、既に行動は終えているのか足音の鳴らない空間を歩き出す。

 

不思議だ。摩訶不思議。

からんと音が鳴った。後ろで。

振り向けばナイフが落ちていた。銀のナイフ。はて、どこから誰が落としたのか。

 

夢は既に見始めている。パレードは既に始まっている。

いつ終わるかって、羊は数えちゃくれやしない。レミリアは形容しがたい空間を、とにかく進み続けた。

夢を見続けることに嫌気が指してきたから。

 

「参ったわ……。」

 

歩けど進めど、道が分からない。いや、道なんてあるのか。

行き先が分からない。道に迷うのは妖精の仕業と言うわりに、その影すら見えてない。

独りだ。声を出したのは、この静かな空間に対して少しでも音が欲しいから。声を出せば、誰かが来てくれると思ったから。

誰かって、誰かだ。こんな空間なのだ。誰か居てもおかしくない。

 

そこでレミリアが足を止めた。

待て、待て待て。今己はなんと考えたのだと頭を抱えた。

 

「厄介な事になったわ。やってくれるじゃないか……!」

 

銀のナイフの刃を握って、気付(きづけ)代わりにしたが、痛みを感じない。そりゃそうだ。自分は今現世で寝ているのだから。

誰を探しているのか?夢の管理人だ。

このナイフは誰のもの?自分の従者である咲夜(サクヤ)のものだ。

他は。他は?

何か忘れてないか。頭の中の霧が覆い隠す前に、自分の手で掴んでいなきゃいけない。

 

夢が、夢は、忘れていくものだ。

夢の世界に来た理由すら忘れそうになる。これがレミリアが厄介と言った所以(ゆえん)だ。自分の預かり知らぬところで、自分が知覚するまでもなく目を覚ます。

羊は数えちゃくれやしない。忘れた星の数なんて。

 

「必ず見つけ出してあげる」

 

ニヤリと笑って、どしんと敢(あ)えてレミリアは強く地面を踏み潰した。

そう、地面だ。ここはレミリア・スカーレットが立つ地面。そうやって思い込めば、そこは地面と化している。

 

「勝負よ、陰気臭い管理人。私はこの夢を打ち破ってみせるから」

 

スリープシープ・パレードの開幕だ。観客は紅き吸血鬼ただ一人。

拍手を送る相手は見えやしなかった。




夢の世界って実際曖昧なんです。私は日記をつけている訳じゃないから、特に鮮明に覚えてられません。
でも、なんか大体美味しい飯が目の前にあると思います。

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誤字と脱字はストーリーの進行の妨げになるものを、こっそりと直します。皆さんが覚えてない間に、
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