赤より紅いヒーローアカデミア   作:幽界愉快

9 / 10
霊夢は割と好きなキャラです。容赦のない赤い通り魔みたいなのがグッド。実にいい。
魔理沙も好きです。そのうち登場させれたらいいなって思います。


【九話】世界は紅くできている

霊夢(レイム)はレミリアへ逃げの一手を出させないように行動を続けた。

お祓い棒で突きを放った後、レミリアに回避されたからそのまま右方向へ薙(な)ぎ払う。ぶんと大きな音を鳴らした。

更に同時に空いている左手にエネルギーを込めた。連撃だ。

 

「はあっ!」

 

お祓い棒を振った力の流れを利用して一歩踏み出し、左手をレミリアへ突き出した。エネルギーを込めた突き出しはレミリアの横腹に深く打ち込まれ、レミリアは吹っ飛ばされた。

 

「ぐっ……!」

 

「まだまだ!」

 

着地しようとした所にお札を展開する。展開したお札はホーミングしてレミリアへ向かっていく。これもステップを踏みながらレミリアもエネルギーを発し、お札に付与された力と相殺。誘導を切りながら安全に着地を通した。お札が後ろの木々に深々と突き刺さる。

 

「本当に紙なの?これ。」

 

「ええ、私が丹精込めて適当にしたためたアミュレット。」

 

紙を基礎にしているだけで、ぶっちゃけそんなに紙っぽくはない。そこら辺の適当さを残しながら、霊夢(レイム)は札を構える。

 

「今回は針じゃないの?」

 

「妖怪以外にも効くけど、アンタ妖怪だからね。」

 

札を扱う時の霊夢(レイム)は戦法がかなり落ち着いたものになっている。戦術を幾(いく)つも持つ彼女は攻めっけの多い時から、じっくり待つような戦況を作り出すなど多才だ。

取れる時は取り、取れない時は近寄らない。間合い管理が完璧すぎる戦法。レミリアが苦手とする相手だ。

その戦い方は負(・)け(・)筋(・)を(・)潰(・)し(・)て(・)い(・)く(・)戦(・)い(・)方(・)である。レミリアのように貪欲(どんよく)に勝ち筋を狙いにいくのではない。負け筋を無くしていき、最終的に勝ちの結果だけが残っているように詰めていくのだ。

 

レミリアが無理に攻めようとリソースを吐き、一撃を見せた隙へお札を投擲(とうてき)する。避ける為に動き、その先で着地をしようとすれば着地を狩るように高速で飛んでいくエネルギー弾を引っ掛かる。

 

「うぐっ、獲れない……!」

 

攻撃自体は弱い。いや、弱いというか火力が低い。しかし、問題はそこでは無い。

ダメージレースに負けているのだ。レミリアだって攻撃を通せた時はある。しかし、すぐに立て直されてまたこのイタチごっこの再開だ。

取ろうとして対処されて、カウンターで被弾する。時々通せたとしても、負けている方が多いのだから全体的にレミリアが不利だ。

 

しかし、だからと言ってレミリア側から攻めなければ場面は動かない。そのまま時間だけを浪費してもレミリア側が不利なのは変わらない。これは夢なのだから、早く夢の管理人を見付けなければならない。

 

「無理に攻めても軽く受け流される……だったら、噛み合いでもなんでも、上等!」

 

お札の牽制(けんせい)投擲を軽く躱(かわ)しながら、天狗よりも早いその脚力による瞬発力で霊夢(レイム)との距離を一気に詰めた。

先程までは霊夢(レイム)のカウンターや対処に……ぶっちゃけ、日和(ひよ)っていたが、もう形振(なりふ)り構っていられない。多少強引にでも詰めて、攻撃の択を押し付けていくのだ。でなければ、負けるのはレミリア自身。

やらなくて負けるなら、やって負けた方が後悔はない。

 

「私はぶっとい勝ち筋狙ってんのッ!!!」

 

一撃目。霊夢(レイム)は今までやってこなかった攻撃をされてヒット。下顎にレミリアの自慢のアッパーが決まる。

 

「ッ、こいつ…!!」

 

ぐわんと脳が揺れる。しかし、それだけで終わらないのが博麗(ハクレイ)霊夢(レイム)という奴だ。接近してきたレミリアの腹へお祓い棒を突き刺そうとして、それをレミリアは受け流した。

 

「お返しよ、喰らいなさい!」

 

レミリアは手にエネルギーを込めて、それを物象化する。

神槍【スピア・ザ・グングニル】

 

エネルギー弾であり、あくまでも貫きはしない。

しかし、その突貫力はどのビームよりも強力だ。霊夢(レイム)の身体ごと空高くぶっ飛ばした。

そして、地面に倒れ伏したところで、レミリアは馬乗りになり、自らが認めた実力者。その面の皮を被った偽物に、深々と銀に輝くナイフを突き刺した。

 

「あ、あ゛ァ゛あァ゛ぁ゛あア゛ッッ!!!!!?!」

 

霊夢(レイム)の絶叫が、段々と獣のように野太く、それでいて悪夢に響く遠吠えのようになった。

のたうち回り、黒い泥のような液体を流しに流す。

 

「見つけたわよ、このクソッタレめ!!」

 

目の前の霊夢(レイム)を、いや、この悪夢の管理人に、もう一度ナイフを突き刺した。

 

「…………何故(なぜ)、分かったの?」

 

「悪趣味な奴は巫女が好きって言い伝えがあるのよ。食べてもいいってのは知らないけどね。」

 

「あら、そうですか……。それは、それは……。」

 

ニタニタと笑顔を浮かべながら、地面へと溶けていく。

次の瞬間、レミリアは目を覚ました。正確に言えば、目を開けた。

そこはまるで宇宙空間だ。星々がレミリアを多い、床と思わしき下に目を向けたところで床なんて存在してない。

第四槐安通路(だいよんがいあんつうろ)。現世からあらゆる星への通行所。

ふわりとその空間を自由に舞うようにスカートを揺らし、気怠(けだる)げにレミリアを見る瞳。

 

「改めまして、こんばんわ。私はドレミー・スイート。秩序ある夢を支配する夢の支配者。監視者とも言うし、管理人とも言う……所謂(いわゆる)“そういう奴”です。」

 

ドレミーはニヒルな笑みを浮かべて、レミリアを見下ろしていた。




ステップで誘導を切ることが当たり前だと思ってましたが、ごく一部の界隈でした。これぞ井の中の蛙。
紺珠伝のステージみたいなイメージです。その内挿絵が欲しい。

感想や登場キャラのリクエストは受け付けてます。
誤字や脱字は辻褄の合わないものやストーリーが破綻するなって思ったものを最初から無かった運命にします。それ以外は運命の流れるままにしておきます。
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