「音声録音?マーゴちゃんそれって?」
「簡単な話よ、例えばミリアちゃんの携帯にあらかじめミリアちゃん自身の悲鳴を録音させておいて拷問ショーの張り紙の通りに来た娘にその録音を聞かせれば」
「あ、ミリアちゃんはその時間生きていたって思う…………」
「成る程!!つまりハンナさんとアンアンさんが懲罰房に向かった8時頃、既にミリアさんが死んでいた可能性がありますね!!」
チョコザイとマーゴの連携で8時頃にはミリアが既に死んでいた可能性が浮かび上がる。
「でもよ、それって【かも知れない】だろ?普通に考えてアイツが拷問を受けて死んだ可能性の方が高くないか?」
「では、そこも話し合いましょう!!と言いたい所ですが、その前に一つ、探偵としてどうしても見逃せない事があるんですよね〜」
「見逃せない事?シェリーちゃんそれって?」
「ズバリ!!【犯人はどうやって懲罰房に入ったのか】です!!」
「確かに、私達はチョコザイちゃんのピッキングによって中に入った。つまり【密室殺人】ということね」
「あ、その件で一つ、ミリアちゃんの口の中からこの鍵が出てきたんだ」
エマはそう言うと鍵を皆に見せる。
「この鍵はチョコザイさんがミリアちゃんの口の中から見つけたんだけど、多分懲罰房の鍵だと思うんだ」
「……………………違います」
エマの言葉にチョコザイが否定を口にし全員がチョコザイを見る。エマはその発言に驚いたのか目を見開いている。
「え?チョコザイさん、違うって?」
「鍵穴…………違います…………鍵…………開きません…………鍵穴…………違います…………鍵…………開きません」
チョコザイは自身のスマホで撮ったと思われる懲罰房の鍵穴の写真とエマの持つ鍵を交互に指差しながらそう言う。
「彼女の言う通り、その鍵は懲罰房の鍵では無いわ。懲罰房の鍵は、ここにあるもの」
そこに更にナノカも反論し持っていた鍵を皆に見せる。
「鍵…………開きます…………鍵穴…………鍵…………開きます」
今度はナノカが持っていた鍵を指差しチョコザイがそう言う。
「ナノカちゃん、その鍵何処で…………」
「懲罰房の中で拾ったわ、時刻は20時過ぎ、遠野ハンナ達が去ったのを確認して入れ違いで中に入ったわ」
「私達の事見てたんですの!?」
「ええ、懲罰房の扉を開けた時、鍵は掛かっていなかったわ、試しに鍵穴に差してみたら鍵を掛ける事が出来たもの」
「成る程、これで密室の謎は解けましたね!!ただそうなると…………」
「犯人はゴクチョー達牢屋敷側?」
「はい?私達ですか?いえ、そんな筈は…………そんな暇もありませんし…………」
「collaborator…………collaborator…………」
再びチョコザイが口を開き看守を指差しながら単語を呟く。
「コラ…えっと…………誰か分かる人は…………」
早々に読み取る事を諦めたエマは皆に尋ねるが分かる者は1人も居らず早々に行き詰まる。
「このままやっても居ない事で犯人にされても目覚めが悪いので1つ助言を、皆さんのスマホの中には英単語の翻訳アプリが入っています。是非ご活用下さい」
「そういう事は早く言えよ!!」
ゴクチョーの言葉にアリサが吠え他の少女達はそのアプリを開きチョコザイの言葉を翻訳する。
「出た!!えっと…………collaboratorは…………【協力者】?」
「は?看守が犯人の殺人手助けしたって訳?」
「そんな馬鹿な、看守は私の命令にのみ忠実に動くものです。囚人の皆さんの言う事を聞くようにはなっていないのですが…………」
「brainwashing…………brainwashing…………」
ゴクチョーも纏めて皆が首を捻るとチョコザイが再び別の単語を呟き皆翻訳アプリで呟いた言葉を翻訳する。
「brainwashingは…………【洗脳】?」
「そっか、犯人は看守を洗脳して鍵を手に入れたんだ!!そうすれば鍵を手に入れられる!!」
「待って下さい、と言うことは犯人は…………」
ハンナの言葉が切れるのを合図にする様に皆が一斉に容疑者の方を見る。
【洗脳】の魔法を持つ少女、夏目アンアンへと。