「っていうかさ、それなら怪しい奴1人いるじゃん?」
ココがそう声を上げ視線をズラす。そこにはアリサの姿があった。
「そこんとこ…………ちょっと話そうよ。放火って言ったら簡単に出来る奴いるじゃん?ソイツなら火なんて付け放題っしょ?」
「ウチがやったって言ってんのか?」
「だって一番怪しいんだから、疑うのは当然じゃん?アンタだったら好きなタイミングで火を燃え上がらせる事だって出来るわけだし?証拠隠滅しようと思ったって簡単に出来るのはアンタしかいねーんだよ」
「証拠隠滅?本当に犯人はそれが目的だったのかな?」
「どういう事?証拠隠滅が目的じゃないって…………他に何が…………」
「もし証拠隠滅の為に放火したとしたら、それは自殺とかじゃなくてハンナちゃんを殺した犯人が存在したって事だよね?だとしたら、犯人はどうして死体を首吊り死体に偽装したんだろう?」
「ん〜?つまりどういう事?」
「犯人はハンナちゃんを自殺に見せかけるため首つりに見える状況を作った、でも証拠隠滅の為に放火するなら、そもそもあんな工作する必要無いんじゃないかな?」
「た、確かに」
「でもどうして火を付けたんでしょうね?」
「全焼じゃなくて外側だけ燃やしたかった…………とか?」
「でも確かにあの火の回り方は全焼が目的なら違和感があったな」
「後は…………放火と殺人は別々の犯人…………とかですかね?そもそもハンナさんが死んだ時間もわからないですし」
「それなら私が大体の時間で良いなら分かるわよ、まず間違いなく深夜でしょうね、昨日あの部屋では私達が魔法の実験を行っていたの、本を解読してそのうちの1つをね、それでアリサちゃんとココちゃんに協力してもらってたの」
「まぁ実際はな~んにも起こらなかったけどね」
「まぁそれは兎も角、私達はあの部屋に居た、そしてその時点であの部屋には居なかった。そしてその後も部屋には入れなかった筈よ」
「入れなかった?何があったの?」
「看守と鉢合わせたの、もう少し出るのが遅ければ閉じ込められてる所だったわ」
「看守さんの鍵ですか…………」
シェリーの言葉に自然と全員の視線が看守やゴクチョーに向く。
「それならご心配無く、前回の事もあり看守達には監視カメラを設置しました。看守視点での映像が記録されていますので…………ご覧になります?」
「是非見せてもらいたいわ」
マーゴがそう言うと看守の1人がパソコンを持ち出してくる。
「あ、念の為言っておきますがそのパソコンも外との連絡には使えませんので」
ゴクチョーがそう釘を差し皆で看守の視点での昨夜の状況を見る。そこには確かに鍵を掛ける看守とゲストハウスから外に出るマーゴ達が映っていた。
「何も無いわね」
「クソっ、これで見付かれば簡単だったのによ」
それぞれが落胆する中、チョコザイが少女達の間を縫いパソコンの前に立つと何やら操作を始める。録画が止まり映っているのはマーゴ達が居なくなった後の【火精の間】の室内。
「…………違います」
するとパソコンの画面を指差しチョコザイが口を開く。
「だからオメェは捜査しなくて良いって」
「違います…………違います」
アリサがチョコザイを下がらせようとするがチョコザイは抵抗ししきりに何かが違う事を訴える。
「Telephone…………Telephone」
「あ、ちょっ!?おい!!うちのスマホ勝手に…………あ?」
チョコザイはアリサからスマホを奪うとスマホに1枚の写真を映す。そこには首を吊った遠野ハンナの写真があった。
「何が違うっての?お嬢の部屋と一緒じゃん」
「違います………違います」
更に少女達が目を凝らしまるで間違い探しを懸命に探す様に2枚の画像を見比べる。
「あ!!」
そして漸くその違いにココが気が付いた。