「ちょっ!!ここ見て!!」
ココが指差したのはハンナの首吊り死体の背後、そこには1枚の窓が映っている。
「んで此方のお嬢の首吊り死体の写真、この2つは時間帯こそ違うけど同じ【火精の間】の同じ場所で撮られた物、でもほら」
「あ、窓に映ってる景色が違う」
「本当ね、これはどういう事かしら?」
「Switch…………Switch」
「【入れ替え】…………もしかしてハンナちゃんの死体を【火精の間】に移し替えた?でも何でそんな事を…………」
「GNOME…………GNOME」
チョコザイはハンナの死体写真を指差しながらしきりにGNOMEと連呼する。
「だからここは【火精の間】だろ?【土精の間】は【水精の間】を挟んで反対側だって…………」
「ッ!!」
エマは1つの予想を立てる。
「これは牢屋敷の地図なんだけど、この地図によると【火精の間】と【土精の間】は後から建てられたんだ」
「確かに、この古い方にはどっちも描かれてないな」
「でもさ〜それが何だっての?そんなもん後から増築しただけっしょ?」
「うん、ココちゃんの言う通りこれは後から増築された、そしてそれが仮説住居なら、土台の固定も無いから建物を入れ替えられたと思うんだ」
エマの言葉に少女達はエマに注目する。
「はぁ?建物を入れ替えた?んな事どうやって出来んだよ」
「例えば、マーゴちゃん達がいなくなる前、それこそ魔法の実験をしている間にハンナちゃんを殺す」
「でもそれは不可能な筈よ、【火精の間】は宝生マーゴ達が使っていたしその後直ぐに看守が鍵をかけている。例え宝生マーゴ達が来る前に殺していたとしても死体を隠せる様な場所は何処にも無いし脱出する方法もない」
「うん、だから【火精の間】では殺さない、殺したのは【土精の間】だったんだ」
エマの突拍子の無い発言に少女達は少なくない驚きを顔に出す。
「何言ってんのエマっち、お嬢の死体は【火精の間】で見つかってんだけど?なんでそこで【土精の間】が出てくるわけ?」
「仮にそうだとしても、死体をどうやって【火精の間】まで運ぶのかしら?」
「【火精の間】に運ぶ必要は無いよ、死体と人形をぶら下げたら後は建物を運んで入れ替えれば良いんだ」
「ハァ?エマっち頭おかしくなった?」
「何だその力技」
「うん、アリサちゃんの言う通り、これは力技、普通なら出来ないけれどそれを可能にする魔法…………僕達は知ってるよね?」
エマの言葉に自然と少女達の視線がとある少女に集まる。
「犯人は君だ…………橘シェリーちゃん」
「…………………………………………」
エマの言葉にシェリーは何も言わない。
「君はハンナちゃんを殺した、【土精の間】で、そしてそこでハンナちゃんを首吊り自殺に見せかけ誰も居なくなった頃に【怪力】の魔法を使って【火精の間】と【土精の間】を入れ替えたんだ、後はそれぞれの看板も入れ替えればまるで最初からそうであった様に見せられる」
「………………………………凄いですねエマさん、チョコザイさんの意図をそこまで読み取るなんて」
シェリーは純粋に賞賛を送りそう言う。
「チョコザイさんも、私に負けず劣らずの名探偵ですね」
シェリーは犯行をあっさりと認めた。