サヴァン少女ノ魔女裁判   作:寝心地

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反論

「まずは死体を発見した状況について確認してみようか」

 

本格的な議論の第一歩としてレイアがそう言う。

 

「あの時、私達は奥の部屋にいてね、そこには私を含めた4人がいた」

 

「えっと、レイアちゃんとココちゃんとハンナちゃん、それにおじさんだね」

 

「その時、私とナノカちゃんも自分達の部屋にいたわね」

 

「ええ、間違いないわ、私達は全員、城ヶ崎ノアと夏目アンアンの部屋の方からガラスが割れる様な音を聞いている」

 

「そうして駆け付けたら、ヒロちゃんが倒れていたの」

 

「此方の部屋から見ても、同じ状況ですわ。つまり、ヒロさんがメルルさんをお殺しになって直ぐに私達は駆け付けたんですわ!!」

 

「ヒロちゃんの他に犯人が居たなら6人の誰かが見てそうなんだけど」

 

「つまり【ヒロ君にしかメルル君を殺せなかった】これで正しいかな?」

 

「いや、それは間違っているとも」

 

一通りの話を聞いてヒロは反論する。

 

「1つ確認するが、マーゴが私を助け起こすまで誰も私に触れていないし近付いてもいない、これで合っているだろうか?」

 

「流石に死体の横で倒れている者に好き好んで近付く物好きは居ませんわ、なんなら最初は倒れているヒロさんも死体だと間違えた位ですから」

 

「であるならやはり君達は1つ大事な事を見逃している。猪口 在が私の服から見つけた【背中の足跡】をね」

 

「あ」

 

「そうか!私達はヒロ君が意識を取り戻すまでヒロ君に触れてもいない、ならヒロ君が意識を失い足蹴にした者が他にいると言うことか」

 

「そう、更に先程遠野ハンナが言った【直ぐに駆け付けた】と言う言葉、これも大きな誤りだ、もし彼女の言う通りならレイアと在の【検死結果】を疑わなくてはならなくなる」

 

「あ」

 

レイアと在の検死結果、それはメルルの殺害時刻は【発見から最低でも20分以上経っている】と言うもの、つまりハンナの言葉には誤りがあるのだ。

 

「仮に私が犯人だったとして、20分以上もその場を離れず死体と共に過ごしていた理由を教えて欲しいな」

 

「そ、それは…………」

 

「私は、ただ単に気を失っていただけなんだ、誰かに背後から襲われてね」

 

「背後から襲われた?」

 

「ああ、アンアンとノアの部屋を覗いている時に後ろからガツン!!とね」

 

ヒロがそう言うとチョコザイがヒロの元に向かい頭を調べ始める。

 

「いっ!?人の頭を勝手に触るのは正しく…………」

 

「head bruises」

 

「………………………………」

 

「なんて?」

 

「head bruises、headは【頭】bruisesは【打撲】と言う意味だ、私の怪我を心配してくれたのか?」

 

「………………………………うん」

 

チョコザイはそう言うとヒロの頭を優しく撫で自身の証言台に戻る。

 

「これで分かったかな?私が怪しい事に変わりは無いかもしれないが、だからといって私が殺した訳でも無い、状況証拠だけで決めつけるのは止めてもらおうか」

 

「ううっ!?お、仰る通りですわ!!」

 

ハンナは堂々と宣言するヒロに申し訳無く思ったのか大声でそう返した。

 

議論はまだまだ続いていく。

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