大魔女が居なくなり魔法が消え少女達が牢屋敷に居る理由は無くなった。
勿論残りたいと思う者や残らざるを得ない少女達の為に牢屋敷と言う存在は残り続ける。
大魔女が居なくなり各国政府が少女達の処遇について頭を悩ませている間、ひとまず物資の支援等が行われる事になった。
そんな中
「ヘリ?生活に必要な物資は一昨日届いたばかりだろう?」
ヒロの元に予定に無い来客の知らせが届いた。
「うん、真っ黒なヘリが1台此方に飛んできてる」
ミリアが見た物をそのまま報告しヒロは頭を悩ませる。
「そのまま通り過ぎると言う可能性は?」
「多分無いかな、今まで物資を運んで来るヘリ以外見掛けなかったし」
「……………………兎も角、来客と言うなら出迎えない訳には行かないだろう」
ヒロはそう言うとミリアと共にヘリを出迎える。
外に出るとミリアの見間違いでも何でも無く確かにそこには真っ黒なヘリが空を飛んでおり着陸しようとしている。そのエンジン音に他の少女達も気付きなんだなんだと集まってくる。
やがてプロペラが止まりヘリの中から真っ白なスーツを着た紳士然とした男が降りてくる。
「ラリー井上」
その男の顔を見て声を上げたのはナノカだった。
「ナノカ、彼を知っているのか?」
「SPBの責任者兼猪口 在の保護者よ。幻視の魔法で見たことがあるわ。別の世界の私が、だけど」
ヒロとナノカが話している間にチョコザイはラリーの元へ歩いていくとそのまま言葉を交わすでも無くヘリに乗り込み少女達は自然とヘリの前に集まる。
「突然の来訪失礼します。私はラリー井上、アタルの保護者です」
「ご丁寧にどうも、私は二階堂ヒロ、此方は宝生マーゴ、一応牢屋敷の責任者、と言う事になる。此方に来られたご要件をお聞かせ願いたい」
「ええ、幾つかあるのですが、まずはアタルを迎えに」
「迎え?私達を俗世に返す用意はまだ出来てないと聞いているが」
「ええ、皆さんの様に公式に存在する組織に属する者達はそうでしょう。しかしアタルはFBI管理下のSPBの候補生、その記録はFBIの中でも極限られた者にしか閲覧出来ません」
「成る程♪修整する情報が少ない分記録の改竄も早く終わる。という事ね」
「ええ、そして第2の目的が皆さんの保護及び援助です」
「保護と援助?」
その言葉にヒロは怪訝な顔をし少女達も首を傾げる。
「ええ、SPBから皆さんの生活に必要な物を援助しSPBの名の下に保護します。代わりにアタルと共に囚われた12人のお嬢さん達にはアタルと共にSPBへ来て欲しいのです。勿論今すぐ返事をしろとは言いません」
「…………何故私達が?」
「皆さんがアタルの力を最大限に引き出す存在だからです」
「私達が?」
「ええ、その辺りの話も聞きたいと思っています」
「……………………話し合いが必要です。簡単には決められない」
「分かりました。1週間後にまたアタルと来ます。その時にお聞かせ願えますか?」
ラリーはそう言うとアタルを連れ飛び去りヒロは直ぐに共に魔女裁判を乗り切った少女達を集め話し合いを進めた。