サヴァン少女ノ魔女裁判   作:寝心地

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「え?弟さんにあった?」

 

「うん、それがあんまりチョコザイさんの事良く思ってないみたい」

 

戻ってきた蛯名が警視庁で起こった事をエマ達に話す。2人が警視庁に向かった後、共にチョコザイも向かっていた様で姿を消したチョコザイにヒロ達は慌てふためきあちこち探し回った。

 

結果チョコザイは2人に着いていった様でそこにチョコザイの弟タスクに出会ったらしい。

 

「でも何で警察に?」

 

「例のストーカー殺人事件、その被害者になるかも知れないからって」

 

「という事はその弟は誰かのストーカーを?」

 

「まぁね」

 

「……………………あれ?そう言えばチョコザイさんは?」

 

エマが周りを見回すがそこにチョコザイの姿は無く蛯名は手を叩き何処かへ向かう。エマ達もその後を着いていくとそこには1軒の家があった。

 

「ここは?」

 

「チョコザイさんのお家」

 

「え?でもチョコザイさんはアメリカに住んでるんじゃ」

 

「そうなんだけど、ここは実家なんだって」

 

そう言い蛯名がインターホンを押すと優しそうな女性が現れ蛯名を見た瞬間嬉しそうに皆を中に招く。そこにはチョコザイがいた。

 

「本当にいた、あ、はじめまして。桜羽エマです」

 

「二階堂ヒロです。在さんとはその、とある出来事で仲良くなって」

 

「アタルの父です。これからもアタルと仲良くしてやって下さい」

 

「はい、しかし何故ご実家に?」

 

「お母さんのおにぎりの時間だもんな、アタル」

 

ヒロの呟きに答える様にラリーが現れチョコザイは母親のおにぎりを口にする。

 

「おにぎり?彼女は夕飯は取らない筈では?」

 

「この一年の間に、アタルにも変化があったという事です」

 

「おにぎり…………おにぎり…………頂きます」

 

チョコザイはそう言うとおにぎりを頬張る。

 

「皆さんも良かったら是非」

 

チョコザイの母に誘われてヒロ達も共に夕飯をいただく事にする。

 

その間にチョコザイは2つ目のおにぎりを口にし彼女の母が折角なので新しい物をと席を立つ。

 

「ああ、もう食べてますから、これ以上は食べません」

 

「え?」

 

「アタルの夕飯は、おにぎり2つと味噌スープと決まっているんです」

 

「おにぎり2つ?」

 

「ええ、アタルは、自分のルールに忠実です」

 

「でも私、おにぎり31個しか作ってませんよ、ひと月に」

 

「おにぎりが無くなった場合は、今まで通り、こう言った物を摂取しています」

 

ラリーはそう言うとチョコザイの鞄からケチャップとマスタードを取り出す。

 

「何で言ってくれなかったんですか?」

 

「それがアタルの為になると信じているからです」

 

「え?」

 

「何時かアタルには、母親のおにぎりが無い日が来ます」

 

その言葉にチョコザイの両親だけでなくヒロ達も暗い雰囲気になる。

 

「それでも、愛情は残る筈です。おにぎりを握った母の愛情が、アタルに残る筈です。その愛情が、アタルの将来にどれだけ…………どれほどの」

 

「だからこそ出来るだけ、長く続けて貰いたいんです。出来れば一生、お母さんが生きている限り」

 

「来月から、倍の数作ります。これから一生」

 

「…………タスク」

 

「え?」

 

「タスク…………」

 

「タスク…………確か弟さんですよね?」

 

「ええ、今日は部活の練習で遅くなるみたいで」

 

チョコザイはおにぎりを食べ終わると部屋に飾ってある百合の花を眺め弟の名を呼び続けた。

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