サヴァン少女ノ魔女裁判   作:寝心地

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黒幕?

硝煙が立ち上る銃を構え微動だにしないナノカは問い掛ける。

 

「この茶番を何時まで続けるつもり?私達の中に居るんでしょう?このデスゲームの黒幕が」

 

完全に活動停止したゴクチョーを前に他の少女達は息を詰まらせる。

 

「ナノカちゃん、一体何を?」

 

訳がわからないと言わんばかりのエマの問いかけにナノカは銃を構えたまま答える。

 

「この馬鹿げた殺人ゲームを仕組んでいる黒幕が私達の中に居る、私達が魔女になっていくのを誘導し近くで見て楽しんでいる奴がいる、ソイツが真の牢屋敷の管理者よ。もう誰か予測はついている。大人しく名乗り出たら?」

 

ナノカの問い掛けに少女達は互いの顔を見合わせる。

 

「ちょ、ちょっとお待ちなさい!!貴女、何でそんな事を知ってやがりますの!?」

 

ハンナの問いにナノカは銃を一度降ろし息を吐く。

 

「私の魔法は【幻視】なの、彼女も言っていたでしょう。Visionと」

 

ナノカはチョコザイを指差しそう言う。レイアの事件の推理の途中、チョコザイはそれぞれの魔法を言い当てていた。そしてナノカを指差した時に言っていた言葉こそ【Vision】つまり【幻視】である。

 

「その人自身や想いの詰まった物に触れると、対象の過去や未来が映像として視える時がある。私は、牢屋敷の過去の情報を幻視したの。この銃も、嘗て牢屋敷に囚われていた人の魔法で製作されて隠されていたのを視て回収したの」

 

ナノカの言葉に皆納得する。

 

「となると、ナノカさんは幻視で黒幕が居ることが分かったと?」

 

「ええ、ここに捕まる前から私は牢屋敷の事を知っていた。そして黒幕が居ることも。ただ、私の魔法は完璧じゃない、触れたら絶対に視えると言う訳でも無いし、偶然によるものが大きい」

 

「成る程、魔女見習いである私達ではまだ上手く魔法をコントロール出来ないんですね」

 

「そう、捕まってから私はずっと黒幕を探していた。そこで視たの、少女のフリをしている人物がいるのを」

 

ナノカはそう言うと再び銃を構え一人の少女に銃口が向く。自然と少女達の視線もその銃口を追う形でその人物に向く。

 

佐伯ミリアの方へと。

 

「貴女は佐伯ミリアの体を奪いここにいるんでしょう?」

 

ナノカはミリアに触れた時に視た状況を語り始める。

 

佐伯ミリアが踏切の前で男と体を入れ替えられた事を。

 

「つまり貴女は佐伯ミリアと入れ替わった男、そうでしょう?」

 

「確かにチョコザイさんも【Switch】って言ってましたね、スイッチ、本来は電源等を指す言葉ですが、【入れ替わる】と言う意味でも使われますね」

 

「この茶番を終わらせる為、貴女には死んでもらう」

 

ナノカがそう言い銃を構える。

 

「駄目ですぅ!!」

 

そこにメルルが割って入り涙を流しながらもミリアを庇う。

 

「そうだよ!!たとえ黒幕だったとしてもいきなり殺すなんて!!」

 

エマも説得を試みるがナノカの意志は固くメルルごと打ち抜きそうな気迫だった。

 

そこに撃たれた筈のゴクチョーが現れる。

 

「やれやれ、可愛いゴクチョーを撃つなんて酷い事しないで下さい。今回は見逃しますが、本来なら処刑ものですよ。裁判は終わりましたし、皆さん速やかに自分の房に戻って下さい」

 

ゴクチョーの勧告を受け少女達は驚きながらも房に戻っていった。

 

「あ!!シェリーちゃん、チョコザイさん運ぶの手伝って貰っていい?」

 

「良いですよ!!」

 

エマはシェリーと共にチョコザイを房に運び自分達も自身の房に戻って行った。

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