薬屋のひとりごと〜南方将は西国の血を引く男〜 作:花札こいこい
「四方将」がメインのお話でオリキャラも出ています。
ギャグ系を目指しましてみました読んでいただけたら幸いです。
小鳥が囀る朝、虎の一族の屋敷の食堂に「四方将」の一角「西方将」白虎の愛娘
「お母様、おはようございます!」
「ええ、おはよう鈴花。」
「今日も軍部の鍛錬場にいってもいい?」
「また行くの?皆さんの迷惑になるから駄目よ。」
「小花はちゃんと良い子にしてるもん!それに朱雀様は邪魔なんて言わないもん!」
「朱雀殿以外の方の迷惑になるでしょう?」
「行くの!」
「駄目よ。」
「お母様の意地悪!いいもん!」
「待ちなさい鈴花!」
鈴花は朝食も食べずに母と使用人を振り切り屋敷を後にする
「お母様のこと朱雀様に言いつけるもん。」
鍛錬場までの道は把握済みで
ガッガッ
「よし。次!」
「「はっ!」」
近づくと剣同士がぶつかる音や武官の声が聞こえ始める
「おはようございます!」
「おお、
「玄武のおじ様!」
最初に鈴花に気がついたのは玄武だ
「なんだ?朱雀か?」
「そうだよ!朱雀様はどこにいるの?」
きょろきょろとあたりを見回す鈴花
(茘国広しといえども「四方将」に臆しない子供は小花くらいだろうな。)
と玄武はしみじみ思う。彼自身自分の子供がこのくらいの時は妻と使用人に任せっきりでなにもしてやれなかったのだ、なのでまだ幼い鈴花を見るとつい気にかけてしまう年齢的にはおじいちゃんと孫なのだが鈴花は彼をおじ様と呼ぶのだ。「四方将」の白虎の愛娘だからかその他の武官は「虎の姫様」として接する。
そこに茘国最強の武官が現れると空気が変わり玄武以外の武官全員が
「「おはようございます!」」
と深く頭を下げて挨拶をする
「おはよう。」
「朱雀様!おはようございます。」
「小花。おはよう。」
朱雀が来た途端鈴花はその瞳を輝かせて朱雀を見る
「朱雀様?小花の髪の毛結って?」
「構わないよ。」
と言われると鈴花は朱雀に背を見せるように座り髪紐と小さな櫛を渡す手先が器用な朱雀は何回かで髪を結うことをものとしたので彼は慣れた手つきで彼女の髪を梳き髪紐で結わえる
「聞いて朱雀様!お母様ったら小花がいたら迷惑になるでしょうって言うの、ちゃんと良い子にしてるのに!」
「母君は心配なんだよ小花。」
「でも~。」
「なら小花にしかできないことを作れば良い。」
「例えばなあに?」
「そうだな。汗を拭く手ぬぐいを用意するなら小花もできるんじゃないか?」
「・・・。用意したら朱雀様のお役に立てる?」
「俺だけではないよ、皆の役にも立てる。」
「朱雀様に髪の毛結ってもらったら手ぬぐい用意する!」
「ああ。出来た、手ぬぐいの場所を教えるからおいで。」
「うん!」
朱雀の後について鈴花はぱたぱたと歩き出す鍛錬棟に入るのは初めてな鈴花に朱雀は何をするところかの説明もしながら手ぬぐいの場所を教える
「いっぱい必要だよね。」
鈴花はやる気に満ちているから朱雀はあえて助け船は出さないが
「持てる分だけでいいよ、まだしばらく休憩はないだろうから何回かに分ければ良い。」
疑問にはきちんと答えてくれる、近すぎることもなく遠すぎることもなく絶妙な距離感で鈴花を見ているから鈴花は朱雀を慕うのだ
「朱雀様、あのね?最近ね、お母様お手紙を見てはぁってため息つくの。なんでため息ついてるのって聞いても教えてくれないの。」
白虎の仕事柄長く家を空けるため鈴花の相談事は父である彼でなく主に朱雀に、朱雀絡みならば玄武が担当していて白虎の妻は多忙な「四方将」に申し訳ないと菓子折りを彼らに用意してくるが朱雀も玄武も
「「構わない。」」
と鈴花が寂しくて泣くくらいなら時間を割いてでも話を聞くよと夫の留守を守る彼の妻に理解を示してくれている。そんな夫の仲間に感謝しきれない彼女がため息と聞いた朱雀は
「そうなのか。」
(小花を虎の一族の屋敷まで送るがてらその心配事を聞いておくか。白虎殿が都に帰京するような問題なら早めに対応しておくにこしたことはないだろうな。玄武殿にも言っておこう。)
「朱雀様?」
「小花、今日は俺と玄武殿がお屋敷まで送るよ。」
「本当?朱雀様とデートだ!」
「デート?ああ、西方の。」
西方への留学経験のある朱雀はそれを知り得ているのだがいかんせんまだ幼い鈴花とデートとはと思うので
「小花?玄武殿もいるからな?」
「玄武のおじ様もなの?」
「小花は母君が心配なんだろう?玄武殿がいけば玄武殿の奥方が助け船を出してくれるかもしれない。」
「む~・・・。じゃあ今度小花、朱雀様とデートしたい。」
「小花が大きくなる頃にはもっとよい男性がいるよ。」
「小花は朱雀様がいいの‼」
と大量の手ぬぐいを持ちながら朱雀へのアピールは欠かさない鈴花に
「分かった。俺で良いならいいよ。」
「やった〜!」
ご満悦な鈴花は鼻歌を歌いながら朱雀と鍛錬棟を出て訓練中の武官のための手ぬぐいを置く
「小花、もう一回手ぬぐい取ってくるね!朱雀様!」
「ああ。」
「小花が御機嫌だな?なにか褒めたのか?」
玄武が朱雀に訊ねると
「褒めたというか、なんともだ。」
「ほう?」
「玄武殿。」
「なんだ?」
「
「小花も明麗殿を心配するような年頃になったのか・・・。いやぁ、成長は早いなぁ。」
「発言が完全におじいちゃんのようだが・・・。」
「まぁそんなものだ。で?策があるのか?」
「小花を送るがてらに我々で解決できるものなのかを聞いておけばことの次第では白虎殿に帰京してもらえると思うのだが・・・。」
「確かに、その案なら明麗殿がひとりで耐えることもない、ため息とはまた不穏だな。待て、相手が白虎からの手紙なのか?」
「それは分からない。小花は誰からの手紙とは言っていない。」
「うーむ。白虎からなら我々は夫婦喧嘩に首を突っ込むことになるな、其れは・・・。」
「まずいのか?」
「まずい非常にまずい。」
「?」
「考えてみろ?我らは明麗殿側につくのか、はたまた白虎につくのかでだいぶ変わってくるだろう。夫婦喧嘩に混ざるのは得策ではない。」
「それは玄武殿の実体験か?」
「ああ。妻は怒らせるものではない。お前も妻だけは怒らせるな?ずっと根に持つからな。」
「胸に閉まっておく。」
「どうしたものか・・・。」
「青龍殿が白虎殿の味方になり私と玄武殿が明麗殿の味方になるのも良くないか?」
「朱雀よ。」
「なにか?」
「青龍にそんな気の利いたことが出来ると思うか?」
「・・・言われてみればそうだ。そんな甲斐性があればあんなに取っ付きにくい性格にはならない。」
「あやつももう少し協調性を持てればなぁ。」——
「小花からもう少し情報を得る方が良いな。」
「そうしよう。」
「朱雀様、おじ様とばっかりお話しないで小花ともお話して!」
手ぬぐいを用意し終わり鈴花は朱雀に構ってと強請る
「小花?母君は誰からの手紙にため息をついているんだ?」
玄武が鈴花と同じ目線になるように屈んで訊ねる
「お母様は教えてくれないの。」
「早くも障害が。」
「その人からの手紙は沢山きているのか?」
「うん。沢山ある。」
「白虎に帰って来て欲しいとは口にしていないか?」
「なんで?」
「帰ってくることに対してなんでと返されている時点であやつ・・・。」
「もう詮索せずに明麗殿の味方になる方が白虎殿の為にもなる気がする。」
「言ってやるな朱雀、索敵では白虎以外に適任がいない。」
「すざ〜く〜!」
「なんだか哀れすぎて白虎の声が聞こえてきたぞ?朱雀。」
「奇遇ですね、私にも。」
「きっさま〜!」
「なんか怒っている声だな。」
「怒りたいのは明麗殿かもしれないのに何故?」
「すざあっく!」
「「は?」」
門扉の方を見れば都を留守にしているはずの白虎が鬼の形相でいる
「朱雀よ、見えるか?」
「幻覚ではないです、私も見えるので。」
「うちの小花を色眼鏡で見たな!」
「色眼鏡?」
「ため息の正体が何となく分かった気がするな。」
「都にいなくてもお前達がいるから明麗と鈴花を任せて居られたのに、小花からの「爸爸頑張ってね!」という手紙で癒されていたのにそれを貴様!」
「もう言うな白虎。」
「小花?白虎殿にお手紙を書かなかったのか?」
「書かないよ?お手紙書くなら朱雀様とお話したいもん。」
「・・・。」
「お母様にも言ってるよ?小花は優しくてかっこよくて強い朱雀様のお嫁さんになるんだもん!」
「「・・・。」」
「小花は爸爸と結婚するんだって言っていたのに・・・。」
「不憫だが仕方ない。朱雀、お前に家族が出来たらなるべくなら一緒にいることだ。でなくばこうなる。」
「朱雀様の奥さんは小花だもん!」
「明麗も小花の近況を教えてくれなくなったんだ!」
「はぁ。白虎よ、それは明麗殿の配慮だろう、ため息は小花のことだったな。」
「小花、悪いことしちゃったの?」
と聞くのは朱雀にだ、だから白虎は尚更納得しない
「朱雀?分かっているな?」
今も鬼の形相の白虎がいるので
「小花は悪くない、だから気にしなくていい。」
朱雀は白虎の逆鱗に触れないように鈴花に告げて
「同い年の友達と遊んでみたらどうだ?」
「やだ。遊んでくれるなら朱雀様がいいの!」
「白虎殿が帰ってきたんだ、今まで話せなかったことも話したらやはり爸爸が良いって思うかもしれないよ?」
「帰ってこなくていいの!」
「「・・・。」」
もう白虎が哀れすぎて何も言えない朱雀と玄武
「小花?帰ってこなくていいなんて言ってはいけないよ?」
「朱雀様がお屋敷にいてくれたら言わない。」
「朱雀!私達の屋敷の敷居はまたがせんからな 」
「じゃあ小花は朱雀様のお屋敷にいく!」
「白虎もう諦めろ。娘との関係性は拗れると一生ものになる引き際も必要だぞ?」
「4歳の女の子に手を出すな 朱雀!」
「出してはいないんだが白虎にはそう見えるのか。」
「白虎殿、玄武殿。」
「なんだ 」
「私もか?」
「部下たちの視線が痛い。」
「「・・・。」」
「知るか 」
「なんで帰ってきたの?朱雀様がいるから都は安全だもん!どっか行って!」
「小花・・・。」
「これが俗に言う地雷を踏んだというやつだな。」
鈴花のどっか行ってで白虎は固まるそれは哀愁漂う彫刻のようで
((「四方将」も人間なんだな。))
人間離れしている彼等の束の間の時間を部下達はつい見てしまう歴戦の猛者も娘には勝てない
のだと同じ人間だったんだなと「四方将」として自らの限界まで鍛え上げてるから分かりにくいが彼等も待た努力をしているのだと無条件でついて行こうと思える。塊になった白虎に玄武は
「大丈夫か~?」
「朱雀様!小花と一緒に遊んで!」
鈴花にはもういない認定されていることが不憫に思える朱雀だが、さらにそんな白虎にとどめを刺したのは意外にも仕事を片付けて鍛錬場に来た青龍の一言で
「くだらない。そんなになるなら娘も妻も作らなきゃいい。」
彼なりの冗談だったのかもしれないが彫刻のような形になっていた白虎は頭がうなだれ生気がなく小さな小さな声で
「小花があんなに可愛い小花がどっか行ってなんて・・・。」
「これが現実だ白虎。」
父親ならば誰しもが通る道だと白虎の肩に玄武は自身の手を置くそれが意味することは
「諦めろ。」
と言うもので白虎は鈴花を抱き上げて
「小花はやらんからな!」
とっとと屋敷に帰っていくそんな白虎を玄武と朱雀は
「夫婦喧嘩じゃなくて良かったな。」
「明日、主上に謁見するので白虎殿が定期的に帰れるように出来ないかと伺いますね、でないと小花が白虎殿を本気で嫌いになりそうで怖い。」
「そうだなぁ、頼むぞ。」
「はい。」
その後主上は白虎の定期的な帰京を許したのだが、帰る頻度は多くなった白虎だが鈴花はお菓子にもお土産にも興味を示さずに
「朱雀様は?」
と言うので鈴花が鍛錬場に行きたいと言っても連れて行かせなかったためか
「爸爸大っ嫌い。」
と言われ白虎は三週間鈴花と口がきけなかったのであった
薬屋のひとりごと~南方将は西国のを血を引く男~今後の話でこちらの中で読みたいと思うお話の需要を知りたいのでご協力お願いいたします。
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