薬屋のひとりごと〜南方将は西国の血を引く男〜   作:花札こいこい

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遅れる「賢妃」の下賜

高順が翡翠宮にいる頃壬氏は数人の宦官を連れて水晶宮にいた

「壬氏殿?園遊会は終わりました。ですから私は下賜されるのでしょう?それをいつまで待てば良いのしょうか?」

「申し訳ありません。園遊会後とは申しましたが諸々のことがあり「賢妃」の下賜は少し先にはできないかと宮廷側に打診されていまして・・・。」

「諸々とは園遊会での毒騒ぎでしょう?危険だから後宮を出るなと言われても私にはあの方の元の方が一番安心できますし、安全です。後宮も身の保証をする妃が一人いなくなれば余力は出るはずですよ。」

 梨花妃は早急な下賜を求める。彼は迎えに来ると言ったからこの後宮を早く出て彼の元にいたい後宮が安全だとは思わない。実際に彼女の子の命は亡くなり自らの命も危うくなったのだ。そんな自分を救ってくれたのは紛れもない最愛の朱雀で彼の側ならば何も不安に思うことがないとよく理解しているだから、早くこの世界で最も安全で優しく温かい朱雀の側に居たいのに宮廷の思惑なんて知ったことではない。大方、私達の一族が朱雀と今以上に親密になり子ができれば一族は宮廷内でさらに発言力が増してしまうからそれを避けたいのだろうと予測はしていたが何にでも理由をつけてくると権力以前に器が小さいと哀れに思えてくる

「高官が娘を入内させようとしていることを私が知らないと思っていますか?」

「「!」」

「入内される娘さんの為にも早く席を空けていたいですし、何より「淑妃」を後宮の外に主上が出すとは思えません。」

「梨花妃それは・・・。」

「敵しか居ないこの後宮では蜘蛛の巣のように情報という糸を張り巡らさなければ命とりになります。上級妃としていましたからそういったことは知りえていますよ?」

「ならば尚更、宮廷が貴女と「南方将」が今以上の関係を持つことに懸念していることも存じ上げているのでは?」

「ええ。でも彼は迎えに来ると言ってくださいました。彼は、朱雀は嘘をつきません。そして相手が傲慢な態度なら毅然とした対応をします。言葉には言葉で、武力ならば武力で、その恐ろしさは宮廷がよく存じていますでしょう?」

「そうかもしれません。ですが・・・。」

「壬氏殿。私と「南方将」の関係を恐れている方々がいるなら何を恐れているのかを伺いたいですわね。高官が自分達が彼を縛るための鎖となるべき女性(ひと)を用意できるとでも?」

 壬氏は梨花妃がここまで頑なに「南方将」朱雀の元に行きたいと言うとは思っていなかった。彼女を上級妃に推薦した主上への想いももはや影すらない。あるのはただこの世で最も信頼を寄せ愛している朱雀への想いだけで実際彼が下賜を願い出てから一度も主上は水晶宮を訪れていない、きっと察したのだろう梨花妃の心を得られないことを自分への尊敬は皇族の縁戚としての表向きのもので彼女の心には朱雀しか存在しなかったことをだ。

 上級妃に召し上げさせ彼女に子を孕ませ、産ませ諦めさせた恋心を彼女が死の淵をさまよったことで死なせれば彼女の父親に申し訳なくなる気がして最適解として宛てがったのが医官ではなく梨花妃をよく知る「南方将」朱雀だったが、諦めた恋心が再び熱を持つはずがないと一介の武官の妻より皇帝の后の方が相応しいと周りが言えばそれはそうだと思い込むはずだと、だから一時的に男の能力(ちから)を失くす薬を飲むことで彼を宦官として後宮に入らせ梨花妃を救わせかつ、目の前にいる最愛だった男がどちらかの女性(ひと)を娶り子が出来れば朱雀には最愛がいるのだと自分では彼の最愛になることも出来ないと私には主上しかいないそう思わせることも考えてはいたのだが、計算違いがあったそれは子を成しても彼女は朱雀を想っていたことと、朱雀が伴侶は要らない梨花様が死する時に自分も死ねばいいと彼もまた不器用に梨花を愛していたのに皇帝の妃だからと身を引き想いを隠していたことだ

 (今までよくその想いを隠していたな、上級妃でありながら。)

 と心の中で思うが壬氏はその美貌で後宮の試金石となり妃達が相応しいかと試していたが梨花妃には問題はないと判断していたのに女性にとって尊敬と愛情は違うものだと思い知らされた。

「それとも私を不敬罪で死罪にしますか?」

「仮にそうなれば宮廷は「南方将」を敵に回しますね。」

「宮廷がその危険(リスク)を負うことはないでしょう?国内でも国外でも「南方将」朱雀の名は一定の牽制材料になります。それがなくなれば敵は侵略の好機(チャンス)と捉えるでしょうね、一人の妃を下賜すれば丸く収まる問題を拗らせることは愚かですよ。」

(高官の娘の入内も知られているだけでなく・・・、玉葉妃と梨花妃は主上好みの容姿でお手つきだから後宮からは出られないと理解しているのだと思っていたのだが理解より想いが上回ったのか?私に魅了されていないなら問題ないと思っていたが既に魅了された男がいるとしても力ずくで引き裂けば忘れるものだろうと浅はかに考えていたつけだな。)

 諦めたように思う壬氏だがそれは見せず

 「分かりました。宮廷側には梨花妃の考えを伝えます。ですのでもう少しお待ちいただいてもよろしいですか?」

「きちんとお伝えしてくださるなら余り長く待つつもりはありませんが承知しました。」

「それでは失礼します。」

「ええ。」

 応接間を出るときにぐるりと部屋を見渡すと最低限の荷物しか置かれていない、いつでも出れるようにしているのだと思わされる。

 (「賢妃」の下賜に「徳妃」の暗殺未遂そのほかの問題、やることが多すぎる。)

 疲れているのだが周囲にはそれを見せない壬氏。執務室に戻れば翡翠宮に向かわせていた高順が戻り猫猫の見立てを報告する。と言っても彼女の見立てである「徳妃」の侍女による「徳妃」に対してのいじめは報告せず器の縁についた指の手跡の数が三人分だったことだけを上手い言い回しでそれだけしか分からなかったように

「お前は言い回しが上手いな。」

 壬氏は高順にそう告げる。自分の養育係であり側近の高順は何かを隠しているだが言わないと言うことはまた問題が増えることなのか、報告するほどのものでもないのどちらかだと判断する

「「賢妃」はなんと仰られたのですか?」

高順は疲れ切った主人に訊ねる

「新しく入内する高官の娘の為にも早急な下賜を望まれているし、宮廷の横やりにも「南方将」が敵になると言われ果てには不敬罪で死罪にしますか?と女は恐ろしい。」

「「南方将」は誠実な人柄で部下の信頼を得て「四方将」の中でも最も主上と高官達の信用を得ていますから彼を敵に回せばこの先の出世はないことと同じだと梨花妃はよく存じられてる。」

 「宮廷もああだこうだというなら下賜を認めなければいいだけだろうに、もう寝たい。」

壬氏は机に身を預けるように突っ伏すその際に髪に挿していた簪が落ちかける、彼は忘れていたようで適当に簪を投げる高順は投げられたそれを両手で守るように持ち

「大事なものなのだから大切に扱ってください。」

 と子を諭すような口調で話すが壬氏はうわごとのような

「ああ。」

 としか言わない諦めた高順は一礼して壬氏の執務室を出る

「仕事を減らさないとなぁ。」

 壬氏のぼやきを誰も聞き入れてはくれないのだが片付けない限り終わることのない仕事ばかりで壬氏は早く終わるようにするしかない

翌日、猫猫は小蘭の元にいた話題は園遊会で翡翠宮の侍女が毒を飲んだことだ。小蘭もまさかその侍女が猫猫だとは思っていないようで誰だろうねと話すそんな折に簪はもらったのと聞かれた

「まあ、何本かだけど。」

「へえ!それなら後宮を出られるんだね!」

「出れる?小蘭!その話詳しく!」

小蘭の話では後宮は男子禁制だが簪を贈り渡されていれば官に外に呼ばれることもあれば逆に後宮から出してとお願いすることもできると言うものらしく猫猫は簪をくれた武官を使い実家に一時的な帰宅をしようと思いついた。そのための用意もきちんとして官が絶対に首を振れない条件を提示できるように、代償は高かったがそれでも養父にも姐達にもちゃんと無事だと顔を見て言えるようにと簪をくれた武官に木簡を送り詰所に来させる

詰所にきた武官李白は義理を勘違いされたと頭を悩ませて部屋に入ると小柄な侍女は身元引受人になってほしいと告げる李白は下女に上手く使われることが癪なようで苛立ちを隠さないだから彼女、猫猫にしか使えない条件を出した

「緑青館で三姫と花見を。」

 と三姫に手を出せるような高給取りではない李白は木簡に書かれた名前でそんなばかなと「緑青館」の三姫は「四方将」と同じくらいに平民にも知られる人気者(スター)だと開いた口がふさがらない李白にどうすると半ば強引な同意をさせた猫猫は、翡翠宮で玉葉妃に三日間の里帰りを願い出る同僚達は簪の本当の意味を知る故にあれやこれやと猫猫に聞くがそれを知らない猫猫は何でこんなに聞かれるのかと首をかしげていた

 里帰り初日

 李白は馬車で猫猫を迎えに来た。歩ける距離なのに少しでも見栄を張りたいらしいのは男の性(おとこのさが)いうものなのだろうと猫猫も何も言わない「緑青館」の看板の前で李白がごくりと生唾を飲む

 丁度店主のやり手婆が見える場所にいたので久方ぶりの挨拶をしようと近づくと孫を見るかのような目をしながら思いっきり猫猫の腹に一撃を加える

「がはっ!」

「おい!誰だこの婆さん!」

「緑青館」の店主・・・やり手婆で・・・す。」

一撃を食らった猫猫は口元を押さえながら李白に告げるやり手婆は彼のご自慢な筋肉と見た目、同期では出世頭という猫猫からの情報で「三姫」白鈴をあてがう禿に李白を案内させると高い代償だった前払いの銀を支払うそれでも本来の銀の半分なので、茶くらいならまけてくれないかと聞くが白鈴があの筋肉になにもしないはずがないときっぱりと却下されるそこに

「やあ、「緑青館」の店主。」

「おや?来られるなら文くらいほしいのですが?」

「ああ、すまないね。何分こちらにも時間がなくてね。」

(客か?身なりも良いのにこんな時間に来るとは一見さんか?)

「さあさあ、高級妓楼の高級妓女を集めてくれないか?茘国の最強に相応しい妓女を。」

 (茘国の最強?)

 最近耳にしたその言葉に

「まさか朱雀様?」

 と反応してしまうと

「おや?「南方将」を知っているのかね?何処の妓女だい?」

「あっ、いえ。」

 (しまった。反応してしまった・・・。)

鄭雁(ジョウガン)様。部下から「南方将」が見当たらないと。」

「ふむぅ。また逃げおったか、何故女を遠ざけるのだあやつは。」

 「猫猫。」

 やり手婆は猫猫の前に出て彼女にしか聞こえないほどの小さな声で名を呼ぶ

「なに?」

「お前が後宮勤めと知られたら面倒なことになる(タイミング)を見計らい親父のところに行きな。」

「面倒?なんで?」

「どうせあの若いの連れて行くだろう?その時にこいつらが居なければ話す。」

「分かった。」

「店主。連れが来るまで茶を飲みたいのだが?」

「茶だけでもとるものはとりますよ?うちは高級妓楼ですからね?」

「金ならいくらでも積める。「四方将」の中でも「南方将」を味方に取り入れればなおさらだ!はっはは!ところで、お嬢さん?「南方将」と顔見知りかね?」

「!」

「いえ、茘国で最強と呼ばれる朱雀様は有名で「緑青館」の「三姫」よりその武勇伝が知られていますから・・・。」

「そうだろう、そうだろう。平民にも知られる武勇伝の数々があるのにまったく何故後宮のそれも位ある女を望んで、あの一族にこれ以上の権力を与えてはならん。なのに主上が下賜するなどというから早く外堀を埋めなければ・・・。」

「行きな。」

「うん。」

やり手婆はこれ以上の詮索をさせないように猫猫を逃がす

巌凱(ゲンガイ)どんな手段を使ってでも「南方将」を連れてこいいいな?」

「はっ!」

「さて。店主案内を。」

「どうぞ。」

「一体何なんだ?あの客は?」

 猫猫は嫌な予感がして早く親父のところに帰ろうと足早にその場から去ればあばら家ばかりの居住区の中の奥に猫猫と養父の家がある

 ガラガラと戸を開くと

「おかえり。」

 約一年程会えなかった大切な養父は優しい声で迎えてくれる

「ただいま。」

 そこで初めて肩の荷が降りたのか何故こうなったかの一部始終を話す、珍しく口調は柔らかく年相応に感じられるそんな養女を怒ることもなくそうかいと相槌を打ち彼女の話に耳を貸す。実家に帰った安心からか大きなあくびが出ると

「湯浴みしたいな。」

 と呟く

「明日「緑青館」でもらい湯をしておいで。」

「うん、そうする。あっそうだ、親父?「緑青館」に「四方将」はよく来るようになったの?」

「よく来るって?」

「さっき「南方将」が〜っておっさんが来てたんだけど婆が私が後宮勤めだって知られたくないって言ってたからさ、関係ないと思ったんだけど上客なのかなって?」

「そうだねぇ。よく来るは語弊があるね、実際は連れて来させられてるだからね。」

「自分の意思ではないってこと?」

「彼には忠誠を誓う人がいるのにその人を無視して子を作れと一方的に押し付けてくる輩が多くいるようだからねぇ、好青年だから世話を焼きたいのか、はたまた自分の出世のための足がかりにしたいのか、まぁ彼は連れられてきても妓女とも話さないし線引きは難しいけどね。」

「話さない?」

「一言も発さず茶も飲まないし一定の距離を常にとると婆さんに妓女がぼやいていたし、他の妓楼でも同じようだけど本気で惚れてしまった妓女達が彼に身請けを申しても「武官として精進したいので。」と文で断る。と、中にはその文が高級妓女の証明だと思い込んで者もいるとかね。」

「なんなんだ。それ?」

「女と男の意地が混じる花街ではよくあるはなしだよ。・・・もう寝ようか。」

「うん。」

 その頃「緑青館」では

「ええい、まだ「南方将」は見つからないのか!」

 「申し訳ありません!鍛錬場にも宮廷にも居らずほかにいくところなど分かりません。」

「「南方将」の家には行ったのか!」

「いえ、まだ・・・。」

「早く見つけてこい!」

「はっ!」

 文官の高官である鄭雁(ジョウガン)は自らの息子に文官としての才覚がないと知るや使えないと家を追い出し、武官としてだけでなく文官としても才覚をみせる朱雀に妻を紹介をしてくれたという恩の売れば朱雀は私と懇意だと他の官に牽制でき欲を言えば朱雀の子を家に迎えたいと考えていた。要は、朱雀が忠誠を抱く皇族の縁戚の娘である「賢妃」が万に一つ朱雀の子妊娠する前に、「賢妃」が後宮からでれないように時間稼ぎをして、朱雀に妓女を身請けさせるそうなれば矜持(プライド)の高い皇族であれば朱雀と距離をとるはずだそうなれば鄭雁(ジョウガン)は朱雀とその血を継ぐであろう子供その両方を手中に収めれる。「賢妃」は主上を崇拝しているからそれほど時間もかからないで

「お前が守りたい女はもう手が届かない場所にいる。ならお前も自分の手の届く距離にいる女を愛せ。」

 と朱雀を懐柔できると思っていただが誤算があったそれは壬氏や主上も欺かれた梨花妃の朱雀への愛情と朱雀の梨花への想いだ。

 梨花にとって山よりも高く海よりも深い、朱雀の愛情の海に彼女は溺れそうになるくらいに彷徨うのだ、彷徨っても朱雀が必ず見つけてその心地よい海からその海よりさらに甘い朱雀の隣で他愛もない話をしていずれ産まれるだろう子にもこの国で最も強く優しく暖かい男性が爸爸なのだと自慢するだろうと言うことは既に何人かの武官にはそういう関係性なのだと知るからこそ「南方将」に「賢妃」を下賜をしてはいけないといくつかの派閥でも同意をとっているのだが主上はこの先を考えれば「「南方将」と「賢妃」を夫婦にすることで宮廷から朱雀が離れないようにすれば良いのだと言うが鄭雁(ジョウガン)は自らの権力を強化する為にも朱雀と相性の良い妓女を名だたる妓楼で探すのだが最強の武官として修羅場を渡り抜いたからか危機察知能力は高くここ何日か逃げられている。

 苛々が沸々と湧き上がるのか茶を飲み干して

「親身になってやろうと言っているのに何故尾を振らない。」

 まるで飼い犬のように朱雀を扱うのでほかの妓楼では朱雀に惚れ込んだ妓女がこの男は何様だと鄭雁(ジョウガン)には茶も用意しなくなるばかりか楼主達に妓女自ら

「朱雀様を道具のように扱うようなやつを相手なんてしたくない。」

 訴えたことがあり妓楼への出入りも禁止された。王都で鄭雁(ジョウガン)を出禁にしていないのは「緑青館」だけになるでもそれは「緑青館」ではおとなしく良い客を演じ最高位の妓女を最後の奥の手としていたかったからで此処ならば朱雀も気の合う妓女がいるに違いないと踏んでいただが、花街の情報網(ネットワーク)はきちんとしているので問題を起こす客は花街にすら入れなくなる。その前になんとしても朱雀の子を産めるような技女を探さなければと躍起になるが、そんな鄭雁(ジョウガン)が焦っているのが見えているのか部下も余り彼の側に居ない居れば八つ当たりの矛先になると理解しているのだ。

鄭雁(ジョウガン)殿?お連れ様はまだですかね?」

「今来るのだ!」

「うちとしても来ない客を待ちたくはないんですけど?」

巌凱(ゲンガイ)「南方将」はまだか!」

 苛立つ鄭雁(ジョウガン)巌凱(ゲンガイ)を怒鳴りつけるが

「申し訳ありません!「南方将」の屋敷には入れず、もう諦めた方が・・・。」

「私がやつの妻候補に幾ら出したと思う!来るのは常識だ!」

「ですが・・・。」

「私に盾突くのか?ええ?」

 すごむ鄭雁(ジョウガン)に何も言えなくなる巌凱(ゲンガイ)

「すみませんがほかのお客の様迷惑になりますので、帰ってもらいたい。」

「私を拒むのか!」

「他の妓楼で揉め事を起こしているのに今まで茶を出していたのだからもう頃合いでしょう?」

「うっ・・・。」

 身に覚えのある彼は

「失礼する。」

 そそくさと帰る鄭雁(ジョウガン)

「はあ、帰った。」

 やり手婆に帰らせろと言われた男衆の一人は大きく息を吐く

「あんなのに関わられる「南方将」も大変だな、まあ顔も良い男だからそこは世の常か。」

 自分もあれだけ顔が良い人生を一度でも送ってみたいなと思うが

「やっぱり大変かな?」

とやはり普通が一番無難だと諦める。そして夜は更けていくのだ

 

 

 

 

 

薬屋のひとりごと~南方将は西国のを血を引く男~今後の話でこちらの中で読みたいと思うお話の需要を知りたいのでご協力お願いいたします。

  • 朱雀と梨花妃の恋
  • 猫猫の謎解きを「四方将」が手伝う
  • 「四方将」がメインにとなる
  • 「四方将」やその周りがメインの短編小説
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