ダンジョンに悪魔がいるのは間違っているだろうか。 作:マリアンヌ・フェイスフル
初投稿。
世界は、英雄を欲している
誰が言った言葉だろうか。神時代が始まっておよそ千年、この世界には
とある世界、というのも俺が生きていた世界は富裕層と貧困層が明確に分かれていた。ある知り合いは超名門大学出身の世界的に有名なベンチャー企業の取締役副社長、そしてある知り合いは小学校卒業が最終学歴の普通の会社員。まさに雲泥の差である。かつてないほど俺も貧困生活を送っていたが、運に恵まれ就職はなんとかできてそこは運良くホワイト企業だったのもあり、給料はとても良い。そのお金で夢のゲームを買った。
そのゲームの名前はDMMORPG「ユグドラシル」、先ほど紹介した2名はここでできた友であり好敵手、そして背中を預けれる戦友である。何時間もかけてギルドを作り何円もかけて課金をしてめちゃくちゃガチャ等も引き、仲間内からは廃課金勢の権化とも言われてしまった。解せぬ。
俺の操作するメインプレイヤーはとても人間とはかけ離れた怪物、山羊の頭を持った、スーツにシルクハット、マントを付けた紳士の姿でバフォメットの顔、ではあるが腕や顔に機械的な施しがある。たとえばハットの上に懐中時計等、全体的なモチーフはスチームパンクを思わせるほど。俺個人的にスチームパンクが好きでこの装備を素材を集め設定を作り属性なども作り込み
何百、下手したら何千時間を費やしたこのキャラクターは、とても愛らしい。他にもインベントリ内には
こういった遊びがいのあるいろんなものに特化したゲームであったが、いろんなゲームにも
詰まる所、サービス終了であるが、最後まで遊んだその節目に参加できないのが俺であった。
「まさかこんな時間まで残業させられるとは、ブラック企業以来久々すぎてもう眠たいわぁ....」
「モモンガさん怒ってるだろうなぁ....折角他のギルメンと連絡ついて何人か参加してくれるって息巻いてたのに肝心の俺がいないってなると....」
ホワイト企業勤務であっても今は繁忙期、つまり超忙しい機関に入ってしまったのである。
「ん、モモンガさんからだ」
「....ふふ、このメンツも久々だなぁ」
最新型の携帯電話の画面に写っていたのはユグドラシルでの拠点、ナザリック地下大墳墓の円卓の間、41人分の椅子にクソデカ机に1つの席の後ろ、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが写っており写真には懐かしいメンツ、たっち・みー、ぶくぶく茶釜、武人建御雷、弐式炎雷、るし★ふぁー、餡ころもっちもち、死獣天朱雀等、大勢集まっている。俺やモモンガさん、ペロロンチーノやぶくぶく茶釜、ぷにっと萌えなどが精力的に連絡を取りみんなをかつての拠点へ集めたのだ。
....まだ終了まである!まだ間に合うと思い少年の如く走ってしまった。たばこのせいでめちゃしんどいけど。
「お久しぶりですー、皆さん」
「わぁ!ヘロヘロさん!来てくれたんですね!」
ぷよぷよと音を鳴らしながら骸骨に話しかける光景はとてもじゃないが普通ではない、がこの世界、ましてやこの拠点では不思議なことではない。紫のぷにぷには古き漆黒の粘体、という種族名の異業種だ。簡単に言うとスライムである。
そうしても片方の骸骨はギルドアインズ・ウール・ゴウンのギルド長、種族名オーバーロードのモモンガである。
「....この円卓の間にこれほどあつまるのは2年ぶりくらいですかね?モモンガさん」
「そうですね、あの進行以来中々ばらばらの状態でしたが、こうも集まると圧巻ですね!」
羽毛で覆われ、今にも羽ばたきそうな翼をバッサバッサしているのはペロロンチーノ、この集会の連絡係として貢献してくれた人である。
円卓の間が半分以上埋まっているのは実に数年ぶりであり、賑やかしい日々が戻ってきたのがモモンガはとても嬉しそうにソワソワとしている。
「....そういえばモモンガさん、私達が預けた装備類が装備状態でログインしたんですけど、何か知ってます?」
「あー、それはウルベルトさんが無茶をして開発したシステムを導入してしまいまして、ギルド内の特定の人物がログイン状態になった場合、特定の装備を装備状態にすると言ったゲキヤバシステムを作っちゃって....アハハ」
「なるほど、またチートシステム作っちゃったんですね」
そう、彼等は元々引退を宣言したプレイヤーであり自分の持ち物や装備はギルド長のモモンガかまだログインをしているウルベルトに託していた。そんなシステム系につよつよのウルベルトはとんでもない装備を作ってしまった。普段はそれぞれモモンガが作った霊廟に装備などはおいてあるが、その装備等の持ち主のプレイヤーがログイン状態になったとき、瞬時にプレイヤーの装備類に戻るといった公式でも出されていないシステムを作ってしまった。詰まる所の天才である。
そんなこんなで彼等はかつての栄光に花を咲かせていた。最後の時間をずっと過ごしていたいと思うほどに、彼等はこの時間を大切に思っている。
「23:56!!!間に合った!!」
クソみたいな残業から開放された彼は、急いで自宅へ戻った。
「折角あれだけの人数を集めたのに、合わずに終わるのは勘弁!!」
目に機械的なゴーグルを付ける。没入型のテレビゲームの典型的なゲーム機である。
<ユグドラシル起動します>
そんな機会的な声が響くと俺の感覚が消えていく。思考は鮮明である。
しかしこのゲームも古いものすぎて起動が長くなることがある、その理由はデータ量にもあるが、俺のキャラは作り込みすぎてデータ量がひとつのダンジョン分のデータ量になってしまって起動が超遅くなる。こんな急いで帰ったのに意味がなくなってしまう。
<ウルベルト・アレイン・オードルがログインしました>
「よし!せめて一声!」
皆が待ち合わせ場所に指定したのは最下層の円卓の間、あの人数が入れる場所はいくらでもあるが作戦会議した場所でもあり記念撮影は基本的円卓の間で行っていたからでもあり指定された。画面上の時間を見るとすでに23:59、あと一分で終わってしまうと思い、重たい身体を無理やり走らせている。自己加速をかけてあるブーツにしても成人男性並みしか出せないスピードに嫌気が差してくる。
「間に合え....!!!」
せめて顔だけでもと思いクソでかい扉を開けて、眩しい光が俺を照らしている。すると大勢の会話が聞こえてきた。
「....ん?ウルベルトさん!!」
「間に合っ....た」
無理やりアバターをいじくったせいか、ゲームなのにドッと疲れて座り込んでしまう。こんな経験初めて。
「あらら....あと20秒しかありませんけど、記念写真でも撮ろうか!」
和気あいあいと、かつての仲間ろの会話を弾ませ楽しく過ごしている。そして最後の時間が刻一刻と過ぎていく。
正史であればサービス終了時に、ナザリック、またはモモンガ含めたNPCが転移して、転移した世界で世界征服(笑)をする。が、正史と違う点は俺ウルベルトの記憶の違い、俺には前世の記憶、というか歴史がある。恐らくこの世界は物語でその物語を見ていた現代人の記憶があるっていうイレギュラー、さらに言えばプレイヤー達のサービス終了時にログイン、これから起こることは恐らく転移、この人数のプレイヤーは向こうの世界では脅威になると同時にモモンガの孤立問題が解決されるだろう。
0:00、ユグドラシルのサービス終了。そして、プレイヤーは転移した。が、その中にいない人物が数人。
「....は?」
.....そこはナザリックではなかった。正史通り、例の世界に転移するものだと思っていた俺は驚愕の声しか出ない。円卓の間は純白の壁に大理石でできた机と、白を貴重とした大広間の会議室といった場所である。その広間は俺が一から作った部屋でもある。完全に俺の趣味全開、前世の知識ありといった部屋だが、なぜか俺のいるところはそんな部屋ではない。
ジメジメとした岩壁、薄暗い窮屈な空間、いわゆる洞窟だろう。
「空気の匂い、このジメジメ感、そしてこの視界、転移は成功と見ていい。が、このような場所はあの世界に存在していない、となれば....」
「別世界への転移、か?」
しかしそのようなことがあるのか?転移というばナザリックでも導入した魔法の一種である。1つは恐怖公、もう1つは拷問官といった転移陣はバラバラになるものの、あの転移はナザリック全体が例の世界に転移をするという、大規模な転移、イレギュラーの俺が弾かれ別世界に転移された、が今の可能性だろう。
「まずいな、ここに俺だけというのは....他のプレイヤーは弾かれず、か。」
「....最悪だ!ここまで計画通りだったのに。」
それより現状確認が早急だ。どの世界に転移したのか、かつてのステータスは生きてるのか、その確認だ。
「....まずは魔法か。【
本来、魔法というのは詠唱を必要とする。魔力を用いてきせきを奇跡を成す、詠唱で魔法陣を作り出して魔法は完成する。しかし、彼は常識を覆す偉業を成してしまった。ユグドラシルでは様々なものを自らの手で創作ができる。魔法無詠唱化という技術を開発してしまい、ゲーム会社にそれがバレて技術を交渉の末、大金で売ってしまった。
電撃を放つ魔法、この魔法はかつて俺が初めて覚えた攻撃魔法だ。直線上にいる対象を貫通させ、建造物なども貫通する第3位階魔法の雷属性魔法。
「ふむ、魔法は発動可能。しかしこの口、動いているな。そんなシステムはなかった。ということはここはリアルということだな。」
「さて、とりあえず出るか、ジメジメして叶わん」
....ん?アバターでこの世界に来たということは。
「やっば、ウルベルト・アレイン・オードルのキャラクターじゃん、これじゃモンスターに間違えられる。」
アイテムボックスにたしか人化の指輪がいくつかあったような....
人化の指輪とはユグドラシルの中でも
「これでよし、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンは勿体無いが、この世界にナザリックがあるとは思えん。外しておこう。」
リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン、これはナザリック内でテレポーテーションを使用可能にする指輪だ。俺の指には他にも、
「さてさて、外に出てみるかな」
好奇心が勝っている。これもプレイヤー脳だからかな、ユグドラシルでは暇さえあれば冒険に出ていたし、収集家としてこの世界がファンタジー世界ならば、アイテムを集めるのもいいかもしれない。モモンガさんたちがいないのは悲しいけどねっ
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「...良い空気だ、あの世界とは大違いだな」
元いた世界は、工業地帯などの大規模建設により我が国日本から緑が消えていった。元より緑が多かった日本だが、今や人工的な木々や草花が多く、まちなかの空気は良いとは言えない。埋立地も増えてもはや東京は見る影もない。
「さて、あのデカい白い塔のもとにでも行ってみるかな」
天まで伸びた巨塔、それを俺は見たことがある。かつての記憶の中で、オバロ以外のアニメで唯一見たことのあるその印象的な名前と、世界観、恐らくこの世界は「ダンまち」だ。白髪赤目のベル・クラネルが主人公のあのアニメだ。時代はいつかわからないが、恐らくあれはバベルの塔。まさか知ってる世界とはな...。
「ま、行ってなんとかしますかねぇ、【
かつてない程の気配にとある神々が気付いていた。神は元より超越存在、同じ超越存在で神でもない者が現れれば天使であれど、悪魔はもとより感知をしやすい。ただの神には感知しにくいが、立場のある大神や創設神などは神以外の何かがこの世界に降りた事は、感知していた。
まぁ、彼等が彼の正体を知るのはまだ先のお話。
思いつきの作品ではございますが、どうぞこれからもよろしくお願いします。