ダンジョンに悪魔がいるのは間違っているだろうか。 作:マリアンヌ・フェイスフル
超短い。
オラリオ郊外
「....やっぱオラリオだよなぁ、この巨塔」
ユグドラシルで最も有名なアイテムの1つ、飛行魔法が付与されているネックレスでオラリオ郊外にすぐに到着した。オラリオ内で空を飛ぶのはマズイため、外壁の外で降りた。すると門付近で検問をしていた。
「...検問か?いつの時代かまだわからんな。」
「次の者!!!」
「はいはい」
「名前はウルベルト・アレイン・オードル、種族はヒューマン、と。それで何のためにこのオラリオへ?」
「....冒険者になるために」
「ふむ、では背中を見せてくれ」
「背中?」
「都市外の神様の眷属をいれるのは危険なのでね。」
都市外の神、か。一応悪魔なんだが....
「よし、恩恵なしだな。通ってよし!」
なんとか入れたが、この町並みは....
「....人もそこそこ、獣人も。しかし、この町並みは」
主人公ベルがオラリオに訪れたときに描写された町並みとは違うな。おそらくこの世界は....
「....これは、本編の何年前だ?」
ああ、やばいかも。本編のシナリオはまだ覚えているんだが、その前の話といえば三大冒険者以来の失敗と死の7日間、まぁいわゆるアストレア・レコードがあったことしか知らない。どうしようか....
とりあえずギルドに向かって、冒険者と登録かファミリアを見つけなければ....
「本編ならば、ヘスティアファミリアだったんだが過去かぁ、どこか良いファミリアあったっけなぁ」
多くの冒険者が行き交うメインストリート。すれ違う人々は獣人からヒューマン、エルフと様々な種族が入り混じっている。その姿は革鎧から軽装備と、なんとも心もとない装備が大半である。そんな装備を着ている人々が多い中、俺は騎士のような、背中に黒いマントを携えた容姿をしているからか、ジロジロと見られている。
「お兄さんお兄さん!」
「...ん?」
突然呼び止められた。そこには青髪の笑顔が眩しい少女がこちらを見ていた。どこかで見たような気がする....
「ここには来たばっか?こっちの通りは迷いやすいから行かないほうがいいよ〜!」
「あぁ、土地勘がなくてね。ありがとう」
「いえいえ!あ!私アーディ!アーディ・ヴァルマって言うんだ!お兄さんは?」
「私?私はウルベルト・アレインって名前だよ、よろしくヴァルマさん」
「ああいいのいいの!アーディって呼んで!」
「ではアーディ、ギルドがどこかわかるかい?」
「ギルドは真反対だよ!そこの大通りを真っ直ぐ行くと大きい建物があるから!んじゃ私巡回中だからまたね!」
アーディ・ヴァルマ....ん?ヴァルマってガネーシャファミリアの団長シャクティ・ヴァルマと同じか。てことは姉妹か?本編で出てたっけ。まぁいいか、ギルドに行こう。
とあるバベルの一室で___
「ねぇオッタル、この子の魂とっっっても興味深いと思はない?」
妖艶な表情で一般人でも一級冒険者でもその姿形を見るだけで魅了してしまいそうな美の化身とも言えるその
「....興味深くはあります、歴戦の戦士のごとく鍛えられた身体、その身から溢れんばかりの魔力と闘志、一度剣を交えたいほどです。」
「あら、貴方がそんなに興味を向けるなんて妬けちゃうわ?」
「ご安心ください、この身は全て御身のためにありますれば」
「あらほんと?ありがとう」
待ちゆく彼はうっすら気づく、この身体を値踏みするような視線。
....俺が一番苦手な視線だ。どこの誰だか知らないが、やめてほしいものだ。
ギルドにて___
「すみません、冒険者登録がしたいのですが」
_そこは冒険者ギルドの受付である。彼の姿がどこぞの騎士ではないかと値踏みの視線が多くされ、彼本人もうっとおしく感じてしまうほどに話されている。聞かないようにしているが、聞こえてしまうもの聞こえてしまうが。
彼が冒険者登録という言葉を口に出すと、受付嬢が慌ただしく、書類を用意する。
「すみません!おまたせしました!...どこかの騎士様でございませんか?」
「いえ、この鎧は傭兵のときに自腹で作ってもらった非売品ですので、今はただの夢見た一般人ですよ」
「...はぁ、そうですか。あ!冒険者登録の前に、ファミリアには所属しておられますか?」
「いえ、しておりません。つい先程来たばかりですので」
「...なるほど、でしたら仮登録という形になります。とりあえずの加入でしたらこちらに募集がかかっているファミリアをご紹介できますが、いかがします?」
「...ふむ、ではお願いします」
ネームタグにはソフィア・ブランデと書かれている。耳は少し尖っていることからハーフエルフだろう、と推測する。恐らく彼女が俺の担当アドバイザーになりそうだ、原作キャラではエイナ・チュールがベルのヒロイン候補として上がっていたが、まだ就職していないのだろうか。
と、ファミリアを探さなければ....うわ、たくさんあるな、候補にまとめるならこうかな。
1.ロキ・ファミリア
・物語の中心ファミリア、時代的にアマゾネス姉妹と狼少年はいない。だが、加入すれば安泰か。
2.ヘファイストス・ファミリア
・鍛冶職人のファミリア、鍛冶のアビリティがあれば譲歩されるか、なしだな。
3.ディアンケヒト・ファミリア
・なし、回復は俺の不得意分野。
4.ミアハ・ファミリア
・うーーーん、なし
5.フレイヤ・ファミリア
・なしなしなし、1番無理
...
......
.........
12.アポロン・ファミリア
・いくわけねぇ、男色趣味変態神とかごめんだな。
ん?待て待て待て、なんで外なる神の名前があるんだよ!普通ギリシア神話とか日本神話、北欧神話が主流だし本編にお前出てないだろ!
13.アザトース・ファミリア
・極細ファミリア、眷属0。
「アザトースファミリアでお願いします」
クトゥルフ神話がこの世界にあるとは思わなかった。もしかしたら正史と離れた影響によるものか...
「...ッ!?じゅ、住所はここですので、主神アザトース様にお目通りしてくださいませ...」
...さすがは人間では測れぬ神といったとこか。この反応にも納得がいく。しかし、なぜ向こうの、しかもあまり知られていない外なる神がオラリオにいるのか、謎が深まるばかりである。
ギルドに登録されたファミリアは100近い募集がある。この迷宮都市オラリオの双璧であったゼウス、ヘラファミリアが黒竜討伐に
その暗黒期を終わらせようと神々が意気揚々とファミリアを結成し、今や100に近い数があるが、今もなお眷属が集まらないファミリアがいた。それはアザトース・ファミリアである。この世界の人々は神話をあまり知らないが、この者は現代でもあまり知られていない神とも呼びにくい存在であり、あの神たちに畏怖されている。いつからいるのか、いつ神の世界からおりてきたのか、そして__
いつから神の世界にいたのかさえも、神々は知らない。