転生者山内春樹くん 作:裏桜
6月A日
須藤のやらかしにより折角CPが増加したのにも関わらず、PPが振込まれなかった。
須藤も多少は自覚があるのか茶柱に呼ばれた際は堀北たちに教室へ残ってもらうように頼んでいた。
俺はと言うと生徒会長に呼ぼれていたのでそのまま教室から離れることにした。廊下を歩きながら、生徒会が何処まで把握しているだろうかと思案していると後ろから俺の名前が呼ばれた。振り返るとそこにいたのは俺とは違い現場に偶然居合わせた佐倉。
佐倉は須藤がもしかしてこの間のことで呼び出されたのではないか?と聴いてきた。正直、クラスメイトでも全く接点がない佐倉が来るとは思っていなかったが、聴かれたのでざっくりと今後の流れについて説明しておいた。
説明を終えて佐倉が友達なら証言するのかと聴いてきたので否定しておく。そして、するなら自分がすればいいんじゃないか?と返し俺はそのまま生徒会室へ向かった。
この日の俺は無茶苦茶イライラしていた。
5月の堀北の時もそうだがそもそも軽率な行動をするなと言われながら、結局やらかすのは大いに問題がある。
いや、違うか。期待外れの無能な働きにムカついているだけだな。
まあ、今回の件、思ってたよりも大した問題ではない。
事前にひよりから遠回しに情報を貰っていたので、俺は喧嘩が起こる可能性を想定し現場に張り込み証拠になり得る映像を撮影していた。後はタイミングを見計らって龍園に動画を送れば訴えは取り下げるだろう。
原作通りであるなら龍園の目的は偵察。なので、リスクを侵してまで審議で争うことはないと踏んでいる。
これで今回の一件は解決。
だが、それでは須藤らは成長しない。
俺としては飽くまでCクラスへの交渉材料を用意したつもりだ。
堀北たちが俺に辿り着き、頭を垂れるなら渡してもいいが、俺から見て今の堀北たちは成長してなさそうなのであまり期待しないでおこう。最悪、原作のように石崎たちを嵌めれば解決出来るしな。
佐倉と言えば、須藤の暴力事件と並行して佐倉のストーカー被害が原作では発生している。佐倉の件が起きた場合はきっと、綾小路君らが何とかしてくれるだろう。
他力本願な考えになってしまっているがぶっちゃけ佐倉のことはどうでもいい。興味もなければこの学校で必要な能力も低い。友達なら助けたが残念ながらただのクラスメイトだしまともに会話をしたのも今日が初めて。仮に他の女子で佐藤や長谷部が同じ状況に陥っても同じ様に対応しているだろう。俺目線での佐倉の価値はその豊満な肉体しかない。人見知りぽいのでハニトラ要因にもなれず、どうせ今のままでは結局、二年の満場一致試験で退学するのでストーカーに襲われて退学が一年早くなっても誤差やろ。だが、助けを求められたら助けるつもりではいる。
堀北会長には俺の行動が大体バレていたので、妹北を育てるためと誤魔化しておいた。後は今後、審議を行う場合は厳格にルールを設ける必要があることを進言した。
幾ら実力主義を謳っているとはいえ流石に証拠すらない訴えた側が圧倒的に有利なのは公平性が欠けているからな。
6月B日
クラス内で本格的に目撃者探しが始まった。残念ながら佐倉は名乗りを上げなかったようだが挙動不審なので堀北たちに見つかるのは時間の問題か。
俺も堀北や昨日、愚痴りに来た櫛田から協力するように言われたので、原作に倣ってBクラス、一之瀬に協力を仰ぐことにした。一之瀬とは生徒会の手伝いだったりで顔を合わせたりするので意外に会う頻度は多い。最近は白波のことについて相談されてるのでその借りを返して貰うことしよう。そろそろ決着をつけたいしな。
放課後、一室を借りて(費用は一之瀬持ち)一之瀬経由で白波を呼び出し三人で話し合いを行った。最初、白波に恋人だと誤解されたが逃げられる前に呼び止めて誤解を解いた。危なかった。ひよりの耳に届いたら大変だ。
白波を落ち着かせた後、俺がやったのは双方の考えを簡略化して相手に伝えることをした。感情のぶつかり合いも時には必要だが、今回の問題はデリケートすぎるので配慮が必要だと感じた。
今回、白波→一之瀬に矢印が向かっているので先に白波の考えを一之瀬に伝え、改めて一之瀬から今考えていることを白波に伝えた。
聴いていて白波の一之瀬への愛は尊敬に値するものだ。
白波の恋は実ることはなかったが同性愛について一定の理解を一之瀬は示したので白波の今後の行動次第だろう。
確か6月は綾小路君にとってのターニングポイントだった筈なので、須藤と佐倉の件を中編として後編を坂柳と対面する予定です。