小説の練習も兼ねて投稿してます。
宜しくお願いします。
独裁者という言葉が生まれたのは一説によると紀元前の古代ローマ共和国と言われており、当時の古代ローマ共和国において、隣国との戦争などの非常事態に備えて誕生した「独裁官(ディクタトル)」という役職が「独裁者(ディクテイター)」の由来とされている。
それから数千年、世界には数多くの独裁者が存在した。その中でもこの小説を読んでいる人たちがよく知る人物なら、「アドルフ・ヒトラー」、「ムッソリーニ」、「スターリン」の名前が挙げられるだろう。
その独裁者たちは今、何をしているのだろうか。
答えはシンプル。
「よいか!ドイツ語では「進軍」は"Marsch"と読む!」
「この服なんていかがですか?ゲイの方にもおすすめですよ」
「よいか保育園児たちよ!園長を粛正し、革命の時間だ!」
現世の日本で更生を行っている。
第一話「どうも、元独裁者です」
2026年8月、日本は今まさに真夏であった。そんな真夏の調布市の小さな一軒家の縁側に、とある二人の20代くらいの男性が汗まみれになりながら会話していた。
「暑い、とんでもなく暑い、どうにかならんのか」
暑さに対して文句を述べながら畳に寝転がる黒髪の男の名は「安藤広」ただし、その名は仮初の物で、本来の名は「ヒトラー」、かつてドイツを支配した独裁者である。
「文句を言わないでくれませんか?地獄の血の川に比べたらずいぶんマシじゃないですか」
安藤の愚痴に対してなだめるような言葉をかけるもう一人のこげ茶色の髪の人物の名は「村祖律」、本来の名は「ムッソリーニ」、かつてイタリアを支配した独裁者である。
「外れ値と比較してどうする。あっちでは「心頭滅却すれば火もまた涼し」と考えれば何とかなるが、こっちではそうもいかんだろ」
「なんでこの人その考えでどうにかなると思ってるんだ」
地獄の熱に慣れてしまった目の前の人物の考えに、思わず律はあきれた表情を見せる。
その時、玄関を開ける音がした。
「ただいまーって、なんでこんな暑い日に縁側で駄弁ってるの?地獄生活が長くて体の感覚鈍ったの?」
聞きなれた声で二人が振り向くと、そこには二人のお目付け役の大天使ウリエルがいた。
「そんなわけないだろ。単にこの暑さに文句を述べてただけだ。俺がヨーロッパにいたころはこんなに暑くはなかったぞ。」
「そんなに暑いなら、だらけきった自転車のおじさんか最年少の刀使いの隊長さんでも連れてこようか?」
「今からでも入れる保険ってあるか?」
広は即座にツッコミを入れた。
「それはそうと、今月の報告会はどうでしたか?」
律が話を切り替えた。一応彼らは現世で更生をしている最中の亡者であるため、ウリエルは毎月天界への報告会をする必要があるのだ。
「ばっちり済ませてきたよ。明治神宮って初めて行ったけどいいところだね」
「なんで神社で大天使が報告会やってるんですか。そこは教会に行くべきでしょう」
「甘酒飲みたかったんだからいいでしょケチ」
「欲に忠実だなこの大天使」
律は即座に頭を抱えた。――この職場の神性、どこに置いてきたんだ。
「ところで、今日の食事当番誰だっけ?」
ウリエルは今日の食事当番について二人に聞いた。甘酒を飲んでも腹は減るのだ。
「僕です。とりあえずピザは作ってます。」
今日の当番は律だったため、律はすでに調理を済ませていた。ちなみに、彼の得意料理はイタリアンである。
「ピザか、俺はマルゲリータが好物なんだけどな。今日は何ピザなんだ?」
「ニンニクサラダピザ」
「お前それ奥さんから苦情が出てなかったか?というか、それで胃潰瘍になったと聞いたが」
「好きな食べ物なんだから仕方ないでしょう。但し、フランス料理、お前はダメだ」
「もっかい地獄へ落としてやろうかコイツ」
生前、独裁者だった時代に行った所業をまったく反省していなさそうな律を地獄に落としてやろうかとウリエルは本気で考えたが、その前に二人に報告しなければならないことがあったことを思い出した。
「言い忘れてたけど、明日からもう一人増えるから」
「第二話からもう新キャラ登場かい。展開速すぎだろ」
「仕方ないじゃん、書いてみたらわかるけど、第一話の〆って結構難しいんだよ」
「お前は誰に向かって言い訳してるんだ」
ウリエルは口笛を吹いてごまかした。
「で、誰が来るんですか?最も、独裁者検定一級の僕たちと同居するとなる以上、何となく想像はついてますが」
広も律も世界に名をとどろかせた独裁者である以上、そこに放り込まれるのは当然かなりの人物になる。それこそ独裁者検定初級程度の人物では更生にならないのだ。
律の質問に対して、ウリエルはスマホの画面を見せることで答えた。
その画面には――
「星田陸(元ロシア人)」
と書かれていた。