前職勇者のショタ配信者 作:曇らせはいつかガンにも効くようになる
初心者なんや 許して❤️
side:ロジェロ
「はいはーい!みんなー、こんギャル!昨日は心配かけてごめんねー!」
・こんギャル!
・こんギャル
・重大発表って?
・まさか引退………?
・引退……ですか?
「あっ……そっか、昨日の今日だしそう思うよね!ごめん!引退しないからっ勘違いさせてごめんね!」
・よかった
・ひやひやしたー
・じゃあ重大発表って?
「はい!本日の重大発表は………じゃん!ロジェロ君がグループフルーツにか加入しまーす☆」
アリスがパチパチパチ~☆と言って手をたたく。
「えーと、初めまして………?」
昨日この世界に来たばかりだよな………?何がどうしてこうなった?
____________________________________________
時は5時間ほど遡る―――――
昨日は色々あった。あわや投獄→処刑になるかと思ったが、それがある程度の事情聴取はあったがここまで待遇良く扱ってもらえるとは。快適な宿まで貸してもらえたし、なにより………ごはん、おいしかった…!初めてごはんを美味しいと思った。こんなに美味しいごはんが食べれるなんて……日本、すっげぇ。
「君が、ロジェロ君だね?」
「ああ」
「私は橘花恋、アリスの同僚でDライバーとしては一ノ瀬カレンとして活動している。私のことはカレンと呼んでくれ。昨日はアリスを助けてくれてありがとう」
「いや…当たり前の事をしただけだ」
「ふふっ…そうか君は優しいんだね」
オレを呼んでいる人がいるというから来てみれば、いきなり感謝されたり褒められたり………なんというかむずがゆい。
「申し訳ないんだが、一緒に私たちの事務所に来て欲しいんだが……構わないかい?」
断る理由もない。オレは現在、元勇者の暇人だからな。
彼女の問いかけに頷く。
「ありがとう。じゃあついてきてくれ」
車………初めて乗った……先代たちから聞いたことはあったが、こんなに早く楽に移動出来るなんて………!この世界に来てから驚いてばかりだ。
「これから、私の父でDライバー事務所の社長の橘弦一郎に会ってほしい」
「分かった」
社長って偉い人だよな?オレは学がないし、敬語出来ないし……だ、大丈夫だろうか。
「ふふっ緊張しなくて大丈夫。父さんは優しいし、今日は君にお礼をしたくて来てもらったんだから」
事務所に入り、社長室まで進む。カレンがドアをノックして声をかける。
「父さん!ロジェロ君を連れて来たよ!」
「入れ」
奥から威圧感のある低い男の声が響く。
「初めまして、ロジェロ君。私は橘弦一郎、今日は君にある提案をしたくてここに足を運んでもらった」
この人……強い!昨日倒したデュラハンより遥かに………!
これほどの強さをもった人は、前の世界でも数えるほどしかいない。
「て、提案とは………?」
「君には――――私の息子になってもらう」
「は?」
「父さん………言葉が足りな過ぎるよ」
カレンが腰に手を当て、呆れたように言う。
む、息子?……ハッこれが噂に聞く極道の親子の盃というものか!!
「む、そうか。結論からいった方がいいかと思ったんだが……」
「結論にも言い方があるでしょ。もういいや、私が説明するね」
「ロジェロ君は、戸籍とか身元を保証するものが何もないから、父さんがロジェロ君の身元保証人になりたいっていう話なんだけど………大丈夫かな?」
「ああ、オレとしては願ってもないことだが………いいのか?オレのような怪しい者の身元を保証するなど、オレには何も返せるものはないが」
ありがたいことだが、オレは戦うことくらいしか出来ない。恩に報いることなんて出来ないだろう。
「何も返す必要はない。むしろこちらが君に恩を返したいのだ」
「君はアリス君の命を救ってくれた。その恩を返させてはくれまいか?」
「あ、ああ………それなら、よろしくたのむ」
オレの返事を聞き、弦一郎は満足気に笑う。
「フッ……私の事はパパと呼んでくれてもいいんだぞ?」
「あーズルい、それなら私の事はお姉ちゃんって呼んでよ」
「ああ分かった。パパ、お姉ちゃん」
オレには家族の記憶がないからな………この呼び方は慣れないが、なんだか胸が暖かくなる。
「「ッ!!」」
?二人とも胸を抑えている。どうしたんだろう。
「お、俺がッパパが何でも買ってやるからな………!!」
「そっか………私お姉ちゃんだったんだね」
10分ほどして二人は落ち着いた。
「ンン”………君にはもう一つ提案がある」
弦一郎がわざとらしく咳払いし、話し始める。
「ロジェロ君、うちでDライバーになってくれないか」
Dライバーというものがどうゆうものかは分からないが―――――
「――Dライバーは人を助けることができるのか?」
「もちろんだ」
「なら………その提案も断る理由はないな」
「そう言ってくれると思っていた。だが、君も分からないことばかりだろうからな。しばらくは、うちのライバーがサポートしよう」
「そういうわけで!あたしがサポートするよ!!」
「アリス!」
昨日は随分疲れていたようだったし、心配していたが元気そうだ。
「よし!もう配信の枠取ってあるし、視聴者のみんなに発表しちゃおう!」
は?発表?これから?展開が早過ぎてついていけない。そもそもオレはDライバーとか配信とかまだ良く分かってないのに。
「ああ。善は急げ、兵は神速を貴ぶという言葉もある。今日のうちに発表するに越したことはない」
「あ、あのいきなり過ぎて……「大丈夫!!あたしがフォローするから!」
「配信行くゼッ!!はりあっぷ!!」s
そうして、オレはアリスの家に連行された―――――
____________________________________________
―――そして今に至る………と。
ダメだ、改めて振り返っても訳が分からない。アリスをまねして話せばいいのか?
・マジ!?
・きたー!!
・謎の自称勇者じゃないか!!
・グループフルーツ加入!?
・緊張しててかわいいw
・お目目グルグルで草
「うん!!みんなの反応も上々だね!!」
この流れてくる文章と会話すればいいのか、なるほど………。
そういえば、先代がユーチューブライブがどうのVtuberがどうのといった話しをしていたきがする。これが……それだったのか!!じゃあこれがコメントで―――――
「ロジェロ君ー?聞いてる?」
思考の海に沈んでいたところで、アリスに肩を叩かれる。
「大丈夫かな?ごめんね、ちょっと色々急過ぎたよね……?」
「いや、大丈夫だ。すまない少し考え事をしていた」
「そう?じゃあ、今日はロジェロ君に色々質問していきたいんだけどいいかな?」
「ああ、何でも聞いてくれ」
「ありがと!それじゃあ、質問コーナーやってこーー!!」
「質問はあらかじめこっちで用意してあるけど、答えられない質問には答えなくて大丈夫だからね」
・マジで勇者なのかな?
・美少年に質問………じゅるり
・↑通報した
・草
「じゃあ先ずは、誕生日とご年齢をどうぞ!!」
「年は17くらいだと思う……すまない誕生日は分からない」
「えっ…?」
・え………?
・もしかして闇深案件ですか………?
・てか17!?!?
・13歳くらいだと思ってた
「えーっと………え?17!?年上だったの!?」
「こほん………次の質問いくね……?」
気まずくなってしまった………適当に誕生日言っておけばよかったか。うぅ自分のコミュニケーション能力の低さが恨めしい………。
「好きな食べ物は?」
「昨日食べさせてもらったカレー、あれはとても美味しかった。日本人にカレーが嫌いな人はいないと聞いていたが、あの味なら納得だ。」
「カレー!美味しいよね!あたしはひき肉カレーとか好きなんだー」
・危ねー
・今度は気まずい空気にならなかった
「じゃあ、みんなも気になってると思うんだけど……ロジェロ君が勇者だとか、異世界から来たってところを教えてほしいんだけど…」
「構わないぞ。と言ってもオレ自身、あまり自分の状況についてよく分かっていないが」
・待ってました!
・きたー!!!
・勇者とか異世界とか本当なの!?
「本当だ、と言っても証拠となるものは………オレの能力とか証拠になるか?」
「聖剣ってやつ?」
「ああ、第一聖剣『浄化』開放」
オレの手に聖剣が現れる。
「オレは十二本の聖剣と融合していて、その聖剣を何時でも取り出し扱うことができる」
・あのレベルの武器が他に11本も!?
・証拠かって言われるとビミョーかな
・いや、こんな能力をもったやつが今まで全く知られて来なかったとは考えづらい。そう考える
と、異世界から来たって信憑性は上がる。
・知名度なかった凄腕探索者可能性はまだあるでしょ
「いや、ロジェロ君はライセンスも戸籍もないらしいし昨日突然あの場所に現れたみたいなんだよねー」
・マジ!?
。ガチ不審者やんけ
・マジなら異世界の話とか聞きたい
「あたしも異世界での話聞いてみたい!!」
「いいぞ。まぁオレの話などつまらないと思うが」
「オレは前の世界で物心つく前に勇者として召喚された。だから一番古い記憶は勇者として国の兵士と共に訓練をしていたものだ」
兵士の怒号振り下ろされる拳と刃、迫りくる魔物の牙がオレの始まり。あれは勇者を育てるというより、目的を果たすのに必要な道具を作っているというものだったのだろう。
「そしてある日、オレは女神からの天啓を受け、世界の真実を知った」
『勇者君ももう10歳かー、随分大きくなったねー」
『!?あなたは―――――」
『私は女神、君に天啓を授けに来たのさ』
「そうして明かされたのは、勇者は魔王が女神を殺す為の道具として利用する為に召喚されたということ。そして既に12人の勇者が殺され、その体が聖剣に作り変えられているということ」
『それでねー、君には今から王城に隠されている聖剣を持って魔王討伐の旅に出てもらいたいんだ』
「そして、オレは5年かけて魔王を倒した。旅の途中、聖剣に残った先代たちの自我がたくさん助けてくれた」
『浄化』には、何時も心配をかけた。『破砕』は戦い方を、『魔導』には魔法の使い方を教えてもらった。それから―――――
「本当に数え切れないほど助けられた。聖剣と同化する時彼らの自我は消えてしまったが、オレはこれからも彼らを忘れることはない」
「それから1年と少しかけて、魔王軍の残党を倒して回り、国王や宰相に成り代わっていた魔族を殺した」
「オレは表向きには、国から聖剣を奪って逃げた重罪人だったから、その後は国の兵士に捕まって国家反逆罪で処刑された」
「そして、気づいた時には目の前にアリスがいた。この世界に来るまでの経緯はこんな感じだな」
・……
・……
・酷過ぎて草も生えない
・それが国を救った勇者に対する仕打ちかよ………
・流石にクソ過ぎる
・貴族とか、真実知ってる人いなかったの?
「知っている人もいたが、その人たちはオレという個人が強大な武力を持っていることを危険視して、処刑を推し進めた」
・逃げられへんかったの?
「逃げることも出来た。だけど、それじゃあ何も知らない人たちが安心して暮らせない。それに、オレの役割はもう終わっていたからな。もうオレを必要とする人もいないし、オレが生きている意味はなかった」
「ぅぅ………ズッ」
アリスの目から涙が溢れている。
「!どうしたんだ?やはり、昨日の疲れがたまって……無理をする必要はない、すまないが配信は終わりに―――――」
「ちがうよ!ロジェロ君っそんな辛いことがあったのに、あたし知らずに……ヒック…勝手に……ききだしてぇ」
「オレは辛いなんて思ってない。大丈夫だ」
「思ってよぉ………ロジェロ君頑張ったのにぃ……みんなにうらぎられて」
泣きながら、言葉をつまらせながら彼女は続ける。
「生きる意味ないなんて言わないでよぉ………頑張った分………報われて、幸せになってよぉ」
「――ありがとう。でも、オレは報われていたよ」
旅の最中、美しいものをみた。
「見ず知らずのオレに、食べ物を分けてくれた人がいた」
自分の生活も苦しいはずなのに―――――
「オレの事情を聞くこともなく助けてくれた人がいた」
助けてくれた礼だと、服を譲り、寝床を貸してくれた。
望まれるまま、願われるまま、流されるままに戦って来たオレはそうして自分の戦う理由を見つけた。あの美しい光景が、素晴らしい人々が、理不尽に殺され虐げられる―――そんな世界の在り方が許せなかった。だから―――――
「そんな人たちを救うことができた。それで十分だ、それで十分オレは報われた」
「オレのつまらない話を聞いてくれてありがとう。そろそろ終わらせよう」
これ、どうすれば配信とまるんだ?泣いているところ申し訳ないが、アリスにやってもらおう。
「それじゃあ、またな」
ーー配信終了ー
「アリス、ありがとうな………オレのために泣いてくれて」
会ったばかりの見知らぬ人間のために泣けるなんて、アリスはやっぱりいい人だ。
「………する…」
「ん?」
「あたしが幸せにする!!」
アリスが決意に満ちた目でそう叫ぶ。ちょっとビックリした………。
「そんなんで報われたとかダメだもんッ………ロジェロ君はもっと幸せにならなきゃダメだもんッ」
「ぜったいぜったい!あたしが幸せにするもん!!う”ぇ”ぇ”ぇ”ん”」
ダメだ…また泣き初めてしまった。ど、どうしよう……女性の扱いとかもっと『疾風』に聞いておけばよかった。
アリスが泣き疲れて眠るまで、しばらくオレはあたふたすることになった。
人物紹介パート2
橘弦一郎………Dライバー事務所グループフルーツ社長 年齢51歳
ところどころ白髪の混ざった黒髪 眼帯をしている
いかつい顔面とガタイをしているが、本人は可愛いものと甘いものが好きな天然
ロジェロ君の保護者に就任。
一ノ瀬カレン………Dライバー事務所グループフルーツ所属 Aランク探索者
本名 橘花恋 年齢22歳
黒髪クール系ボーイッシュ長身美女……を装っている天然
一人っ子なので、兄弟姉妹に憧れがある。