前職勇者のショタ配信者 作:曇らせはいつかガンにも効くようになる
初配信から、一週間ほど経った。その間、2回ほどダンジョン配信をしたが、毎度アリスが同行してくれた。そして……
「ロジェロ君~コラボ配信のお願いが来てるんだけど……」
「塚原さん……コラボ配信と言うのは……?」
塚原さん、オレのマネージャーをしてくている人で、SNSの管理などもしてくれている。
「うん、他の配信者の人と一緒に配信すること…………なんだけど、思えば今までの配信全部コラボ配信みたいなものだったね……」
「でも、今回は神無月さんが相手じゃないから」
「相手は第六天魔王波旬キサラさんだよ」
だい……魔王?
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コラボ配信当日
「ハハハハハハハハ!!!我は第六天魔王波旬キサラである!!平伏せよ!!人間ども!!」
杖をもち、いかにも魔法使いといった格好をした少女が高笑いをあげる。
「配信の前に聞きたいことがある――――お前は人に仇なす魔王か?」
キサラの首に聖剣『浄化』を突きつけ、問いかける。たとえ同僚であろうとも、人に害をなす悪ならば、勇者として屠らなければならない。
「ひっひええぇぇぇぇぇぇ」
「ちょっ、タンマ!ロジェロ君!キサラちゃん悪い子じゃないから!!」
・うん、まあこうなるかもとは思ってたよね
・ロジェロ君に魔王は地雷だよ……
・アリスちゃんいて良かったよ
・だからやめておけと……
・でも、まさか初手で聖剣突き付けるとは………
「いい魔王?」
「いい魔王」
「そうか」
その言葉を聞き、突きつけていた聖剣を収める。
まぁ、グループフルーツに所属しているなら、悪い奴ではないだろうと思っていたが、万が一を考えるとどうしてもやっておかなければならなかったからな……。だが、悪いことをしてしまった。まさかこんなに怯えられてしまうとは………。
「すまない、魔王と名乗っていたから……。悪かどうか確かめなければと思い……」
「うっうむ、分かればよい」
・今更威厳保とうとしても無理でしょ
・なんでいきなりコラボしようと思っちゃったの……
・秒で分からせられてて草
「だって……最近ずっとアリスちゃんロジェロ君に構ってばっかだもん!!」
「コラボ配信の約束もしてたのに!アリスちゃんはお前のじゃないんだぞ!!」
・威厳吹き飛んでるぞw
・キャラ崩壊w
・ただのロリになっちゃったw
「そうか……すまない。オレが配信慣れしてないばかりに……アリスの善意に甘えてしまった。アリス、これからは無理に配信について来なくても…」
「ううん!気にしなくていいの!あたしが好きでやってただけだし!」
「ううう……やっぱりお前がアリスちゃんをとったんじゃないかーー!!」
・カオスw
・火に油を注ぐスタイルw
・あーもう滅茶苦茶だよ……
しばらくして―――――
「こほん………とにかく我はお前を認めてないからな!」
「ああ」
「だから、今回のコラボで我の凄さを見せつけてやろうと思ったのじゃ!!」
「なんか……ごめんね、あたしのせいで……」
「問題ない、キサラもいい魔王のようだし、おれも仲良くしたいからな」
我は仲良くしたくないんだがーー!?とキサラがロジェロに対抗心を燃やすなか、一行はBランクダンジョン「深緑の猿猴」に入っていった。
・Bランクダンジョン「深緑の猿猴」異界型ダンジョンで、森と浅い川で構築されており、川を
上っていく形で進むダンジョン
・サンキュー解説
・モンスターはどんなのが出るんだ?
・名前の通り
・見たほうが速い
川から突如として、猿のようなモンスターが現れる。
「でたな!クハハ、我が魔法で果てるがいい!!ディザスターフレイム!!」
キサラの手から、うねるようにして炎が放たれ、モンスターを焼く。
・モンスター「猿猴」水の魔法を使う猿に近い見た目のモンスターだな
・はえー
・サンキュー解説
・ガチでダンジョン名そのまんまやな
「どうだ!!見たか、我が威光!!クハハハハ!」
猿猴を倒し、調子に乗るキサラの後ろから迫る猿猴―――――
「せい!!」
それを、アリスが大鉈で両断する。
「もう!!油断しちゃダメだよ、キサラちゃん!」
「うっすまぬ……ってかお主も働け!!」
怒られてしまった。しかし、
「コラボとは、コラボ相手を立てる必要があり自分ばかり目立ってはいけないと聞いた」
・かしこい
・このドヤ顔である
・立派になったな(後方腕組面)
「むむっそれはそうじゃが……」
「もちろん、何もしないつもりはない
――第九聖剣『加護』開放――――
今回はサポートに回るつもりだ」
・見たことないやつだ!!
・旗?
・聖剣(剣じゃない)
「サポートォ?」
「ああ、……主よ我らに加護を与え給え」
聖剣『加護』を振るうと共に、三人の体が淡く光る。
「今回は、膂力の強化と魔力の増幅を行った」
「確かに…体が軽い!!」
「むむっ魔力が迸るような感じが……する気がする?」
・バッファーか
・今回のはバフばら撒ける感じなのね
・フレーッフレーッってしてくれるってコト!?
・応援団ロジェロ君か…………それはアリだ……!
川から、オレたちを囲むようにして猿猴が湧いてでる。こいつら、川ならどこからでも出てくるのか……?っと、前方の奴が魔法を出そうとしているな。
「ハッ我らを追い詰めたつもりかエテ公めッ!くらえ!ディザスターハリケーン!」
キサラの杖から竜巻が巻き起こり、猿猴の放った水球を飲み込み、その勢いのまま猿猴を吹き飛ばす。
「せい!やああああああああ!」
アリスが、猿猴の首を斬り落とす。さらに魔法を使おうと構えた猿猴の腕を蹴り上げ、踵落としで頭を潰す。
オレは後ろから放たれた魔法を、聖剣『加護』の振り払いで消し、猿猴との距離を詰め殴殺していく。
・バッファーなのに近接強いのは、ルール違反でしょ……
・バフ要員(戦えないとは言っていない)
・さすロジェ
・アリスちゃんもキサラちゃんもしっかり強くなってるっぽいんだよな
「おおー!すんごい強くなった気がする!」
「むーー……確かに魔法の威力は格段に上がっておった」
「じゃが!別に貴様を認めたわけじゃないからなッ!」
むむっ……まぁ今回はサポートだけで、オレはあんまり活躍してないしな。今回のコラボで仲良くなりたいんだが。
「ッ!?」
「ど、どうした?お…怒ったのか?ハン!べべべ、別にお前なんか怖くないもんねー!」
・ガクブルで草
・足、震えてますよw
・でも、急にどうしたんだ?
ダンジョンの魔力が急激に高まっている!この感じ………まさか………
「スタンピード………か?」
「?………急にどうしたのロジェロ君?」
「ダンジョンの魔力が高まっている。こんなことは、ダンジョンではよくあることなのか?」
「いや、そんなことないと思うけど………ダンジョンの魔力が急に高まるなんて、それこそスタンピードとか―――――」
川の奥で水飛沫があがる。そこには、大量の猿猴が―――――
「あれは!」
・スタンピード!?
・ヤバイぞ!!
・協会に通報だ!!
・三人も退避しないと!
アリスとキサラも気づいたようだ………恐らくこのことを地上の人々は知らない。このままでは、甚大な被害が出かねない。
「オレはここに残る。二人は地上に戻ってくれ」
「ダメ!!」
「だが「ロジェロ君を置いて戻るなんて無理だよ!」
「あまり我らを舐めるでないぞ、ロジェロ。奴らを放っておけば、無辜の民草に被害がでる。そのようなことを防ぐために我ら探索者がおるのじゃ。ここで、何もせず逃げることはできん」
「………命の保証は出来ないぞ」
「そのようなこと、百も承知じゃ。探索者になった時からな。のう……アリス?」
「うん!あたしたちにも命かけさせてよ」
・くっ逃げて欲しいが……
・ここで逃げると被害でるかもだしな
・応援することしか出来ない………
強いな…………この二人は…………
「わかった………可能な限り『加護』で強化する………いいな」
「うん!!」「うむ」
『加護』を地面に突き立て、強化を施す。
身体強化………身体防護………魔法阻害………精神防護………再生能力向上………
さらに――――第三聖剣『金剛』開放―――――
オレの左腕に小型の丸盾、バックラーに近い形の盾が現れる。
「不退の城門」
背後に半透明の城門が現れる。
「取りこぼすわけにはいかない。退路を断たたせて貰った」
二人の強化のため『加護』は手放せない。『金剛』も同様だ。ならば―――――
「アリスとオレが前衛をする。キサラは後方から、大威力の魔法を放ってくれ」
「まて!それでは、二人を巻き込む!」
「オレがアリスを守る。心配は要らない全力で撃て」
「むー、アリスに傷ひとつでも付いたら許さんからなー!」
「ああ………いくぞ!!」
アリスと共に猿猴の群れに突っ込む。猿猴共が魔法を放ち、水流が龍のような形を模し、こちらに向かってくる。
「守衛の盾!」
『金剛』を構えると同時に半透明の壁が現れ、攻撃を遮断する。魔法による攻撃が止むと同時に、アリスがオレの横を抜け、猿猴に斬りかかる。
「はっ!と、りゃああああああ!!」
アリスが二体、三体と猿猴を切り捨てる。
「ふっ!」
オレは『金剛』で猿猴を殴り飛ばし、『加護』で薙ぎ払う。
「いくぞ!!」
キサラの声と同時に、オレはアリスを抱え退避する。
「ディザスター………インパクト!!!」
魔力の爆弾が炸裂し、大量の猿猴を四散させる。
・すげー!!
・これならいける!!
・アリスちゃんもロジェロも無事…………ってか無傷!?
・ロジェロ君が一番バケモンじゃないか!!
・周知の事実
このように、アリスが引き付け、オレはが守り、キサラが吹き飛ばすことで順調にモンスターの数を減らしていく。
「グアアアアアア」
・でるか…………猿猴大君!!
・ダンジョンボスか!!
・ゴリラやんけ!!
・猿猴大君、強靭な肉体と水魔法による回復が強みのボスモンスター
・脳筋僧侶ってことか!
・戦法までゴリラやんけ!!
猿猴大君の攻撃をオレが防ぎ―――――
「いけるか!?アリス!!」
「うん!!火炎七星!!」
アリスから放たれた、六発の炎の魔弾と炎を纏った大鉈が猿猴大君を貫く。
猿猴大君が血を流し、崩れ落ちる。畳み掛けるように『金剛』で殴り、
「ト、ド、メ………だあああああ!!!」
アリスの大鉈が猿猴大君の頭を勝ち割る。
「かったーー!!」
「やった!やった!スタンピード止めちゃった~~!!」
喜ぶアリスに、キサラが駆け寄る。
だが妙だ…………ボスを倒したのに、まだ変な魔力が―――――
「んんんん~………いけませんねぇ、威力偵察のつもりだったんですが、たった三人に止められるとは」
そう言って、謎の人物がキサラに長く伸びた爪を突き立てようと、腕を振るう。
―――誰?―――『金剛』で防ぐ?―――――『加護』による保護で防げるか?―――――
――――――――否!!―――――
『加護』、『金剛』を放棄し、反応出来ていないキサラを突き飛ばす。そして、キサラに向けられた爪がオレの手首を寸断した。
「おや?どうやら一番厄介そうなのに、深手を負わせられたようだ。僥倖………ですねぇ」
「ろ……ろじぇろ………?」
「ロジェロ君………?」