コーナーから直線に入った時、誰もが8番の「天馬」が勝つと確信していた、黒鹿毛の馬が近づくまでは、
「クライムカイザー!!クライムカイザー!!」
「天馬」の馬体を寄せられると怯むという弱点を「皇帝」に
やられ負けたのだ。
プロローグ Climb Kaiser
19??年??月??日
「あれ?ここは何処だ?」
急に何処か知らない所で起きた俺は立ち上がり辺りを
見渡した。
...おかしいな目線の高さが低い、それに足が2本だ。
それに両手がある、つまり考えられることは、
「人間になってるってことか?」
あ、あそこに窓があるな合ってるか確認してみるか。
タッツタッツ
へえこれが人になった俺か、
耳は馬耳のままで白のメンコで左側に赤と黒のラインが
入ってるのか、髪は全体が黒鹿毛で一部分が鹿毛か、
他は前髪に白斑があるな。
顔はまあまあな顔で目が赤と黒と、良いなこれ、
かっこ良い。
服は軍服で肩章が両腕まで覆う赤いマントをつけていて
左側に飾緒が付いていて肩章とマントを結んでいる。
他は左側に胸章が三つ付いていてタスキっぽい赤いのが
二本ある。
ズボンは白で穴から黒い尻尾が生えている。
黒いベルトのバックルは鷲のエンブレムがある。
「あら、起きたんだ」
若い女性の声が後ろから聞こえた。
「グロッキーだがな」
そう言いながら俺は振り返った。
彼女も耳と尻尾が生えていた。
「あら、ナウで激マブなお姉さんに見惚れちゃった?」
ついでに懐かしい言葉が出てきた、
ナウいとかマブいとか久しぶりに聞いたな。
「懐かしいな、俺がヤングの頃の言葉だ」
彼女の顔がちょっと驚いた。
「あ、自己紹介がまだだったわね、マルゼンスキーよ」
どっかで聞いた気がするけど忘れたな、テンポイント
関係な気がするが...俺も挨拶を返すか。
「クライムカイザーだ、宜しく」
さてこの後は...
「えっ?」
あれ?まずいこと言ったか?
「ちょっとこっち来て」
「ワヒャッ!?」
マルゼンスキーに腕を捕まれそのまま引っ張られた。
イタイヨー
引っ張られる最中に何人かとすれ違ったが、
アウトオブ眼中だと祈りたい。
心がイタイヨー
「理事長、クライムを騙る不審者を見つけたわ」
まあ人になったから疑われるのは当たり前か。
「了解!!その不審者を椅子に縛り付けてくれ」
さすがに縛り付けるのは何で?
「本物はウマ娘でこの人は男、つまりは偽物でしょう」
ウマ娘って何だ?チアガールみたいなのか?
「自己紹介しただけでパチこき扱いされるのなんで?」
「不敬!!キミのような不審者がG1ウマ娘を騙るな!!」
「どっちかと言うと不敬なのはそっちだと思う」
「許可!!じゃあ今からキミに質問し全問正解したら
クライムカイザー本人だと認める!!」
上から目線だなあ、コイツの親はコイツの教育をもっと
ちゃんとやってくれ。
しょうがない受けるか。
「分かったそれでいい」
「質問!!きみがレコードで勝ったレースは?」
今も自慢なあのレースか。
「忘れるわけがない1975年8月1日ライラック賞」
楽しかったなあのレース。
「ぬぬそれでは君が始めて勝ったG3は?2着の名は?」
2着の馬はこの後も関わったな。
「1976年1月11日京成杯、2着の名はクリアロハ」
「クッ弥生賞で君と戦ったシンボリの名は?」
戦った回数結構多いんだよな。
「ボールドシンボリだな」
そういやあいつがあの時まで無敗だったな。
「最後!!君が勝ったG1の正式名称、、2着の名前とバ番、
7着の名前と枠番、君自身の枠番とバ番を答えろ!」
アレもこの時まで無敗だったな。
「1976年5月30日東京優駿、2着の名はトウショウボーイ、
馬番は8番、7着の名はテンポイント、枠番は2番、
そして俺の枠番は6、馬番20っとこれでいいか?」
あの時あの作戦をしなかったら評価変わったかもな。
「驚愕!!全問正解だ!!」
「理事長、このくらいなら調べれば分かります」
「本人なら走らせればわかるわ」
おいおい
「俺の屈腱炎を知って言ってるのか?」
「本物なら引退してから時間が経っているので走れる
と思います」
はあ、しゃあない
「走りゃあいいんだろ走りゃあ」
まあ久しぶりに本気出して走るのもいいな。
言葉解説
グロッキー:ぐったりという意味、死語
ナウい:今風でイケてると言う意味、死語
マブい·激マブ:美しいと言う意味、死語
ヤング:若者と言う意味、死語
パチこく:嘘をつくという意味、死語