ベイブレードNEO Season1   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第15話 熱き者達

ベイブレードカップ1回戦、根尾中ベイブレード部は激戦の末、見事爽海学園を下した。(ナレーション)

 

「スラッシュドラグニル、バーストフィニッシュ!  蒼龍ソウタの勝利!」

 

「根尾中学校、1回戦に続き2回戦も突破です!! 彼らの勢いは留まることを知りませんッ!!」 

 

「よっしゃーッ!」

 

ソウタ達は爽海学園に勝利した後も順調に2回戦も突破していた。

 

「順調だな、ソウタ」

 

「あぁ!」

 

「それだけじゃない」

 

「え……?」

 

そう言って、ヒカルはスマホの画面をソウタ達に見せる。

 

__スマホの画面__

 

「根尾中学校、最初は負けるんじゃないかって思ってたけど気づけば応援してた自分がいた」

 

「まさかあの爽海学園に勝つなんて、これは次の試合も楽しみだ!」

 

「こんな面白い試合が繰り広げられていたなんて…根尾中学校に興味を持ったかもしれない」

 

ソウタ達が爽海学園を破ったことがSNSで話題となっていたのだ。 

 

「……!!」 

 

「ソウタ?」

 

「スッゲェ……!!」

「俺達、有名人じゃねぇか……!!」

 

ソウタは体を震わせながら満面の笑みで喜びを噛み締めていた。

 

その時……

 

「お前達が根尾中学校か……」

 

「!!」

 

厳かな雰囲気のブレーダーが話しかけてきた。

 

(なんだ…コイツらは? もしかして次の対戦相手か?) 

「あぁ……、そうだけど……」 

 

「そうか……」

 

「!!」 

 

「会いたかったッ……!!」

 

相手チームの一人は根尾中学校であることが分かるとソウタの手を握りはじめた。

 

「お……おぅ……、そういうお前は?」

 

「俺は国見治。『和真学園』の者だ」    

 

「和真学園……?」

 

『和真学園』……その名を聞いてもソウタ達はピンときていない様子だった。

 

「知らないのも無理はない。俺達は今大会初出場だからな」

 

「そうだったのか……!」

 

「俺達は元々ベイブレードをやっていなかった。だが、あの神世学園と根尾中学校の試合を観て刺激を受けた。今やもうすっかりのめり込んだ身だ」

 

次の対戦校である和真学園、彼らは今大会初出場とのことだった。

 

「……!」

「なんだかそれは嬉しいなぁ」

 

自分たちのバトルが他校に影響を与えていたことを実感したソウタは頭に手を置きながら、喜びの言葉を口にする。

 

「改めてチームメンバーを紹介しよう」

 

「俺は忍影郎。根尾中学校、お前達と会えるのを楽しみにしていた」

 

「俺は八岐おろちだぜ」

 

「私は須佐美琴よ」

 

「互いに全力を尽くそうではないか!」

 

「おぅ!」

 

チームメンバーの紹介を終え、ソウタと治は再び握手を交わす。

 

熱意に満ち溢れたチームにソウタ達は思わず笑顔になった。

 

「根尾中学校と和真学園の生徒は直ちに集まってください」

 

「そろそろだな」

 

「それじゃ、次の戦いでな」

 

数分後……

 

「お待たせしました! これより第3回戦を始めます!」

「先ずは東軍、1回戦に続き2回戦も突破! このまま破竹の勢いで勝ち続けるかーーッ!? 根尾中学校!」

 

根尾中学校に対する歓声の声が響く。

 

それは、あの時より明確に応援してくれる人々がいる証だった。

 

「続いて西軍、今大会初出場! どんなバトルを見せてくれるのかッ!? 和真学園!」

 

「さぁ早速第1戦へ移りますが、それぞれ誰が出るのでしょうか?」  

 

「治、ここは俺に行かせてくれ」

「早く戦いたくてウズウズしてんだ」

 

「俺もそうだが、やはりお前も同じ気持ちということだな。よし、行け! おろち」

 

最初に治に頼み込んだのは八岐おろち。

 

マフラー握り、その熱意をアピールした。

 

治も了承し、彼を送り込んだ。

 

「おぉーっと! 和真学園からは八岐おろち選手が名乗りを上げました!」

「対する根尾中学校は誰が出るのでしょうか?」

 

「僕が出よう」

「」

 

今度はツバサが前に出た。

 

「根尾中学校からは焔ツバサ選手! これで第一戦の準備は整いました! ではこれより3回戦第一試合を始めます!」

 

「焔ツバサ。お前が相手か」

 

「そうさ」

 

「面白ぇ……!」

 

おろちの口角が一瞬だけ上がり、益々その熱意が伝ってくる。

 

「行こうぜ、ポイズンオロチ」

「スタミナタイプ同士。この勝負、燃えてきたぜ……!」

 

「!!」

(なんだあのランチャーは……まるで剣のようだ)

 

ツバサはおろちの持っているランチャーに目を向ける。

 

『剣』のような形をしていて、驚きを隠せなかった。

 

「さぁ、始めようぜ!」 

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

スタミナタイプ同士、スタジアムの中央を取り合ってぶつかり合う。

 

__ガンッ……ガンッ

 

(今までのスタミナタイプとは違う…この攻撃力は?)

 

がしかし……、ツバサがある違和感を覚える。

 

「驚いたか?ポイズンオロチは連打形状のブレード……相手のスタミナを確実に削り取る。更に俺達独自で開発した『ソードランチャー』による精密なシュートで安定した回転力を誇る」

「どちらが勝つか、思う存分戦い合おうじゃねぇか!」

 

ポイズンオロチの執拗な連打攻撃が毒の如く、フェニックスのスタミナを削り取っていく。

 

(このままじゃ、間違いなく押し負ける……)

(攻略の糸口は……)

 「!」

 

ツバサは一瞬見えたオロチの軸先に着目する。

 

(これだ……!)

 

彼は大きく目を見開き、閃く様子を見せた。

 

「お互い譲らねぇが……勝つのは俺達だ!」

「ポイズンオロチ!」 

 

ポイズンオロチからヤマタノオロチのオーラが現れる。

 

「大蛇撃《おろちげき》!」 

 

「今だ……」

「フェニックス!」

 

「!」

 

なんと、ツバサは大蛇撃を撃ち込まれる瞬間、フェニックスを傾かせ正面から受け止めた。

 

それだけではなく……

 

__ギャギャギャ

 

フェニックスがスタジアムを駆け回る音とオロチのラバーボールギアが失速する音が同時に響く。

 

「なんと、フェニックス!相手の攻撃の反動で加速! ここに来て、彼の本領発揮だーーッ!!」

 

「あの状況からこんな戦術を編みだすなんてよ……アツいやつだぜ」

 

おろちは満足げに微笑んだ。

 

「ヒートドライブ!」

 

「ヒートフェニックス、スピンフィニッシュ!焔ツバサの勝利!」

 

激突音が鳴った後、ポイズンオロチがスタジアムの壁に叩きつけられてスピンフィニッシュ。

 

「決まったァァーーッ! 焔ツバサ選手、見事初出場の和真学園から先制点を取りました!」 

 

「やったな、ツバサ!」

 

「ありがとう、皆」

 

勝利を分かち合うなか……

 

「やるな、流石だ」

 

治は腕を組みながら感心していた。

 

「治、次は私が出てもいいかしら?」

「さっきのを見てたら、戦いたくなってきたの」

 

「いいだろう、行ってこい!」

 

第2戦、和真学園からは須佐美琴が名乗りを上げ、選手席から立ち上がった。

 

彼女もまた、先程の戦いで熱意が湧いたのだ。

 

「次は俺が行こう」

 

「ヒカル……!」

 

「ツバサが先制点を取ってくれた。俺も応えなくては……」

 

「頑張れよ、ヒカル!」

 

「あぁ」

 

「あなたが次の対戦相手ね」

 

「そうだ」

 

「私もあなたも譲れないものがある」

「だからこそ、この勝負取り返させてもらうわよ」

 

彼女も同じくソードランチャーを持って、構える。

 

「Ready…Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

シャドウスサノオがスタジアム中央で回転する。

 

(あの形状からするに俺と同じディフェンスタイプだな)

「仕掛けろ、ユニコーン!」

 

__ツルッ

 

「何……!?」

 

「こ……これは……! ユニコーンの攻撃が受け流されています! まるで、攻撃が最初から無かったかのようなディフェンスです!」

 

滑らかな音を立て、攻撃がいなされてしまった。

 

「これがスサノオの真骨頂よ」

「滑らかな形状の3枚刃のブレードはどんな攻撃もいなす」

「これこそ隙のない防御というものよ」 

 

ヒカルの推察したとおり、シャドウスサノオはディフェンスタイプだった。

 

が、しかし……丸みを帯びた3枚刃とユニコーンのたてがみのような形状の刃は相性が悪い。

 

そのままスタミナを消費したユニコーンはスピンフィニッシュで1点を取られる。

 

「ここで一角ヒカル選手、相手の宣誓通り1点を奪われましたー!」

 

「受け流し……か。やはり俺もまだまだ苦手意識があるようだな……」

(だが……あの手の防御には弱点がある。合同合宿でカシとの特訓で編み出したあの戦い方なら)

「再戦の準備が出来た」

「行くぞ」 

 

ヒカルは過去の経験から相手の戦い方を分析する。

 

「そうこなくちゃね」

 

「Ready…Set!」 

 

「!」

 

ヒカルは一瞬、ランチャーを傾ける。

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「ランチャーを傾けてのシュートね…、これがスサノオをどう超えるか見せてくれるかしら?」

 

「それは今分かるさ」

 

__キィンッ

 

「!!」

 

「なんと!これは、先ほどとはうってかわりユニコーンがスサノオを弾いています!」

 

「これは…!」

 

「確かにあんたの防御は強力だ。だが思い出したんだ。『正面からの攻撃』には強いが、『角度のついた攻撃』には弱いということを」 

「俺はそれをここで証明してみせる」

 

ヒカルの過去の経験…それは合同合宿でのカシとの特訓。

 

受け流しに優れたディフェンスタイプは正面からの攻撃に強い一方で、斜めった攻撃など角度がついたものになるとバランスを崩されやすくなる。

 

彼はそこをついたのだ。

 

「ラッシングホーン!」

 

「流石ね、一角ヒカル」

 

「フラッシュユニコーン、オーバーフィニッシュ!一角ヒカルの勝利!」

 

「お見事!一角ヒカル選手、その頭脳を遺憾無く発揮しました!」

 

「すげぇぜ、ヒカル!」

 

「ありがとな」

「さて…残るは影郎と治だな」

 

「やはり強いな、お前達は」

 

「俄然、楽しみになってきたぞ……!」  

 

「……!」

 

互いに対面し、緊迫とした雰囲気が漂う。

 

互いの意地がぶつかり合おうとしている3回戦第3戦。果たして、勝利の女神が微笑むのはどちらの闘志か。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

和真学園

国見治-梅原裕一郎
(髪:黒のロングヘア(後ろは1本にまとめている)/目の色:緑)

忍影郎-江口拓也 (髪:青で、手裏剣のようにハネた形状/目の色:銀/その他:口当て)

八岐おろち-逢坂良太 (髪:紫のボサボサヘア/目の色:黄色/その他:ヘビ柄のマフラー)

須佐美琴-千本木彩花 (髪:薄ピンクのロングヘア/目の色:ピンク)

その他

古面定太-小野坂昌也

ナレーション-森川智之

ベイブレード

ブレイブサムライ.Dg2.W
(ダガーツー・ワール)
(侍モチーフのアタックタイプ)

ブラストシノビ.Dl4.K
(デュアルフォー・キック)
(忍者モチーフのバランスタイプ)

ポイズンオロチ.C6.RB
(サークルシックス・ラバーボール)
(ヤマタノオロチモチーフのスタミナタイプ)

シャドウスサノオ.Fr3.N
(フォートレススリー・ニードル) 
(スサノオノミコトモチーフのディフェンスタイプ)
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