ベイブレードNEO Season1   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第16話 熱き闘志

3回戦へと駒を進めた根尾中学校。

 

対戦相手の和真学園はソウタ達に影響を受けて、ベイブレードを始め、大会へ出場したのだという。

 

迎えた第1戦と第2戦では互いの意地をぶつけ合った末、ツバサとヒカルが勝利した。

 

残るはソウタとバン、治と影郎となった。互いの闘志は尽きることを知らない。(ナレーション) 

 

 

「とうとう俺たちの番か」

 

「その闘志で分かる。お前達は本気で俺達を超えに来たっていうのが」  

 

バンが語り始めた瞬間、影郎と治は同時に微笑む。

 

まるで最初からその言葉を待っていたかのように。

 

言葉という架け橋を通じて闘志が触れ合う。

 

「この俺と戦ってもらおうのは……」

 

「門守バン……」

 

「蒼龍ソウタ……」

 

「お前だッ!」

 

影郎はバンを、治はソウタを指名する。

 

その瞬間に周辺の空気が張り詰めた。

 

「!」

 

「いいぜ」

 

「あぁ……!」

 

2人の熱気に圧倒されそうになるが、互いのブレーダーとしての熱さ故かすんなりと受け入れた。

 

「第3戦の出場者が出揃いました!」

 

「門守バン、見せてもらうぞ。お前のベイ、そして闘志が俺を超えられるかを」

 

「互いの闘志のぶつけ合いといったところか」

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

デスケルベロスが走行音を立てて、ブラストシノビに接近する。  

 

「噛みちぎれ、ケルベロス!」

 

激突した2機の内、ケルベロスが先にアタックした。

 

__バァンッ

 

「おぉーっと!ブラストシノビ、バーストしたーーッ!!」 

 

衝撃音の後、ブラストシノビの外周4枚刃のパーツが大きく弾け飛んだ。

 

「よし……!」

 

「いや……待て」

 

「……」

 

ソウタはバンの勝利を確信したが、ヒカルが違和感を唱える。

 

__カッカラッ

 

「!!」

 

なんと、弾け飛んだパーツがスタジアム内に落ちた。 

 

それはまるで忍者の撒菱のように……

 

「なんとこれはーーーッ!! ブラストシノビ、パーツを分離してバーストを回避ーーッ!!」

 

「何ッ!?」

 

「油断は大敵だ」 

「すぐに『ブラストアーマー』の餌食になるぞ」

 

「はっ……!?」

 

ケルベロスの目の前には先程のパーツがあった。

 

(まずい……避けられない……!)

 

__ガチンッ

 

「おぉーっと、ケルベロス!ブラストアーマーに引っかかり、軌道を変えられてしまったーーッ!!」

 

ブラストシノビから分離した、ブラストアーマー。

 

ケルベロスはそれに引っかかてしまい軌道を崩される。

 

「た…立て直せ! ケルベロス!」

 

「術中にハマったな、門守バン」  

「そして今、完全なるトドメをさすッ!!」

「ブラストシノビ!」

 

__ギンッ

 

ベイ本体がブラストアーマーを弾き、目にも止まらぬ速さで旋回させる。

 

そこからあっという間に距離を詰めていく。

 

「こッ……これはーーーッ!! ブラストシノビとブラストアーマーが同時にケルベロスに迫っていきます!!」

 

その様子は忍者が手裏剣を投げる様子にも見え、分身の術で標的を追い詰めるようにも見えた。

 

ブラストシノビから忍者のオーラが現れる。

 

「忍法・爆風術!!」

 

ブラストアーマーとベイ本体の挟み撃ちによってケルベロスがスタジアム外に弾かれ、オーバーフィニッシュ。

 

バンはその様子を目で追うことしか出来なかった。

 

「ここで忍影郎選手、オーバーフィニッシュで2ポイント獲得、3‐3の同点に追いつきました!」 

「門守バン選手、このトリッキーな戦法をどう乗り越えるのでしょうか!?」

 

(ブラストシノビ……、バトル中にパーツが分離するなんてこれまでのベイの常識を遥かに超えている)

(あのアーマーを対策しない限り、さっきの二の舞だ……)

 

予想外のギミックに彼の心は曇り始めた。

 

その時……

 

「バン!」 

 

「ソウタ!?」

 

「さっきは惜しかったな!けど、俺はここからお前が勝てるって信じてるぜ!」

 

ソウタが突然、バンを激励する言葉を投げかけ親指を立てる。

 

「……!」

(そうだ……俺にはついて行ってくれる仲間がいる。あいつらが信じてくれるなら、俺もあいつらを信じよう……!)

「行くぞッ!」

 

再び迷いを断ち切る様子を見せる。

 

ソウタの応援はバンの心を照らしたのだ。

 

「面白い……!」

「どんな戦い方を見せてくれるか楽しみだ……!」

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

先にスタジアムに接地したブラストシノビをデスケルベロスが追いかける。

 

「ケルベロス!!」

 

再びブラストアーマーが分離し、スタジアム中央に落ちる。

 

「再びブラストシノビ、アーマーを分離させました!位置は先程と同じ中央、門守バン選手、ここをどう切り抜ける!?」

 

「面白い……ならば、見せてもらうぞ!」

「忍法・爆風術!!」

 

影郎は再びブラストシノビの必殺技を発動する。

 

その瞬間……

 

「今だッ!!」

 

__スカッ……

 

「何…!?」

 

スタジアムの傾斜を利用してユナイトギアの軌道を変え、間一髪のところでブラストアーマーによる攻撃を避ける。

 

「なんと門守バン選手、スタジアムの傾斜で軌道を逸らしアーマーによる攻撃を回避ーーッ!!」 

 

「今度は俺がアーマーを利用する番だ!」

 

スタジアム内に落ちたブラストアーマーを弾き飛ばし、シノビにぶつけた。

 

「!!」  

(土壇場での機転の良さ……それがお前達の強さなのだな……) 

 

(流石だ)

 

影郎はその瞳でバンを捉えつつも、笑みを浮かべる。

 

「炎風・地獄返し!!」

 

アーマーが激突したシノビはスタミナを大きく削られ、スピンフィニッシュ。

 

「デスケルベロス、スピンフィニッシュ! 門守バンの勝利!」

 

「決まったァァーーッ!! 門守バン選手、相手の技を利用した戦法で見事に逆転しました!!」

 

「見事だ。門守バン」

「仲間との絆、見させてもらった」

 

「あぁ!」

 

影郎がバンに手を差し伸べ、バンも彼と握手を交わす。

 

「ソウタ。ナイスエールだった」

 

「おぅ!」

 

バンはソウタに自身の応援について感謝の言葉を述べた。

 

ソウタも笑顔でその言葉を受け取った。

 

「門守バン選手、忍影郎選手ありがとうございました! 続きまして3回戦・第4試合、根尾中学校から蒼龍ソウタ選手、和真学園から国見治選手です!!」

「どちらが勝利してもおかしくないこの状況、果たして勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!?」

 

「蒼龍ソウタ……俺はこの瞬間《とき》を待っていたッ!!」

「皇龍と渡り合ったその姿を見て俺達は血の滲むような努力を重ね、この場に並び立つことが出来た」

 

「俺はここから更にレベルアップをしていく!」 

「お前を超えて……!」

 

ソウタは肌で治の闘志を感じ取る。

 

彼の体は心の底から震え上がっていた。

 

「お前の闘志、この体でしかと受け止めたぜ」

「後はベイバトルで語り合おうぜ!」

 

「あぁ!」

 

「対戦前から熱い掛け合いです!」

「さぁ、いよいよ3回戦・第4試合スタートです!」 

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

アタックタイプ同士というのもあり、2機は超スピード

でスタジアムを駆け回る。

 

前方にはスラッシュドラグニルが、後方にはブレイブサムライが

 

サムライがドラグニルにあっという間に追いつき、激突する。

 

「斬り伏せ!ブレイブサムライ!!」

 

ブレイブサムライから侍のオーラが現れ、2枚の薄い大型刃がほんのり紫色に光りながら迫ってくる。

 

「俺も負けてられねぇ……!」

「ドラグニル!!」

 

スラッシュドラグニルからもドラゴンのオーラが現れ、ブレイブサムライとぶつかり合う。

 

__ゴォォォンッ

 

「うぉぉぉぉ……!!」

 

「ぐっ……!!」

 

「おぉぉぉぉぉっ……!?」

 

それ故にスタジアムから衝撃波が放たれる。

 

それは会場全体を一瞬にして包みこんだ。

 

「こっ……これはぁぁぁーーッ!! 何というオーラのぶつかり合い、会場全体が衝撃波に包まれています!!」

 

__カン……

 

「!!」

 

衝撃波が止む音に紛れて、ベイが落ちる音がする。

 

「今のは……」

「なっ……!?」

 

バンは目の前の状況を見て、言葉を失った。

 

なんと、スタジアムの外にはスラッシュドラグニルとブレイブサムライが同時に落ちていた。

 

「状況を確認」

「暫くお待ちください」

「確認完了。同時オーバーフィニッシュ。ドロー」 

 

会場音声から確認通知が流れた後、映像による確認がされた。

 

結果は同時オーバーフィニッシュによるドローとなった。

 

「なんと3回戦・第4試合、一回目はドローです!! 得点は4対3と根尾中学校がリードしていますが次のバトルで決着かーーーッ!?」 

 

「同時オーバーとは……やるな……!」

 

「かもな……けどよ言いたいことは分かるよな?」

 

「あぁ……!」

 

「全力で勝ちに行くッ!」

 

互いに称え合うもすぐに気持ちを切り替える。

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

2機のベイがスタジアムに放たれる。 

 

「行くぞッ!!ブレイブサムライ!!」

 

ブレイブサムライから侍のオーラが再び現れる。

 

先程と同じ光を纏い、スラッシュドラグニルに迫っていく。

 

「月光・月影斬り!!」

 

「……」 

 

フラットギアが傾いてスタジアムに接地し、今にもスタジアムの縁に当たりそうになる。

 

「!!」 

 

「治…そして、和真学園」  

 

ソウタが突然、治と和真学園の面々に語りかける。

 

「お前らが俺たちに感化されてベイを始めてくれたって聞いた時は嬉しかった」

「その気持ちは間違いなく受け取った。でも、俺達にも目標があるんだ」

「だから…この勝負、全力で行こうぜ!!」

「ドラグニル!!」

 

スラッシュドラグニルから再び、ドラゴンのオーラが現れる。

 

スタジアムの縁による加速は龍の咆哮の如し音を立てた。

 

「なんとドラグニル、スタジアムの縁で加速したーーーッ!!」

 

「!!」

 

「これが俺の闘志を形付けた……」

「スピリットアクセル!!」

 

(蒼龍ソウタ…やはりお前は面白い男だ…!)

 

__バァンッ

 

「スラッシュドラグニル、バーストフィニッシュ!!蒼龍ソウタの勝利!!」

 

バーストフィニッシュで3ポイントを獲得。

 

3回戦も突破となった。

 

「お見事!!蒼龍ソウタ選手、和真学園との戦いでもその実力を遺憾無く発揮しました!!」

「このまま破竹の勢いで神世学園へと辿り着くのか期待が高まります!!」

 

「目標がある……か」

「だが不思議と清々しい気分だ……」

 

ベイを握りしめながら、物思いに耽けていた。

 

「治!」

 

「蒼龍ソウタ……」

 

「お前とのバトル、スッゲェアツかった!!」

「またやろうぜ!」

 

ソウタは彼の下へ歩み寄り、手を差し伸べた。

 

「あぁ!」

 

戦いを終えた2人は熱い握手を交わす。 

 

「これからの戦い、健闘を祈る!」

 

和真学園の面々は根尾中学校の健闘を祈りながら去っていく。 

 

ソウタ達はそんな彼らの背中を見えなくなるまで見送った。

 

「ありがとな、治!」

「よーーし! 待ってろよ神世学園、そして……龍! 必ず追いついて見せるぜ!!」

 

ソウタは人差し指を青空に向かって立て、改めて神世学園……そして、龍を目指すことを誓うのだった。(ナレーション)

 




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

国見治-梅原裕一郎  
忍影郎-江口拓也

古面定太-小野坂昌也

ナレーション-森川智之
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