ベイブレードNEO Season1   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第18話 王者への道のり

準決勝を迎えた根尾中学校。

 

対戦相手である王谷中学校はベイブレードカップトップ3に入るほどの実力者。

 

そんな2校のぶつかり合いを受け取るのはツイスタースタジアム、王谷のメンバーであるハヤテとゴウは早速その性能を応用し、必殺技へと昇華。

 

一瞬で決着がつき、勝ち越されてしまうのだった。(ナレーション)

 

「根尾中学校、いきなり勝ち越されてしまいました!

やはり、ベイブレードカップトップ3の実力は伊達ではないということなのでしょうか!?」

 

「……」

 

「ソウタ、バン……」

 

なす術なく敗北したソウタとバン、彼らの顔は曇っていた。

 

ツバサもどのように声をかければいいのか分からなかった。

 

そんな中、ヒカルが彼に向かって話しかける。

 

「ツバサ、心配するな。あいつらは確かに強かった」

「だが、やつらは知らない。俺達の『本当の強み』をな」

 

「強み……?」

 

「本当の強み」……意味深長な言い方にツバサは思わず彼に尋ねる。

 

「俺達は約束したんだ、神世学園の奴らとな」

「俺達は目標のためならどんなことがあろうとも退かない」

「ソウタ達の敗北は無駄ではない。相手がどんな技を出したかが見えていたのならば、必ず奴らの攻略の糸口も見えてくる」

 

ヒカルは選手席から立ち上がり、スタジアムを捉えて自分達の強みというものを語る。

 

「ヒカル……」

「分かった、行こうか」

 

「あぁ」

 

ツバサも納得し、選手席から立ち上がった。

 

「……」

((ありがとな……ヒカル))

 

ソウタとバンは心の中で、ヒカルに感謝した。

 

彼らの顔に光が蘇った。

 

「ゴウ、ハヤテ」

 

「……」

 

「準備は万端だ。いつでも来い」

 

「どうすんだ?」

 

「当然、決まっている」

「いいだろう、我々の計算を超えられるか確かめてやろう」

 

表情は変わらなかったが、先程より自信満々ぶりに磨きがかかっていた。

 

「それでは、これより準決勝第二試合を開始いたします!」

 

「一角ヒカル、焔ツバサ。お前らもすぐに片付けてやるぜ」

 

「神世の奴らを倒し、俺達が最強であることを証明するためにもな」

 

__チャッ……

 

(別々のシュートフォームか……、今度は何が狙いだ?)

(それともまた同じ技を……) 

 

ハヤテはランチャーを傾け、ゴウはランチャーを水平にした。

 

ヒカルはその様子を一瞬たりとも見逃さなかった。

 

(僕だけではない、ヒカルも同じことを考えているはず……)

 

ツバサもシュートフォームに注視する。

 

((だが、『それ』だけでは十分ではない。他に何か……))

 

((! そうか……!))

 

相手のシュートフォームだけでなく、ベイまで観察眼を向ける。

 

その時、2人は相手ベイの軸先に注目した。

 

__スッ……

 

互いに頷き、ランチャーを水平にする。

 

「……あいつら、何が狙いだ?」

 

「構うな、勝利はこちらの方にやってくる」

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「!!」

 

ユニコーンとフェニックスが先にスタジアム中央を陣取った。

 

「先にセンターを……!?」

 

「焦るな、こうなればセンターから引き剥がすまでだ」

 

対するホルスとゴーレムはゼロ距離で攻撃をしかけるが……

 

「こ……これは! フラッシュユニコーンとヒートフェニックス、2機がかりの攻撃を受けてもセンターから離れていません!」

 

(どういうことだ……? 一向にセンターから動かねぇ)

「お前ら、一体何をした!?」

 

「簡単な話だ。『予測』したんだ」

 

「!」

 

「シュートフォームを別々にしている時点で妙だったが、その裏には作戦があったはずだ」

「俺とツバサは、それを探るためにお前達のベイも観察した。そして、気づいたんだ」

 

前髪をかき上げ、予測の内容について話し始めた。

 

「フレアホルスの軸は細めのシャープ軸、グラビティゴーレムの軸は先端に突起のついたフラット軸。それを活かした軌道によってセンターを取り、技を発動するという作戦だったということにな」

 

「……」

 

「どうやら図星のようだな」

「このまま畳みかけるぞ、ツバサ!」

 

「あぁ!」

 

「「ツイスタープロテクト!」」

 

__バァァンッ

 

「フラッシュユニコーン、ヒートフェニックス、バーストフィニッシュ。根尾中学校の勝利!」

 

「お見事です! 一角ヒカル選手、焔ツバサ選手。相手の作戦を逆手に取り、1勝をもぎ取りました!」

 

「我々の作戦を利用するとは……。だが、これで終わりではない。全ては3戦目で決まる……!」

 

「あとは頼んだぜ。テリア、ケン」

 

「相手の作戦を逆手に取る……面白い人達ですね」

 

「何か言ったか?」

 

「いえ、何でもありませんよ」

 

テリアは何故か、ヒカル達の作戦に興味深そうにしていた。

 

「それでは、対戦メンバーの選出に移ります!」

 

「根尾中学校。蒼龍ソウタ、門守バン」

「王谷中学校。三栖テリア、命府ケン」

 

「ここで、根尾中学校からは再び蒼龍ソウタ選手、門守バン選手です! 1戦目の失点をここで取り返すことは出来るのでしょうか?」

「対する、王谷中学校からは三栖テリア選手、命府ケン選手です!」

 

「2戦目は取られたけど、ここで勝つという結果は変わらない。君たちがスタジアムの性能を利用しようとも」

 

「確かに俺達は負けた。けど、ヒカルとツバサが繋いでくれたんだ。必ず応える!」

 

再び選出されることとなったソウタとバン。

 

ヒカルとツバサが勝ち取った1勝を胸にランチャーを構える。

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

中央はアークアヌビスとガーディアンスフィンクスが陣取った。

 

「残るはスタミナタイプとディフェンスタイプ。俺はスタミナタイプの方を先に片付けるぜ!」

 

ドラグニルをアヌビスのもとへ向かわせるが……

 

__スルッ……

 

「何…!?」

 

円形に近いブレードがまんまとその攻撃をいなしてしまう。

 

「君の攻撃はアヌビスには届かない」

「アヌビスの円形に近い形状はどんな攻撃もいなす。センターにいる限り、どんな衝撃が与えられようとそこから動く確率は0%だ」

 

「だったらもう一度__」

 

「あと一人忘れていませんか?」

 

「あっ……!」

 

ソウタは目の前の状況に気を取られ、テリアのスフィンクスに進行を阻害されていた。

 

「ソウタ!」

 

バンが急いで、ケルベロスをドラグニルのもとに向かわせるも……

 

「ここは通さないよ」

 

アヌビスの受け流しが行く手を阻む。

 

ドラグニルとケルベロスはじわじわとスタミナを削られた末、軽い音を立てて回転を止めた。

 

「アークアヌビス、ガーディアンスフィンクス、スピンフィニッシュ。王谷中学校に2ポイント」

 

「またしても王谷中学校、先制です! しかし、根尾中学校もまだまだ逆転の一手があるはずです!」

 

「……」

 

「ソウタ?」

 

「テリア、ケン」

 

「?」

 

「お前ら、本当に強ぇな!」

「スタジアムを完全に使いこなしているの流石としか言いようがないぜ……」

 

「……僕達は常にデータ収集をしている。これは努力の賜物だよ」

 

「それはそれは嬉しいお言葉ですね」

 

ソウタは突如として、テリアとケンを褒めだした。

 

悔しさや嫉妬はない、素直な一言だった。

 

「さぁ、続きやろうぜ!」

 

ソウタはランチャーを傾けた。

 

(ランチャーを傾けた……? ソウタ、お前の狙いはスタジアムのセンターを?)

(……もし、そうであれば俺も)

 

バンも同様に構える。

 

「……」

 

ヒカルとツバサは黙って、それを見ていた。

 

「Ready……Set!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「!」

 

アヌビスとスフィンクスは相変わらず中央に居座っていた。

 

超スピードでドラグニルがそこに迫る。

 

「何度やろうと__」

「!!」

 

ケンが言いかけた途端、カツンという接触音が響く。

 

その瞬間、アヌビスが中央から弾き出された。

 

「なんと、ドラグニル! アヌビスからセンターを奪い取りました!」

「一方、アヌビスは先程とは打って変わって揺らめくような動きを見せています!」

 

「くっ……! すぐにでもセンターを……」

 

中央への復帰を図るが……

 

「悪いが……」

「この場は譲らねぇぜ!」

 

__バァン……

 

ソウタの威勢の良い声とともにアヌビスが静かにバーストする。

 

「あぁっ……!」

 

「ここで蒼龍ソウタ選手、命府ケン選手のアークアヌビスをバーストフィニッシュ! 2ポイントが加算されます!」

 

「よしっ! 後1機だ」

 

「流石ですね、ソウタさん。あなたの実力は確かなようです。ですが……」

 

「……?」

「あっ……!」

 

「ドラグニルはさっきの激突で、大きくスタミナを消耗しています。このままじゃ、センターで止まってしまいますよ?」

 

優しいトーンでドラグニルの状態を指摘される。

 

彼女の言う通り、ドラグニルの回転が止まるまでのカウントダウンが刻まれ始めたその時__。

 

「待て、あと一人忘れてはいないか?」

 

割り込むように聞き覚えのある声が入ってきた。

 

「!」

「バン!」

 

声の主はバンだった。

 

ケルベロスはスフィンクスめがけて一直線に向かっていく。

 

「ソウタ、ナイスプレーだった。後は俺に任せろ」

「噛みちぎれ……ケルベロス!」

 

バンの咆哮とともにケルベロスのオーラが現れ、紅く輝く。

 

「!」

(……最後まで仲間達のことを信じる。それがあなた達の強さなのですね……)

(完敗です)

 

テリアは一瞬だけ目を開き、澄んだ青緑の瞳を覗かせた。

 

__ガァンッ

 

「デスケルベロス、オーバーフィニッシュ! 根尾中学校の勝利!」

 

「決まったーーッ!! 根尾中学校、王谷中学校を下し決勝進出です!」

 

「……!」

「よっしゃぁぁ! ありがとな、バン、ヒカル、ツバサ。お前達のおかげで遂に決勝進出だ!」

 

遂に掴んだ決勝進出__。

 

その喜びに浸っているソウタ達に再び声がかかる。

 

「決勝進出おめでとうございます。ソウタさん、あなたの言っていた『勝負は何が起きるか分からないから楽しい』というのは確かなものでした」

「あなた達が神世学園をどう超えるか、楽しみにしてますね」

 

「ありがとな、テリア!」

(遂に決勝戦……! 待ってろよ、龍!)

 

遂に決勝の切符を掴んだソウタ達。

 

あの日交わした約束を……それを果たすために、魂のぶつかり合いが今、始まろうとしていた。(ナレーション)

 




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

三栖テリア-早見沙織

命府ケン-花江夏樹

天宮ハヤテ-増田俊樹

岩森ゴウ-武内駿輔

古面定太-小野坂昌也

ナレーション-森川智之
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