決勝戦・第2試合にて白牙ダイとのバトルに勝利したツバサ。
それにより、同点に追いつくことが出来た。
残るは根尾中からはバンとソウタ、神世学園からはリンと龍となった。
残された者達はどんな戦いを繰り広げるのか__(ナレーション)
「残るは俺とバンか」
「あぁ。早いものだな」
刻一刻と迫る自分の出番にソウタとバンの体には緊張感が走っていた。
「……」
バンは腕を組みながら、神世学園の選手席を見ていた。
「バン?」
ソウタが彼に尋ねた瞬間……。
「ソウタ。ここは俺が先に出る。お前は皇龍を頼む」
「バン!? いいのか?」
「あぁ。今までの流れからするに、奴はリンを先に送り出す」
「それに……。」
振り向いて、目線を移す。
「あの目は、本気だ」
リンの顔を一瞬だけ見た後、ソウタの方へ目線を戻した。
「本気……」
「リンにはコテンパンにやられて、自分の実力というものを思い知らされた」
「お前が見ていたように、あの場で跪くことしか出来なかった……。だが……」
手のひらに乗せたケルベロスを握りしめ、リンとの最初の対戦について語る。
「征二狼との戦いの後で、俺は彼女と再会した」
続けて、リンとの再会について話し始めた。
「少し語らう後に気づいたんだ」
「彼女にとって、神世学園は『居場所』そのものだってのをな」
再び、神世学園の選手席へ目線を移した。
「居場所と誇りを持って、ここまで来たんだ。俺も、いや俺達も同様に」
「バン……」
「……」
「なんか……言っていいのか分からないんだけどさ……」
隣で話を聞いていたソウタが、ドギマギしながら話しかける。
「?」
「バンが一番成長してるなぁって……!」
照れくさそうに笑顔で、バンの成長を称える。
「!」
「……そうか」
当然驚いたが、すぐに微笑と短い言葉で返した。
ソウタにとって、バンは一番身近な仲間だったからこそ、出て来た言葉だった。
「行ってくる」
「頑張れよ!」
互いに握り拳をぶつけた後、バンを見送る。
一方__。
「あれが根尾中学校の絆……」
「興味深いわね」
その様子を見ていたリンが、バーニングスザクを手に歩み出した。
「両校からの出場者が決まったようです! 根尾中学校からは門守バン選手、神世学園からは華炎リン選手です!」
続く第3試合、対戦カードはバン対リンとなった。
「待たせたな」
「あの時のリベンジを含め、約束を果たしに来た」
「本当にここまで来るなんてね」
「……褒めてあげるわ」
「……」
髪をかき上げ、いつも通りの高飛車っぷりをアピールする。
周囲は気づいていなかったが、バンは彼女の言葉に間があったことを察知していた。
「ここまでの道のりは決して楽ではなかった」
「だが、あんたを超える覚悟は出来た。今の俺がどれほどのものなのか、ここで示す」
「それは楽しみね」
そう言って、バーニングスザクのギア、「トランス」を捻り、ハイモードにする。
「Ready……Set!」
3・2・1 ゴーシュート!
遂に開始された決勝戦・第3試合。
最初にケルベロスがセンターを取る。
それに対し、スザクがスタジアム内から徐々に迫っていく。
「中央で陣取るデスケルベロスに対し、バーニングスザク、距離を縮めていきます! どんな攻防が繰り広げられるのでしょうか!?」
「叩きつけなさい! バーニングスザク!」
バーニングスザクのブレードによるスマッシュ攻撃が炸裂。
デスケルベロスは大きく弾かれる。
(やはり、強い……! だが、こういう時こそ物事を冷静に捉えるんだ!)
心の中で自身に言い聞かせ、スタジアムをジッと見つめる。
(相手はスタジアム外周から攻めてきた。ならばこっちも……)
「そのまま外周へ行け、ケルベロス!」
弾かれた勢いを利用し、スタジアム外周への軌道修正を図る。
「!」
「なんと、これは! 互いのベイがスタジアム外周を走り回っています! アタックを仕掛け合う作戦にシフトしたということでしょうか!?」
戦況の変化に実況者もマイクを力強く掴んで、勢いよく実況する。
「もっとだ……。もっと近づけ……!」
今度は逆にケルベロスが、スザクに迫っていく。
鋭い衝撃音が鳴り、ブレード同士がぶつかり合う。
次第に、互いのスタミナが削られていく。
ほぼ同時にベイ全体が揺らぎ始める。
「互いに揺れている2つのベイ。どちらかが先に勝利を掴むのか、それともドローになるのか! 目が離せません!!」
会場内が静寂に包まれる中、状況は直ぐに一変した。
「!!」
ベイが同時に停止、肉眼ではどちらが先に止まったかは分からないぐらいだった。
「ビデオ判定に移ります!」
「ただいまの結果、同時スピンフィニッシュ! ドロー!」
「なんと、決勝戦初のドローです! 果たして決着は次で付くのでしょうか!?」
ビデオ判定の結果、ドローとなった。
互いにベイを手に取る中、リンが口を開く。
「ドローに持ち込むなんて……。腕を上げたのは確かなようね」
「当然さ。あんたに追いつくために必死に努力したからな」
それに対し、バンもこれまでの経験を交えた返答をする。
「けど、これで決着を付けさせてもらうわ」
そう言って、再びギアを捻り、先程とは逆のローモードに切り替える。
(今度は背を低くしたか。次はどう出るんだ……?)
「Ready……Set!」
3・2・1 ゴーシュート!
ベイの動きは1回目の時と同じとなった。
しかし、スザクはモードチェンジをしている。
背を低くしたことにより、バーストを狙いやすくなっている。
「狙い撃ちなさい! バーニングスザク!」
リンの声に呼応して、朱雀のオーラが現れる。
「火炎疾風撃!!」
スザクのブレードがケルベロスのディスクフレームに直撃する。
それにより、またしても弾かれる。
「!!」
「バン……!」
(すぐ近くには壁が……。このままではバーストする……!)
(だが、さっきのように冷静に周囲を観察するんだ……! そうすれば、必ず道は開ける!)
先程のように、再びスタジアムを見つめ始めた。
「!!」
(これだ……!)
スタジアムの縁に目を向けた。
「そのままだ、そのまま縁へ向かえ!」
ケルベロスのユナイトギアがスタジアムの縁と噛み合い、轟音を立てた。
「!!」
「こっ……これはぁーーッ!! ケルベロス、スタジアムの縁に沿って加速したーーッ!!」
「リン。あんたの攻撃は確かに強力だった。……だからこそ、利用させてもらった。」
「ケルベロスのギア、『ユナイト』はすぼまった形状をしている。そこにスタジアムの縁をひっかけ、加速させた。」
リンの技術を認めつつも、自身の戦術について解説を挟む。
「これで決着を付けるッ!!」
「ケルベロス!!」
バンの声に応じるように、ケルベロスのオーラが現れる。
「ファング・オブ・ヘル!!」
「デスケルベロス、オーバーフィニッシュ! 門守バンの勝利!!」
小突くような一撃で、バーニングスザクをスタジアム外へ弾き飛ばした。
「決まったァァーーッ!! 門守バン選手、見事リベンジを果たしました!!」
嘗て敗北を喫した相手に見事、リベンジ達成となった。
「私の攻撃を逆手に取るなんてね。見事と言わざるを得ないわ」
「そういうあんたこそ、強かった。いつの日かまたな」
互いに健闘を称え合った後に、スタジアムを後にする。
「バン。リベンジ出来て本当に良かったな!」
「あぁ。そして、ソウタ。とうとうお前の出番だな」
「そうだな……。緊張はしてるけど、それよりすげぇワクワクしてるんだ!」
「そうか。頑張ってこいよ」
「さぁー! いよいよ大詰め、決勝戦第4試合です! 根尾中学校からは蒼龍ソウタ選手、神世学園からは皇龍選手です!!」
「フン……」
「龍、やっとお前と戦えるな」
「見せてもらうぞ、貴様がどれほど俺と渡り合えるか」
そう言って、龍がボルトドラゴをセットすると……。
「!!」
突如、うずくまりだした。
「り、龍……?」
ソウタは心配して彼に近づくも……
「近づくな……! 蒼龍ソウタ、今すぐ俺から離れろ……!」
「う……ぐ……ぐぉぁぁぁぁ……!!!」
叫び声を上げた後、うずくまったままになった。
「………!!」
「!!」
「……」
困惑する会場内、暫くして起き上がった龍は硬膜の部分が黒く染まっていた。
何も語らなかったが、今の彼は『普通ではない何か』となっていた。
予測不能かつ不穏な様子とともに最後の決戦が幕を開ける__。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
門守バン-梶裕貴
皇龍-諏訪部順一
華炎リン-沼倉愛美
古面定太-小野坂昌也
ナレーション-森川智之