一作目も蛇足で続いてるからこっちが続くかどうかわかりません。
それではどうぞ!
…俺は。
ああ、確か…ミューターのキング?ってやつに…ガヴ…取られたんだっけ…。
「タオリン!」
ショウマの声が、聞こえる。
ボロボロになりながら俺に駆け寄り、抱き止めながら俺を見る。
俺の腹はガヴを抉り取られ、青い血のような液体が服を汚している。
それを見たショウマは、悲しそうに俺を見つめる。
伝えなくては、最期に…ショウマに…。
「これ以上俺みたいな奴…作らせないで…。」
「もう喋っちゃ駄目だ…!」
「俺は…ショウマに会えて、良かった……。」
「嫌だ、もう最期みたいなこと言うなよ……。」
俺は掠れた声でショウマに言葉をかける。
あのキングは生かしちゃいけない…。
俺を君が希望をくれたように、君が、幸果さん達を助けてほしい…。
俺の体は消えかける、もう限界だ。
最期に、もうひとつ。
「幸果さんに…よろしく…」
俺を助けてくれた、もう一人の恩人の名前。
見ず知らずの俺を…匿ってくれて、名前っていう最高の贈り物をくれた女性。
『タオリン!』
『ちょっ、タオリン!?大丈夫!?』
『今日の仕事はここまでにしよっか、お疲れ様タオリン!』
短い間でも、幸果さんとの楽しい思い出が頭を駆け巡る。
思い出を噛み締めながら、俺は消えた…。
~~~
消えたと思ったら、何やら黒い空間に俺はいた。
俺は、死んだんじゃないのか…?
そう思っていると、後ろから声が聞こえる。
「何これ…こんなん超バッドエンドじゃん!カリエス、許せねぇ…!」
後ろを振り返ると…
そこには金髪の少女が一人、窓みたいなものを見て怒ってるような声を出していた。
「…えっと、君は?」
「うおっ、ってて…びっっっくりしたぁ…急に来るんだこれ…」
金髪の少女はこちらに気づくと驚いて尻餅をつく。
「だ、大丈夫…?」
俺は手を差し伸べると、少女は手を取って立ち上がる。
「ありがとう…いやぁ~、タオリンはどこ行っても優しいなぁ~。」
「…え?何で俺のことを…。」
俺は目の前の少女のことは知らない。でもなんでこの女の子は知ってるんだろうか…。
「ん~、かぐやはタオリンに会ったことがあるから!」
「…え?」
目の前の少女は自分のことをかぐやと呼び、俺を知ってると言う。
幸果さんとの仕事で会っただろうか…
そう考えていると、かぐやちゃんという少女が口を紡ぐ。
「さぁてタオリン、かぐやが君を呼び出したんだけどぉ…なんでかわかる?」
「…わからない、でも俺は死んだんじゃないの?」
「そっかそっか、それじゃあ説明するね!」
そうしてかぐやちゃんは説明を始める。
呼び出した理由は、彼女が知るとある世界では俺がいて、俺がいる要因が別世界の自分が俺を呼び寄せた。ならば自分も俺の世界を覗いて「死んでしまう隙に呼び寄せよう!」と即席で俺をこちらに来させる機械を作ってここに居る、というらしい。
「…とりあえず、わかった…。でも、何でそんなことを?」
「…かぐやね、今のタオリンは知らないだろうけど…一杯タオリンに助けてもらったの。知らないこととか…かぐやの好きな人と一緒に楽しいことしてくれたりさ。もうたくさん!面白いことしてくれたから!バッドエンドになっちゃったタオリンにハッピーになってもらおう!っていうかぐやからのちょっと早い恩返しかな。」
…仲間思いのいい子なんだな。
そう頭の中で思い浮かべる。
でも、俺はもう幸せだった。最期まで足掻いて仲間に看取られたんだから。
「…ありがとう、でも俺は充分ハッピーだったよ?幸果さんやショウマがいて、短かったけど生きる楽しみとか、一杯貰った「でも、かぐやから見てタオリンはハッピーになってるなんて、1ミリも思わなかったよ?」!?」
かぐやちゃんは話を遮り、自分が思ったことを口にした。
確かに端から見れば仲間を置いてハッピーになんかなれていない、そんな解釈がされるかもしれない。
かぐやちゃんは、これは俺の強がりだと分かっているように感じとれた。
「とにかく!かぐやはタオリンをハッピーにしたいの!じゃないとかぐやの気が済まないから!」
「…え、えぇ…。」
いくらなんでも暴論過ぎやしないかな?
そう思ってしまうほど、かぐやちゃんの気持ちが伝わってくる。
すると、目の前が急に歪みだし、意識が少し遠くなる。
「…!?何これ、意識が…!?」
「…さて、これからタオリンにはかぐやの世界へと案内するよ!でも最初は長ーい旅路だから、折れないよう気を付けてね?じゃあ、ヤチヨをよろしくね、また会おう!タオリン!」
「ま、待って!まだ話したいことが!」
そんな言葉は聞かれず、俺はそこから消えたのだった。
「…かぐや達のハッピーエンドには、君が必要だから。ちゃんと幸せになってね?タオリン。」
~~~
「…ここは。」
…知らない光景。目の前には木が広がっていた。
俺は草むらに横になっていて、むくりと体を起き上がらせる。
建造物は見つからず、辺り一面木が生い茂っている。
どうやら本当に別世界に来ちゃったらしい。
そして自分の体を見ると、服装は死ぬ前まで着ていた服だった。
赤い上着にTシャツ、腹には出っ張った物がある。
試しにTシャツをめくると…
「…ある。」
あの時キングにひきちぎられた俺の体の一部、ガヴがついていた。
「ホントに…死んでないんだな、俺。」
かぐやちゃんって子に、ホントに生き返らせられたんだよな。
でも…人っ子一人いない、寂しい場所。
これが、彼女が生きた世界なのか?
いや、でも…なんか違う。
…すると、彼女の先程の言葉を思い浮かべる。
最初は長い旅路だから、と。
もしかしてここは現代より昔なのか?
「…歩こう。歩けば何かわかるかも。」
幸果さんも言っていたじゃないか。「迷子犬を探すときは、まずいなくなった地形を把握しないと探すのは始まらない!」って。
歩いて地形を見たり景色を見れば、何かわかるかもしれない。
善はなんちゃらだ。歩こう。
…そう思った矢先、ものすごい轟音が聞こえる。空から、何か落ちた音だ。
「な、何今の!?」
俺も何がなんだかわからず、とりあえずナニカが落ちたところへ走って向かう。
………
「…え?」
ナニカが落ちた先、そこにあったのは小さなクレーターの真ん中に鎮座するタケノコだった。
…タケノコ?
「なんでここにタケノコがあるんだ?もしかして空から降ってきた?」
でもタケノコは確かネットでは地中から出てくるものだと見た。空からはまずありえない。
「もしかして俺みたいに誰かに作られたのかな?」
そう考えながら見ている矢先…
「ねえ、そこに誰かいるの!?」
後ろから、先程どこかで聞いた声がする。
かぐやちゃん?の声だ。
すると俺は声がする方を振り向くと、「あれ!?タオリン!タオリンじゃあん!てことはここ2030年!?よかったぁ…着地成功!」
「…え?」
そこには俺を見てピョンピョン跳ねる、一匹の白い生き物がいた。
~続~
はい、とりあえずプロローグです。
ちなみに最初タオリンと話していたかぐやは、彩葉の歌を聞いたはいいけど月からの仕事が終わらせられる量じゃなく、別世界の彩葉達を別の窓で覗いて、月で色々とサポートするという転生モノでいう神様ポジのかぐやちゃんです。
今後登場するかは不明です。
それでは一作目かこっちかわかりませんが、また会いましょう!ばいならぁ。