日本国召喚 ~新世界の新秩序~   作:バナナ

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ロデニウス大陸編
第一話 接触


ロデニウス連邦 東クワ・トイネ自治区

中央暦1669年7月14日午後3時――――

  ロデニウス連邦軍第12旅団

 

「...」

「...どうかしたか?」

「いや、やけに静かだなと感じただけだ。」

「...そうか。」 

 

沈黙が続く。

 

「確かに、ここ数ヶ月は皇国海軍の挑発が酷かった。しかしこの1週間、皇国海軍も皇国空軍もちょっかいかけてこねぇ。」

「その点は本当に不思議だ。」

「そうだな...しかしいつ見ても綺麗な空だ。そしてこの潮の匂いがする海から吹く風...憂鬱な軍務のうち唯一と言っていいほどの安らぎの時間だ。」

「それにしても、なぜ電信レーダーを上層部は導入したんだ?」

「最近、ムーの飛行機械の航続距離が伸びてきているのと皇国が飛行機械を開発してる為...とは言ってたな。」

「いくら航続距離が伸びてもムーまで2万kmも離れてんのにな...うん?」

「どうかしたか?」

 

...

 

「電信レーダーに反応が...?」

「まさか急に皇国空軍が仕掛けてきたか?」

「かもしれない。至急司令部に伝えよう。」

「わかった、今すぐ要撃要請を出す。戦争に発展しないといいが...」

 

「...まさか丁度電信レーダーが役立つとはな。」

 

 

ロデニウス第8飛龍隊

「あれが先程報告にあった皇国機か。」

「ありゃ見たことねぇ、新型機の可能性が高いな。」

「あぁ...総員、火炎弾の準備を」

「了解」

 

第8飛龍隊が火炎弾の準備を始めた時、皇国機と思われる機体は上昇を始めた。

 

「やはり魔導機は早いな。龍で時間稼ぎは出来ても魔導機を撃墜することなんてほぼ不可能だ。さっさと魔導機の普及を進めてほしいものだな。」

「同感だ。」

「...うん?」

「どうかしたか?」

「今まではここまで来たら撤退していたのに、今回はマイハーク方面に進んでるぞ...?」

「.....最悪打首だな。司令部に伝えろ、マイハークに偵察機が...いや、それじゃダメだ。また飛龍隊を出されるぞ。」

「それではなんと報告を?」

「こう伝えろ、()()()が飛んできていると。」

 

 

 

東クワ・トイネ自治区 −マイハーク上空−

「...もうそろそろ来るか?」

「あぁ...爆撃機が飛んでくるなんてこと今までにあったか?」

「あってたまるか。...ついにこの愛機と運命をともにする日が来たのかもな。」

「縁起でもないことを言うな。魔導機は貴重だ、ここで破壊されては困る。」

「同僚の命より機体の命を優先するのか...」

「当然だ。兵なんて所詮駒だ、いくらでも補充は出来るが魔導機はそうもいかないだろう。」

「そうだな。...もしかしてあれが敵機か?」

「そうだろうな。しかし、爆撃機と聞いただけあって巨大だな。」

「あぁ。早速迎撃を開始...うん?撤退してくぞ?」

「我々を見て怖じ気ついたんだろ。」

「そうなのか...?しかし...うん?あのマーク、皇国空軍ではないように思えるが...?」

「何を言っている。この地域に魔導機を持ってるのは皇国以外居ないぞ?」

「そうだが...」

「ただの見間違いだろう。兎に角脅威は去った。着陸してさっさと報告するぞ。」

 

 

 

 

ロデニウス連邦 −ジン・ハーク−

 

「またか...」

 

連邦防衛軍最高司令官であるパタジンは頭を抱えた。

 

「皇国空軍がまた領空侵犯か...」

「失礼。」

 

ロデニウス連邦宰相、マオスが入室した。

 

「これは宰相陛下、ご無沙汰しております。」

「挨拶は良い。私がここまで出向いたのは先程の領空侵犯についてのことなんだが...」

「宰相陛下、申し訳ございません。またも皇国空軍の領空侵犯を許してしまって...」

「それがだな、さきほど私が大使館を通して皇国に非難声明を出したが...」

「どうやら先程の領空侵犯機は皇国空軍管轄ではないらしい。」

 

...どういうことだ?

この海域に魔導機を保有しているのは皇国だけだが...

 

「それは皇国の方便では?」

「私もそう思ってたんだがね、どうやら領空侵犯を確認した兵士によるとあの機体は皇国のものとは違ったらしい。」

「彼は皇国の新型機と判断したらしいが...どうやらあの魔導機からは魔素は確認できなかったらしい。」

「なるほど。確か皇国では飛行機械の開発が行われていましたよね?皇国の飛行機械では?」

「不可能ではないが、今の皇国ではあんな大きい飛行機械は作れない。」

「...つまりは...」

「...それすらも皇国の偽装の可能性はある。それにムーの飛行機械じゃここまで飛んでこれない。」

「新たな仮想敵国が増えるわけではないさ。」

「そうだと良いんですが...」

 

「宰相陛下?宰相陛下ー!」

廊下から声が聞こえる。

 

「すまないね。失礼した。」

 

マオスはドアを閉めた。

 

「さて、そこまで必死に叫んでいるということは急務のことだろう。何のようだ?」

「それが港に...」

 

 

 

日本国 東京都 防衛省

西暦2019年...中央歴1669年7月25日午後5時

 

「シンクタンクからのレポートが届いたぞ。」

「やっとか...諸外国に連絡が取れなくなってからもう11日だぞ」

 

報告書をめくる。

 

「...彼らはこれを大真面目に書いているのか?」

「あぁ、そうだろう。」

「どこのシンクタンクだ?」

「内閣府直轄の研究室と複数の民間研究所。すべてが同じ内容だったさ。」

「我が国は空間移動を行った。」

「平たく言えば転移を遂げたと。」

 

「...急に諸外国と連絡が取れなくなったのも?

GPSが使えないのも?

一時停電が発生したのも?

その事象すべてをそのファンタジーに押し付けるのかい?」

 

「私だってそう思ったさ。しかしこれ以外考えられない。」

 

「仕方ない。これで上に報告するぞ。国家安全保障会議の時間だ。」

 

 

 

「...以上が今回の大停電・大規模な通信障害の原因だとされています。」

「...その顔はジョークじゃないな?」

「ええ。ジョークのようですが、事実と認めるしか無いでしょう。」

「わかった。早急に対策本部を設立するぞ。」

 

 

 

「それで、現在の諸外国との接触は?」

「公式には南方に存在する大陸に位置するロデニウス連邦との接触だけだ。」

「非公式には?」

「P-1を6機飛ばした。3機は西に、2機は北と南に、1機は東にだ。」

「そうか、結果は?」

「南には先程行ったロデニウスが、西は勾玉の形をした島と巨大な大陸、北には海が広がっていたが奥に陸地が見えたらしい。問題は東だ、4000km進んでも大陸が見えない。それどころか島すらなかなか見つからない。」

「そうか...ロデニウス以外に人間は確認されたか?」

「西の大陸では1960年代相当の建築物が見えた。人間かはわからんが十二分にその可能性はある。」

「わかった。西の大陸とロデニウス大陸の調査を続けろ、我々には猶予は残されていない。」

「そうだな。いくらあの()()()()()()が起きた4年前よりマシとは言え食料も残り270日分程度しかない。石炭や鉄鉱石、レアメタルだって節約しても良くて3ヶ月だ。」

「電力と石油に関してはいつまで持つか考えるだけで寒気がする。ロデニウスとの交渉を続けなければ...」

 

 

 

日本国 食料備蓄 残り269日

 

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