アナキンの親友になって色々あって旅に出た英雄の話   作:紅乃 晴@小説アカ

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ちょっとディ○ニー+とかを見返しながら描いてるけど暗黒卿の愛弟子の経歴が複雑骨折しすぎてて合ってるか自信ない!おかしいところあったら感想で教えて!

おめー何年にはざまの世界から帰還したんだ……!?



思わなかった再会

 

 

辺境惑星への物資搬送という細々とした活動から始めた仕事であるそれは、まず最初の顧客が辺境惑星の現地民であった。

 

銀河地図に名前こそ載っているものの、航路の外れにあり、定期便もほとんど来ないような小さな星々。

 

そういった場所では、乾燥食料や浄水装置の交換部品、簡単な医薬品でさえ貴重品だ。

 

俺たちの船が着陸すると、子供たちが物珍しそうに集まってきて、大人たちは「今度は何を持ってきたんだ」と半信半疑な顔で近寄ってくる。

 

そんな場所を、一つ、また一つと巡っていった。

 

ハットや有力な権力者から仕事を受けるという選択肢も議題には上がったものの、「傲慢な相手を前にして何もせずに仕事を受けられるか?」というクワイ=ガンの問いに、全員でパルパルと俺とアナキンを見て首を横に振ったのでその線は却下となった。……なぜだ、ちゃんとTPOは弁えるのに。

 

この時期の星々の交易は、帝国がデス・スターを失い、反乱軍との戦い、その捜査網の締め上げで一気に苦しくなっていて、その影響をもろに受けたのは権力も金もない現地の住人たちだった。

 

本来なら一週間で届くはずの生活物資が、一か月待っても届かない。輸送業者は危険宙域への航路を嫌い、商人たちは利益にならない辺境へ行くことを避ける。

 

結果として、辺境の人々はただ待つしかなかった。

 

俺たちは権力や金は必要ではない。どちらかというとクリーンな印象と、弱者救済という明確な立ち位置が必要であった。

 

反乱軍に片足を踏み込めば帝国領地からは厄介者扱いされるし、帝国に片足を突っ込めば圧政の片棒を担がされかねない。

 

なので、ニュートラルな立場にいるためには中道を歩む必要がある。

 

どちらの旗も掲げないが、困っている者がいれば助ける。それくらいの立ち位置が、今の俺たちにはちょうど良かった。

 

なので、始めたのが辺境惑星をめぐる物資輸送……移動販売所であった。

 

生活必需品や水、食料を積んで辺境の星々を巡り、現地住民からの信頼を勝ち取るところから始めた。

 

船倉には保存食や医療キット、浄水装置に工具類がぎっしり積み込まれている。時には農具を届け、時には子供用の衣服を届ける。代金を払えない相手には、現地の果実や鉱石、あるいは「ありがとう」の一言で済ませることもあった。

 

まぁ、合間合間に辺境星域にあるフォースの遺跡を巡ったり、現地住民を虐げるやつを懲らしめたり、フォースの遺跡を発掘したり、現地住民を苦しめる化け物と戦ったり、フォースの遺跡を巡り……ほとんどフォースの遺跡巡りのついでに移動販売所してるようなもんだったな、これ。

 

いや、本当。船の航路を決める時もこんな感じである。

 

「この星に古代ジェダイの神殿跡がある」

「こっちはシスの遺跡があるらしい」

「途中の星に物資を届けていくか」

 

そういう流れで目的地が決まることが多い。

 

完全に主客転倒している。そんな中、運び屋の真似事のようなことをしながら銀河を巡っていると、不思議と知名度が上がっていくわけで。

 

市井の噂では、「辺境惑星にやってきてはその星々で問題を解決し、悪行をする為政者は成敗する五人組」と言われるようになった。

 

子供たちの間では半ば英雄譚になっているらしく、「黒いローブの老人は雷を出す」「長髪の男は一人で怪物を倒す」「妙に若い男は死んでも平気」とかいう、だいぶ事実と脚色が入り混じった噂まで流れている。

 

ついでに銀河帝国にも指名手配される羽目になった。なんでや、辺境惑星で資源を横流しして私腹を肥やしてる帝国司令官を成敗っ!!しただけなのに。

 

そんなわけで五人で運び屋家業を始めて半年。

 

辺境宙域の空気にも慣れ、船の中での生活もすっかり日常になっていた。

 

とある辺境惑星で物資の受け渡しをしている中、現地民と会話していたところ、ふと言葉がかけられた。

 

「アナキン?」

 

それは偶然であった。

 

風が吹き抜ける。

 

乾いた赤土がわずかに舞い上がり、その場にいた全員の動きが止まる。

 

はた、とアナキンの手から物資が滑り落ちるが、それをフォースで受け止めて俺はすぐに脇へと置く。

 

アナキンと顔を合わせたのは、かつてのパダワンであった。

 

「アソーカ……」

 

かつてこちらの世界でもジェダイに失望し……そして別の道を歩んだかつての愛弟子。

 

そんなアソーカはワナワナと唇を震わせ、ありし日の姿のままでいるアナキンへと歩み寄った。

 

その青い瞳は大きく見開かれ、まるで目の前の存在を信じたいのに信じられない、とでもいうように揺れている。

 

死んだはずの人間。二度と会えないと諦めていた人間。それが、目の前で困ったような顔をして立っている。

 

「アソーカ……何と言えばいいか」

 

言葉に迷っているアナキンに返ってきたのは無常の一撃であった。

 

しかもグーである。実にいい音がした。

 

「ア、アソーカ!ストップ!ストップ!」

 

思わず呆けていると、無防備な顔面に一撃をもらったアナキンの胸ぐらを掴み上げて、さらに一撃を見舞おうとしているアソーカがいた。

 

「アンタ、パルパティーンが産んだクローン!?それともシスの新たな罠!?もう騙されないわよ!?」

 

「いかん!錯乱しとる!とにかく落ち着いて!」

 

咄嗟にパルパティーンと俺で抑えにかかるが、かつてのアナキンの愛弟子。その程度では止まりはしない。

 

「え、うわ、めちゃくちゃ力が強い!どうにかして!アナキン、説明!」

 

「だめだ、すっかり伸びておる」

 

「うぉぉおー!!どうにかしろー!!」

 

アソーカの拳をまともに顔面へ受けたアナキンは、その場で綺麗に仰向けへ倒れていた。

 

辺境惑星の住民たちは目を丸くし、子供たちは「喧嘩だ喧嘩!痴話喧嘩!」とでも言いたげな顔をしている。

 

そして俺はというと、暴れるアソーカを止めようとして蹴られ、パルパルは「落ち着け!」と叫びながらなぜかさらに事態を悪化させていた。

 

ちなみにダザンはクワイ=ガンと一緒にフォースのトレーニング中なのが不幸中の幸いであった。

 

 

 

 

アソーカ・タノ。

 

かつてジェダイ・オーダーに属し、クローン戦争を戦い抜いた元ジェダイ・パダワン。

 

ジェダイ・マスターであるプロ・クーンに見出され、幼くしてジェダイ・テンプルへと迎えられた彼女は、銀河共和国最末期にジェダイ・ナイト、アナキン・スカイウォーカーの唯一の正式なパダワンとなった。

 

無鉄砲で、感情的で、規律から少し外れたところのある師匠。そんなアナキンに最初は振り回されながらも、数々の戦場を共に駆け抜けた。

 

クリストフシス、ジオノーシス、モン・カラマリ、マンダロア……命を預け合い、時に衝突し、時に笑い合いながら、二人は本当の師弟になっていった。

 

その関係は、血の繋がりこそないが、確かな家族のようなものだった。

 

だが、その日々は永遠ではなかった。

 

ジェダイ・テンプル爆破事件に、殺人者の濡れ衣。自分を信じてくれなかったジェダイ・オーダー……真実が明らかになった後も、アソーカは戻らなかった。

 

あの瞬間、彼女にとってジェダイという組織は終わったのだ。それでも、アナキンだけは最後まで自分を信じてくれていた。

 

だからこそ、彼と別れた日のことを、彼女は今でも忘れられないし、あの日去ったことをアソーカは後悔もしていた。

 

時は流れ、共和国は滅び、帝国が誕生した。

 

彼女は名を捨て、姿を隠し、それでも銀河のために戦い続けた。反乱の火種を繋ぎ、人々を助け、影から帝国へ抵抗する。

 

だが、そんな彼女を待っていたのは、あまりにも残酷な真実だった。

 

ダース・ヴェイダー。

 

帝国最強の暗黒卿。

 

その正体が、かつての師……アナキン・スカイウォーカーであることを知ったのである。

 

マラコアでの再会で、赤い光刃と白い光刃が交差し、激突する。仮面の割れた奥から覗いたのは、焼け爛れながらも見覚えのある青い瞳だった。

 

『アナキン……』

 

あの時、自分は師を置いていかなかった。

 

置いていけるはずがなかった。

 

だが、その結末を見ることなく、彼女は時と空間の狭間……はざまの世界へと導かれ、そして帰還した。

 

生きて帰りはしたが……何かが変わったわけではない。むしろ、何も変わらなかった。アナキンはダース・ヴェイダーのまま。銀河は争い続け、自分もまた、行くべき場所がわからなかった。

 

ジェダイではない。かといって、全てを捨てて隠遁することもできない。

 

だから彼女は旅を続けた。フォースと共に、光を信じながら。辺境の星々を巡り、困っている人々がいれば手を貸し、古い遺跡にフォースの気配を感じれば足を運ぶ。

 

まさに放浪。それが今のアソーカ・タノという人間の生き方だった。

 

そして、その日もまた、そんな旅の途中だった。補給と情報収集のために立ち寄っただけの、小さな辺境惑星。乾いた風が吹き、赤土が舞う、銀河でも名前すら知らない者が大半であろう小さな集落。

 

そこへ、一隻の輸送船が降りてくる。

 

住民たちが歓声を上げながら駆け寄っていく。

 

辺境では珍しくない光景だ。

 

アソーカもまた、何気なくその様子を眺めていた。

 

タラップが開く。

 

何人かの人影が現れる。

 

そして……荷物を抱えた、一人の男が姿を見せた。

 

その瞬間、彼女の思考が止まる。

 

見慣れた立ち姿だった。

 

癖のある髪。

 

周囲を見回す仕草。

 

少し困ったように眉を下げる癖。

 

そんなはずはない。

 

あり得ない。

 

だって、自分は知っている。

 

あの人は、もういない。

 

それなのに。

 

男がふと顔を上げる。

 

青い瞳が、真っ直ぐこちらを見た。

 

そこで、アソーカの世界が止まった。

 

まるで、クローン戦争のあの日から時間だけが切り取られ、そのまま目の前へ放り出されたかのようだった。

 

喉が震える。

 

信じたい。

 

だが、信じてはいけない。

 

それでも。

 

気づけば、その愛しい師の名前が唇から零れ落ちていた。

 

 

 

 

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