アナキンの親友なって色々あって旅に出た英雄の話   作:紅乃 晴@小説アカ

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悪いな、アナキンは俺が魔改造したんだ

 

 

 

アナキン・スカイウォーカー。

 

スターウォーズという壮大な宇宙の物語を語る上で、その存在は必ず登場する人物であり、彼は英雄であり、そして恐怖の象徴であり、銀河にバランスをもたらした存在であった。

 

銀河共和国末期に現れた類まれなるフォースの才能を持つジェダイ。多くの人々から「選ばれし者」と呼ばれ、その生涯は数え切れないほどの伝説と悲劇によって彩られている。誰よりも人を愛し、誰よりも失うことを恐れた男。

 

彼の選択は、銀河全体の運命を大きく変えていくことになった。

 

だが、それは俺がフィクションとして知っている……いわゆる正史といえるスターウォーズでの世界の話だ。

 

俺ことログ・ドゥーランがジェダイとして転生した世界でのアナキンは、正史とはかなり異なる道を歩んでいた。

 

ナブーの戦いからクローン戦争が始まる直前までは、ジェダイの厳しい訓練に文句を言いつつ……時にはサボっては機械いじりをして……そして師であるオビ=ワンと時には過激な交渉に挑むというバダワン時代を過ごしていた。

 

その頃のアナキンは、後に銀河を震撼させる存在になるなど誰も想像できないほど人間臭い青年だった。天才的な操縦技術と機械工学の知識を持ちながらも、性格は短気で猪突猛進。感情の起伏も激しく、師であるオビ=ワンを何度も困らせていた。それでも困っている人間を放っておけない優しさと、理不尽に立ち向かう勇気だけは誰よりも持ち合わせていた。

 

大きな分岐点となったのは、パドメを護衛するため共にナブーに赴くことになった時、俺ことログ・ドゥーランも共に護衛に加わったことにあった。

 

本来なら誰にも打ち明けることのできない秘密だったが、俺は、アナキンがパドメへ向ける視線や何気ない仕草から、彼が深く彼女を愛していることに気づいてしまった。

 

そしてそれは、アナキンにとって最も知られたくない感情でもあった。

 

パドメとの恋仲を俺に見破られ、最初はそれをジェダイ評議会に告げ口すると思われていたが、パドメとの愛は正しいことと俺が肯定したのをきっかけに態度が軟化。

 

誰にも理解されないと思っていた感情を否定されず、むしろ一人の人間として認められたこと。そしてその愛は間違いなく正しいことだと肯定されたこと。

 

それはアナキンの中にあった孤独や不安を少しだけ和らげたのだろう。それ以来、彼は俺に対して妙な警戒心を抱きながらも、少しずつ心を開くようになっていった。

 

そして、その後に起こるタスケンに拉致されたアナキンの母、シミ・スカイウォーカーが悲運の死を遂げるという結末も、俺がその救助に同行したことで変わり、ヒーリングフォースでシミは一命を取り留めた。

 

これは正史と最も大きく異なる出来事だった。

 

母を失うという決定的な喪失を経験しなかったことは、アナキンの心に深い闇が根付くことを防いだ。怒りと憎しみに飲み込まれ、暗黒面へと大きく傾くはずだった運命は、この瞬間を境に別の道へと歩み始めたのである。

 

その後、クローン戦争は始まってしまったが、アナキンは母と、母と再婚したクリーグ・ラーズ、そしてオーウェンとオーウェンの恋人、ベルー・ホワイトサンに祝福されながら、ナブーで小さいながらもパドメと結婚式を挙げた。

 

豪華な式ではなかった。

 

しかし、そこには確かな幸せがあった。

 

愛する人がいて、それを祝福してくれる家族がいる。ジェダイの教えから見れば決して許されない関係だったかもしれない。だが少なくともその日だけは、アナキン・スカイウォーカーは銀河で最も幸せな男だった。

 

その後、クローン戦争では幾度も俺と共闘し、数々の戦場を駆け巡ったが、最終的にジェダイによるシス卿、ダース・シディアスとの戦いで俺がジェダイを離反し、ジェダイ・テンプルを襲撃。

 

銀河を守るために戦い続けた日々は、永遠には続かなかった。

 

戦火が拡大するにつれて誰もが少しずつ疲弊し、理想と現実の狭間でもがくようになっていく。そして最後には、誰も予想していなかった形で俺自身がジェダイの敵となった。

 

そして、ムスタファーでアナキンはオビ=ワンとパドメと共に俺と再会。フォースの意思に身を委ねた俺と死闘を繰り広げ、そして俺を倒すことでひとまずの結末を迎えた。

 

燃え盛る溶岩の惑星で繰り広げられた戦いは、正史のような師弟の決別ではなかった。

 

かつて共に笑い、共に戦った友を止めるための戦いだった。

 

怒りでも憎しみでもなく、救いたいという想いを抱えながら剣を交えるその戦いは、アナキンにとってあまりにも過酷な試練だった。

 

その後、俺の意識は完全にフォースの意思と同化。デラックスヴェイダーなりきりセットでやらかすことになり、アナキンは俺がジェダイを粛清した真実を知ってジェダイを離れ、そしてオーウェンの元、タトゥイーンで修理工としての時間を過ごすことになった。

 

銀河の命運を左右する英雄でありながら、彼が選んだのは名誉でも権力でもなかった。

 

砂と機械油にまみれながら、壊れた機械を修理して生計を立てる平穏な日々。

 

それは、戦いに疲れ果てた一人の男がようやく手に入れた、ささやかな安息の時間だった。

 

それから数年後、帝国と反乱軍の戦いが激化し、アナキンは息子のルークとオビ=ワン、そしてタトゥイーンで懇意にしていたハン・ソロと共に巻き込まれる形で、その二勢力の戦いに巻き込まれ、デス・スターで師であるオビ=ワンを失う。

 

再び彼から平穏は奪われた。

 

だが今度のアナキンには守るべき家族がいた。息子であるルークがいて、共に戦う仲間がいた。

 

そして何より、自分の人生を後悔だけで終わらせたくないという想いがあった。

 

そして、再びフォースとのつながりを取り戻しつつも、アナキンはジェダイやシスではなく、「ただのアナキン・スカイウォーカー」として戦いに身を投じる。

 

それはある意味で、彼が初めて自分自身の意思で選んだ生き方だった。

 

ジェダイという肩書きにも、シスという呪縛にも縛られない。ただ一人の男として、大切な人々を守るために剣を取る。

 

そこにいたのは選ばれし者でも、銀河の英雄でもない。

 

愛する家族と仲間のために戦う、ただのアナキン・スカイウォーカーだった。

 

激闘の後、エンドアの戦いで俺はアナキンや仲間たち……そして、シディアス卿の呼ぶ声でフォースの意思から帰還し、「ダース・ヴェイダーがシディアス卿を倒す」という形で銀河にバランスがもたらされたのだった。

 

それは正史とは異なる結末だった。

 

暗黒面に堕ちた怪物としてではなく、数々の出会いと別れを経てなお人を愛し続けた一人の男として。

 

そして最後に銀河へ均衡をもたらしたのは、ジェダイでもシスでもなく――。

 

愛する者たちと共に歩み続けた、アナキン・スカイウォーカーという男の生き様そのものだったのである。

 

そして、そこからの話。

 

アナキンは息子のルークや、その仲間たちとともに後に続く者たちの教育に精を出し、ジェダイ・テンプルを「テンプル・シード(種の塔)」と改名。帝国が反乱軍と和平を結び、帝国制から連邦制へ移行すると同時に、フォース感応者のみならず、多くの人間に門を開いたフォース・アカデミーで教鞭を振るい、そしてアカデミーの初代グランドマスターとなっていた。

 

かつてジェダイの教義に苦しみ、愛する者を失うことを何より恐れていた青年は、歳月を経て「導く者」へと変わっていた。

 

彼はもはや、ジェダイはこうあるべきだという古い価値観に固執しなかった。

 

フォースは一部の選ばれた者だけのものではない。人々の中に流れ、人と人を結びつけ、時には誰かを支えるために存在するものだ――そう考えるようになっていたのである。

 

そのためフォース・アカデミーでは、剣技や瞑想だけではなく、農業や工学、医療、歴史学といった幅広い学問も教えられていた。フォースを戦いのためだけではなく、生きるため、人を助けるために使う。その理念は銀河各地から多くの若者たちを惹きつけ、アカデミーは次第に新時代の学び舎として発展していった。

 

ムスタファー、エンドアでの神話のような戦いは伝説となりつつある彼の晩年は、後任をルークたちに任せ、ジェダイ、シスが関わるフォースの遺跡の探究をしており、数々の遺物を持って帰還した。

 

それは、失われた知識を後世へ残すための旅でもあった。

 

銀河の辺境に眠る古代神殿、砂に埋もれた石碑、誰も存在すら知らない星に残されたホロクロン。かつてならば、そうした遺物は力を求めるために探していたかもしれない。

 

しかし晩年のアナキンは違った。

 

知ることは、繰り返さないために必要なのだと理解していた。

 

ジェダイの過ちも、シスの過ちも、その両方を知り、後の時代へ伝えることこそが、自分の役目なのだと考えていたのである。

 

そして遺跡から帰還するたび、彼は土産話を抱えてアカデミーへ戻ってきた。若者たちに古代の文明や冒険譚を語り、時には珍妙な遺物を持ち帰っては周囲を困惑させることもあった。銀河にその名を轟かせた英雄でありながら、その姿はどこか機械いじりが好きだった青年時代の面影を残していた。

 

そして、最愛の妻であるパドメが亡くなった半年後に、彼女と同じく親族に見看られながら、穏やかにその人生に幕を閉じたのだった。

 

最期の時、彼の傍にはルークやレイア、孫たち、そして長い人生で出会った多くの人々がいた。

 

かつては奴隷の少年であり、ジェダイであり、戦争の英雄であり、一人の夫であり、父であり、教師であり、探究者でもあった男。

 

彼は激動の人生の果てに、何一つ失うことなく旅を終えることができた。

 

最後に彼が見つめていたのは窓の向こうに広がる夕焼けだったという。

 

その表情に苦しみや後悔はなく、ただ懐かしいものを見つめるような、穏やかな笑みだけがあった。

 

まるで半年先を歩く最愛の妻に、「待たせたな」とでも語りかけるように。

 

こうして、選ばれし者アナキン・スカイウォーカーは、英雄としてでも、恐怖の象徴としてでもなく。

 

多くの者に愛され、多くの者を愛した、一人の人間として、その長い生涯を静かに終えたのだった。

 

 

 

 

さて、そんなアナキンがなぜ霊体になってまでここにいるか?

 

その理由はすごく単純で、俺とパルパティーンがはちゃめちゃなフォース探究の旅をしてると知ったからである。

 

もっとも、知った瞬間に「面白そうだから行くか」と軽いノリで決めたのか、「放っておくと絶対に何かやらかす」と危機感を覚えたのかは定かではない。

 

ただ一つだけ確かなのは、この二人の珍道中に自分も混ざりたくなったのは間違いないということだ。

 

もとは単なる宇宙船であった俺とパルパティーンの愛機は、アナキンによって魔改造され、「サウザンド・アドベンチャー号」という名前にまで改名されている。

 

エンジン出力の増強、生活区画の拡張、何故か追加された作業スペースに、謎の収納庫。そして銀河中を飛び回ることを前提とした長期滞在設備まで搭載されていた。

 

もはや冒険船というより、移動式の秘密基地兼キャンピングカーである。

 

ちなみに命名した本人は大変満足そうな顔で、「冒険するなら名前は大事だ」と力説していた。

 

ちなみに、改造を受けたのはアナキン没後。

 

つまりアナキンもフォースの霊体なのだが、なんと実体化もできる。さすがは選ばれしもの。クローン戦争で片腕失ってないし、パドメも無事だし、孫まで抱っこしてるんだからパーフェクトアナキンとはまさにこのことである。

 

しかも本人はその異常性を全く自覚していない。霊体なのに工具を持ち、レンチを回し、普通に船を改造する。おまけに疲れたら椅子に座ってコーヒーまで飲む。

 

いや、もうお前霊体じゃないだろ。

 

フォースの霊体の概念を根底から覆している。

 

「船につけていた発信機がロストしたんで、ログのフォースを辿ってきてみれば……まさか過去に来ているなんて思わないじゃないですか」

 

「ちょっと待って?俺のフォースを辿って?どうやってそんなことを?」

 

「ログのフォースくらい辿るのは簡単だろ?」

 

「やっべ、本人できるからってとんでもない技術をさらりと流されてる気がする」

 

さらっと言っているが、これがどれだけ異常なのか分かっているのだろうか。

 

銀河は広い。星系の数だけでも天文学的な数字だ。

その中から特定個人のフォースを感知し、しかも時間を超えて追跡してここまで来たというのだ。

 

最早フォースGPSである。

 

「うんうん、それもまたフォースだ」

 

「マスターは思考放棄しないでちゃんと向き合って」

 

この人、自分の理論が通用しない事象と遭遇するとすぐこうやって思考放棄するんだから。

 

だが、我がマスターはどこか満足そうに頷いていた。

 

「これ、余にもできるかもしれんな」

 

「お願いだから変なところで向上心を発揮しないでください」

 

「何を言う。ロマンではないか」

 

「時間を超えて個人を追跡する能力のどこにロマンを感じてるんです?」

 

「もし迷子になっても合流できる」

 

「用途がバカみたいに広いテーマパークでの待ち合わせレベルなんだよなぁ……」

 

俺が頭を抱えていると、アナキンは苦笑しながら肩をすくめた。

 

「まあ、ログたちが無事ならそれでいいですよ。……それに」

 

そう言って彼は周囲を見回す。

 

帝国軍の施設。白い装甲板で構成された無機質な通路。そして遠くから聞こえてくる機械音。アナキンは一拍置いてから、何とも言えない顔で言った。

 

「やらかしていた頃のログがどこかにいるんですよね、ここ」

 

その声音には呆れと、少しの懐かしさが混じっていた。

 

かつて共に戦い、共に馬鹿をやった友人。その友人が人生最大級のやらかしを披露していた時代に、こうして偶然迷い込んでいるのだから、複雑な気持ちにもなるだろう。

 

「うむ、おるな。間違いなく」

 

隣ではパルパティーンが妙に自信満々に頷いている。いや、なんで分かるんだ。というか、あなたも当事者側でしょうが。

 

「……まぁデラックスヴェイダーなりきりセットでやらかしていたのは事実だけど見つけに行こうとしないでね?マジで」

 

あの頃の自分を思い出しただけで胃が痛い。黒いアーマーに身を包み、フォースの意思だ何だと盛大に拗らせ、銀河中を巻き込んだ挙句、ジェダイ・テンプルまで襲撃した。

 

あの頃はどっぷりフォースの意思に浸かっていたとは言え、やらかしたスケールのデカさは銀河レベルである。もし過去の俺と遭遇したら、たぶん今の霊体化して逃げる。

 

そう苦言を呈しながら言うと、俺たち三人はすぐに何かを感じ取った。

 

それは三人とも知っている感覚だ。フォースを通じて幾度となく触れた、懐かしい気配。

 

「ルーク……?」

 

アナキンの声に驚きと安堵が混じる。

 

「待て、オビ=ワン・ケノービもいる。それにハン・ソロもだ」

 

パルパティーンが珍しく目を見開く。

 

導かれるままに通路を進む。するとそこには懐かしきミレニアム・ファルコンの姿があった。俺やパルパティーンの船と同じく、どうやらトラクター・ビームに捕まった様子だ。

 

白い格納庫の中に鎮座する、少し歪な円盤型の船。

 

何度も見てきた船だ。仲間との思い出も、馬鹿騒ぎも、銀河を揺るがした戦いも、この船と共にあった。アナキンは思わず息を呑む。

 

「……懐かしいな」

 

その一言には、何十年分もの記憶が詰まっていた。ということは、あれにはアナキンも乗っていると言うことになるのだが……。

 

「アナキンのフォースがない……?」

 

ふと、パルパティーンが小さく呟く。アナキン自身も自分のことは一番自分が分かっている。

 

あの船には自分は乗っていない。

 

まさかタトゥイーンに残ったのか?

 

そう考えている中、俺にはひとつの可能性が浮かび上がっていた。

 

そう、俺たちは正史とは外れた世界の存在……いいなれば、二次創作でオリキャラが好き勝手暴れて原作改変された世界の未来から来たメンツである。

 

正史ではここにいるはずなのは、黒いマスクを被り、機械の身体になったダース・ヴェイダー。

 

だが俺たちの世界には、そんなアナキンはいない。

 

だからこそ、俺一人だけ、じわじわと嫌な予感が背中を伝っていく。

 

なんだろう。この、「作者も何も考えずに時空をいじった結果、設定の整合性が爆発する直前」みたいな感覚。できれば当たっていてほしくない。だが大抵こういう予感は、当たる。

 

俺たちはひとまずミレニアム・ファルコンから離れて行動する。

 

「でも、どうする?ハンやルークに見つかっても面倒ごとになるぞ」

 

「フォースのまやかしでは通用しないだろう……うむむ、困った」

 

ルークには俺たちのフォースを知られている。

 

オビ=ワンに至っては言わずもがなだ。

 

下手をすれば、「なんでタトゥイーンにいるはずの父さんがいるんだ?」とか、「パルパティーンがなぜここに!?」という、とんでもない状況説明から始めなければならない。

 

面倒くさい。とてつもなく面倒くさい。そう頭を悩ましている中、三人のストームトルーパーが巡回のために角を曲がり、ばったりと俺たちと遭遇した。

 

「な、何者だ!?」

 

ブラスターを思わず構える三人。

 

だが、彼らの目の前にいるのは、銀河でも指折りのフォース使いが三人である。俺とパルパティーン、そしてアナキンは顔を見合わせてから、ほぼ同時に同じアイデアを思いついた。

 

そして、全員が無言で頷いた。

 

数分後。

 

見ぐるみを剥がされてロッカーに収められた哀れな帝国兵三人と、そしてストームトルーパー三人が爆誕していた。

 

なお、三人とも妙にノリノリである。

 

「このヘルメット見づらい……」

 

「しょうがないだろ、帝国兵は身長も規則で……」

 

「おい身長のことを言うなよ、殺すぞ」

 

「そう言うところ、ほんと死んでも治らないよな」

 

アナキンが呆れたように肩をすくめる。

 

「というか、なんでログと議長って毎回潜入すると兵士の服を奪う方向に行くの?」

 

「伝統だ」「ロマンだ」

 

「そんな伝統とロマンは捨ててきなさい」

 

三人のストームトルーパーは、白い装甲をガシャガシャ鳴らしながら帝国の通路を歩いていく。

 

その姿だけ見れば、ただの巡回兵。

 

だが中身は、元銀河皇帝に、銀河にバランスをもたらした英雄。そして黒歴史を抱えた元なんちゃってダース・ヴェイダー。

 

この時点で、このデス・スターの平穏は破られると言うことは、すでに約束されたようなものだった。

 

 

 

 




晩年のアナキン・スカイウォーカー

↓ 

フォース・アカデミーで教鞭を振るいながら、相変わらず好奇心旺盛にフォースの探究を続ける。

「知識は残さないといけないからな」と真面目な顔で言っているが、半分くらいは純粋な興味である。

新しい遺跡や古代の記録を見つけると、弟子たちから「またグランドマスターがいなくなった……」と呆れられる程度には放浪癖が残っている。



ある日、フォースの痕跡を辿るうちに、M87星雲付近でログとパルパルが大怪獣♂筋肉バトルを繰り広げている痕跡や、その他にも説明不能な異世界渡航の痕跡を発見。

「……何してるんだ、あの二人」

最初はフォースの残留思念かと思った。

だが調べれば調べるほど、どう考えても本人たちが実際にそこへ行っている。

しかも、一回や二回ではない。

世界を跨ぎ、時空を越え、行く先々で何かしらやらかしている。



「こいつはやべぇ」

銀河の英雄、元ジェダイ・グランドマスター、数々の修羅場を経験してきたアナキン・スカイウォーカーが、心の底からそう思う。

そこからは半ば使命感で、半ば保護者のような心境で二人の旅路の痕跡集めに奔走。

各地のフォースの残滓を調査し、

「何故か巨大ロボットの残骸がある……」
「何故か剣と魔法の世界の遺物がある……」
「何故かドラゴンの鱗がある……」

と、一つ発見するたびに頭を抱えるようになる。



さらに、「死んだ後だと追跡しづらいな……」という理由で、オビ=ワンや歴代ジェダイたちからフォースの霊体化技術を学ぶ。

そして何故か、

「触れないと不便だ」
「船の整備もしたい」
「説教するなら肩くらい掴めないと駄目だろ」

などという理由で技術改良を開始。結果、フォースの霊体なのに普通に実体化し、物を持ち、食事もできるという、またしてもよく分からない領域へ到達する。

オビ=ワンからは「アナキン……お前は相変わらずだな……」と苦笑された。



没後。

モンスターでハンターな世界で、ログとパルパルが古龍ミ○ボレアスを相手に大立ち回りを演じている現場へ到着。

そこには、討伐後の達成感に浸る二人の姿があった。

「いやー、危なかったですねマスター」
「うむ!実に浪漫であった!」

「何してるんですか」

「「アナキン!?」」



その後、二人は正座。
アナキンは腕を組み、静かに口を開く。

「まず聞きます。なんで伝説級のモンスターを狩っているんだ?」
「……成り行きで」
「なんでフォースの痕跡を完全に消して行方不明になっているんだ?」
「……成り行きで」
「なんでM87星雲で怪獣と殴り合いしてるんだ?」
「……成り行きで」

長い沈黙。

「アンタたち、もう少し自重しなさい」

銀河の英雄による、数時間にも及ぶ説教が始まるのであった。

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