アナキンの親友になって色々あって旅に出た英雄の話   作:紅乃 晴@小説アカ

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皇帝 ついに動く

 

 

 

ログとパルパティーンがスター・デストロイヤーを鹵獲し、艦内にいる艦長や士官をはじめ、指揮系統に関わる人間を片っ端からイエスマンへと魔改造していた頃。

 

さらには、自らは「皇帝特使」という立場を手に入れ、惑星ヴァードスで帝国内部の腐敗を監視・摘発する自浄組織の創設に奔走している。

 

文字だけを並べれば、帝国に対する史上最悪級の内部工作である。

 

だが、その張本人が他ならぬ元皇帝パルパティーン本人なのだから、皮肉にもほどがあった。

 

そんな皇帝陛下と、事情を知った上で「面白そうだから」という理由だけでノリノリに協力している親友ログの暴走など知る由もなく。

 

アナキンは、すっかり全員の振り回され役……いや、弟子兼ツッコミ担当として板についてきたダザン、そして表面上は常に冷静沈着でありながら、やることだけは容赦なくえげつないクワイ=ガンと共に、ガス惑星ベスピンへと到着していた。

 

雲海の彼方まで続く橙色の大気。巨大な採掘施設と居住区が一体化した空中都市、クラウド・シティは今日も何事もないように穏やかな姿を見せている。

 

しかし、その平穏は表向きだけだった。

 

帝国内でハン・ソロ捕獲の任務を請け負っている賞金稼ぎボバ・フェットから得た情報によれば、この惑星はまもなくハン・ソロと反乱軍のレイア・オーガナを誘き寄せるための罠として利用される予定だった。

 

つまり、この街全体が巨大な檻なのである。

 

マスター・オーウェン(アナキン)。ボバ・フェットの情報通りです。メインエリアには帝国軍部隊が一般市民の目につかないよう分散配置されています」

 

ダザンは周囲を歩く整備員や警備員に紛れながら、小型スキャナーで周辺を確認し、小声で報告した。その視線の先には、作業員を装っているものの軍人特有の隙のない立ち姿をした男たちが何人もいる。装備こそ隠しているが、歩き方や視線の配り方まで誤魔化すことはできない。

 

貨物エリアの一角、人目につかない格納スペースへ静かに着陸したサウザンド・アドベンチャー号。

 

クワイ=ガンは船の警戒と緊急離脱の準備を引き受け、アナキンとダザンは何気ない旅行者を装ってクラウド・シティへ足を踏み入れた。

 

その瞬間、アナキンの胸に奇妙な感覚がよぎる。

 

この場所には覚えがある。

 

かつて、自らの手で殺した親友への焦燥と恐怖を感じながら訪れた未来。そして暗黒卿ダース・ヴェイダーとの邂逅。それが胸の奥に鈍い痛みを残していた。

 

「そのようだな。それに……ヴェイダーも、すでに到着しているようだ」

 

アナキンは視線だけを静かに空港区画へ向ける。

 

そこには帝国軍の紋章を掲げたインペリアル・シャトルが堂々と停泊していた。フォースを通しても、ごく微かではあるが、あまりにも馴染み深い暗黒面の気配が漂ってくる。

 

あれは間違いなく、自分自身だった男。

 

ダース・ヴェイダー。

 

だが、ここでフォースを深く探れば話は別だ。位置を特定できるほど感覚を研ぎ澄ませば、向こうもまたこちらの存在を察知する可能性が高い。

 

ヴェイダーほどの使い手なら、その僅かな揺らぎすら見逃さない。

 

「……フォースに頼るのは厳禁だ」

 

自分自身に言い聞かせるように呟き、アナキンはゆっくりと視線を戻した。

 

今、この街で必要なのはジェダイの勘ではない。何食わぬ顔で街に溶け込み、獲物を待つ狩人より先に盤面を動かすことだった。

 

マスター・プレイガス(パルパティーン)からのお願いとは、何なんですか?」

 

周囲を警戒しながら歩くダザンが、小声で問いかける。その表情には純粋な疑問が浮かんでいた。パルパティーンが頼み事をするなど滅多にない。それだけに、その意図が気になって仕方がなかった。

 

アナキンは苦笑しながら肩をすくめる。

 

「なに、簡単な話さ」

 

まるで散歩にでも誘うような気軽さで続けた。

 

「俺たちには”見届け人”になってほしいんだってさ」

 

「……見届け人?」

 

ダザンは眉をひそめる。

 

「どういうことです?」

 

「見ていればわかる」

 

それだけ告げると、アナキンは歩みを止めることなく、ずんずんとクラウド・シティの内部へ進んでいった。磨き上げられた白い通路。巨大な窓の向こうには、果てしなく続く黄金色の雲海が広がっている。

 

一見すれば銀河でも屈指の美しい観光都市。

 

しかし、その裏では帝国軍が静かに牙を研ぎ、反乱軍を誘い込むための罠が完成しつつあったが、今回、自分たちに与えられた役目は戦うことではない。

 

ダース・ヴェイダーが何を選び、どのように動くのか。

 

そして、ルーク・スカイウォーカーとの運命の対決が、どのような結末へ至るのか。

 

その一部始終を見届けること。それがパルパティーンから与えられた任務だった。

 

アナキンにとって、このクラウド・シティは忘れようにも忘れられない場所である。

 

かつての世界では、ここは苦い記憶の象徴だった。

 

もっとも、その苦さも今では半分ほど笑い話になってしまっている。

 

ログが「ヴェイダー・デラックスなりきりセット」などという悪夢のような代物でやらかしているのも、銀河中を引っかき回した元凶だと確信したのも、このクラウド・シティだった。

 

あの時は頭を抱えたものだが、今となっては、本人も周囲も笑い飛ばしている。

 

さらに隣を歩くダザンも、元いた世界ではカイロ・レンを名乗り、ルークと幾度となく激突していた男だ。

 

そして、この惑星では帝国軍内部でも大きな事件が起きた。武官派へ対し、統治派が水面下でクーデターを仕掛けるという前代未聞の政変。あの時代のクラウド・シティは、戦場であると同時に政治闘争の舞台でもあった。

 

だが、この世界は違う。

 

しかし、歴史はすでに大きく歪み始めている。ログとパルパティーンが好き放題にやっている以上、同じ結末になる保証などどこにもなかった。

 

だからこそ、自分は見届ける。この世界で、運命がどのような形へ変わっていくのかを。

 

そしてアナキン自身、意識していたわけではない。

 

だが、胸の奥底では一つの決意だけが、いつの間にか揺るぎないものとなっていた。

 

ルーク、そしてレイア。

 

たとえこの世界の二人が、自分の知る息子と娘とは違う人生を歩んできた別人だったとしても、自分にとっては、やはりかけがえのない子供たちだった。

 

父親として過ごした時間はなくとも、抱き締めた記憶がなくとも、その想いだけは、本物だった。

 

アナキンは誰にも聞こえないほど小さく息を吐く。

 

(何があっても、お前たちだけは守る)

 

その決意だけは、どんな未来に書き換えられようとも、決して揺らぐことはなかった。

 

 

 

 

コルサント。

 

帝国暦ではインペリアル・センターと呼ばれるその惑星都市は、銀河全域の政治、経済、文化の中枢として君臨する巨大都市惑星だった。

 

地平線の果てまで無数の超高層建築が林立し、その頂は雲を突き抜ける。

 

昼夜を問わず無数のスピーダーが空を飛び交い、惑星全体が一つの巨大都市として脈動している。

 

ここは銀河帝国政府の首都。

 

そして銀河皇帝が絶対的な権威をもって銀河を支配する、帝国そのものの心臓部だった。

 

その中心部、インペリアル・シティ。

 

かつてジェダイ・オーダーの総本山だったジェダイ・テンプルは、今や完全に姿を変え、皇帝の居城― ……インペリアル・パレスとなっている。

 

ジェダイの象徴だった神殿は、シスによる勝利の記念碑へと生まれ変わっていた。

 

その最深部。玉座へ続く静まり返った執務室で、ダース・シディアスはヴェイダーからもたらされた報告書を何度も見返していた。

 

だが、どれだけ目を通しても、その内容だけは受け入れ難い。

 

「……信じられぬ」

 

低く漏れた声には、怒りよりも困惑が滲んでいた。

 

ダース・プレイガス。

 

その名が脳裏に浮かぶたび、シディアスの黄金色の瞳がわずかに揺らぐ。冗談にしても笑えない。

 

かつて自らの手で葬り去ったシス・マスター。

 

己が唯一乗り越え、そして殺した存在。

 

その名を騙る者が現れたというだけでも不愉快極まりない。だが、さらに不可解なのは、その人物がヴェイダーを完膚なきまでに打ち破ったという事実だった。

 

ヴェイダーは銀河でも屈指の実力を持つ暗黒卿であるが、そのヴェイダーが手も足も出なかった。しかも、相手は余裕すら見せていたという。

 

それだけで異常だった。

 

二人のシス。自分こそが銀河唯一のシスであり、シスの頂点である。その確信を抱き続けてきたシディアスにとって、それは世界の法則そのものを否定されるに等しい異物だった。

 

そして問題は、それだけではない。

 

帝国中央アーカイブでは、自分の記憶には一切存在しない計画が承認されていた。さらに複数の機密データに改竄の痕跡まで見つかっている。

 

だが、この件は情報局にも、側近にも知らせることはできなかった。

 

理由は単純。データ上、それらを承認した人物は……皇帝シディアス本人だったからだ。

 

シディアスの生体認証に、皇帝専用パスコード。それらは帝国内でも最高機密中の最高機密。知る者は極めて限られており、仮に漏洩の危険が生じれば、自ら命を絶つことすら厭わない忠臣だけが扱う情報である。

 

それほどまでに厳重な防壁にもかかわらず、その侵入者は何一つ偽装していなかった。正面から堂々と認証を突破し、自分自身としてデータベースへアクセスし、平然と改竄を行っている。

 

あまりにも自然で、あまりにも完璧だった。

 

だからこそ、シディアス自身ですら、それを「不正アクセス」と断じることができない。まるで、本当に自分が承認したかのような完成度だった。

 

さらに厄介なのは、その改竄された情報が何に紐づいていたのか、その痕跡だけを残してすべて消されていることだった。

 

承認履歴はあるし、改竄された記録も残っている。だが、その先にある計画書、命令書、人事記録、輸送計画、艦隊運用。それらは綺麗に切り離され、後追い調査が一切できないよう処理されていた。

 

痕跡だけを意図的に残し、肝心の実態だけを完全に隠している。それは、相手が「侵入できる」ことを見せつけるためだけに痕跡を残したかのようだった。

 

「……余の知らぬところで、何かが始まろうとしているのか」

 

静かな執務室に、その呟きだけが響く。シディアスは玉座に深く腰掛け、ゆっくりと目を閉じた。

 

怒りはある。自分を出し抜いた存在への激しい憎悪もある。ヴェイダーを徹底的に敗北させた何者かへの警戒もある。

 

だが、それ以上にその胸の奥底では、抑えきれない欲望が静かに膨れ上がっていた。

 

(何者だ……)

 

ダース・プレイガスを名乗る男。自分と同等、あるいはそれ以上の知識を持ち、帝国中枢を我が物顔で歩き回る存在。

 

それが本当にプレイガスなのか。

 

あるいは、まったく別の何者なのか。

 

恐怖ではなく、畏怖でもない。シスとして、そして知識を渇望する探究者としての本能が、その正体を知りたいと激しく求めていた。

 

「尋問官を派遣されますか?」

 

静寂を破ったのは、皇帝を政治面、統治面の両方で支える側近だった。

 

抑揚のない声。だが、その問いには皇帝の意向を探る慎重さが滲んでいる。

 

シディアスはゆっくりと首を横へ振った。

 

「ヴェイダー卿の報告では、アプレンティス一人に対し、四人の尋問官が斬られたとのことだ」

 

その声音には、尋問官たちを惜しむ色は微塵もない。所詮は使い捨ての駒。だが、その駒を容易く斬り伏せた相手には興味を抱いていた。

 

「今さら送り込んだところで、どうにもなるまい」

 

静かにそう言うと、シディアスは玉座から立ち上がった。

 

漆黒のローブが床を滑るように揺れる。その動きに合わせるように、部屋の隅で待機していた数名のインペリアル・ガードが無言で後ろに付き従った。

 

「余は少し出る」

 

振り返ることなく歩きながら告げる。

 

「留守を任せるぞ」

 

「はっ」

 

側近は深く頭を垂れ、その背を見送る。広大なインペリアル・パレスの回廊を歩くシディアス。

 

誰もが道を開け、頭を垂れる。

 

その姿は、まさしく銀河皇帝そのものだった。

 

「余を謀ろうとしたこと……」

 

黄色い瞳が妖しく細まる。

 

「フォースの偉大さを思い知らせてやろう」

 

低く漏れた笑い声が長い回廊へ響き渡る。やがてシディアスは、パレス内の専用ハンガーに停泊しているインペリアル・シャトルへと歩みを進めていった。

 

その姿には、まだ誰も気付いていない。

 

自分が今から向かおうとしている相手こそ、自らの人生最大級の頭痛の種になろうとしていることを。

 

 

 

 

「あ、余、動き出したな」

 

時を同じくして。

 

帝国中央アーカイブへ堂々と不正アクセスし、皇帝専用権限で好き放題データを眺めていたパルパルが、天気予報でも見るような気軽さで呟いた。

 

「言わんこっちゃない」

 

俺はため息交じりに返事をしながら、シャトル内の調理場から出来立ての昼食を運んでくる。

 

ちなみに現在の格好はエプロン姿。

 

皇帝特使専用シャトルの執務室と調理場を、皿を持って何度も往復していた結果、事情を知らない乗組員たちは全員、

 

(……なんで皇帝特使の側近がエプロン姿なんだ?)

 

という、何とも言えない顔で俺を見送っていた。

 

気持ちはわかる。俺も最初は「何で俺が皇帝の特使専用シャトルで飯作ってんだ?」と思ったから。

 

「はい、お待たせ」

 

パルパルの机へ一皿ずつ並べていく。

 

今日の献立は、ヴェルシオ提督が偉大なる皇帝陛下の特使の期待に応えるべく献上してくれた高級食肉を贅沢に焼き上げたステーキ。

 

味付けは、わさび醤油ベースの特製ソース。

 

さらに炊きたての白米に、豆腐とわかめの味噌汁。ほうれん草と青菜の和え物まで添えた、完全なる和定食である。元銀河皇帝専用ランチにしては、妙に家庭的だった。

 

「おぉ……!」

 

パルパルの目が輝く。さっきまで帝国中枢をハッキングしていた元皇帝とは思えない反応だった。

 

ちなみに、パルパルの食事は基本的に俺が作っている……いや、正確には俺が作らされている。

 

全員で行動している時の料理当番も、ほぼ俺だ。

 

理由は簡単。もともと俺は異世界転生者。日本人として育った味覚を持っていた。

 

昔、地球によく似た異世界へ行き、魔法少女たちと一緒に魔女退治をしたことがある。その時、懐かしさから何気なく和食を振る舞った。

 

白米に味噌汁、焼き魚、煮物。

 

ただ、それだけだった。

 

ところが……。

 

「これ、おいしい」

 

と箸を止めなくなったのがパルパルだった。

 

それ以来、

 

「今日も和食!」

「昨日も和食!」

「洋食は嫌!」

「これじゃないと食べないもぉん!」

 

……などと、元銀河皇帝の威厳をどこかへ置き忘れたように駄々をこね始めた結果、「じゃあ俺が作るから静かに食え」という流れになり、現在に至る。

 

帝国を裏から操る元皇帝。その胃袋を裏から支配しているのは、皮肉にも俺だった。

 

もっとも、食材には困っていない。

 

地球に類似した世界へ行くたびに醤油や味噌、だしなどの和食用調味料は必ず補充しているし、フォースの古代遺跡で発見した……拡張空間収納アイテム……見た目は小さな収納箱なのに、中は倉庫並みの広さを持つ代物にも大量の保存食や調味料をストックしてある。

 

乾物もあるし、昆布もある。鰹節もある。醤油も味噌もまだ十分。唯一、少し心許なくなってきたのが米くらいだ。

 

そろそろ地球に似た世界へ寄って補給しておきたいところではある。

 

俺はパルパルの前へ定食を置き、自分の分も配膳すると向かいへ腰を下ろし、両手を合わせる。

 

「いただきます」

「いただきます」

 

銀河皇帝とその弟子による、実に庶民的な食事が始まった。

 

「まぁ、ここまでやってもスルーするようなら、コルサントにダイナミックエントリーしてシスの復活を目撃させるつもりだったのだが」

 

味噌汁をすすりながら、とんでもないことをさらりと言う。危うく俺は白米を吹きそうになった。

 

「え、何ですかそれ。聞いてないんですけど?」

 

「何のために帝国ID付きのシャトルを手に入れたと思っとるのだ?」

 

「……」

 

平然と答えるパルパル。

どう考えても正気じゃない。

 

「二人でコルサントに乗り込んで……しかも皇帝がいるインペリアル・パレスに?……できるか」

 

「できるのぅ」

 

「本人だし」

 

「本人だからのぅ」

 

そこだけは否定できなかった。大体の関所は顔パスで、身分証も本人、生体認証も本人、音声認証も本人。

 

下手をすれば皇帝専用ハンガーへシャトルを横付けし、「お帰りなさいませ、陛下」と迎え入れられ、そのままインペリアル・パレス最奥部まで誰にも止められず進めてしまう。

 

「意外とコルサントの防備って、ちょろいのでは?」

 

「余以外なら世界一堅牢じゃよ」

 

パルパルはレアに焼き上げられたステーキへ醤油を少し垂らし、その上へわさびを乗せる。口へ運んだ瞬間、目を細めた。

 

「うむ……うまい」

 

完全に食レポである。

 

「ただ、まぁ」

 

肉を咀嚼しながらニヤリと笑う。

 

「ようやく余が重い腰を上げたのだ。その重い腰を、存分に軽くしてやるとしよう」

 

その笑顔が、一番信用できない。

俺は深いため息をついた。

 

「無茶だけはしないでくださいよ?」

 

白米を口へ運びながら釘を刺す。

 

「だからヴェイダーの様子見も、面倒になるのが目に見えてたからアナキンたちへ任せたんですから」

 

「任せて任せて」

 

パルパルは親指を立てる。

 

「余自身のことよ?余が一番よく分かっておる」

 

「この世界のパルパルが茫然自失になったら?」

 

「うんうん。それもまたフォースだね」

 

「この世界のパルパルが俺たちを抹殺しようとしたら?」

 

「うんうん。それもまたフォースだね」

 

「帝国軍総動員で追われることになったら?」

 

「それもまたフォースだね」

 

「銀河内乱が始まったら?」

 

「それもまた……」

 

「フォースだね、ですよね」

 

「うむ」

 

「ぜんっぜん信用ならねぇ」

 

俺は苦虫を噛み潰したような表情をしてから味噌汁を飲む。

 

目の前にいるのは銀河史上最大の暗黒卿……なのだが。今の姿は、和食を頬張りながら「全部フォースだからヨシ!」と言い切る、どうしようもない元皇帝でしかなかった。

 

 

 

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