アナキンの親友なって色々あって旅に出た英雄の話   作:紅乃 晴@小説アカ

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前作の続きだからのんびり連載しようと思ってたらランキング上位に食い込んでて草


失ったものと、失いながらも得たものと

 

 

青と赤の光刃が幾度と音を立ててぶつかり合う。

 

甲高い金属音にも似た衝撃音が、静まり返っていた通路へ何度も反響する。青い光と赤い光が交差するたび、周囲の壁や床に長い影が生まれては消え、火花が散っては重力に従って床へと落ちていった。

 

その動きは先ほどの達人のような、一合に幾つもの読み合いや意識外の攻防が行われているものではなく、フォースの流れに沿うような連続した攻防であった。

 

まるで激流の川に身を委ねるように、一撃を防げば次の一撃へ、一歩を踏み込めば自然と次の動きへと繋がっていく。剣戟そのものが一つの流れとなり、途切れることなく循環しているかのような戦いだった。

 

方や漆黒の甲冑とマントを翻し、怒りや恐れ、負の感情を力の源とするダークサイドの使い手。

 

黒いマントが翻るたび、生命維持装置の重々しい呼吸音が響く。その一挙手一投足からは圧倒的な威圧感と暴力的なフォースが滲み出ており、怒り、後悔、憎悪、そして失ったものへの執着が、赤い光刃と共に迸っていた。

 

それに対するのは、自然的な流れや、フォースのゆらめき、光に固執せず、己の中にあるフォースと向かい合った故に得られる自然的なフォースを使う相手であった。

 

その動きには力みがない。呼吸をするように足を運び、風が木々を揺らすようにセーバーを振るう。光に執着することも、闇を否定することもなく、ただ己の中に存在するフォースをありのまま受け入れ、その流れに身を任せている。

 

まるでフォースそのものが人の形を取って戦っているかのような、不思議な静けさを纏っていた。

 

困惑と混乱。それらを振り払うように正体不明の怒りや妬みをエネルギーに変えてヴェイダーは剣戟を放つが、その全てが「余裕」を持って受け流されていく。

 

重い一撃。速度を乗せた斬撃。力任せの連撃。

 

そのどれもが、まるで子供の癇癪をいなすかのように、最低限の動きだけで流されていく。

 

その姿はヴェイダーの癇に障った。

 

何故だ。何故、そんな目で自分を見る。何故、自分の全てを知っているように、何もかも見透かしたように戦える。

 

理解できない感情が胸の奥から湧き上がり、それがまたダークサイドを肥大させていく。

 

すっかり戦いから置いていかれたオビ=ワン。ヴェイダーと戦うのは、ライトセーバーを握るストームトルーパーという……あんまりな相手。しかし、その動きの源流には覚えがあった。

 

自分の出る幕などない。そう悟ってしまうほど、二人の間に流れる空気は異質だった。

 

目の前にいるのは帝国軍の一般兵にしか見えない。しかし、その一挙手一投足から漂うものは、長い年月をフォースと共に歩み続けてきた熟達者のそれだった。

 

かつて、自分の弟子が愛用し、そして自らのライトセーバーの基礎とした流れるような動き。その洗練された動きは、かつての弟子が目指したライトセーバーテクニックの頂点とも言える動きだと言えるものだった。

 

荒々しさと繊細さ。

 

攻撃と防御。

 

力強さと流麗さ。

 

その全てが高い次元で融合している。

 

それはかつてのアナキンが追い求め、結局は辿り着くことができなかった理想の姿。

 

もしも彼が闇へ堕ちず、戦いではなくフォースとの対話を続けていたなら……。

 

そんな「あり得たかもしれない未来」が、今まさに目の前で剣を振るっているように見えた。

 

攻めあぐねるヴェイダーは力任せにその形勢を掴もうとセーバーを振るうが、その一閃は紙一重で躱わされ、ヘルメットの一部を傷つけるのみで終わり、逆にフォースプッシュでヴェイダーは大きく後ろへと後退を余儀なくされた。

 

見えない衝撃が全身を打ち据え、漆黒のブーツが床を削る。

 

一歩、二歩、三歩。

 

普段ならば微動だにしない巨体が、強制的に後退させられる。背後の壁へ叩きつけられる寸前で、ヴェイダーはようやく体勢を立て直した。

 

「その動き……そのフォース……貴様は……」

 

洗練されたデス・スターの壁を背にしたヴェイダーは、陽炎のように立ちのぼるフォースを激らせる。

 

間違うはずはない。感じたフォースに嘘はあり得ない。まやかしだと否定する心を感じ取ったフォースが石槌で殴ってくるように本物だと叩きつけてくる。

 

忘れるはずがない。生まれた時から共にあり、ジェダイとして生き、そしてダークサイドへ堕ちてなお決して手放せなかったもの。

 

そのフォースの「響き」を。

 

記憶の奥底へ押し込め、二度と会うことはないと自ら葬り去ったはずの存在。

 

だが、目の前の人物から感じるフォースは、あまりにも自分自身に似すぎていた。

 

戦いに耐えきれなくなったストームトルーパーの装甲服は止金がバラバラと音を立てて外れ、プラストイド合成の白いプレートが床を叩いた。

 

乾いた音が通路に響く。

 

肩当てが落ちる。

 

胸部装甲が滑り落ちる。

 

腕部のプレートが次々と床へ散らばり、白い破片となって転がっていく。

 

まるで長い間被っていた仮面を、一枚ずつ脱ぎ捨てていくかのようだった。

 

残ったヘルメットも、ヴェイダーの一閃を受けた場所からひび割れ、二つに割れて剥がれ落ちる。その装甲の中に居たのは、全盛期の姿を取り戻した……ありし日のアナキン・スカイウォーカーそのものであった。

 

整えられた金髪。

 

青い瞳。

 

かつてジェダイの英雄と謳われ、共和国軍を率いて戦場を駆け抜けた若き騎士。

 

オビ=ワンが知る最愛の弟子であり、ヴェイダー自身が二度と見ることはないと思っていた過去そのもの。

 

そこに立っていたのは、紛れもなく……ありし日のアナキン・スカイウォーカー、その人であった。

 

「僕はアナキン・スカイウォーカー。……〝ただの〟アナキンだ」

 

静かな声だった。名乗りに誇りもなければ、自嘲もない。ただ事実を告げるだけの、穏やかな響きだった。

 

だが、その一言はヴェイダーの胸に深々と突き刺さる。

 

アナキン・スカイウォーカー。

かつて自分が名乗っていた名前。

 

オビ=ワンに否定され、皇帝によって捨て去られ、自らも墓標のように心の奥底へ葬り去った名前。

 

それを、目の前の男は何の迷いもなく口にした。

 

「ありえないっ!!」

 

絶叫と共に、ヴェイダーは真っ赤なライトセーバーを投擲する。

 

空気を切り裂きながら、赤い光刃が高速回転を始める。その軌跡はまるで血で描かれた円環のようだった。

 

しかし、アナキンは冷静だった。迫り来るライトセーバーを青い光刃で軽く受け流す。火花が散り、赤い光は僅かに軌道を変えて壁を掠める。

 

その余裕ある所作が、かえってヴェイダーの神経を逆撫でした。

 

すぐさまフォースの力で投げつけたライトセーバーを手繰り寄せたヴェイダーは、漆黒のマントをたなびかせて飛翔し、ありし日のアナキンへと斬りかかった。

 

重力を無視するような跳躍。黒い影が頭上を覆い、赤い光刃が一直線に振り下ろされる。

 

その斬撃には技術だけではない。

 

否定、恐怖、認めたくないという悲鳴にも似た感情が乗っていた。

 

「オビ=ワン! 貴様の作り出した幻影か!」

 

怒りを爆発させるヴェイダーは、フォースグリップをオビ=ワンに仕掛けるが、オビ=ワンも自身のフォースで迫り来る殺意を封じる。

 

見えない力と力が空間の中ほどで激突する。

 

通路の照明が明滅し、床に散らばった白い装甲片がカタカタと震えた。

 

オビ=ワンは歯を食いしばる。目の前で起きている出来事が、自分にも理解できていなかった。

 

だが、一つだけ分かることがある。

 

あれは幻影ではない。

 

幻影であるならば、フォースがここまで強く、鮮明に存在を主張するはずがない。

 

「違うぞ、ヴェイダー。僕は誰かに生み出された幻影じゃない」

 

アナキンは横一文字に青いライトセーバーを構えてヴェイダーの一撃を受けながらも、静かにそう言葉を返す。

 

青と赤の光刃がぶつかり合い、二人の顔を交互に照らす。

 

その言葉にわずかな動揺が見えた。

 

呼吸音が乱れる。

 

赤いレンズの奥で、黄金の瞳が見開かれているのが分かるかのようだった。

 

ライトセーバーを閃かせてヴェイダーの殺意とダークサイドの力に満ちた攻撃を繰り出す。重い攻撃の全てを、アナキンは無駄のない動きで捌いていく。そして、その攻防の最中に、アナキンは理解できた。

 

彼は、フォースの意思に肉体を委ねたログではない。

 

ムスタファーでの戦い。

 

焼けつく熱気と黒く染まった空。溶岩の海が泡立つ轟音。オビ=ワンと共に、フォースの意思に身を委ねつつあったログ自身との最後の戦い。

 

ログのマスターであったメイス・ウィンドゥが持っていたライトセーバーと、ログ自身のライトセーバーの二刀流という猛攻。

 

まるで嵐そのものだった。紫と青の光刃が縦横無尽に走り、攻撃の隙間など存在しない。

 

決死の反撃で、オビ=ワンが片腕を引き裂いた時も、その威圧は全く衰えることなく……漆黒のドラゴンのように立ち塞がったログ。

 

その姿は、フォースの意志そのものだった。傷付き、血を流し、満身創痍でありながら、一歩たりとも退かなかった。

 

最後は、アナキン自身がその体をライトセーバーで穿った。

 

あの時の手応え……胸を貫いた青い光。

 

そして、倒れていく彼の顔。

 

それらは今も鮮明に覚えている。

 

ログ・ドゥーラン。

 

彼はアナキンに人を愛することを教えてくれた。

 

家族を大切にする必要さと、その絆の尊さ。

 

愛はダークサイドにもライトサイドにも通じ、そしてその二つにも縛られない無限の可能性があることを示してくれた。

 

ダークサイドも、ライトサイドも、その当事者たちが見つめた単なるフォースの側面でしかなかったが、愛と絆だけは、その二極化したものに囚われることなく、自由に二つを行き来できる。

 

怒りも、喜びも。

 

悲しみも、希望も。

 

人を想うという行為の中に全てが存在していた。

 

生き物は善悪と簡単に振り分けれるものではない。

 

失った悲しみも、得た幸せも、愛と絆で繋ぎ止めながら前に進んでいく。

 

それこそが文明を築いた存在が、その存在たらしめる証明なのだから。

 

だからこそ、目の前の存在が何であるのかも理解できた。

 

「お前は、僕なんだな。僕が〝知らず〟、〝気付かないまま〟……その道を辿ってしまった結果なんだな」

 

その声には責める響きはなかった。ただ、どうしようもない悲しみと、理解があった。まるで遠い未来で傷付いてしまった自分自身を見つめるような、そんな眼差しだった。

 

まるで憐れんでるような……その、ものの言い草に、ヴェイダーの中にある溶岩のような怒りは吹き出す。

 

脳裏に浮かぶのは炎に包まれたムスタファー。

 

失った母、失ったジェダイの誇り、失った妻。

守りたかった全て……。

 

それらが一瞬で噴火する。

 

「貴様に何がわかる!失ったことのない貴様に!」

 

マスク越しに吠える怒号は、ダークサイドに浸かり切った暗黒卿の声ではなく、失った苦しみの底に沈んでいたアナキンの声そのものだ。

 

その叫びは憎悪ではなかった。助けを求めることすら忘れてしまった、一人の男の悲鳴だった。

 

お前は失ってないじゃないか!

 

最愛の弟子も!兄のように慕った師との絆も!何よりも愛したパドメも!

 

それを失ってもいないくせに、何をいう!何がわかる!選ばれしものと持て囃されたのに、手駒のように使い捨てられた自分の何が!

 

胸の奥に押し込めていた感情が、堰を切った濁流のように溢れ出していく。

 

誰にも言えなかった。

 

誰にも理解されなかった。

 

母を失ったあの日から、自分は何かを失うことに怯えていた。

 

師を失うことを恐れ、弟子を失うことを恐れ、愛する人を失うことを恐れた。そして、その恐れから全てを守ろうとして……結局、何もかもを失った。

 

残ったのは焼け爛れた身体と、機械の呼吸音、そして消えることのない後悔だけ。

 

「貴様に!何が!わかるというのだ!!」

 

そう悲鳴のような声をあげてライトセーバーを構え、斬りかかるヴェイダーだが、その動きはまるで一時停止されたように止まる。

 

振り下ろされるはずだった赤い光刃が、空中でぴたりと静止する。

 

いや、ライトセーバーだけではない。

 

腕も、脚も、呼吸すら。見えない巨大な手に全身を掴まれたかのように、ヴェイダーの身体は完全に停止していた。

 

「……っ!?」

 

生命維持装置が苦しげな音を立てる。

しかし、指一本動かせない。

 

「哀れなものだ。そのようなことも理解できないとは……」

 

ヴェイダーとアナキンの間に割って入ったのは、これもまたストームトルーパーだった。

 

ただその手はまるで幽鬼のように構えられていて、そこから発する想像絶するフォースはヴェイダーの機械の肉体を完全に押し留めていた。

 

その姿は奇妙だった。

 

ただ立っているだけで、武器も構えていない。なのに、その場の空気そのものが変質していた。

 

空間が重くなり、皆の息が苦しくなる。フォース感応者であるオビ=ワンは思わず目を見開いた。

 

感じる……いや、感じてしまう。目の前の存在は、これまで出会ったいかなるジェダイとも、いかなるシスとも根本的に何かが違う。

 

まるで暗闇そのものが意思を持って立ち上がり、人の形を取ったかのような……そんな錯覚すら覚える。

 

「失うことの恐れ。それは自然的なことだ。誰しも愛するものとの別れは辛かろう。しかしだ」

 

そのストームトルーパーの声は、その場にいる全員を支配する。金縛りにあったようにその場にいる全員が動けず、真っ暗な暗闇から立ち昇ってくるような声を聞くことしかできなかった。

 

低く、静かで、どこか遠くから響いてくるような声。

 

だが、その一言一言には奇妙な重みがあった。

 

それは命令ではなく、威圧でもない。ただ、抗うことそのものが無意味だと本能に理解させる何かだった。

 

「だが、そうやって受け継がれていくのだ。失った痛みも、悲しみも、辛さも。それを忘れることなく、無かったものとせずに」

 

そう諭すような言葉。まるで長い人生の果てに辿り着いた答えを、迷う子供へ語り聞かせるような口調だった。

 

失うことは避けられない。

 

別れは必ず訪れる。

 

それでも人は前へ進む。

 

悲しみを捨てるのではなく、抱えながら。

 

痛みを消すのではなく、受け入れながら。

 

誰かから受け取った想いを、次へと繋ぎながら。

 

それが生きるということなのだと。

 

だが、ヴェイダーはそれでも止まらなかった。

 

「失わずに済む方法があると……それを無きものにできると……アンタは言ったじゃないか……!」

 

その声は怒りではなかった。

 

縋るような声だった。

 

あの日……コルサントの執務室で、愛する者たちの死への恐怖に震えていた自分。そこへ差し伸べられた甘い言葉。

 

愛する者を死から救う力がある。

 

それだけが希望で、それだけが救いだった。

 

だから全てを捨てた。

 

だから、ここまで堕ちた。

 

なのに……なのに、その先には何もなかった。

 

「その時は、その全てをわかっていなかったのだ。其方も……そして余であるこの私も」

 

静かな返答だった。

 

そこには言い訳も、弁解もなかった。

 

ただ、長い歳月を生き、ダークサイドの深淵を覗き込み、その全てを理解したつもりでいた自身でさえ、失う悲しみに耐えることはできないのだと気付かされたばかりだった。

 

かつては銀河を支配した。

 

数え切れない生命の命運を握り、人の感情も、生死も、運命すらも思いのままに操れると信じていた。

 

ダークサイドの知識を極め、禁忌とされた古代の文献を読み漁り、死者の世界にまで手を伸ばし、生命の神秘にすら干渉しようとした。

 

だが、それでもなお、自分自身もまた、失うことだけは、どうにもならなかった。

 

失う悲しみに耐えられなかったから、取り戻すためにあらゆる手を尽くした。

 

過去を探り、禁術を求め、銀河の果てに眠る遺跡を巡り、失われた知識を掘り起こし、フォースの可能性を何度も試した。

 

それでも……結局、自分の持つ力や知識は何の役にも立たず、求めたものを取り戻すことは叶わなかった。

 

どれほど強大な力を手にしても、失われた時間そのものを取り戻すことはできない。

 

どれほどダークサイドを極めても、人の心が抱える喪失を無かったことにはできない。

 

それを知らずに、皇帝として君臨する自分なら、そんな事実を決して認めなかっただろう。認めてしまえば、自分が積み上げてきた全てが否定されてしまうから。

 

しかし今は違う。

 

彼自身が戻ってきたからこそ、再び共に歩む機会が得られたという事実。

 

それは、自らの力で勝ち取ったものではない。誰かを愛し、誰かに愛され、その絆が途切れなかったからこそ与えられた奇跡だった。

 

自分一人の力ではなかった。ダークサイドの叡智でも、皇帝としての権勢でもない。ただ、人と人との繋がりが、もう一度手を伸ばす機会を与えてくれたのだ。

 

だからこそ、今ならわかる。

 

失うことを恐れるのは、決して弱さではない。

 

誰かを大切に思っていた証なのだと。

 

そして、その悲しみを抱えながら、それでもなお前へ進もうとすることこそが、生きるということなのだと。

 

ただ、事実だけを述べる声。

 

だが、その一言が、かえって恐ろしかった。

 

ヴェイダーも、オビ=ワンも凍りつく。

 

その口調。その言葉遣い。その圧倒的な存在感。

 

そして何より、そのフォース。

 

二人の脳裏に、同じ人物の姿が浮かぶ。

 

銀河共和国を終わらせた男。

 

クローン戦争の勝者で、銀河帝国を築き上げ、絶対の支配者として君臨する男。

 

まさか。

 

そんなはずがない。

 

しかし、フォースは残酷なまでに、真実を告げていた。

 

「はい!ここまで!終わりです!」

 

そう大声が、息をするのも躊躇われるような沈黙を引き裂く。

 

あまりにも場違いな声音だった。

 

重苦しい空気を、子供が授業終了を告げるかのような軽さで断ち切る。

 

同時に、ヴェイダーを圧していたストームトルーパーと、アナキン、そして呆然と見ていたオビ=ワンもまとめてフォースの力で手繰り寄せられる。

 

身体が宙へ浮き、抵抗する暇すらない。大穴を余裕で超えて、三人は対岸へと着地する。

 

ふわり、と。

 

まるで見えない手に優しく降ろされたかのような着地だった。

 

そのタイミングで、ミレニアム・ファルコンに乗るはずのルークやハン・ソロ、そしてレイア姫が姿を見せた。

 

「ベン!」

 

「急いで!」

 

切迫した声が響く。

現実が戻ってくる。

 

「アナキン!」

 

咄嗟に、オビ=ワンが振り返る。だが、そこにはすでに、ありし日のアナキンの姿はなかった。

 

静まり返ったその場には、二人分のストームトルーパーの装甲服だけが、まるで脱皮した後のサナギのように捨てられているだけだった。

 

まるで最初から、そこにいた人物など存在しなかったかのように。

 

 

 




ログ「二人揃って何やってんだぁーー!?」

前作で、ログとパルパルの会話ってぶっちゃけこういう解釈だと思うんだけど、どうかしらって感じで描いたんだけど、それがそのままパルパルヒロインルートに進む分岐とは作者でも気付かなかったわ。

この世界のパルパルをどうするか悩むぜ。けど、パルパル同士の談話とかはしたい。
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